『星獣戦隊ギンガマン』(せいじゅうせんたいギンガマン)は、1998年(平成10年)2月22日から1999年(平成11年)2月14日までテレビ朝日系列で毎週日曜7:30 - 8:00に全50話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公達が変身するヒーローの名称。本作品は、戦士達が一般社会とは結界で隔絶しており、地球の自然とともに暮らすギンガの森の民で、大自然より与えられた力「アース」を武器に戦うと設定されている。このため、野生・空想上の動物をモチーフとしたヒーローのデザインやアクション、日常の舞台が乗馬クラブで移動手段も馬、カントリー調の番組内の字幕・テロップなど「自然」を前面に押し出し、またマンネリ化打破と原点回帰を意識し、シリアス面を見せたシリーズとなっている。このように前作とは趣を大きく異とする作品作りからか、プロデューサー補だった若松豪は東映のテレビ番組のサイトで「『メガレンジャー』と世界観が異なるため、戸惑われた方も多いと思うが地球の平和を守る戦士たちは今年も健在、ということでいるので理解してほしい」と説明している。また本作品では、戦隊名に1990年代以降主流となっていた「○○レンジャー」ではなく「○○マン」のパターンが採用されているが、企画段階では『ガオレンジャー』の名称も案のひとつとして挙げられていた。この「ガオレンジャー」の名称は最有力の候補とされていたが、企画当時に放映されていたアニメ『勇者王ガオガイガー』とタイトルが類似していることから見送られる形となった。また当時のCD新譜情報(CDジャーナル)では主題歌の発売予定として「星獣戦隊バイオレンジャー」と告知されていた。当時、巨大戦において2号ロボとの合体、もしくは主役ロボの交代が定番化していた中で、本作品ではあえて1号ロボに当たる「ギンガイオー」がサポートロボと合体や主役交代もせず、途中からギンガの光によって「超装光ギンガイオー」にパワーアップするのみで最後まで闘い続ける、という路線が貫徹されている。企画の最初期には「合体する巨大ロボは一切出さない」、即ち5人のヒーローとそのパートナーである星獣達のみで戦う、というそれまでのフォーマットを捨てたアイディアも出されていたが、このアイディアに基づく展開は序盤の数話のみに留まっている。また敵組織であるバルバンには各幹部ごとに1つの軍団が形成されており『仮面の忍者 赤影』を意識する形で各軍団が1クールごとに交代するという手法がとられている。デザイン作業に際しては当初、4つの軍団を統一したイメージで描いたものもあったが、各軍団の個性をより強調したいというプロデューサーの高寺成紀の意向から、各軍団とも明確に異なる方向性を打ち出す形に落ち着いている。その他にギンガマンは敵怪人やその幹部に対して一括してバルバンと呼んでいるのも特徴(幹部に対しても名前を呼ぶことさえ稀だった)。ただしヒュウガは終始ゼイハブ船長だけは名前で呼んでいた。これまでの戦隊ではバイクや車などの乗り物が移動手段として使用されていたが、本作品では初めて動物(馬)を利用している点も特徴のひとつとして数えられる。馬が神経質な動物であることから、撮影の数週間前から日常的にマスクなどの馬具を付けて慣れさせたり、元々の乗り手が騎乗して撮影する都合上、それ専用に視界がより広く取られたマスクや腿の内側に当たる部分を補強したスーツを特注するなど、撮影に際しては大変な手間がかけられた。玩具展開においては、スーパー戦隊シリーズとしてはしばらくの間途絶えていた「超合金」ブランドが「DX超合金 星獣合体ギンガイオー」にて復活し、CMソングも通常版とは別に、歌詞に「超合金」のフレーズを織り込んだバージョンが作られているなど、「超合金」ブランドの復活が強くアピールされている。この「DXギンガイオー」は久々の超合金ブランドでの発売ということもあり、試作段階において度重なる改修が行われたことから、発売日が当初の予定よりも遅れている。売上面では、メガレンジャーの総売上74億円から93億円、内玩具売上が48億円から56億円と上昇を見せた。銀河を荒らし惑星を食い尽くす宇宙海賊バルバン。3000年前地球を襲った彼らは、地球の自然から与えられる星を守る力・アースを持つ戦士達と、銀河の平和を守るために戦う神秘の動物・星獣によって海底に封印された。しかし、海底地震の影響で封印が破れ、彼らは現代に復活する。その頃、かつてバルバンを封印して、アースを体得し自然とともに暮らす人々の故郷・ギンガの森では戦士の証・星獣剣を受け継ぐアースの戦士の継承式が執り行われていた。第133代目の戦士として選ばれたのはヒュウガ・ハヤテ・ゴウキ・ヒカル・サヤの5人。