ベルカ公国(ベルカこうこく、Principality of Belka)は、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)のPlayStation 2用フライトシューティングゲーム『ACE COMBAT 5 THE UNSUNG WAR』及び『ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR』に登場する架空の国家。どちらの作中でも、高い技術力と精強な軍隊(特に空軍)を有する敵対勢力として登場する。作中登場する固有名詞の多くがドイツ語である事から、ドイツがモデルと考えられている。歴史の古い軍事大国だったが、経済恐慌による財政難とベルカ連邦法改正による領土縮小により徐々に衰退。その結果、極右勢力(ベルカ民主自由党)が台頭。連邦構成国の一国であったウスティオ共和国内で発見された天然資源獲得のため、世界に向けて領土拡張のための戦争(ベルカ戦争:1995年3月25日~6月20日)を仕掛ける。なお、エースコンバットゼロはこの戦争が舞台であり、エースコンバット5はベルカ戦争から15年後が舞台である。様々な超兵器や少数精鋭のベルカ空軍の活躍で当初は戦いを有利に進めるが、戦域の拡大で次第に劣勢に陥り、戦争末期には反撃に出たオーシア・ウスティオ・サピン連合軍の進軍を食い止めるために自国バルトライヒ山中に位置し、ベルカ北部の通称北ベルカとベルカ南部、通称南ベルカ(後のノースオーシア州)を結ぶ7つの都市で戦術核兵器を起爆させるという暴挙に出る。その衝撃が戦後に各国の軍縮へと繋がった。同年6月20日に敗戦。南部国境の都市ルーメンで停戦に調印。武装解除を受けるが、先述の核爆発の影響で爆心地以北の北ベルカの公国領は領土として残る。停戦後もベルカ残存兵力による散発的なゲリラ活動がしばらく展開された。なお、中世に起源を持ちベルカ公国の政治、戦争に多大な影響を及ぼしたベルカ騎士団の末裔がベルカ軍に多数在籍している。ベルカは現在で言う北ベルカ地域を発祥の地とする。建国当初はベルカ王朝と、それに忠誠を誓うベルカ騎士団からなるオーシア大陸の一国家に過ぎなかった。しかし、長い歴史の流れの中でベルカはベルカ騎士団を軸とする軍事力や国力を強大化し、自国の拡大を図った。北ベルカの南部から西部を横断するバルトライヒ山脈を越え、後に南ベルカと呼ばれる地域を征服し、自国領とする。また、ベルカの東方に向けても侵略を行い、後にウスティオ共和国やゲベートの領土となる地域も抑え、ベルカを盟主とする自治領とした。本国及び自治領を含めて、広大な領地を確保したベルカは近代、産業革命が世界各国で起こる中その波に乗り、国土面積や国力ではオーシア連邦やユークトバニア連邦共和国にこそ及ばぬものの、技術水準では決して引けを取らない工業大国へと成長した。その象徴はベルカ東部の工業都市ホフヌングと南ベルカの工業都市スーデントール、そして後にウスティオ共和国となる自治領である。この時期、ベルカ騎士団を祖とするベルカ公国軍もまた、ベルカの工業技術や軍事技術に支えられて強固な軍備を有していた。そしてその軍事力は1905年から1910年にかけて繰り広げられたオーシア戦争において発揮され、世界でいち早く編成されたベルカ空軍を支える重要な要素となった。オーシア戦争の終戦後、ベルカは強大な軍事力や工業技術を有する国家としてさらなる発展を遂げた。「伝統のベルカ空軍」とまで呼ばれたベルカ空軍は世界に名声を轟かせ、世界各国が空軍を編成する折にその規範となった。また、ベルカ製の兵器も諸外国製兵器と比較しても優れた質や性能を有しており、ベルカと友好関係にあるエストバキア連邦では1970年代よりベルカから兵器の購入を開始。これにより、エストバキア連邦軍で使われる兵器の大半はベルカ製となった(ちなみに残りはユークトバニア連邦共和国製である)。しかし、1980年代に入るとベルカに不穏な状況が訪れる。長年に渡る国土の拡大や、それに伴う軍事費の増大は次第にベルカの財政面における許容範囲を超え、ベルカ経済を圧迫した。この結果、ベルカは経済恐慌に見舞われ、従来の方針を転換する必要性に迫られる。オーシア大陸北部に位置し、南西はオーシア連邦、東はウスティオ共和国、ファト連邦、ゲベート、レクタ、南はサピン王国と接する。ベルカ戦争以前はバルトライヒ山脈を境に北方は北ベルカ、南方は南ベルカと呼ばれていたが、ベルカ戦争での敗戦により南ベルカ一帯は戦勝国オーシア連邦の信託統治領となっている(ノースオーシア州)。※ この項で解説されている地理的位置関係は、ベルカ戦争開戦時(1995年3月25日)のベルカ公国(又はベルカ連邦)の版図を基準としている点に注意。航空機が戦力として認識されたとされるオーシア戦争(1905~1910年)の頃、空軍組織の基礎を築いた空軍特務大臣フランクリン・ゲルニッツの尽力により、世界でいち早く空軍を創設し、組織化を図る。