ルービックキューブ(Rubik's Cube)はハンガリーの建築学者エルノー・ルービックが考案した立方体パズル。ルービックキューブの愛好家は日本ではキュービスト、日本国外ではキューバーと呼ばれる。 なお「ルービックキューブ」はメガハウスの登録商標であり、「Rubik's」はルービックス・ブランド社(イギリス)の登録商標である。各面は3×3=9個の色の付いた正方形で構成されているが、立方体全体を見ると、頂点にあるコーナーキューブ8個、辺にあるエッジキューブ12個、各面の中央にあるセンターキューブ6個で構成されているのがわかる。これらのキューブを、各列(行)ごとに自由に回転させることができる。回転に伴い、コーナーキューブやエッジキューブ(サブキューブとも言う)は場所が移動するが、センターキューブは回転するだけで移動しない所がポイントである。後に出た上位版のルービックリベンジでは各面が4×4に分割されておりセンターキューブ自体も他の面に移動できてしまうため格段に難しい。オフィシャルのバリエーションでは他に、各面が5×5に分割されているプロフェッサーキューブや、2×2に分割されているポケットキューブがある。センターキューブに絵や文字が入り、向きや並び(リベンジ以上の場合)を揃える必要があるものもある。なお、センターキューブ、エッジキューブ、コーナーキューブはそれぞれ1面体、2面体、3面体と呼ばれることもある。遊び方は、キューブを回して色をバラバラに崩し、それを再度揃えるだけというシンプルなもの。シンプルなだけに最初は誰でもすぐに完成すると思いがちだが、一旦揃えた場所を崩さずに他の場所を揃える方法に気付かないといつまで経っても完成しない。ルービックキューブの世界標準配色は、白を手前に見ると奥が黄色、そして側面が時計回りに青・赤・緑・橙色となっている。しかし、日本国内で正式にライセンスを受けて販売されているメガハウス製の旧品では、世界標準配色の黄と青が入れ替わっている、日本配色だった。なお、メガハウスから2013年に発売されたルービックキューブ ver2.0では配色が世界標準のものに是正されている。ルービックキューブは分解可能であり、分解してからまた組み立てればパズルが苦手な人でも6面を完成させられる。最近では分解がほぼ不可能な物もある。このような機構のパズルの中には、上記のルービックリベンジ、プロフェッサーキューブ、ポケットキューブ、V-CUBE 6、V-CUBE 7等の立方体のバリエーション以外にも正四面体のピラミンクスや正十二面体のメガミンクス等もある。また、形状は立方体だが立方体の角が回転するスキューブなどもある。正八面体や正二十面体のものもある。正多面体以外の形状のものとしては、八角柱や立方八面体の形状のものもある。2006年に発表された「フロッピーキューブ」は、1×3×3 の直方体の形状をしている。この作品は国際パズルパーティーのコンペティションで入賞している。また2×2の分割系ではキャラクターを模した物もあり、ハローキティを頭部と胴体部の間・全身の前後の間で分割している物や、ガンダムの頭部を分割した物などがある。ルービックキューブに貯金箱の機能を備えた「ルービックキューブバンク」も登場している。なお、投入したコインの取り出しには、取り出し口のついた面のみを揃えればよい。ルービックキューブは、ハンガリーの建築学者で、ブダペスト工科大学教授だったエルノー・ルービックが1974年に考案した。ルービック社公式サイトの説明によれば(“Rubik's World”から“Cube facts”をクリックすると出てくる)彼は3次元幾何学を説明するための「動くモデル」を求め、ドナウ川の流動を見て発明のヒントを得たという。最初のキューブの原型は、木製の立方体であった(同サイトの“Rubik's history”で見られる)。ルービックは「マジック・キューブ」(魔法の立方体)という名前で特許を取得し、1977年にハンガリーの玩具製造会社「ポリテクニカ」から最初のキューブが発売される。その後、アメリカのメーカーであるアイデアル・トイ社が販売権を獲得し、マジック・キューブは発明者の名前を冠した「ルービックキューブ」の名前で世界的に発売された。日本では1980年7月25日にツクダオリジナルから発売された。