『仮面ライダー龍騎』(かめんライダーりゅうき、欧文表記:"MASKED RIDER RYUKI")は、2002年(平成14年)2月3日から2003年(平成15年)1月19日までテレビ朝日系列で毎週日曜8:00 - 8:30(JST)に放映された特撮テレビドラマ作品、および作中で主人公が変身するヒーローの名称である。「平成仮面ライダーシリーズ」第3作である。キャッチコピーは「戦わなければ生き残れない!」。平成に制作されたTVシリーズとしては作中で「仮面ライダー」の言葉を用いた初の作品である。本作品は、設定・世界観重視の前2作とは異なり、「13人の仮面ライダーが自らの望みを叶えるために最後の1人になるまで殺し合い続ける」という人間同士の競争、それに付随する人間関係の描写を重視した作品になっている。ライダー同士の戦いという破天荒なシチュエーションを採用、さらにはカードゲームの要素を取り入れたバトル方法を取り入れている。放送開始後は、ライダーが自身の欲望のために他のライダーと殺し合うというストーリーと、悪役であっても正式に「仮面ライダー」を名乗るという設定が、「子供番組としては不適切である」という意見も新聞投稿などに見られた。現在でこそ「平成仮面ライダーシリーズ」の第3作に位置づけられる『仮面ライダー龍騎』であるが、当時はまだシリーズという意識はなく、『仮面ライダークウガ』『仮面ライダーアギト』の2作で終了してライダー以外の作品が始まる予定だった。この頃に出された案として『仮面ライダー』の企画原型の一つである『クロスファイヤー』をモチーフとした騎士ヒーローの企画があり、これが本作品の原型となっている。しかしその後、仮面ライダーが大きな盛り上がりを見せていることを重視し、やはり仮面ライダーを制作しようという方向で話が決まった。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を受けて、テレビ局側は『クウガ』『アギト』のように複雑ではなく、善悪の別が明瞭なヒーローものを作り、子供たちに本当の正義を教えようというコンセプトを企画側に要求した。しかし白倉伸一郎プロデューサーは局の意向を察した上で、意図的に曲解した応えを返した。「子供たちに本当の正義を教えたい」と言うからには、子供たちの信じている正義は偽物で、番組制作者は本物を知っていると主張するに等しくなってしまうからである。白倉は前作『アギト』でも複数の主役を配置することで「それぞれの立場の正義」を描こうとしたのだが、視聴者がはじめから結論づけている「仮面ライダーは正義」という意識を打ち壊すには至らなかった。そこで『龍騎』では視聴者が受容できないほど多くの仮面ライダーを投入し、規定の結論を覆そうとしたのである。メインスポンサーであるバンダイからも『クウガ』『アギト』とはガラリと変えたいという要望があり、デザインや設定なども従来の仮面ライダーシリーズとは大きく異なる斬新なアイディアが数多く取り入れられていった。このように従来の仮面ライダーシリーズにはありえない設定を盛り込んだ作品であるため、外伝という意味を込めて作品名に『龍騎』と漢字が用いられた。本作品では過去のシリーズとは異なる独自の要素が多く見られる。本作品に登場する仮面ライダーのデザインは、従来のイメージからかけ離れたものであったため、発表当初は戸惑いの声をもって迎えられた。こうした反応に対し、白倉伸一郎は「仮面ライダーの特徴的な外観を突き詰めていっても絶対にオリジナルにはかなわない。結局はセルフパロディになってしまう(要約)」、早瀬マサトは「石ノ森(章太郎)が残したデザイン画の変遷を見ていると、割と突飛なデザインも描いていて、そうした冒険心も引き継いでいかなければ」と述べている。13ライダー共通のモチーフとして西洋の騎士が基本になっている。マスクは鉄仮面をモチーフとし、スリットの入ったシルバーのバイザーが特徴である。ボディは前作までののっぺりとしたスーツとの差別化のため、スニーカーのデザインを取り込んでいる。一方で、従来のイメージが切り捨てられたわけではなく、仮面ライダー1号の特徴である複眼を龍騎、顎(クラッシャー)をナイト、触角をゾルダ、と主要3ライダーに分割・採用している。ライダーが乗用するバイク(ライドシューター)はミラーワールドへの移動手段として使われ、一部契約モンスターがバイク形態になるという描写があるのみで、本作品以前のライダーにおいて必須だった「スーパーバイクを乗りこなし、バイクに搭乗しつつバトルする」というシチュエーションは薄まっている。一部のモンスターなどをCGで表現した点も特徴で、前年の『百獣戦隊ガオレンジャー』でのパワーアニマルの描写との差別化として人間との絡みが意識されている。クオリティはまだ試行錯誤的なものだったが、以後ライダー作品においてもCGでキャラクターを表現する傾向は続けられている。『龍騎』のラディカルな設定は中高年の消費者層から強い反発を受けたものの、主要視聴者である男子児童向けの商品展開は成功を収めた。玩具売り上げは、前作を大きく上回る139億円を記録し、2009年のライダー売上に抜かれるまで、最も高い実績を残していた。この『龍騎』こそが平成仮面ライダーシリーズの長期化を決定付けた作品といわれる。チーフプロデューサーを務めた白倉は十数年経った後のインタビューで「特撮番組自体が龍騎以前・以後に区分していい位、龍騎の存在が転機となった」と語っている。西暦2002年。街では、人々が忽然と失踪する事件が連続発生していた。