『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(きゅうきゅうせんたいゴーゴーファイブ)は、1999年(平成11年)2月21日から2000年(平成12年)2月6日までテレビ朝日系列で毎週日曜7:30 - 8:00(JST)に全50話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。前作『ギンガマン』が動物をモチーフとしていたことを受け、本作品ではそれとの差別化を図るべくメカニカルな要素を前面に押し出すことが、企画のかなり早い段階で決定していた。それに加えて、本作品における重要なコンセプトのひとつとしてタイトルにもある「救急」が挙げられるが、このコンセプトは放映年度である「'99年」、そしてこの年発生するのではないかと言われていた災害から人々を守るという意味合いから来る「救急」のキーワードをかけたことにより成立したものである。またこのコンセプトが採用された背景には1991年の救急救命士法制定や1995年の阪神・淡路大震災などで、これらの職業に対する注目度が高まっていたことも挙げられる。ここから、主人公たる巽5兄妹は消防士・警察官・救急救命士など人命救助に関わる職業出身という設定がなされ、5兄妹が戦う動機も「人の命を守る」=「地球の未来を守る」とされた。この「救急」というコンセプトから、企画段階では「レスキュー戦隊」というカタカナによる肩タイトルが候補のひとつに挙げられていたほか、ヒーローのスーツも前出の「99」という数字を図案化したものを経て、決定デザインであるアンビュランスのマークを採り入れたものが考案されている。また劇中でも失策を犯したと誤解されたゴーゴーファイブが消防庁の指揮下に再編されかけたり、「臨海副都心でゴーゴーファイブと災魔の戦いが行われていますので迂回してください」といったアナウンスが劇中で流れるなど、消防・救急組織やその活動が様々な形でクローズアップされている。演出面でも、主人公らが変身後に着用している「アンチハザードスーツ」が災害救助用特殊装備の発展形であるという設定から、メイン監督の小中肇の発案でゴーグルの下の素顔が見える描写が取り入れられた。この描写はゴーグル部分が非常に大きいマスクのデザインのため、装着者の顔を見せることにより「人間がレスキュー活動を行っている」ことを強調すると同時に、無機質なヒーローという印象を与えないためのアイディアでもあった。西岡ら変身前の巽兄妹を演じた俳優はかなりの頻度でスーツ・マスクを着用して演技し、スタッフからは「戦隊史上一番働いた5人」とねぎらわれた。設定上災害現場が舞台となるため、第1 - 2話では多大な予算をかけて隕石に見舞われた都市部のミニチュア撮影が行われたほか、ロケも瓦礫や炎の表現がついて回り、スタッフの苦労が多い作品だった。また敵組織である「災魔」には、16世紀フランスの占星術師ノストラダムスの著書『百詩篇集』で「恐怖の大王」が降臨するとされた「1999の年7の月」や「グランドクロス」など、本作品が放送された1999年という年に関連する要素が複数盛り込まれている。なお、1000年代最後の放送という節目の回であった第44話では、当時騒がれていた2000年問題についても若干ながら触れられている。本作品では前述の通り、メンバー全員が5人兄妹として設定されているが、シリーズ中他にも複数存在する兄妹戦隊とは異なり、主人公側のみならず敵側の幹部も4人兄妹として設定され、「主人公側の兄妹」対「悪役側の兄妹」という図式を打ち出している。その「兄妹戦士」という設定から6人目の戦士を出しにくいことに加え、タイトルにも「-ファイブ」と大きく謳っていたこともあり、当時スーパー戦隊シリーズで既に定着しつつあった、レギュラーキャラとしての「6人目の戦士」の登場については、企画当初の時点で全く考慮されていなかったという。ただし公式にメンバーとして扱われてはいないものの、メカニックの項にて説明されているライナーボーイは登場回のサブタイトルなどでも触れられているように「6番目」と呼ばれたこともある。本作品以降「変身前に共通のジャケットを着用」という要素が多くの作品で踏襲されている。