同年の6月には朝日新聞ですでにルービックキューブのことが数学者に注目されるパズルとして紹介されており、1980年から1981年には日本中でルービックキューブが大ブームとなった。1981年2月には海賊版が出回る事態まで発生している。日本では、正規品だけでも発売から8か月の間に400万個以上という売り上げを記録した。1981年1月31日には帝国ホテルで「第1回全日本キュービスト大会」が開催されて400人の参加者が集まった。6歳から68歳までと幅広い年齢層の愛好家が参加し、6面完成までの時間を競い合った。この大会での優勝記録は当時16歳の高校生が記録した2分37秒(3回の合計)となっている。優勝者には賞品として自動車が進呈された。その後もルービックキューブは売れ続けており、世界ではこれまで約3億個が販売されている。日本では、6面完成をさせた者に対して認定証が贈られるシステムがある。もともとは発売元のツクダオリジナルが認定していたが、現在では親会社ツクダの経営不振のため、メガハウスが行っている。2005年9月までに2万人以上が認定されており、その中にはコメディアンの萩本欽一も含まれる。公式の競技ルールは世界キューブ協会(WCA)によって毎年アナウンスされる。WCAに認められる"公式大会"は世界中で行われており、日本では日本ルービックキューブ協会(JRCA)によって開催される。また、世界大会も2年に一度10月頃に行われており、世界中のキュービストが集まる。2007年の世界大会は10月5日 - 7日にハンガリーのブダペストで行われ、メインイベント(3x3x3 Cube 5回の平均)で優勝と3位は日本人選手だった。また優勝賞金は5000ユーロだった。公式に認められている種目と認められている競技方法は以下の通りである(ただし×の種目は認められていない)。太字で示したものは、種目の決勝で行われることを推奨されるものである。ベストとは一定数計測した中で最も速い記録であり、3回の平均は3回計測した平均の記録である。5回の平均は、5回計測した中で最も速い記録と最も遅い記録を除いた3回の平均を競うものである。片手や、足だけを使ってキューブを解く特殊な競技も行われている。これらは通常より離れ業的要素を強くした競技である。目隠しで行う競技は、まずキューブの状態を「見て」記憶し、その後目隠しをしてこれを解くものである。見て記憶し始め、完全にパズルを解くまでの時間が競技者の記録となる。揃えるのに失敗したらその試技は失格となり記録は残らない。また、2個以上のキューブの状態を同時に記憶し、目隠しをしたまま解く競技もある。この競技はタイムの他に揃えるのに成功した数および失敗した数も記録となり、成功した数から失敗した数を引いた数が大きい方がタイムに関係なく上位となるため、タイムを競うというよりはキューブの個数を競う要素が強い。そのためこの競技は制限時間を設けることが義務付けられており、競技者がタイマーを止める前に制限時間に達した場合はその時点での成功数と失敗数および制限時間いっぱいのタイムが記録となる。なお、制限時間は申請した数が6個以下の場合は申請したキューブの数×10分だが、6個以上の場合は一律60分である。最少手順競技のルールは独特である。競技者にはキューブを回すある手順を示した紙が渡される。そして、競技者は、60分の時間制限の中で、それを元に戻す手順のうち、できるだけ手数の少ないものを見付けるのである。競技者は、支給される紙、ペン、持参する3つのキューブ、および、枚数無制限のステッカーを使うことができる。2012年12月末までルービックマジックとマスターマジックが公式競技として認定されていたが、2013年のルール改正により、非公式競技となった。"詳細は「ルービックキューブの記録一覧」を参照"ルービックキューブを解くまでの時間の速さを競うことをスピードキュービングと呼ぶ。1回計測するだけでは誤差が大きいため、5回計測して、その中から最も速かった回と最も遅かった回を除外した3回の時間の平均を用いることが多い。ルービックキューブの解法には、過去にルービックキューブに付属していた解法書の解法である、ツクダ式やCF(Corners First)などがあるが、スピードキュービングで用いられている最もポピュラーな解法はLBL(Layer By Layer)と呼ばれるものである。