2S7ピオン 203mm 自走カノン砲(ロシア語:)は、ソビエト連邦の世界最大の自走砲。この開発計画では原子砲としての使用も意図されていた。軍名称はSO-203、NATOコードネームはM1975。ピオンとはシャクヤクのことである。生産工場はレニングラードのキーロフ工場。1967年12月から射程距離が25km以上の自走砲として開発が開始され、1975年に部隊配備が始まった。2S7ピオンの搭載する2A44カノン砲は、射程距離は通常弾(ZOF-40榴弾)使用の時最大で37.5 km、RAP弾(ロケット推進弾)(主にZOF-43榴弾)使用の時47.5~55.5 kmで、この距離は野砲の中では最大級である。この長大な射程距離を生かして敵を射程外から攻撃出来るうえ、敵が攻撃に気づく前に移動の準備をすることも出来る。砲口初速は最大960m/s、砲身寿命は約450発である。車内には4発の砲弾しか搭載されていない。弾薬輸送にあたり専用に開発された給弾車はなく、随行するトラックなどが輸送する。通常の榴弾の他にもクラスター弾、対コンクリート砲弾、化学砲弾も発射可能である。計画通り核砲弾も発射可能で原子砲の役割も果たすことが出来る。また、与圧式NBC防護装置を搭載しており、NBC汚染環境下でも行動は可能だが、砲撃準備は外で作業しなければならないため、汚染環境下での操砲は不可能である。1,000門超が生産され、各国において現役で使用されている。車体後部に2A44カノン砲を外装している。この砲は俯仰角0~60度で動力は水圧、旋回角は左右各15度で電動。装填補助装置があるが。操砲、装填ともに緊急時には手動操作も可能である。後部に水力駆動のブルドーザーの排土板のような形をした駐鋤を装備しており、これで車体を固定する。また、補助の24馬力ディーゼルエンジンが電力供給用に搭載されている。乗員は前部コンパートメントに車長、運転手など3名、エンジンルームを挟んで後部コンパートメントに操砲要員4名が搭乗する。前後のコンパートメント間の通信用のシステムが搭載されている。なお操砲には7名必要なため車内に搭乗できない3名は別の車両などで随行しなければならない。前部コンパートメントのフロントガラスはシャッター型装甲で覆うことが可能。また、潜望鏡が搭載されている。暗視装置も搭載されてはいるがドライバー専用で砲撃の際に使用するものではない。発射の際に砲手は砲の左側に配置する。照準にはパノラマ式照準器を使用する。一応直接照準用の照準器も搭載されている。発射速度は最大で1分あたり1.5発。ただし、発射には下の5つの形式がある。車両の部品のうち相当数がT-80と共通であると言われている。また、トランスミッションはT-72と共通である。車両はS-300V(SA-12)地対空ミサイルのMT-T装軌車と同じであるとの情報もある。
出典:wikipedia
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