『爆竜戦隊アバレンジャー』(ばくりゅうせんたいアバレンジャー)は、2003年(平成15年)2月16日から2004年(平成16年)2月8日までテレビ朝日系列で毎週日曜7:30 - 8:00(JST)に全50話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。スーパー戦隊シリーズ初の地上デジタル放送でもある。『恐竜戦隊ジュウレンジャー』と同じく恐竜をモチーフとし、枠組みに捕らわれず行動する元気や勇気を「アバレ」と表現してテーマに掲げている。「アバレンジャー」というタイトルは本作品の数年前からネーミング候補に挙がっていたが、恐竜というモチーフが荒々しく逞しいイメージに合うため採用された。ストーリー展開は多岐にわたり、例年に比べギャグコメディ色が強い一方、非常にハードかつシリアスな重いストーリーも展開された。毎回、スタッフ間で「アバレポイント」といわれる、視聴者を驚かすような型破りなシーン(展開)を入れるという制作方針があり、後述する『釣りバカ日誌』とのタイアップも、この「アバレポイント」の一環として行われた試みである。変身して名乗りを上げようとしたアバレッドをアバレキラーが攻撃する20話や、子供番組としてぎりぎりのベッドシーンが描かれた28話など、戦隊シリーズ初である意欲的な描写も多い。『仮面ライダークウガ』の続編を求める要望に応えるため、同作品にてメインライターを務めた荒川稔久をはじめとするスタッフ陣が、『クウガ』と同様のテーマを盛り込んだとされる。主人公たちのパートナーである爆竜は、人間と対等の知的生命体と位置付けられており、主人公たちと彼らの交流も重点的に描かれている。サブプロデューサーの塚田英明によれば、「5人のアバレスーツ着用者と10大爆竜とによる『15人戦隊』を描く」という意図があったという。 メンバー構成は前作と同様に3人構成を踏襲しつつも、司令官格のキャラも変身するという4人編成も兼ねた変則的なものとなっている。また、追加戦士のアバレキラーは、正規のスーパー戦隊の戦士でありながら、ほぼ全編アバレンジャーと敵対するという異色の存在として描かれた。また、パートナーである爆竜の特性を活かした「アバレモード」や、後半から登場したレッドの強化形態「アバレマックス」といった「多段変身」の概念を始め、OP前のアバンタイトル、CM前後に挿入されるアイキャッチのBGMの統一、本編のミニコーナーを導入、そして本編終了時の「つづく」に代わるタイトルロゴ表記など、後続の作品においても引き継がれた要素が複数導入されている。本作品では敵怪人が2系統存在し、従来の怪人に当たるトリノイドの他、巨人タイプの怪人であるギガノイドが不定期で登場する。ギガノイドはトリノイドとの関連性がほぼない独立した存在である。音楽を担当した羽田健太郎が司会を務めていた『題名のない音楽会21』(2003年5月4日放送分)で遠藤正明が挿入歌「爆竜合体!アバレンオー」を歌ったり、『子連れ狼』の登場人物が本作品に登場(本編第12話)したり、アニメ『釣りバカ日誌』との相互コラボレーションでお互いの登場人物が両作に登場(『釣りバカ』31話・本編第26話)したりと、テレビ朝日系の他番組とのコラボレーションも積極的に行われた。テレビ朝日の六本木ヒルズの新本社から放送の最初の作品でもある。恐竜が生息していた6500万年前(白亜紀末期から古第三紀初期)、地球に巨大な隕石が衝突。その衝撃によって次元の歪みが生じ、地球は人類が住む地球アナザーアースと異次元空間にある地球ダイノアースに分裂した。氷河期が訪れなかったダイノアースでは、恐竜が進化した知的生命体・爆竜と、人類によく似た種族・竜人が共存していたが、エヴォリアンを名乗る高度な科学力を持った侵略者集団との激しい戦いの末、壊滅的な被害を負う。そしてエヴォリアンはアナザーアースをも侵略し始めた。一方、ダイノアースでエヴォリアンに対するレジスタンス活動を行っていた竜人・アスカ(アバレブラック)もまた、アナザーアースを救うべく現れた。精神エネルギー「ダイノガッツ」を強く持つ者を求める彼の呼びかけに応えた伯亜凌駕(アバレッド)・三条幸人(アバレブルー)・樹らんる(アバレイエロー)の3人の若者は、アスカと共にアナザーアースを守るべく、爆竜と心を通わせてエヴォリアンと戦う。アスカ以外の4人は恐竜の生きた年代を、アスカたち竜人は日本の古代をそれぞれ連想させるネーミングがなされている。