これは、基本的にキューブの各層を下から順に揃えていく方法である。解いている過程が分かりやすく、短時間で揃えることができる。LBL法やCF法といった解法では大量のパターンを暗記しなければならないため、パターンを解説するために回転記号というものが使われている。キューブの6つの面を前面(Front)・背面(Back)・右面(Right)・左面(Left)・上面(Up)・下面(Down)と名づけ、それぞれの面を時計回りに90°回転させることをF・B・R・L・U・Dと書き表す。またそれぞれの面を反時計回りに90°回転させることをF'・B'・R'・L'・U'・D'、180°回転させることをF2・B2・R2・L2・U2・D2と書き表す。180°回転させる場合は時計回りでも反時計回りでも同じである。中段の回転(スライス・ムーブといわれる)にはS・M・Eといった記号が用いられる。早く解くにはキューブをすばやく回さなければならないため、シリコンスプレーやホワイトグリスを使用して回しやすくする人も多い。また、キューブを短時間で回転させるため、以下のように様々なテクニックが考案されている。このような動きをすることからパズルというよりはスポーツ競技だと取られることが多く、欧米ではスポーツになりつつある。メガハウスからは「スピードキュービングキット」が発売されている。キットには通常のルービックキューブのほかに、台座・ドライバー(プラスとマイナス各1本)・LBL式の攻略指南書・ワックスがセットになっている。キューブを分解してセンターキューブを外し、ドライバーでネジを回すことによって回転しやすさを調整することができる。一方でルービックキューブは数学的にも興味深い対象であるにもかかわらず、早解きに関する部分のみが取り上げられることには批判もあり、例えば芦ヶ原伸之も苦言を呈している。ルービックキューブを使って各面に様々な模様をつくることをパターンキューブという。各面にH、T、凹、+といった文字や記号の模様をつくったり、小さいキューブが大きいキューブの中に入っているような模様にしたりできる。大きいキューブの中に2×2×2のキューブが入っているように見えるものを「キューブ・イン・キューブ」といい、1×1×1のキューブが入っているように見えるものを「ミニキューブ・イン・キューブ」という。大きいキューブの中に2×2×2のキューブが入っていて、そのキューブの中に1×1×1のキューブが入っているように見える(三重構造になっている)のを「二つの輪」や「キューブ・イン・キューブ・イン・キューブ」などという。他にも、各面の真ん中(センターキューブ)だけをかえたものを「ヘソ・キューブ」や「中抜き」、チェック柄にしたものを「チェッカー・キューブ」という。ルービックキューブの動作原理についての特許をエルノー・ルービック以外にも取得している人がいる。ルービックが取得した特許は、アメリカではラリー・ニコルスが取得したのは、であり、1986年、アイデアル・トイ社 (アメリカでの発売元)に対する訴訟に勝訴している。イギリスでは、Frank Fox が以下の特許を取得した。日本では石毛照敏が特許を得た。これらは平成11年特許法改正により内外国公知(世界公知)が要求される前のため、上記のようなハンガリーや米国、英国での特許に関わらず、日本で公知となっていなかった本技術は特許性が認められた。ルービックキューブは数学の一分野である群論と関連が深く、論文も発表されている。ルービックキューブをいったん分解して組み立てなおしたときに考えられる色の配置の総数を求めると、まずコーナーキューブの位置が8!通り、向きが3通り、エッジキューブの位置が12!通り、向きが2通り、これらを全てかけあわせて(8!×3)×(12!×2)通りとなる。しかし、実際には完全に揃った状態のキューブに回転操作を施すだけではこれだけの組み合わせは実現できない。以上の3つの条件から、完全に揃った状態のキューブに回転操作を施してできる組み合わせの総数は前述の値を(2×2×3)で割ったものとなる。すなわち、このパズルで考えられる配置は (8!×3)×(12!