セリウム()は原子番号58の元素で、元素記号は Ce。軟らかく、銀白色の、延性に富む金属で、空気中で容易に酸化される。セリウムの名は準惑星ケレスに因んでいる。セリウムは希土類元素として最も豊富に存在して、地殻中に質量パーセント濃度で0.046%含んでいる。さまざまな鉱物中で見つかり、最も重要なのはモナザイトとバストネサイトである。セリウムの商業的な用途はたくさんある。触媒、排出物を還元するための燃料への添加剤、ガラス、エナメルの着色剤などがある。酸化物はガラス研磨剤、スクリーンの蛍光体、蛍光灯などで重要な成分である。灰色がかかった銀白色の金属で、常温・常圧での安定結晶構造は、面心立方格子構造(FCC、β型)だが730 以上で体心立方格子構造 (BCC) となり、低温では六方最密充填構造(HCP、α型)、更に-150 以下で再び面心立方格子構造が安定となる。比重は6.77、融点は804 、沸点は3,470 で、融点と沸点の開きが大きいのが特徴。空気中で酸化されやすく、次第に酸化セリウム(IV) (CeO) となるほか、加熱すると160 で発火する。水にはゆっくりと溶け(熱水と反応)、酸(無機酸)には易溶。アンモニアにも溶ける。原子価は+3、+4(ランタノイドで唯一4価が安定なのが特徴)。モナズ石(モナザイト)やセル石(セライト)に含まれる。最も存在量の多い希土類元素だが、資源としては90%以上を中国が産出している。金属セリウムは空気中でゆっくりと変色し、150 で速やかに燃焼し酸化セリウム(IV)が生成する。セリウムは非常に電気的陽性で、冷水とおだやかに、熱水とは速やかに反応して、水酸化セリウム(III)が生成する。金属セリウムは全てのハロゲンと反応する。セリウムは希硫酸に速やかに溶け、無色の Ce(III) イオンの溶液ができる。このイオンは [Ce(OH)] のような錯体として存在するセリウム(IV)塩は赤橙色か黄色である。一方、セリウム(III)塩はふつうは白色か無色である。両者とも紫外線を非常に吸収する。セリウム(III)は無色のガラスを作るのに使われ、ほぼ完全に紫外線を吸収する。鋭敏な定性的な検査により、セリウムは希土類の混合物から容易に検出できる。アンモニアと過ハロゲン酸をランタノイドの水溶液に加えると、セリウムが存在すれば特徴的な暗褐色に染まる。セリウムの取りうる酸化数は+2、+3、+4の三つある。+2の状態は珍しく、CeH、CeI、CeS などで見られる。最も有名な化合物は酸化セリウム(IV) (CeO) で、jeweller's rougeとして使われる。滴定で使われる二つの有名な酸化剤は硫酸セリウムアンモニウム(IV) (NH)Ce(SO)) と硝酸セリウムアンモニウム(IV) (NH)Ce(NO))(別名:CAN)である。セリウムは塩化物もつくり、塩化セリウム(III) CeCl は有機化学でカルボニル化合物の反応に使われる。他の化合物は以下のとおり。酸化物が研磨剤として用いられるほか、ガラス添加剤、製鋼原料、触媒としても使用される。化学反応における酸化剤としての用途は、使用量こそ少ないが非常に重要である。レアアースであり資源としては、中国、旧ソ連、アメリカ、西オーストラリア、インドの埋蔵量が多く、日本でも少量産出する。鉱物としてはバストネサイト (Ce,La)(CO)F、モナザイト (Ce, La, Nd, Th)PO が主体であり、それぞれ酸化セリウムとして50%弱と最も多く含まれている。産出量は約90%を、中国内陸部で磁鉄鉱副産物の複雑鉱石から精製されるものが占めており、次いでアメリカ、旧ソ連、インドとなっている。中間製品の輸出国としては他にフランス、台湾もあげられる。汎用研磨剤としては、アメリカ産バストネサイトをそのまま酸化・粉砕し、粒度分級したものが用いられている。そのほか、焙焼したバストネサイトを塩酸浸出し他の希土類と分離したもの、モナザイトを苛性によるアルカリ製錬(リン酸鉱物であるため)する雰囲気で利用が遅れた。水酸化物を塩酸抽出したものから酸化セリウムなどの化合物が製造され、各種用途に用いる。溶融電解や金属カルシウム還元により、金属セリウムが得られる。フェロセリウムは主にアメリカで生産され、鉄鋼添加剤用途に輸入されている。同じ年に別個に発見されたため、第一発見者を巡って国家間の論争を招いた最初の元素となった。1803年、スウェーデンのイェンス・ベルセリウス (J. J. Berzelius) とウィルヘルム・ヒージンガー (W. Hisinger) が、スウェーデンのバストネス鉱山でイットリウム鉱石の探索中に未知の酸化物を見いだし、そのころ発見された準惑星(発見当時は惑星とされていた)セレスにちなんでセリア (ceria) と命名された。同年、ドイツのマルティン・ハインリヒ・クラプロート (M. H. Klaproth) も同じ鉱山で新元素を探索した結果、新元素を発見し、その性状から黄色い土という意味でテールオクロイト (terre ochroite) と命名された。その後、学会で、名称としてセリウムが採用された。
出典:wikipedia
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