より強いダイノガッツの持ち主が「爆竜チェンジ」することにより、アタック・バンディット・レジスタンススーツ(通称アバレスーツ)を着る。劇中では、「アバレンジャー」や「アバレキラー」という名称・呼称は、いずれも「自称」である。名乗りの口上は「荒ぶるダイノガッツ!爆竜戦隊アバレンジャー!」。恐竜が金属の身体と高い知能を持って進化したダイノアースの生命体。詳細については設定・用語の項を参照。資料によっては邪命体エヴォリアンまたは侵略の園エヴォリアンと表記される。6500万年前、地球に衝突してアナザーアースとダイノアースを発生させる原因となった巨大な隕石に付着していたのが、エヴォリアンの神・デズモゾーリャである。デズモゾーリャはダイノアースで部下となる邪悪な生命体・邪命体を生み出して大軍団を結成。ダイノアースを滅ぼした後、アナザーアースに侵攻してきた。ダイノアースにある侵略の園と呼ばれる巨大な城を拠点としている。デザインは光る透明パーツが共通の意匠として取り入れられている。アバレンジャーの装備の大半は、竜人・アクガルをはじめとするダイノアースの賢者たちによって創られた。劇場版に登場する装備や爆竜については爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!を参照。爆竜たちがパートナーと心を一つにすることで爆竜合体できる。コクピットも細胞をイメージしたデザインになり、ダイノボールという操縦装置で爆竜と心を通わせる。他の爆竜を武装する形態を爆竜コンバインという。合体後は「完成!○○!」で戦闘開始。第2話から登場。ティラノサウルス、トリケラトプス、プテラノドンの3大爆竜が合体して誕生する戦闘巨人。初期メンバー3人がパートナー爆竜と一体化することで合体開始。ティラノが人型に変形後、トリケラとプテラが合体して完成。ティラノの攻撃力、トリケラの防御力、プテラの素早さを兼ね備えている。水中でも活動が可能。武器は、左腕のティラノドリル、右腕のトリケラパンチ、胸部から外して、ブーメランのように投げつけるプテラカッター。ティラノドリルを分離させて、右肩から分離したトリケラの尻尾を組み合わせるとダブルテイルソード、トリケラパンチの頭を外すとトリケラシールドになる。通常装備以外では、らんるが開発した体内電流増幅放射装置、バーチャル映像モードも備えた・電撃ビリビリアンテナを装備したこともある。技は、両目からレーザーの爆竜ブラスト、胸のティラノの口から火炎弾の爆竜ファイヤー、右腕のトリケラの目から透視光線を放つ。必殺技は、ダイノガッツを集めた左腕のドリルで敵を貫く爆竜電撃ドリルスピン。ダブルテイルソードを銛の要領で投げつける爆竜サーモンハンター。爆竜コンバイン時はトリケラが分離するか、ティラノの尻尾を体内に収納または外して他の爆竜と合体する。第20話から登場。トップゲイラーとステゴスライドンが爆竜合体して誕生した戦闘巨人。アバレキラーがゲイラーと融合してから合体を行う。ゲイラーの能力で可能とした合体であり、スピードとパワーに秀で、爆竜コンバインも行える。第43話では、不滅の中にいるアバレキラーに代わり、アバレブラックがステゴスライドンに融合した状態から合体・操縦を行った。ゲイラーの頭部と胴体で構成された大型槍のゲイルスピアを武器とし、空中前転しながら背中のヒレで攻撃するヒレストライク、顔からエネルギー弾を連射するデスコンバッションファイヤーを放つ。目や掌からも光線を発射。必殺技は、エネルギーを集めたゲイルスピアを敵に投げつける爆竜必殺デススティンガー、体内の電磁エネルギーを顔に集め、衝撃波として放つ爆竜必殺デスコンバッション。なお、デスコンバッションが決め手になったのは、狩戦のみ。デズモヴォーラを倒した後に、アバレキラーとゲイラーが死亡した為、キラーオーは失われた。第33話から登場。スティラコサウルスがダイノギャリーと爆竜合体して誕生した戦闘巨人。コクピットはスティラコの内部ではなく、ダイノギャリーに存在。キラーアバレンオーを上回るパワーと装甲を誇る。基本的にはアバレマックス単独で操縦するが、アバレブルーとアバレイエローが乗り込むこともある。アバレンオーと共同戦線を張る場合は、アバレマックスはアバレンオーに乗り込み、アバレブラックがマックスオージャの操縦を担当。最終決戦ではアバレブルーが操縦している。ランフォゴールドを手持ち武器とし、トマホークのように振るう。