その式の途中で、かつての戦士の子孫に報復すべくバルバンが襲撃してきた。彼らはバルバンを迎え撃つがヒュウガはゼイハブに敗れ、地割れの中に姿を消してしまう。しかし地割れに飲み込まれる寸前、ヒュウガは星獣剣を弟・リョウマに託す。リョウマは兄に代わり新たな戦士となり、他の4人とともに伝説の戦士・ギンガマンへと転生し、バルバンを撃退する。しかし、ヒュウガの死を悲しむ暇もなく、再びバルバンが森を襲う。長老オーギはギンガの森の力を悪用されないため、5人の戦士にバルバン討伐を託し、自らも含めた住人ごと森を封印。石化したギンガの森は湖の底へ沈み、5人は生まれ育った森を出ることになる。そして母艦である強大な魔獣ダイタニクス復活を目論むバルバンは、復活のエネルギーとしてギンガの光を欲し、行動を開始。5人はリョウマがたまたま知り合った少年・青山勇太の父の紹介で乗馬クラブの従業員となり、バルバン復活を知って彼らの元に現れたギンガレオンをリーダーとする五星獣とともに、地球を滅ぼそうとするバルバンに立ち向かう。ギンガマンとは、元々3000年前に星獣たちとともにバルバン封印のため戦ったギンガの森の戦士達が、星獣達に与えられたギンガブレスで変身(ギンガ転生と呼ばれ、これ自体が変身時の掛け声)した者達の称号を指す。現代の彼らはそれから3000年経った第133代目の継承者で、戦士達が祀られていたギンガブレスを手に取り、バルバンと戦うことになる。彼らは大自然から与えられた「アース」を使いこなせるため、変身前でも超常的な能力を発揮できる。ヒュウガも同様、名乗りの際は本名も名乗り、変身後も本名で呼び合い、バルバンにも素性を知られている。名乗りの口上は「銀河を貫く伝説の刃!星獣戦隊ギンガマン!」。かつて銀河を巡っては目ぼしい星々を荒らし、滅ぼし回った魔人海賊集団。魔獣ダイタニクスの背中に彼らの城・荒くれ無敵城を築き、魔獣要塞ダイタニックという母船にしている。3000年前に地球に襲来したが、初代のギンガマンと星獣たちの活躍で石化され海底に封印された。しかし地震によって封印が解かれ復活。以降はどこかの海上で浮島状態となったダイタニックを拠点に、未だ目覚めぬダイタニクスの復活を目論み、4つの軍団で様々な作戦を行う。ブクラテスと途中から登場したビズネラを除き、主要メンバーたちはすべて海に由来した名前が付けられている。海賊旗は長いフックと一本の短いサーベルを交差させて作った円の中にエイリアンのドクロが描かれたものである。後日談の『星獣戦隊ギンガマンVSメガレンジャー』では封印を解かれ復活したグレゴリ艦長の手によってゼイハブとシェリンダ、4人の行動隊長たちが復活し、バルバンの復活を目論み、ギンガマンとメガレンジャーに戦いを挑む。ギンガマンと黒騎士は変身前も含め、アースを利用した技が使える。アースに必要なのは強さだけでなく、命を守る優しさである。宇宙の星々が自らを守るために生み出した神秘の獣。ギンガマンのパートナーでもある5体の星獣は、3000年前の宇宙海賊との戦いの際地球に降り立って、大自然の力・アースの優れた使い手を選び出し、星獣たちの星の力を与えて、初代ギンガマンとした。現代においては、5大星獣以外の星獣、重星獣と鋼星獣も登場し、ギンガマンと共に戦う。共通の能力として、敵に居場所を察知されないようにする結界がある。5大星獣は第二章から登場。パートナーのギンガマンを体に乗せることでアースを増幅して使うことができ、強力な攻撃を行える。人語は話せないが理解することはでき、ギンガマンとは会話ができる。第六章でタグレドーの毒ガスを取り込み石化してしまったが、ギンガマンの持つ「自在剣・機刃」をアンテナにして、故郷の星からエネルギーを注ぐという命がけの方法により、第七章で復活を果たし、同時に銀星獣へと「大転生」する能力も得た。有機的なデザインの星獣とは対照的に、全身が超合金ギンセイ鋼の装甲で覆われた金属的な意匠となり、その外見は獣型ロボットに近い。この形態ではギンガマンをパイロットとして内部に搭乗させることが可能となり、さらに後述のギンガイオーへと合体可能となった。第八章以降は召喚された後、機刃の力により星の力を星獣に集約することで、任意に大転生が可能となった。『救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン』ではグランドクロスの影響で仮死状態にあったが、ヒュウガの「炎のたてがみ」を通じてアースを注がれて復活した。第二十九章から登場。星獣が守っていた星をバルバンに滅ぼされ、石化して宇宙を漂っていた所をビズネラが捕らえ兵器として改造された姿で、ビズネラがバルバンに売りつけるため、地球に持ち込んだ。登場した当初はビズネラと魔人バルキバルキの持つ操縦機。