ジェイアールバス関東株式会社(ジェイアールバスかんとう)は、関東地方を中心に乗合バス・貸切バス事業を行うJR東日本グループの日本の会社である。東日本旅客鉄道(JR東日本)が100%出資する完全子会社。主な収益は高速路線(高速バス)事業であり、高速バスは東京を拠点に関東地方・東北地方・中部地方・近畿地方・四国地方の各方面に近距離から長距離(夜行)まで及び長野県内と京都・大阪を結ぶ長距離(夜行)にて6,114.5km(2016年6月24日現在)の路線を持ち、車両数418両(2016年6月24日現在)を保有し、日本の長距離夜行高速バス業界では最大手で、共同運行しているバス事業者数(43社)も日本では最多である(2015年10月2日現在)。東京で東京駅八重洲南口・東京駅日本橋口のバスターミナルを所有・管理し営業を行っており、同バスターミナルに乗り入れる他社路線(ジェイアールバス東北・ジェイアール東海バス・中国ジェイアールバス・弘南バス・十和田観光電鉄・羽後交通・岩手県交通・茨城交通・関東鉄道・関鉄グリーンバス・関鉄パープルバス・国際興業・小田急シティバス・西東京バス・湘南神奈交バス・横浜神奈交バス・富士急シティバス・富士急静岡バス・しずてつジャストライン・アルピコ交通・アルピコ交通東京・南海バス・南海ウイングバス南部・御坊南海バス・一畑バス・防長交通・WILLER GROUP)の営業(発券、案内など)を代行している。JR高速バス座席予約システムの高速バスネットはジェイアール東海バス、西日本ジェイアールバスとともに開発し、JRバス各社(北海道を除く)が共同で運営している。一般路線バスは概ね旧国鉄バス路線の一部を継承し、縮小傾向にあるが、関東地方の茨城県・栃木県・群馬県・千葉県のほか、東北地方の福島県、中部地方の長野県の各一部地域にも路線を有している。塩原温泉バスターミナル・安房白浜駅・高遠駅など自社管理しているバスターミナルも存在する。また白河市、那須塩原市、草津町、匝瑳市、長和町、諏訪市、岡谷市、伊那市のコミュニティバスの運行を受託している。この他貸切バス事業、「ジェフユナイテッド市原・千葉」のチームバスの運営や関連事業も行っている。健康保険はJRグループ系の「ジェイアールグループ健康保険組合(JR健保)」に加入している。2013年6月に「安全研修センター」を栃木県佐野市に設立し、高速バス対応「訓練専用車」を導入した。新宿高速バスターミナル株式会社に出資しており、会長の万代典彦が同社社長に就任している。民営化以前は国鉄バスを参照。JRバス関東では、日本の多くのバス事業者においてバス営業所と呼ばれる組織を「支店」、同じく支所や出張所にあたる組織を「営業所」と称している。会社発足時に営業所ごとの自主予算制度を導入しており、支店制度を導入した後は支店ごとの独立採算性を重視し、社内では毎年の収支から支店毎にランクが付けられている。しかし、この方法では収益性の良い高速バスを担当している支店と一般路線バスのみの支店との格差が大きくなるため、高速バスの担当も各支店に配分する事でバランスを保っている。このため、ほとんどの支店が何らかの形で高速バス運行に関わっている。また、東京発の夜行高速バスの運行を沿線以外の地区の支店の乗務員が担当するケースもある。車両についても各支店に配分されているため、1998年の時点では運用上の都合から東京支店常駐となる車両も存在した。また、支店、営業所が主要高速道路沿線の各地に点在することを生かし、四国方面以外の夜行便、昼特急などを東京支店三ヶ日営業所・中央道支店・小諸支店・白河支店の担当で乗務員の途中交代を行うことで、完全ワンマン運行による人件費低減を図っている。支店の権限は大きく、車両の節で後述するように、2007年度までの導入車両は支店ごとに仕様が異なっていた。「JRバス関東の歩みは高速バスを抜きにしては語ることはできない」と言われる程、会社発足後の高速バス路線開設は多く、全国的にブームのごとく高速バス路線開設が多かった時期の1989年だけで13路線も運行開始しており、1988年の会社発足当時に1000km強だった高速バスの免許キロは、1990年には4,257kmとなっている。