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金田一耕助

金田一 耕助(きんだいち こうすけ)は、横溝正史の推理小説に登場する架空の私立探偵。スズメの巣のようなぼさぼさの蓬髪をしており、人懐っこい笑顔が特徴。顔立ちは至って平凡、体躯は貧相で、身長は5尺4寸(163.6センチメートルくらい)、体重は14貫(52.5キログラムくらい)を割るだろうという。自身の体格には劣等感を抱いており、『女王蜂』にて風呂場で筋骨隆々とした多聞連太郎の裸体を見た時、金田一が己の体のみすぼらしさに劣等感を覚えるなどの記述が、作品中多々見受けられる。服装は皺だらけの絣の単衣の着物と羽織によれよれの袴を合わせ、形の崩れた帽子(お釜帽、パナマ帽、中折れ帽など)を被り、足元は爪が飛び出しかかっている汚れた白足袋に下駄履きが定番である(このような姿は、昭和初期の若者によく見られたありふれた書生スタイルだった)。また寒い時期には羽織袴の上から上着(防寒着)に二重回し(とんび。袖なしのインバネスコートのこと。)を着こむ。これらの姿から『蝙蝠と蛞蝓』では「雰囲気がコウモリに似ている」と言われたことがある。捜査のため洋服で変装することもあったが、「貧弱なサラリーマンにしか見えない」と等々力警部に笑われたり、「似合わない格好」だと揶揄されることが多く、作中でも「これが金田一が和服にこだわる理由だろう」と推測されている。横溝は『本陣殺人事件』で金田一について、「この青年は飄々乎たるその風貌から、アントニー・ギリンガム君に似ていはしまいかと思う」と述べている。このような金田一のさえない恰好は、初対面の相手には年齢問わず、ほぼ例外なく侮られる傾向にある。反面、非常に母性本能を刺激するもののようで、女性からの受けはとても良い。ほとんどの事件において観た目は35・6歳と記述され、齢五十を超えているはずの最後の作品『病院坂の首縊りの家』でも見かけはほとんど変わっていない。『本陣殺人事件』など一、二の作を除いてはれっきとした中年男(当時としてはなおのこと)であるが、生活感が薄く書生気質を残している。事件のため遠出する際にはボストンバッグやかばんを提げて赴く(なお、石坂浩二の主演映画作品からトランクのイメージが強いが、これは映画オリジナルである)。復員直後の『百日紅の下にて』では雑嚢を持っており、金田一のデビュー作『本陣殺人事件』や『黒猫亭事件』などの初期の作品と、最終作『病院坂の首縊りの家』では籐や桜のステッキを持っている。探偵としての小道具として、虫眼鏡のほか、折りたたみナイフ(または小型の十徳ナイフ)、薄い手袋、小型で強力な懐中電灯などを常備している。犯人との対峙の際に、用心のため防弾チョッキを着込むこともあった。事件の本質に迫った時や意外な事実を知ったときなど、興奮するとスズメの巣のようなモジャモジャ頭を毛が抜けるほどにバリバリと掻きまわし、言葉が吃りはじめる。この頭を掻きむしる際にフケがとび、周囲のものをしばしば当惑させる。横溝は「もじゃもじゃの頭をひっかきまわすのは、私自身の癖を誇張したのである」と語っている。また、何か重大な発見をした場合、口笛を吹くように口をすぼめたり、実際に口笛を吹くクセももつ。いつもは眠そうな、ショボショボとした目つきをしているが事件の渦中にあって、かつ自身が強く興味を持ったことに対しては真剣な目つきに変わる。金田一には人を和ませる天性の雰囲気と話術があり、警察がどんなに骨を折っても聞き出せない情報も、金田一にかかるとたやすく引き出されてしまう。普段の発言は控えめでのらりくらりとしている。概ね犯人や登場人物の行動がそこに至るまでの苦悩を思い、憐憫の情を示すような口ぶりや悩ましげな顔をし、激しく貧乏ゆすりをしたり、ハンケチを揉みくちゃにしたりする。犯人の動機や関係者の行動が著しく非社会的・非人道的で、狡猾かつ独善的な場合には、強く厳しい発言・批判を浴びせる。犯人を取り逃がしたときなどは地団太を踏むなど、激しい姿を見せることもあった。若い世代に対しては歳相応に分別のある話し方をすることが多い。事件が解決すると、強い興味を引く目的がなくなり、また事件関係者たちのその後の運命を想って落ち込み、強い孤独感(一種のメランコリー)に襲われるため、ふらりと旅に出てしまうことが多く、等々力警部らは早く金田一を立ち直らせようとわざわざ事件を押しつけることもあった。