によって操られ、ギンガマンと敵対していたが、星を守る正義の心は改造されても残っており、第三十章において、ギンガマンと星獣たちの懸命の呼びかけで正義の心を取り戻す。その際に頭部の形状と胸の装甲も変化した。基本的には各々専用の武器を使うがお互いに交換して使う事も可能。合体する前後と必殺武器を使う一瞬だけ、かつての姿が確認できる。兵器達が翼をばたつかせたり、車輪を動かしたりと生物的な挙動を見せる。『星獣戦隊ギンガマンVSメガレンジャー』ではゲルマディクスとの戦いでギガライノスとギガフェニックスが爆発してしまう。重傷を負っただけなのか、本当に死んでしまったのかは言及されなかった。巨大兵時の頭部は下條美治がデザインを担当した。数値は特記のない限り『星獣戦隊ギンガマン超全集』に基づく。主演した若手で、後に数々の作品で個性的な演技を見せたリョウマ役の前原一輝や、元モデルで本作品が俳優デビューだったゴウキ役の照英らは、作品終了後にイケメン俳優の先駆けとして注目をあびた。またヒュウガ役は『忍者戦隊カクレンジャー』でサスケ / ニンジャレッド役を務めた小川輝晃が演じている。また、ギンガグリーンと抗争を繰り広げる女幹部シェリンダには、セクシー系Vシネマを中心に活動していた水谷ケイが、ギンガマンの協力者の絵本作家・青山晴彦には元チェッカーズの高杢禎彦がそれぞれ起用された。敵組織バルバンの声優陣も、ゼイハブ役の柴田秀勝を始め、サンバッシュ役の檜山修之、ブドー役の林一夫、バットバス役の渡部猛など、過去の戦隊作品で幹部級のキャラクターを演じた人物が多数キャスティングされる形となった。ゲスト登場人物においても、後半から登場するゴウキの恋敵である岸本俊介には『激走戦隊カーレンジャー』で陣内恭介 / レッドレーサー役を務めた岸祐二を起用。直近の作品で廃されていたナレーションが復活。戦隊シリーズ初参加の若本規夫が担当した。オープニングナレーションや劇中の要所で挿入されたほか、第七章以降のアイキャッチでの「ギンガマン」のコール、第四十三章の英語によるオープニングナレーションも若本によるものである。プロデューサーである髙寺成紀を筆頭に、メインライターに小林靖子、パイロット監督には田﨑竜太と当時新進気鋭のスタッフがメインスタッフに名前を連ねた。また演出陣では辻野正人や長石多可男は前作より引き続きの参加だが、本作品では新たに小中肇と諸田敏が演出陣に名を連ねた。キャラクターデザインでは、バルバンの4軍団に対してデザイナーも4人の名前がクレジットされているが、担当は特に軍団別に割り振られている訳ではなく、ゼイハブを始めとするレギュラーキャラクターは前作より続投となる野崎明が担当、ゲスト怪人に当たる魔人についても野崎と下条美治の両名によるデザインが大半を占めている。長年スーパー戦隊シリーズでチーフカメラマンを務めたいのくままさおが本作品の第47話を最後にスーパー戦隊シリーズより離脱、松村文雄にバトンタッチする形となった。これに関連して、1998年暮れには雑誌『宇宙船』の誌上で卒業記念インタビューを行っている。また本作品の後半では、松村と並んでこれ以降のスーパー戦隊シリーズのカメラマンを長く務めることになる大沢信吾が戦隊シリーズのカメラマンとしてデビューしている。主題歌・劇伴音楽はともに佐橋俊彦が担当。佐橋は「音楽的な大きな区分として、ギンガマンをウエスタン、敵・バルバンをクラシック、ギンガマンの故郷・ギンガの森をファンタジーを意識した民族音楽とした」と語っており、それぞれの劇伴に反映されている。また、『カーレンジャー』での反省から全体のバランスを計算しての作曲ができたとしている。本作品でも前作と同様、オープニングとエンディングは別シングルとして発売され、挿入歌のほとんどもシングルが初出であった。劇伴集3枚がリリースされた他、新録セリフ入りミニCDアルバム2種(「星獣戦隊ギンガマン〜おはなしコロちゃんパック〜」「星獣戦隊ギンガマン〜クイズコロちゃんパック〜」)も発売された。これらのミニドラマにはギンガマン5人の他に勇太が登場しているが、ヒュウガやバルバンは登場していない。全編通して、放送回のカウントは「第(話数)章」、サブタイトルのフォーマットは「○○の××」で統一。また第一章はオープニングの歌詞から、最終章はエンディングの歌詞から採られている。登場怪人のリンク先は、関連書籍にて明言されているもののみ、モチーフとなった事物に充てている。1998年6月21日は「第98回全米オープンゴルフ選手権大会」最終日放送のため休止。各作品における詳細はそれぞれの項目を参照。
出典:wikipedia
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