盲腸線(もうちょうせん)とは、公共交通で起点もしくは終点のどちらかが他の路線に接続していない行き止まりの路線を指す。路線網の中で、あたかも盲腸(虫垂)のように見えることからこのように俗称される。本項では鉄道の盲腸線について解説する。盲腸線という言葉は厳密に定義されるものではない。ただし、「盲腸」という言葉に「役に立たないのに存在する短くて行き止まり状のもの」という意味合いが込められており、行き止まりの路線であっても輸送上重要な役割を果たしている幹線鉄道は盲腸線と呼ばれることは少ない。逆に、他社線と接続している路線でも「盲腸線」と呼称されるケースもある。行き止まり線のため通過交通が少なく、 終点側地域の社会的状況が路線の存廃に反映されやすい。かつて産炭地を結んだ路線は石炭から石油へのエネルギー供給転換によって廃止が相次ぎ、港湾や臨海工業地域に向けて建設された貨物線やその支線も、1970年代から1980年代にかけて鉄道貨物輸送が縮小すると多くが廃止された。古く地方鉄道をはじめ、国鉄でも多くの盲腸線が存在したが、自動車利用の普及と合わせて多くの路線が廃止された。1980年代の旧国鉄の再建では、国鉄再建法は輸送密度を基準に廃止路線を選定することを規定したが、通過需要の少ない盲腸線は輸送密度の計算において不利であった。また同法施行令第4条では、第1次廃止対象路線として「旅客営業キロが30キロメートル以下であり、かつ、その区間における旅客輸送密度が2000人未満であるもの(その区間の両端の駅において他の日本国有鉄道の鉄道の営業線と接続するもの(中略)を除く)」を定義し、営業距離の短い盲腸線はその多くが廃止対象となった。事実、第1次廃止対象候補の40線区のうち、添田線を除く39線区が盲腸線であり、最終的に多数の盲腸線が廃止された。中華民国(台湾)においては、平渓線を日本人向けに「盲腸線」として案内している例がある。行き止まり路線であるが、文献によっては盲腸線の一種として紹介されることがあるものの、輸送上重要な役割を果たしている路線は、盲腸線として扱われないことがある。また、そういった路線は培養線として扱われることがある。
出典:wikipedia
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