捜査の方法は、事件に絡む人脈・人間像の丹念な検証が主で、探偵事務所開設の際に、久保銀造に「足跡の捜索や、指紋の検出は、警察の方にやって貰います。自分はそれから得た結果を、論理的に分類総合していって、最後に推断を下すのです。これが私の探偵方法であります。」と説明している。そのため、最後の瞬間まで捜査関係者に手の内を明かさないことから、さらなる犠牲者を生むことも多く、またあえて犯人に自決を促したり見逃すケースもあり、「事件は解決できるがホシは逃がしてしまう」ということもしばしばある。等々力警部はこれを「金田一耕助流のヒューマニズム」と述べている。また、金田一は警察には協力するが、情状によっては必ずしも真犯人を警察に引き渡すことを目的としておらず、逆に自決を思いとどまらせることもあった。これは、金田一にとってあくまでも事件の真相を知ることに最大の意味があるからである。また世間的に真相が知られなくとも、真犯人が死ねば「報いは受けた」と考えている。いつもは着物に袴の金田一も、「ギャバのズボンに濃い紺地の開襟シャツといういでたち」(『支那扇の女』)、「鼠色のズボンに派手なチェックのアロハ、ベレー型のハンチング帽にべっ甲縁の眼鏡」(『雌蛭』)など、洋服を着ることがあり、これがそのまま変装になっている。また探偵小説の主人公らしく、犯人あぶり出しのために別人に変装することもあった。特に着物に袴のまま大道易者に化けていたときには、「けっこう当たる」と評判をとっている(『暗闇の中の猫』『黄金の指紋』)。「運動音痴」と謙遜することもある金田一だが、背後からの敵襲にすばやく反応する勘を持ち、投石をかわして危うく一命を免れたこともあった(『女王蜂』)。少年向けジュブナイル版での金田一はさらに活動的で、捜査のために浮浪者などに変装したり、走行するトラックの裏に取りついて敵地潜入を行ったり、袋詰めにされ海中に投棄された際には、ナイフで袋を破り脱出するなど、高い運動能力を見せている(「黄金の指紋」)。趣味は映画や絵画鑑賞(『仮面舞踏会』など)で、義理半分だが絵を購入することもあった。鳳千代子の熱心なファンで、出演作は金田一が応召した後に封切られた映画まですべて観ているほどである(『仮面舞踏会』)。学生時代には歌舞伎役者・佐野川鶴之助と誼を通じ彼の後援会「丹頂会」にも加入していた。鶴之助との交流が途絶えた後も「ひととおりは見なきゃ気がすまない」ほどの歌舞伎ファンで(『幽霊座』)、気分が高揚したときには歌舞伎のせりふを口ずさむこともある(『女怪』『傘の中の女』)。スポーツの方は苦手で、『仮面舞踏会』ではゴルフに誘われた際に「運動音痴、すなわちウンチ」と発言している。ただし、ボートを漕ぐことと、東北出身であることからスキーは得意。ヘビースモーカーで、いつも灰皿が吸殻の山になっている。銘柄は「ピース」と「ホープ」を愛煙する。また、戦前は「チェリー(CHERRY)」を愛煙していた(『本陣殺人事件』)。二十歳ごろのアメリカ滞在時に、ふとした好奇心から麻薬に手を出して深みにはまり、厄介者扱いされていたことがある。久保銀造の意見を容れてこの悪習は断ったが、この際「麻薬も結局大したことはありませんからな」とうそぶいている。この麻薬中毒者という設定は、横溝がシャーロック・ホームズに倣ったもの。同じく金田一が若いころにアメリカを放浪しているのは、谷譲次の『めりけん・じゃっぷ』物に倣ったもの。酒はあまりすすんでは飲まないが、下戸ではない。磯川警部と食事をしながらビール瓶を2、3本空けたり(『湖泥』『悪魔の手毬唄』)、大きな徳利を数本空けたりする。事件解決後、気の抜けたビールを「このほうが刺激が少ないから」とちびりちびり呷りながら事件説明を行ったり、事件解決後に犯罪者たちのあくどさを垣間見て悄然となり、酔って気分を紛らわすため自宅で一人ウィスキーを呷ったりすることもあった。また、いきつけのクラブもあり、等々力警部とはクラブ「スリーX」(『白と黒』)、風間俊六の愛人が経営している「クラブK・K・K」がある(『病院坂の首縊りの家』など)、後者の方はもっぱらクラブの用心棒であり、金田一の手駒である多門修に偵察を依頼したり、情報を収集するのが訪れる目的のほとんどのようである。食事は、一人暮らしから簡便に済ますことが多い。