×2)/(2×2×3) = 4,325京2,003兆2,744億8,985万6,000通りである。「いかなる状態でも、最多でも○○手で各面が揃った状態に戻せる」という数のことを「神の数字(God's Number)」と呼ぶ。長い間研究対象とされてきたが、2010年7月、Morley Davidsonを中心とするグループの発表によって終止符が打たれた。ルービックキューブの最初の回し方は18通りであり、2手目以降は15通り(同じ面を続けて回さないため)である。このことから、n手目の可能な配置の上限は 18×15通りである。(18+18×15+…+18×15)<全配置<(18+18×15+…+18×15) より、17手以上かかる配置が存在することが分かる。対面を回転させる手順は手順前後が可能であることを考慮すると、この下限は18手となる。その後しばらくは手数の更新が無かったが、「スーパーフリップ」と呼ばれる配置(全てのエッジピースが正しい位置にありかつ反転しているような配置)からの復元は難しいと予想されていた。1992年にディク・T・ウィンター(Dik T. Winter)は、スーパーフリップからの復元が20手でできることを確認した。1995年にマイケル・レイド(Michael Reid)は、この配置からの復元に20手かかることを示した(手順の一例:U R2 F B R B2 R U2 L B2 R U' D' R2 F R' L B2 U2 F2)。半回転を2手として数えると、スーパーフリップは24手かかる。この手順は1995年にレイドによって発見され、ジェリー・ブライアン(Jerry Bryan)によって最小手数と証明された。1998年には、26手かかる配置が確認されている。神の数字の上限に対する最初期の成果として、モウエン・シスルスウェイト()によるアルゴリズムがあげられる。これは、1981年にダグラス・ホフスタッターによってサイエンティフィック・アメリカン誌に発表された。このアルゴリズムによって、52手という上限が示されている。1992年に Herbert Kociemba はシスルスウェイトのアルゴリズムを改良し、1995年にレイドはこのアルゴリズムを使用して29手という数字を示した。半回転を2手として数えると、42手になる。2005年に Silviu Radu は、上限を28手(半回転を2手とすると40手)に下げた。翌2006年には、Radu 自身によってこの数値は27手(半回転を2手とすると35手)に改良されている。2007年にノースイースタン大学の博士ジーン・コッパーマンらは、26手であると発表した。このとき、全ての配置が26回の半回転で復元できることも確認された。2008年3月、スタンフォード大学で数学の研究助手を務めるトマス・ロキッキは、25手であることを示し、さらに2008年4月には23手、2008年8月には22手にまで記録を縮めた。2010年7月、Morley Davidsonを中心とするグループによって、20手であることが示された。上述のスーパーフリップの件とあわせて、これが真の「神の数字」と証明されたことになる。余談だが、このグループのメンバーには上述のトマス・ロキッキも含まれている。en:Optimal solutions for Rubik's Cubeも参照。本製品の開発者のルビクは初来日当時、『超時空要塞マクロス』に登場するVF-1 バルキリーのアイテムの変形に河森正治立会のもと挑みながら、脚部変形以降が出来ず頓挫したことがある。その為当時バルキリーの売り文句の一つとして「ルービックキューブより難しいバルキリーの変形」とまで言われている。それくらい、ルービックキューブが変形機構の精巧性の基準扱いされていた。2010年7月15日に東京おもちゃショーでお披露目された、東京都町田市立山崎小学校の生徒約800人によってルービックキューブ9,071個で作り上げた全長11mのモザイクアートがギネス世界記録に認定された。これはこれまでのトロントのアーティスト5人が4,050個で作った「最後の晩餐」を上回る記録となった。
出典:wikipedia
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