両肩にはドリルのショルダーアタッカーが備わっている。必殺技は、両肩のショルダーアタッカーを回転させて、敵に叩き込む爆竜必殺マックスショルダーアタック。ランフォゴールドを交差させて、エネルギーを集め、その先から敵を縛り上げる超高圧電流を流すマックスサンダースパーク。ランフォゴールドを交差させて、エネルギーを集め、光の刃を放つマックスクラッシャー。アバレンオー、キラーオーと共にダイノガッツを合わせたエネルギー波を放つ必殺爆竜大進撃アタックも使用。48話にて登場した悪の戦闘巨人。詳しくは爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!#爆竜/戦闘巨人を参照。数値は特記のない限り『爆竜戦隊アバレンジャー超全集』に基づく。爆竜合体には、次の16種類がある。ブラキオサウルス以外は全て爆竜合体に対応。「5人のアバレンジャーたちと『人間と対等の知的生命体』である10大爆竜たちとの交流による『15人戦隊』を描く」という方向性から、爆竜たちを担当する声優陣の人選には特に力が入れられ、ティラノサウルス 役の長嶝高士、ブラキオサウルス 役の銀河万丈、トップゲイラー 役の緑川光、ヤツデンワニ 役の津久井教生など過去作でレギュラー級を務めた声優が多く起用されている。本作品では専属のナレーションを設けず、これらの声優陣が進行役も兼任している。またこのうち銀河や、プテラノドン 役の篠原恵美らは第34話「ゲームをやろう! 突撃アバレ星」に顔出しでゲスト出演している。括弧内の数字は出演回。脚本面では、サブライターとしてシリーズに参加していた荒川稔久がメインライターを初めて担当する。この他久々の参加となった浦沢義雄や、前川淳、會川昇といった面々が脇を固める形となった。雑誌インタビューによると浦沢の起用を日笠淳プロデューサーに進言したのは荒川である。演出面では、パイロット監督に『救急戦隊ゴーゴーファイブ』以来2度目となる小中肇を起用。独特のシャープな映像で物語世界を構築するが、諸事情により初期の段階で降板を余儀なくされた。その他前作から続投の諸田敏、渡辺勝也に加え、アメリカから帰国した坂本太郎が本作品の途中からシリーズに復帰。中途での参加にも関わらず最多演出となる14作品の演出を担当した。数多くの映画・ドラマ・アニメを手がけ、日本アカデミー賞も受賞した作曲家・羽田健太郎が特撮ヒーロー作品の劇伴を初めて担当。羽田は本作品のために自身を含めた総勢5名で構成される音楽ユニット「羽田健太郎with Healthy Wings」を結成。戦隊シリーズでは初となる複数人作曲家による劇伴制作が行われた。なお、「Healthy Wings」の名は、羽田健太郎の"羽"(=wing)と"健"(=health)から付けられている。また参加メンバーの山下康介、高木洋、大橋恵は後の戦隊シリーズ作品においてそれぞれ単独で劇伴音楽を担当している。『ゴレンジャー』から『ハリケンジャー』までの制作発表会は非公開だったが、本作品から後楽園ゆうえんち主催で東京ドームシティのプリズムホールにて一般公開で制作発表会を行うようになった。この模様は、DVD第1巻に特典映像として収録されている。海外版・パワーレンジャー・ダイノサンダーの第19話には、本作品の第10話が劇中でそのまま使用されるという、パワーレンジャー史上初の出来事が起きた。詳細はパワーレンジャー・ダイノサンダー#概要を参照。韓国語吹替え版と北京語吹替え版でも、爆竜固有の語尾が(通常文法による語尾の後で)再現されている。「(ダ、テラ)!」「(ヨ、プラ)!」。なお、台湾で北京吹き替え版が放送された際は第10話と第33話が放送されていない。2013年11月から2014年5月まで、東映チャンネルの「スーパー戦隊ワールド」枠にて放送が行われた。東海ラジオ「小島一宏 モーニングあいランド」では、スポーツニュースコーナーにおいて、前日のプロ野球で中日ドラゴンズが勝った場合、その試合のハイライトの実況を流し、そこからフェードインで本作品の主題歌オープニングテーマが流れてくるという演出がなされた。2012年7月から12月まで、Youtubeの「東映特撮 YouTube Official」にて配信が行われたほか、2016年4月から10月まで再配信が行われた。
出典:wikipedia
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