朝食はトースト・ゆで卵(しばしば茹で過ぎる)・牛乳が中心で、他にもサラダや果物、アスパラガスの缶詰などを付け合わせることもあるが貧相なもので、朝の身支度と同時進行で数分で片づけてしまう。横溝は「これが流儀」と述べている。昼・夕食は銀座の行きつけの料理屋で済ますことが多く、和食や中華料理を好んで食べている。少食で、「蕎麦一杯で満足」ということもあったが、考え事があると酒と併せ大食することもあった。概ね、食事シーンは大食漢の等々力警部と対照的に描かれる。作者・横溝正史のエッセイ『金田一耕助誕生記』によれば、金田一耕助はA・A・ミルンの探偵小説『赤い館の秘密』に登場する素人探偵アントニー・ギリンガムの日本人化である。これは金田一初登場作品『本陣殺人事件』でも説明されている。金田一の風体は、劇作家の菊田一夫がモデル。『金田一耕助の帰還』でも「一見小柄で貧相だが、うちに大いなる才能を秘めた人物」としてモデルにした旨が記されている。これは、横溝がラジオからの菊田のファンであったためである。横溝は一度菊田に会うが、この時菊田は洋服姿で頭ももじゃもじゃではなかった。ちょうどその頃、新聞で小島政二郎が『花咲く樹』を連載しており、岩田専太郎の挿絵によるレビュー劇場の座付き作家の姿が「着物に袴」で描かれており、横溝はこのイラストが菊田のイメージとダブっていったと述べている。こうしてこれらのイメージを重ねて金田一の姿が出来あがった。江戸川乱歩の創出した探偵・明智小五郎も初期は髪がボサボサで飄々とした風体であったのだが、段々とダンディに変貌していったため「明智が変わってしまったから金田一をやる気になった」との作者の弁がある。また、金田一がもじゃもじゃ頭を掻き回すのは横溝自身の癖を誇張したものだが、菊田一夫も頭髪を引っ掻き回す癖があったという。横溝は「これは偶然の一致だろう」と述べている。名前も当初は菊田にちなんで「菊田一○○」と付けようとしていたという。だがこれは菊田に失礼であろうし、いくらなんでも実在すまいということで取り止めた。そこで横溝は、疎開前に住んでいた東京・吉祥寺で隣組にいた、言語学者の金田一京助の弟・金田一安三(やすぞう)の表札を見たことから、前述の“菊田一”に近い苗字である“金田一”を取り、名前は“京助”を捩って“耕助”と付けた。ところが、横溝は無断借用した形の金田一耕助という名称についても、「紛らわしい名前を使って金田一京助先生がご迷惑しているのではないか」と心苦しい思いをしていた。また、金田一京助とは野村胡堂の通夜で同席したものの謝りそこねたうえ、昭和47年に京助が死去したため、横溝にとって二重のシコリとなっていたという。その後、人づてに京助の子・金田一春彦から「金田一耕助さんのおかげで世間の皆さんからキンダイチと正確に発音してもらえるようになった、難しい苗字なのでいろいろ読み違えられて困っていた、こちらこそ感謝していると伝えて欲しい」との言葉を貰い、「ほっと安堵の胸をなでおろした」と述懐している。江戸川乱歩の明智小五郎、高木彬光の神津恭介と並んで「日本の三大名探偵」と称される。両親とは探偵稼業を始める前に死別しているらしいことが、『仮面舞踏会』中の金田一の台詞から窺える。生涯独身であったとされるが決して朴念仁というわけではなく、『獄門島』の鬼頭早苗と『女怪』の持田虹子に対して想いを寄せているが、いずれも実ることはなかった。久保銀造、同窓の友人・風間俊六、神門貫太郎という3人のパトロンがおり、彼らの援助に支えられている。風間俊六の愛人である「松月」の女将・おせつは、年下ながら姉のように金田一の世話を焼いてくれている。また、後半居を構えた緑ヶ丘荘の管理人である山崎夫婦も、しばしば金欠になる金田一のために便宜を図っている。警察から高い信頼を受けており、ことに「警視庁の古狸」と異名をとる等々力警部は公私共に付き合いのある大親友である。同じく「岡山県警の古狸」と異名を取る磯川警部とも、事件があれば助力を受け合う旧知の仲である。ほか、等々力警部の部下である新井刑事や、アパートの所轄・緑ヶ丘署の島田警部補、筆者の住居の所轄・成城署の山川警部補なども金田一の手腕に一目置いており、複数の作品にたびたび登場している。元・愚連隊上がりの多門修という冒険好きの若者を冤罪から救ったことがあり、この多門は金田一を慕って、たびたび捜査の助手を務めている(『雌蛭』には多門六平太という多門修とほぼ同じ経歴の人物が登場しており、同一人物と思われる)。