乱雑位相近似(らんざついそうきんじ Random Phase Approximation, RPA)は、元々D. J. BohmとD. Pinesによって展開されたN粒子系における基底状態の量子揺らぎ及び励起振動状態(フォノン)を記述するための近似手法。N粒子系(N電子系)における密度演算子、formula_1において、位置座標ベクトルformula_2が無秩序なら、逆格子ベクトルと位置座標ベクトルとの積、formula_3も無秩序(乱雑)なので、formula_4からの寄与が、formula_5よりずっと小さいとして無視する線形応答理論における摂動論的な近似法の一つ。formula_6においては、formula_3が乱雑なことにより各項の位相も乱雑となり、和の各成分が相殺し合って全体としての寄与が無視できるほど小さくなることによる。勿論、この近似が適用できない場合も多々ある。粒子系(電子系→電子ガス)が高密度の場合は、乱雑位相近似が妥当な近似であることが分かっている。同等な近似手法が、多方面(例:GW近似)で利用、応用されている。まず第0近似としてハートリー-フォック近似を考える。ハートリー-フォック近似で得られた基底状態には量子揺らぎ効果は含まれてはいない。そこで、量子揺らぎ効果を含んだ量子状態が一体演算子formula_8を用いて次のように与えられると仮定する。formula_9そして、次にこのように与えられた状態を用いて計算されるハミルトニアンの期待値をformula_10に関してテイラー展開すると次のようになる。formula_11formula_12の期待値がゼロになるように求めるのがハートリー-フォック近似であるので右辺第2項はゼロとなる。従って、formula_13formula_14と表されることがわかる。formula_15と定義されている。また、この定義で次のように定義される二重交換関係formula_16を状態formula_17の線形結合によって、formula_18と表せることを示している。この時、量子状態formula_19はその異なるもの同士は直交する、すなわちformula_20と仮定する。更にformula_17の線形結合で定義される状態formula_19の最もエネルギーの低い状態(基底状態)formula_23をformula_24と定義する。以上の条件のもとで上述のRPA固有値方程式はformula_25と等価である。
出典:wikipedia
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