こうして次々と路線を開設した結果、夜行高速バスとしては最大手の事業者となった。高速バスの収入だけで、会社全体の収入の60%(パーセント)を占めている。その一方、半ば強引とも言える参入により、他社との軋轢を生じた例も少なくない。いわゆる「中央高速バス問題」を始めとして、「ラ・フォーレ号」や「シリウス号」・「ニューブリーズ号」では4社共同運行となり、「らくちん号」では参入予定だった事業者の参入取りやめという事態にもなった。しかし、日本の高速バスにおける黎明期から培った運行・営業のノウハウや、変化への対応力から信頼性は高まり、共同運行事業者も2011年時点では日本最多である。近年では、地方支店が東京発着の高速バスを担当していることから、それまで各支店から鉄道を利用して東京へ乗務員を送り込んでいたものを、効率化のため営業便による送り込みとして開設された路線も存在するほか、低価格を売り物にする首都圏と各地の都市を結ぶツアーバスに対しては攻めの姿勢を見せており、各種割引運賃の設定などで運賃が多様化している。乗車券についても、国鉄時代からのJR鉄道駅・大手旅行会社での「マルス」(みどりの窓口)での販売に加え、コンビニ端末やインターネットなどを活用する「発車オ〜ライネット」に参加しているが、2006年には同社が中心になってシステム開発した「高速バスネット」の運用を開始した。このシステムでは、ITを活用したリアルタイムで予約・販売できるほか、同システムで完売した便についても「マルス」や「発車オ〜ライネット」の管理している空席を販売できる仕組みにより販売(売れ残り)リスクの軽減を図っている。さらに、路線によっては「高速バスネット」で事前に予約・購入すると、運賃を割り引くなどの特典を実施している。特に同社とJRバス他社との共同路線については、「高速バスネット」への移管が進められている。ただし、一部の近距離路線については先着制・予約不可となっている。2016年6月1日より、京阪神線、草津温泉線、佐久・小諸線、佐野線、伊勢崎線、長野~関西線、箱根線、館山線、御殿場アウトレット線、金沢線、知多半田線、吉川・松伏線において、高速バスの乗車券(指定席)にQRコードを添付することにより、乗車時の乗務員による乗車券チェックを簡素化、よりスムーズに乗車できるようにするとともに、高速バスネットWEBサイトでの乗車変更や払戻しの出来る時期を拡大している。都内の乗降場所の拡大も進めており、従来からのターミナルである東京駅や新宿駅に加え、王子駅、品川駅東口、上野駅入谷口、新木場駅、谷保駅と、降車専用で池尻大橋や都営浅草駅が追加されている。新たな路線展開として、2015年10月1日からは長野県内と京都・大阪を結ぶ「青春ドリーム信州号」も開設している。2010年3月8日より、従来車内に持ち込みできなかった折りたたみ自転車などの手回り品を有料(500円)で取り扱うサービスを一部路線。で開始している。高速バスとフェリーがセットになった「パシフィック・ストーリー(東京・札幌連絡きっぷ)」を販売するほか、筑波山ストーリー、清水港まぐろきっぷ、航空科学博物館企画乗車券、富士急ハイランド得Qpack、信州高遠などの高速バスと他の交通機関などとのセットきっぷの販売も積極的に行っている。2010年10月1日より、マロニエ東京・新宿号でSuica、PASMOでの運賃支払いが可能になり、東京都区内⇔佐野新都市BT間の定期券の発売を開始している。交通系ICカード対応路線はマロニエ東京・新宿号、新宿~本庄・伊勢崎線、かしま号、はさき号、東京~八日市場・匝瑳線、THE アクセス成田、スカイツリーシャトル、つくば号へと拡大している。2014年12月16日より、ビィー・トランセホールディングス(株)の銀座駅・東京駅 - 成田空港線「THE アクセス成田」に参入している。東京駅の成田空港行き乗り場を八重洲通りからJR高速バスターミナルを変更の上、共同運行するようになった。乗務員に対する教育・訓練では、2013年月に「安全研修センター」(栃木県佐野市)を設置し、高速バスタイプの訓練専用車を導入し、教育、訓練のより一層の充実を図っている。