『次郎長放浪記』(じろちょうほうろうき)は、阿佐田哲也による日本の小説。最初『清水港のギャンブラー』の題名で発表され、後に改題された。また、上記を原作にした原恵一郎の漫画。『コミック乱』(リイド社)2005年9月号から2007年6月号まで連載された。現在、連載再開の予定はないが、第一部の完結という形で終了しており、最終回という表記はされていない。後に東海道一の大親分になる男にして、渡世人の博徒である清水次郎長の活躍を描く。腕利きの博徒・次郎長は噂の賭場「柘榴殿」の存在を知らされ、狂気の博打勝負に足を踏み入れていく。文庫本巻末の丸谷才一の解説によれば、阿佐田の数々の作品の中では、噂によればあまり売れなかったらしく、その理由として作品の内容が「不愉快なことばかり書かれているため」であると記述されている。原恵一郎が「近代麻雀」に連載していた「麻雀放浪記 凌ぎの哲」が、竹書房の方針により第7巻を最後に出版停止し、既出の単行本も絶版になったことや、「次郎長放浪記」も連載して単行本が出るまで1年以上かかったことから、出版をあまり期待していなかったファンが多かったとも言われ、また出版時のファンの歓喜も想像に堅くない。後に最終巻の第3巻も出版された。本編は原作小説の内容を漫画に描き換えたものではなく、あくまで原作の世界観・エピソード・台詞・設定の一部を引用し、原恵一郎が独自の構成で描いた漫画である。また原作小説自体が、清水次郎長の伝記ではなく実在の人物とは直接の関係が無い創作であるため、本編と実在の清水次郎長とはほとんど別人である。清水にある米問屋「甲田屋」の主人の養子・次郎長(本名:長五郎)は、店の仕事をサボり悪友の蛙けんと共にヤクザの親分・小富が仕切る賭場に赴いて博打の愉悦に浸っていた。そんな中、鎌吉という名の博徒が現れ、彼の持つ技に惹かれた次郎長はイカサマをする理由を聞いた上で互いに認め合う博徒として健闘を祈った。翌日、虚無僧が次郎長の前に現れ、彼に25歳以上は生きられないと告げられてしまう。このことが、後の東海道一の大親分になる運命に導く決め手となった。その晩、蛙けんと共に相変わらず賭場に来ていた次郎長に転機が訪れる。鎌吉が小富に様を見破られ右腕を切り落とされてしまった場面に直面した次郎長は、体内から煮えたぎるような気持ちになり、実父である雲不見の三右衛門の血が目覚め、鎌吉が犯したサマの証拠をもみ消したのだ。そして小富の賭場から逃亡した次郎長は、鎌吉を連れて蛙けんと別れ、清水を後にした。翌年、次郎長は山本政五郎(大政)と対面し、彼から家老の息子・幸信を救出するために協力を申し出られる。承認した次郎長は幸信が質になっているといわれている柘榴殿に赴き、血生臭い博打地獄を潜り抜けていく。その張本人である保下田久六と森の石松が現れ、彼らと白熱した勝負を繰り広げる。白熱した勝負の末に次郎長・大政が勝利した後、森の石松を加えて次郎長一家の一員となる。その後、関東丑五郎との壮絶な戦いを繰り広げ次郎長が勝つ。
出典:wikipedia
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