同郷の後輩で「新日報社」社会部の宇津木慎介記者も、金田一の協力者のひとりである。作中に登場する横溝正史とは「耕ちゃん」「先生」と呼び合う仲である(小説中では「金田一の事件記録者である探偵小説家のY」としている)。横溝によると、「私はかれよりさきに生まれているので、そういう意味でかれは私を先生と呼ぶのであって、微塵も私を尊敬していない」のだそうである。また横溝は金田一を「いらまかし男」と呼んでいて、来ると必ず何かしらの不安の影を落としていくので、「私はこの男が大嫌いなのだ」と語っている。復員して『百日紅の下にて』『獄門島』『車井戸はなぜ軋る』などの事件を解決後、京橋裏の焼け跡に残った「三角ビル」という三角形の怪しげなビルの最上階に、探偵事務所兼住居を持っていた(『黒蘭姫』)。昭和22年ごろになると、中学の同級生で建設会社社長の風間俊六が愛人(作中では「2号さんだか3号さんだか4号さんだかわからないが」と記述される)の節子に女将をさせている大森の山の手にある割烹旅館「松月(しょうげつ)」の、四畳半の離れに居候して、ここを事務所兼自宅にしている。生活力は薄く、煙草銭にも欠く有様で、よくこの「松月」の女将から小遣いをもらっている。「松月」での寄食は昭和31年ごろまで続けている。昭和23年ごろになると住居を別にして銀座裏にあるビル(三角ビルと同一と思われる)の最上階に事務所を開業(『死仮面』『女怪』)しているが、すぐに引き払って「松月」に戻っている。昭和32年ごろ、さらに住居を世田谷区緑が丘の緑ヶ丘荘(後に「緑ヶ丘アパート」)の二階フラットに定め、ここが定住の場所となった(引越しの時期を昭和32年とする説が有力で、経歴では昭和32年説を採用)。仕事の成功報酬はほとんどの場合、満足に得られていない。金田一は興味を持てない事件には、いくら多額の報酬を提示されても見向きもしないが、反面興味をそそられた事件は報酬も構わず、手弁当でこれに没頭してしまう。それでも蓄財はしていたようで、『病院坂の首縊りの家』の事件解決後、近しい人たちに莫大な金額を寄贈している。金田一耕助の関わった事件を記録、小説化しているのは、横溝正史をモデルとした「Y先生」「S・Y」「成城の先生」などと呼ばれる探偵小説家である。作中にこの作家の実名は一度も登場していない。記録に至る経緯ついては、第一作の『本陣殺人事件』では、事件の話を聞いて、作者が情報を集めて作品化したことが述べられている。『黒猫亭事件』では、その連載を読んだ金田一が作者の元を訪れ、作者による小説化を認めるくだりがある。『獄門島』の事件のことは、この時に彼から直接聞かされたことになっている。『黒猫亭事件』そのものは、後に金田一が作者に資料を郵送したのが元である。それ以降は、従って金田一が作者に話すか資料提供したことで作品化されたものとされている。Y自身も作品中にしばしば登場し、事件現場に絡むことすらあった。また金田一耕助は事件の渦中にいた人物に事件の小説化をすすめることがあり、『八つ墓村』『三つ首塔』は金田一のすすめにより登場人物が記録した形式をとっている。他に『蝙蝠と蛞蝓』『殺人鬼』『夜歩く』『七つの仮面』などが作中人物の一人称で語られている。大正2年(1913年) 昭和6年(1931年)昭和7年(1932年)昭和10年(1935年)昭和11年(1936年)昭和12年(1937年)昭和15年(1940年)昭和17年(1942年)昭和18年(1943年)昭和20年(1945年)昭和21年(1946年)昭和22年(1947年)昭和23年(1948年)昭和24年(1949年)昭和25年(1950年)昭和26年(1951年)昭和27年(1952年)昭和28年(1953年)昭和29年(1954年)昭和30年(1955年)昭和31年(1956年)昭和32年(1957年)昭和33年(1958年)昭和34年(1959年)昭和35年(1960年)昭和36年(1961年)昭和42年(1967年)昭和48年(1973年)横溝は一度発表した短編を後に全面改稿することがよくあり、登場人物などを大幅に追加して長編に書き直された短編が多数ある。一部の作品では、初出時の版には金田一が登場しておらず、後年の改稿に伴って登場することになった。本の雑誌編集部編「活字探偵団」によれば、金田一耕助は事件に乗り出してから、次の犠牲者がでるのを防ぐ「防御率」の一番低い探偵ということになっている。