石器(せっき)とは、石を材料として、それを加工して製作した道具・利器・武器の総称である。主として手の延長としての石製の道具を指し、石碑や墓石のようなものは含めない。縄文時代に儀式に使用されたと考えられる石棒を広義の石器に含めることがある。藤貞幹は『集古図』(安永年刊?)のなかに石斧類の図を掲げて「石器」の呼称を採用している。石器の分類では、フランスの著名な先史学者 F・ボルドが案出した厳密な石器分類基準がある。しかし、東アジアの前期旧石器の分類では研究者独自の用語が用いられることが多く、統一的な基準を欠くのが実情である。以下は色々な観点からの分類である。打製石器は人類の最も古い道具の一つと考えられ、アウストラロピテクスが使っていたとする説もある。他の動物でも石を道具として使用する例はあるが、加工するのは人間だけである。ただし、チンパンジーでそれに近い例があるともいう。オルドワン型石器群は、ヒト科人類による最古の石器群といわれている。礫の一部を打撃して造るチョッパー・チョッピングツールを主体とする。この石器群は、ケニアのトゥルカナ湖東海岸の諸遺跡やタンザニアのオルドヴァイ峡谷の遺跡などで出土している。因みに、この石器の担い手はホモ・ハビリスもしくは頑丈型猿人と推測されている。磨製石器はJ.ラボックによって新石器時代の指標とされたが、実際には中石器時代に当たる紀元前9000年に北西ヨーロッパや西アジアで局部磨製石器が出現している。日本では旧石器時代である3万〜4万年前のものと推定される局部磨製石斧が、群馬県岩宿遺跡、栃木県磯山遺跡、長野県杉久保遺跡、東京武蔵野台地の栗原遺跡、千葉県三里塚55地点遺跡などから出土し、旧石器時代に磨製石器が存在したことが明らかになった。小田静夫によれば、日本の旧石器文化の磨製石斧は3-4万年前に集中し、その後は草創期にならないと出現しないが、現在、世界最古の磨製石器とされる。石製品とは、利器や武器でない石皿、磨石(すりいし)、砥石、台石(だいせき)、敲石(たたきいし)などの総称。石製の装身具や古墳時代以降の石製の道具類は、石製品あるいは石造物などとよんで区別するのが一般的である。日本列島の旧石器時代に用いられた石材の代表的なものは、黒曜石、硬質頁岩、サヌカイトなどがあげられる。※この石材の節は、「後期旧石器時代の地域色」堤 隆 『日本の考古学』奈良文化財研究所編 学生社 2007年を参照した。。
出典:wikipedia
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