以来、航空戦力に力を注ぎ、ベルカの高い工業力と優れた教育制度(空軍アカデミーの創設、教育カリキュラムの細分化など)や制空権の重視(空対空戦闘任務に力点を置いたため)などと相まって、「伝統のベルカ空軍」という異名を冠するほどの最強の空軍と化し、世界各国の空軍組織や航空技術における基幹ともなった。教育制度の中にはベルカ空軍とパイプを有する世界各国の空軍に空軍アカデミーの生徒を派遣し、戦場の空を飛ばせることで貴重な実戦経験を積ませて力強いパイロットへと鍛え上げるというものがある。これは、優れたパイロットの希少性を重視する事に伴う、いかに死なずに生きて帰還するかを重要視した航空士養成思想に基づく。保有戦闘機の機種も豊富でF-5のような旧式機からF-35のような最新鋭機まで運用されており、部隊編成においても1部隊に異なる機種が混在していたり、機体やパイロットの数も大規模から小規模までありとあらゆる部隊の編成が認められているという柔軟性を有する。だが、古きベルカ騎士道の考えによる「少数をもって多数の敵に勝つ」という少数精鋭主義の姿勢がベルカ戦争において影を落とすことになる。ベルカ空軍は少数精鋭主義もあって、空軍単独で制空権確保や空爆を行う「戦術空軍」としては極めて優秀であり、優れた教育制度によって数々のエースパイロットを生み出していた。しかし、ベルカ戦争時の20世紀後半時点では既に各国空軍は陸海軍との統合運用化や、軍組織内での連携による効率化を重視した「戦略空軍」の編成に動いており、実際にオーシア空軍等にてその成果は出ていた。しかし、ベルカ空軍は戦術空軍としての基礎を早い段階で確立していた事が災いし、既存の古い思考に固執した結果戦術空軍から戦略空軍への組織改編がままならず、その限界をベルカ戦争において連合軍相手に晒すことになった。海軍も航空戦力に力を入れているらしく、航空隊も編成されており、空母(ニヨルド)を保有。それ以外にもイージス艦など水上艦を多数保有している。陸軍は描写が少ないゆえ、実態は不明だが軍事大国ゆえにそれ相応の兵力を有していると思われる。なお、公式サイト掲載の外伝小説「ある兵士の記録」によると、少なくとも狙撃銃としてG3、また重装備ではRPG-7が配備されており、救援ヘリ部隊にはペイブホーク(劇中の描写から空軍所属の可能性もある)が配備されている模様。この他、ベルカがドイツをモデルとしている関係か、自走式対空砲としてゲパルトが本編劇中で登場している。また、特筆すべきことにベルカ空軍将校アントン・カプチェンコが着手した国家防衛構想「ペンドラゴン計画」によって化学レーザー砲「エクスキャリバー」や大量報復兵器「V1」「V2」(さらに多くの開発計画があったが、1980年代の経済恐慌により、断念。その多くは設計図のみの構想段階であった)を開発、保有。それらはベルカ戦争で使用された。ベルカ戦争での敗戦により、ベルカの軍備は大幅に縮小される事になった。具体的な理由としては戦勝国より課せられた軍備の制限や軍事産業の縮小、南ベルカのオーシアへの割譲に伴う国力の低下や軍事拠点数の減少、ベルカに唯一残された北ベルカにおける戦災復興が挙げられる。ベルカ空軍も戦後に実権を握った第6航空師団長のブラウヴェルト中将によって再建が図られたが、国力の低下やそれに伴う軍事予算の減少には抗えず、戦前の様に高価な軍用航空機を大量配備・大量稼動させるだけの余裕は無かった。このため、「昔ながらの強いベルカ」や「伝統のベルカ空軍」といったベルカの軍事力を称える異名の数々は、もはや過去の遺物と化した。しかしベルカの軍備は、ベルカ戦争の開戦や自国内での核使用に関わり、戦後も敗戦や南ベルカ割譲という屈辱を認めず暗躍していた国粋派・強硬派の政治家や軍人の集団「灰色の男たち」によって、秘密裏に増強されていた。かつてベルカの軍備を支えた南ベルカ国営兵器産業廠は、南ベルカ割譲後にオーシアの兵器企業ノースオーシア・グランダーI.G.として改編されていたが、実際には表向きオーシアに恭順の立場を取りつつも「灰色の男たち」の秘密メンバーであったグランダー社社長の元工作機関として暗躍し、戦勝国であるオーシアとユークトバニアとの間に戦争を起こすべく両国の好戦派の政治家や軍人層を煽り、戦争による両国の疲弊を加速すべくオーシアには堂々と兵器を納入し、ユークトバニアに対しては兵器を密輸していた。そして、その影で両国の目を盗み生産していた兵器群はベルカへと移送され、「灰色の男たち」指揮下の部隊に配備された。このため、環太平洋戦争(ベルカ事変)時におけるベルカの軍備は、シュティーア城一帯やイエリング鉱山に大規模な地上部隊が展開し、空軍にはSu-47やYF-23、E-767といった高性能機が大量配備されているという、公式記録を逸脱した規模にまで膨れ上がっていた。
出典:wikipedia
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