防御率の算出方法は、「主要10作品を選定し、探偵が事件に関与してから、解決するまでに起きた殺人件数を作品で割る」というもの。ただし、『八つ墓村』『三つ首塔』『悪魔が来りて笛を吹く』などの大量殺人が含まれているために、防御率が低くなるのも当然と言えるだろう。対象を全77作品で算出した結果は1.5であり、一概に防御率が低いとは言えないのである。また、トリックなどの解明後に犯人が自殺することも多い。このことに関して直接的なものとは言えない。上述したように、「最後まで手の内を見せない」のが金田一の探偵方法であり、犯人の自殺を誘導、または見逃す行為についても、等々力警部が「金田一耕助流のヒューマニズム」とこれを半ば黙認しているのである。映画『金田一耕助の冒険』では、それらに対して「もうあと4、5人は死にそう」「どこまで殺人が行われるか見守りたい」などの、一つの解答とも皮肉とも取れるセリフがある。金田一耕助は何度か映画やテレビドラマの題材として使用され、演じた俳優は石坂浩二、古谷一行、片岡鶴太郎など幅広い。和装の金田一はマントを着ていることが多いが、原作では上述したように二重回しを着こむのが定番であり、マント姿は映像作品に限ったオリジナルである。1990年以降の作品では豊川悦司や上川隆也、稲垣吾郎などが金田一を演じている。また、パロディとしてザ・ドリフターズの志村けんおよび加藤茶や、井上順、ビートたけし、そのまんま東、内村光良、三船敏郎などが金田一を演じたこともある。映画で「金田一耕助」を演じた俳優としては片岡千恵蔵に始まり、岡譲司、河津清三郎、池部良、高倉健と洋装の金田一が続いた。1975年に中尾彬主演で再登場した時はジーンズにベストというヒッピー風のいでたちであった。この1年後に「角川春樹事務所」&「東宝」製作の金田一シリーズが発表され、はじめて原作に忠実な和装スタイルが登場、以後定着する。2006年に市川崑監督によって『犬神家の一族』が角川映画30周年記念作品としてリメイクされることとなり、主演として第1回角川映画版の主役である石坂浩二が再演している。それを記念して石坂浩二によって『金田一です。』という金田一論を書いたエッセイも発売された。なお、同一俳優が同一主人公を演じた期間としては、日本映画では市川右太衛門の『旗本退屈男シリーズ』に次ぐ記録となる。横溝の小説を原作とし、金田一耕助を主人公とする映画を初めとしたメディア作品には、金田一を助ける女性助手が登場するものがある。これはもちろん原作にはないオリジナルなものである。以下にこれを演じた女優を挙げる。東横映画、東映京都、ニュー東映の作品で、金田一耕助の助手として登場する。元々は『本陣殺人事件』の登場人物であった。長坂秀佳脚本によるテレビドラマ2作品で、金田一耕助探偵事務所の助手として登場する。金田一の登場する原作の漫画化は、少年誌から始まった。平成になって、女性作家による漫画化が相次いで行われている。たまいまきこの『女王蜂』『悪霊島』、JETの『本陣殺人事件』『犬神家の一族』『八つ墓村』『獄門島』『悪霊島』『悪魔の手毬唄』『悪魔が来りて笛を吹く』『悪魔の寵児』『睡れる花嫁』(いずれも角川あすかコミックス刊)などが刊行されている。秋田書店「サスペリアミステリー」誌が、2002年の創刊より2006年頃まで、毎月のように横溝作品を漫画化していた。この中では長尾文子による漫画化作品がもっとも作品数が多い(『睡れる花嫁』『迷路荘の怪人(「迷路荘の惨劇」原形作品)』『不死蝶』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』『獄門島』『悪魔の手毬唄』『八つ墓村』『鴉』)。「サスペリアミステリー」では、ほかにも秋乃茉莉、池田恵、児嶋都、高橋葉介、永久保貴一などが金田一作品を漫画化している。ほかに金田一作品を漫画化した漫画家として、いけうち誠一、岩川ひろみ、小山田いく、掛布しげを、直野祥子、前田俊夫などがいる。有名な探偵なので、多くの作家の作品に金田一耕助は登場している。また、昭和50年代の横溝ブームを引き起こした角川書店より、贋作集が2冊刊行されている。他に、横溝作品の「本歌取り」とされる作品がある。漫画作品には、「金田一耕助の子孫」の活躍を謳った作品がある。

出典:wikipedia

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