褥瘡(じょくそう、、)は、臨床的には、患者が長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になった場合、体と支持面(多くはベッド)との接触局所で血行が不全となって、周辺組織に壊死を起こすものをいう。一般には床ずれ(とこずれ)とも呼ばれる。「褥創」と書かれることもあるが、日本褥瘡学会は、「創」の字が局所的な創傷を表すのに対し「瘡」の字が全身的な病態を表すとして、後者の使用を推奨している。褥瘡は偶発性(または突発性)褥瘡と尋常性褥瘡に大別して考察される。前者は健康な個体に一時的な外力が加わって形成されるものとされ、その負荷が除去されれば速やかに治癒が得られるものである。これに対し後者は慢性的に経過し難治であり、そのような治癒遷延をきたすなんらかの要因を持つ患者群に好発・集積する傾向のあるものを言う。以下で考察するのは、主として後者であるが、その前提として正しい鑑別診断が行なわれていることが必須である。多くは下記好発部位に示すように、人体の生理的な骨性隆起部周辺の皮膚・軟部組織に圧迫・伸張・剪断応力が外力によって生じ、その結果、組織の微小循環が不全となって壊死が起こり、その部の組織欠損・皮膚潰瘍を生じたものである。褥瘡の原因としては外的因子と内的因子に大別される。外的因子は、外力に対して組織内部に発生する内力としての応力が主たるものである。身体とベッド等支持面との接触部分にかかる応力は2つに分けて考察される。内的因子は、加齢、低栄養、麻痺、乾皮症などの皮膚の状態等多岐にわたる。褥瘡は、やむを得ない発生事例もあるとはいえ、予防の余地の大きい疾患である。一般にDESIGN(デザイン)分類が使われる。この分類は、定性的な重症度評価のための尺度(D:深さ・E:浸出液の多寡・S:大きさ・I:感染の有無・G:肉芽組織の性状・N:壊死組織の有無 に加えて、P:ポケットの有無の6項目で評価するもの)と上記6項目に半定量的に評点を付加する経過評価用尺度の2者で構成されている。従来の2002年版と、評点に重みを入れたDESIGN-Rと呼ばれる2008年版の評価方法の2種類がある。詳細は褥瘡学会HPを参照されたい。多くの実地医家では深達度のみによる分類法であるNPUAP病期(ステージ)分類かShea氏分類(グレード)が使用されている。この二者は共に米国製の尺度であるが、原著ではその意味が少なからず異なるので注意を要する。一般的に治療に関してはShea分類が、予防に関してはNPUAP分類が用いられる事が多い。以下に示すのはNPUAP分類(2007年改訂版)によるものである。治療は創の状態により外用薬と被覆材(ドレッシング)による保存的治療や外科手術が主として行われる。乾燥は創治癒を阻害する。そのため病変部は毎日洗浄し、フィルムなどを使い湿潤を保つ。
出典:wikipedia
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