真相を追うネットニュース配信社の「OREジャーナル」に所属する見習い記者、城戸真司は失踪者の部屋を取材中、奇妙なカードデッキを発見。その力で仮面の戦士に変身してしまった真司は、鏡の中の世界に迷い込み、自分と同じような仮面の戦士がモンスターと戦う光景を目撃する。命からがら現実世界に戻ってこれた真司は、もう1人の仮面の戦士である秋山蓮と彼と行動を共にしている神崎優衣から、ミラーワールドとミラーモンスターと仮面ライダーの存在を知らされた。連続失踪事件はミラーモンスターによる捕食であり、仮面ライダーはミラーモンスターの力を使うことができる超人であった。ミラーモンスターから人々を守る決意をした真司もミラーモンスターと契約し、正式な仮面ライダー龍騎となった。だが、仮面ライダーナイトこと蓮は、真司と共闘するどころか「龍騎を潰す」と告げて襲いかかってきた。仮面ライダーは全部で13人いるが、それぞれの目的のために、最後の1人になるまで戦わなければならない宿命にあったのだ。真司はモンスターと戦いながらライダーバトルも止めようとするが、真司の願いとは裏腹にライダーバトルは繰り広げられていく。劇場版初出のライダーは仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL#主な登場人物を参照。ミラーワールドとは鏡の中に存在し、左右反転されている以外は現実世界とそっくりだが、モンスターやミラーワールドの住人以外の生物は存在しない世界。その成り立ちには、神崎兄妹が深く関わっている。ミラーワールドには生身の人間は長時間存在することが出来ず、一定時間を過ぎると粒子化して消えてしまう。逆にミラーワールドに生息する者が現実世界に長時間存在することもできない。ミラーワールド内でのライダーの活動限界時間は9分55秒となる。基本的に鏡から出入りするが、ガラス、水たまり、ヘルメットなど鏡面化しているものでも出入りが可能である。ミラーワールドに入った人間は二度と出ることはできないが、ライダーに変身することで出ることができる(TVSPでの真司など)。またライダーであれば鏡面化しているものならどこからでも出入りが可能であるが、契約前のブランク体に限っては入り口となった場所からしか出られない。カードデッキには一揃いのアドベントカードが入っている。契約モンスターをコントロールする技を使うためには、カードデッキからアドベントカードを1枚引き抜き、専用のバイザーにセット(ベントイン)して発動させる必要がある。各々のライダーが持つアドベントカードの種類はあらかじめ決まっており、カードは他のライダーがベントインした場合でも、本来の所有者のライダーに効果が現れる。一回の戦闘中に一度使ったカードはもう使えない。カードで召喚された装備は、そのライダーと契約しているモンスターの体の一部を模しているが、本体とは別のものである(例えば、龍騎がドラグクローを装備中にドラグレッダーの首が無くなるわけではない)。ただし、玩具ではモンスターの部位そのものが装備となっている。また、アドベントカードはカード所有者にとってその状況で使うにふさわしいカードがデッキの一番上に来るようになっている。効果の強さは「AP」(防具は「GP」)という単位で設定されており、1APが0.05t(トン)に相当するものとして計算される。『仮面ライダーアギト』の時期より話題だった、イケメンブーム路線を受け継ぐキャスティングがされている。また世間的に認知されている中堅俳優たち(津田寛治・神保悟志)や、ブレイクする直前の森下千里を起用、テレビスペシャルではベテランの黒田アーサーが仮面ライダーベルデ役で出演した。本作品でライダーを演じる俳優には、過去に特撮番組への出演経験がある萩野崇(『超光戦士シャンゼリオン』)、高野八誠(『ウルトラマンガイア』)、高槻純(『ウルトラマンネオス』)、加藤夏希(『燃えろ!!ロボコン』)、和田圭市(『五星戦隊ダイレンジャー』)も加わっている。カッコ内は登場話数本作品から作品中で使われる楽曲の発売元が、これまでほとんどの仮面ライダーシリーズに関わってきたコロムビアからavex modeに交代したこともあり、主題歌「Alive A life」はTVシリーズでは初の女性ボーカル・松本梨香を起用し、キャラクター名をタイトルや歌詞に織り込まない物となった。音楽ディレクターは、『仮面ライダークウガ』『アギト』を担当した本地大輔がコロムビアから移籍する形で引き続き参加。BGMは丸山和範と渡部チェルが担当。劇場版BGMとTV版主要BGMを収録したOST『劇場版 仮面ライダー龍騎 エピソードファイナル オリジナル・サウンドトラック+TVメインテーマ』が劇場版公開時期に発売され、それ以外の劇伴は番組終了後に発売された全楽曲と劇伴を網羅した『Last Message 仮面ライダー龍騎 コンプリートCD-BOX』に収録された。ただし一部の楽曲は、CD-BOXにも未収録である。この販売形式は後の『555』『剣』でも引き継がれ、番組終了後のCD-BOX発売は以降『響鬼』を除き恒例となる。各回にはタイトルは無く、ここで明記しているものは、新聞のテレビ番組欄やテレビ番組情報誌、テレビ朝日公式ページにて表記されたものである。各話終了時には画面左側に最後のワンシーンがモノクロで表示され、右側に主に活躍したカードが表示される。これまでの平成仮面ライダーシリーズでは最も放送エリアが広く、ほぼ全国をカバーしていた。リンクのある作品はリンク先も参照。
出典:wikipedia
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