KNOPPIX(クノーピクス、ノピックス)とは、CD-ROMまたはDVD-ROMから起動することが可能なDebianベースのLinuxディストリビューション。ドイツのKlaus KnopperがDebianパッケージを元に開発しているものがオリジナルとなる。一枚のCD/DVD/USBメモリなどのリムーバブルメディアから起動できるLive CDとして利用することを基本としていることが特徴。日本国内では独立行政法人産業技術総合研究所によって、日本語化をはじめとする日本の国情にあわせたローカライゼーションや、様々な機能を追加したものが本家とは別途開発、配布されていた。当初はCD版のみの提供だったが、収録希望のアプリケーションの数が増えるに伴いCD-ROMの容量では不足するため、正式な同時リリース決定の前に二度ほどDVDイメージの頒布も行われている。Version 4.0で本家のKlaus KnopperがDVD-ROM版とCD-ROM版をほぼ同時に提供することを決定した。CD-ROM版を"light"(軽量版)、DVD-ROM版を"maxi"(大容量版)と位置付け、DVD版では更に多くのアプリケーションが標準で利用可能となっている。4.0版(DVD版)は2005年6月22日にLinuxTagで配布された。Live CDとしての利用が前提であるため、ハードディスクにOSをインストールする必要がなく、初期状態ではハードディスクに変更を加えずにLinuxを稼働させ、さまざまなコマンドやアプリケーションを使うことができる。これらの特性から、ハードディスクに障害が発生している場合に仮のシステムとして起動させ、ハードディスクの診断や他のメディアなどへのデータをサルベージするなどの作業にも使用可能である。また、パソコンに接続されたハードウエアを数多くサポートし、自動的に認識する能力に優れていることも特徴の1つで、例えばユーザーはビデオ・カードの種類などを指定する必要がなく、直ちにGUIを利用可能となる。ネットワークについてもDHCP環境にあれば、LANにつながっているだけで自動的に接続設定がおこなう。ネットワークに繋がれば、必要なファイルなどはhttp, ftpなどで保存できるためハードディスクなどがなくても困らない。基本的に1CD/1DVDブータブルオペレーティングシステムであるが、LibreOfficeなどのアプリケーションソフトが付属している。CD/DVDから起動するため、デフォルトでは書き込み(データの変更)を行うことができるユーザのホーム・ディレクトリなどがRAMディスク上に置かれており、パソコンの再起動やシャットダウンで保存したデータは消えてしまう。しかし、それらをフロッピーディスク、可搬式のハードディスク、USBメモリなどに保存することもできる。そのため国外の旅行先でも、CD-ROMから起動できるパソコンを借りることによって、自国語環境の元で簡単な仕事を行うこともできる。また、日本語版ではInstall2WinというWindowsパソコンにKNOPPIXをインストールしてマルチブート環境を構築することによってハードディスクからKNOPPIXが起動できるようにする機能が搭載されている。ただしこの機能は、下で述べるインストール機能よりインストールされるOSの操作は、LiveCDのOSに近い。だが、下で述べている機能ではKNOPPIXではなくDebianがインストールされる。データの書き換えができないCD/DVDに、起動に必要な要素がすべて格納されているため、起動中にどのような状態になっても再起動すれば元に戻る、という特徴がある。この特徴を生かし、不特定多数がパソコンを共有する、公共の場に置かれるキオスク端末や、学校教育などでの使用が考えられている。そのため、日本語版では教育ソフトを収録した、KNOPPIX Eduが開発されている。また、最近OSで流行している3Dデスクトップの搭載に対応するため、5.1から、3Dデスクトップ環境Beryl、5.3.1からはその後継のCompiz Fusionが搭載された。CDやDVDから起動できることが、最大の特徴であるKNOPPIXだが、バージョンごとに新たな技術的試みが取り込まれていることも、KNOPPIXの特徴となっている。KNOPPIX3.8.1からは、UnionFSというファイルシステムが採用されており、本来書き込むことができないはずのCD-ROMに対し、仮想的にファイルを書き込むことができるようになった。これにより、一時的にではあるが、それまで不可能だったパッケージの追加などがおこなえるようになった。KNOPPIX5.1からは安定性向上のため、unionfsに替わり、aufs(another unionfs)が採用されている。KNOPPIXには各種エミュレーション用ソフトウエア(エミュレータ)が搭載されており、最もエミュレータが利用しやすいOSのひとつとなっている。QEMUはKNOPPIX上、もしくはWindows上でKNOPPIXを起動でき、Cooperative LinuxをWindowsにインストールすることで、Windows上の一ウインドウとしてKNOPPIXが動作する。Xenと組み合わせた版であるXenoppixでは、KNOPPIX上でPlan 9やNetBSDが利用できる。KNOPPIXはCD/DVDから起動させるのが一般的であるが、多彩な起動方法が選択できることも特徴のひとつで、CD/DVDに格納されたイメージをハードディスクにインストールしてしまい、通常のLinuxディストリビューションの様にハードディスクから起動することも可能である。KNOPPIX5.1以降には、KNOPPIXをUSBフラッシュメモリから起動させるためのスクリプト、mkbootdevが追加されており、1GBのUSBフラッシュメモリを使用すればCD版のすべての機能を利用することができるようになっている。また、公式対応以前にも、USBフラッシュメモリ起動の試みは、USB-KNOPPIXなど、各所でおこなわれていた。そのほかコンパクトフラッシュからの起動や、サーバを用意して、ネットワークからのPXEブート、またHTTPポートを使用して必要なイメージをネットワークから取得して起動する方法も選択できるようになっている(HTTP-FUSE-KNOPPIX)。バージョン6からLCAT(Live CD Acceleration Tool kit)と呼ばれる機能が追加された。これは、Live CDから起動する際に読み込まれるデータの配置を最適化することによりCDのピックアップの移動を抑えて起動時間を短縮する機能であるが、機能単体のプロジェクトも存在する。産業技術総合研究所による日本語版の開発、並びに頒布は既に終了しており、7.0.2が最終版となっている。プロジェクトの閉鎖に伴い2015年4月に公式サイトは閉鎖された。尚、2015年現在オリジナルのKNOPPIXには日本語のロケールが追加されているため、初期状態はドイツ語版か英語版であること、並びにIME等の積極的なサポートが無いなど、設定を要するものの、日本語での利用も可能になっている。
出典:wikipedia
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