『てれびくん』誌上では、ゴーゴーファイブが読者からの悩み相談に乗る電話サービス企画「QQコール」が行われ、アクセス数は毎月5万件に達した。また1999年6月21日には、根本匠厚生省政務次官からゴーゴーファイブに「救命手当てを普及せよ」という内容の「緊急指令」が下され、以後のイベントで啓蒙活動を実施している。ロボット玩具はコンビネーション性が高く、すべてのメカが合体や格納を通じて結びついている。販売個数は累計で100万個を達成し、特にグランドライナーは問屋筋から「黒いダイヤ」と呼ばれるほどヒットした。関連商品の売上は前作『ギンガマン』とほぼ変わらず総売上92億円、内玩具売上57億円となった。1999年、世紀末の地球に5人の兄妹がいた。江戸火消しを祖先に持つ巽家の五人兄妹、長男・纏(消防士)、次男・流水(化学消防班員兼研究者)、三男・鐘(消防ヘリコプター隊員)、四男・大門(警察官)、長女・祭(救急隊員)。5人はそれぞれ、人々の命を守る自らの仕事に誇りを持って職務に取り組んでいた。ところが、ある日出勤したところ、何故か全員退職したことになっていた。退職届けを出した人物が、8年前に行方不明となった父・巽世界であることを知った兄弟がその理由を問い詰めると、突如空が暗雲で覆われた。それは父・世界が何年も前に予測した世界の大災害・大魔女グランディーヌを降臨させようと、災厄をもたらす悪の一族、災魔一族が飛来してきたからだった。地上は天変地異にあふれ、やがて大混乱に陥る。巽世界は秘密裏に立ち上げていた巽防災研究所の存在を明かし、自らの子供である5兄妹を救急戦隊「ゴーゴーファイブ」に任命。兄弟達は父の開発したアンチハザードスーツを着装、救急ロボやツールを駆使し、災魔一族に立ち向かうのだった。江戸時代以来の火消しの家系に生まれ、市民の安全を守る職業に就いていた5兄妹。災魔一族対応のため、物語開始時点から10年前に父親が出奔、その2年後に母親も彼を探しに出たまま行方不明になり、それ以来兄弟支えあって暮らしていたが、いつの間にか帰ってきた父親によって半ば強制的に救急戦隊に任命された。変身前には私服の上から共通のオレンジ色のジャケットを羽織っていることが多い。最終決戦後は全員、元の職業に戻り、母親も無事に戻ってきたことにより、家族揃って平和に暮らしている。名乗りの口上は「人の命は地球の未来!燃えるレスキュー魂!救急戦隊ゴーゴーファイブ、出場!」。5兄妹と巽博士の名前はオープニングクレジットなどではカタカナで表記された。このため本項目でもこれに倣って解説する。破壊そのものを目的とする悪魔の種族。宇宙の悪魔の中では最強の種族と言われている。マイナスエネルギーが満ち溢れ大いなる災いをもたらす惑星配列(グランドクロス)のエネルギーを利用して地球に大災害をもたらすべく活動する。北極に降りた魔宮サイマパラディコを根拠地としている。最終目標は全宇宙の征服である。災魔一族の幹部。グランディーヌの実の子供たちで、兄弟は共通して母を愛し絶対的忠誠を誓っている。母を迎えるために兄弟は大都市にサイマ獣を送り込み、人類の文明を破壊し尽くそうとする。ドロップの説明から、母親と多種族の父親との間に生まれたことが判明。それぞれ自らと同じ属性のサイマ獣を操る。中盤以降はゴーゴーファイブ抹殺に的を絞った作戦も見られるようになる。『救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン』では真の長男である闇王ギルの存在が明らかになり、サラマンデスが行方不明の長男ギルを連れて来た。ゴーゴーファイブの装備の大半とマシンはモンドが自らの資産を投じ、10数年の年月をかけて開発したものである。また、一部の装備品はナガレによって製作された。レスキュー用の巨大マシン。ゴーライナーで運搬されて出場する。列車型巨大マシン。99マシンやマーズマシンを運搬する。ゴーゴーファイブの戦闘を支援するメカニックシステム。名称は『救急戦隊ゴーゴーファイブ超全集』より。第21話から登場。宇宙でのレスキューの為、モンドが各国の協力を経て開発したマシン。第30話から登場。数値は特記のない限り『救急戦隊ゴーゴーファイブ超全集』に基づく。キャスティングでは巽5兄妹の父・モンド博士役に、実際に男子4人・女子1人の父親である歌手・マイク眞木を起用。また戦隊メンバーを演じる俳優が初めて、全員1970年以降の生まれになった。この作品では名が知られた有名人がゲストで起用されることが多く、第16話では当時、お笑いコンビだった「マンブルゴッチ」の河村龍俊(現・オトノ葉Entertainmentのボーカル)がダイモンと因縁のある泥棒のレージ役で、第28話では「だんご3兄弟」や「超力戦隊オーレンジャー」の曲でお馴染みの速水けんたろうがライナーボーイの人工知能を作った加賀美博士役で、第33話では当時シェイプUPガールズのメンバーだった梶原真弓がショウに依頼する町内会長・斉藤美由紀役で、第37話では有言実行三姉妹シュシュトリアンの山吹月子役や「ウルトラマンティガ」・「ウルトラマンダイナ」のシンジョウ・マユミ役で有名な石橋けいが乾夫妻の娘でありマトイとお見合いする乾つぐみ役で、第41話では眞木の長男であり俳優の真木蔵人がマトイの先輩・工藤雄二役でゲスト出演し華を添えた。第45話には本作品の主題歌を歌う石原慎一もゲスト出演している。第36話では当時人気だったテレビドラマ『ショムニ』の早坂光宗社長役で知名度があがっていた久保晶も番田流格闘術の師範・番田一徹役としてゲスト出演している。速瀬京子役は、声優として『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレー役など数々のアニメ作品で活躍し、熱狂的な戦隊シリーズファンが高じてJAEプロモーションに所属するまでになった宮村優子が演じている。京子のセリフにはアスカの決めゼリフ「あんたバカぁ?」が第3話とVシネマ『激突!新たなる超戦士』にてパロディとして登場する。また、童鬼ドロップの声を担当した「闇村悠ノ介」は宮村の別名義。敵勢力である災魔一族の幹部の声を担当する声優には過去に東映特撮作品に出演経験のある中村大樹や山田美穂、当時東映特撮作品の出演が初めてである松野太紀や緑川光等が起用されている。松野や緑川は以後、多くの東映特撮作品に出演する機会が多くなる。ストーリーごとに出てくるサイマ獣の声には、出演経験のある声優のみならず沢木郁也や櫻井孝宏など初経験の声優も起用されている。ナレーションには、低音で分かり易い語り口の郷里大輔を起用。報道番組やワイドショー番組、「決定的瞬間」系番組などでも魅せる郷里独特の緊迫感溢れる語りぶりを発揮した。プロデューサーには前作までの髙寺成紀に替わり、それまで東映不思議コメディーシリーズやメタルヒーローシリーズを手がけてきた日笠淳がスーパー戦隊シリーズに初参加。また日笠だけでなく、脚本の宮下隼一、監督の渡辺勝也、カメラマンの松村文雄など、それまでメタルヒーローシリーズを手掛けていたスタッフも多数本作品に移行してきている。このうち松村は、日笠プロデューサーの意向で『燃えろ!!ロボコン』に移ったいのくままさおと入れ替わりという形での参加となる。脚本面では武上純希と小林靖子が前作より続投、本作品では小林と入れ替わる形で武上が2度目のメインライターを担当。この他、脇を固める面々も小林と前出の宮下に加え、実写作品への参加は初となる山口亮太が新たに名を連ねている。演出面では小中肇が初のパイロットを担当し、メイン監督として年間を通して手腕を振るった。また日笠プロデューサーの信頼が厚い諸田敏が演出陣のローテーションに定着した他、本作品を最後に活動の主軸を平成仮面ライダーシリーズへと移した長石多可男、4年ぶりの本編演出も手掛けた特撮監督の佛田洋が脇を固める形となった。キャラクターデザインは前作より続投の下条美治が災魔一族周りのデザインをほぼ単独で担当。この他プロップ類のデザイン担当として阿部統と森木靖泰が参加している。劇伴音楽は、スーパー戦隊シリーズ初期6作品で音楽を手がけた渡辺宙明の実子・渡辺俊幸が担当。親子二代で同一シリーズの音楽を手がけることとなった。各作品における詳細はそれぞれの項目を参照。
出典:wikipedia
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