車両の安全対策としては、最新の安全装置を搭載した新型車両の導入を積極的に進めており、2016年3月現在、高速線車両の平均車齢は6.3年となっている。また、従来型車両にも安全装置を新たに備え、高速線車両の全車に安全装置を装備している。夜行高速バスの乗務形態では、四国方面については乗務員2人乗務となっているが、関西方面は三ヶ日ICまたは小黒川PA、金沢方面は東部湯の丸SA、長野~関西方面は小黒川PAにおいて共同運行の西日本ジェイアールバスの乗務員と交代する独自方式を採用している。また東京駅バスターミナル内に「高速バス運行本部」を設置し、高速バス全体の運行統制を行っている。。< >内は共同運行会社廃止路線を除き、運行支援業務は継続。運行支援業務を行う路線(上記撤退路線を除く)。一般路線については、一部の枝線の廃止はあったものの、発足後しばらくは国鉄バスから引き継いだ路線をそのまま運行していた。しかし、1993年11月に、一般路線の総距離の40%に相当する35路線87区間・総延長591.6kmの路線を、1998年までに廃止することを表明し、地元との協議により同意が得られた路線は廃止が進められ、1988年の会社発足当時に約1,700km強だった路線バスの免許キロは、1997年には1,214kmに減少している。廃止の理由としては、以下のような理由が挙げられていた。しかし、廃止対象となった路線の一部は、自治体からの補助金により運行が継続されたり、一部路線では運行主体を自治体とし、運行受託として路線自体は存続されているケースもみられる。また、観光路線などでは季節運行により存続しているケースもある。その一方で、高齢者の運転免許証返納者に対して運賃を半額にする「ノーカー・サポート優待証」制度の導入(館山支店にて実施)や地域自治体とのタイアップなども行なうなど、積極策を展開している路線もある。貸切バスは東京都、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、福島県が営業エリアとなっている。車両については支店により数種類の車両タイプがあるが、高速路線バス兼用タイプがメインとなっている。また、ジェフユナイテッドの選手を送迎しているバスも貸切利用できる(選手送迎があるときなどは除く)。三菱ふそう・UDトラックス(旧:日産ディーゼル)・日野自動車・いすゞ自動車の4メーカーを保有しているほか、ボルボ・ネオプラン製等の輸入車の導入実績がある。支店ごとに実情に合わせて車両仕様が決定されており、支店の判断により、同時期導入の車両でも国鉄バス色と高速バス色のどちらで導入するかが異なっていたことがある。西那須野支店や長野原支店のように観光輸送の比率が高い支店では、トップドア(乗降扉が前扉のみ)の座席定員の多い車両を導入したり、高速車や貸切車から転用したハイデッカー車を導入することがある。宇都宮支店では、栃木県バス協会との申し合わせによりエリア内の他社に合わせて方向幕の位置も他の地区と異なる仕様で、部内やバスファンからは「宇都宮仕様」と呼ばれることがある。また、長野原支店では1994年以降に高速バスの車両を大改装した上で水戸岡鋭治がデザインを担当した「イエローバス」を運行したことがあった(詳細は志賀草津高原線#イエローバスを参照)。西那須野支店では「もみじバス」を既存車両の塗装変更及び新車で導入した。また、棚倉支店では、車体に白河市・表郷村(現在は白河市に合併)・棚倉町の名物を描いた通称「だるまバス」を運行したことがあった。2014年には、国鉄バス時代(1960年 - 1971年)の塗装を復刻した「復刻デザイン路線バス」を登場させた。自社発注車両が主体であるが、一般路線車については他社からの譲渡車(過去には都営バス・横浜市営バス・西武バス・京浜急行バスなどからの購入実績あり)も導入されており、最近では、2009年に東急バスから三菱ふそう・ニューエアロスターノーステップバスが移籍したのを皮切りに、2014年現在では国産4メーカーのノンステップバスが移籍している。また、2010年にはJR東海バスから日野・ブルーリボンシティハイブリッドノンステップバスが移籍している。長野原支店や西那須野支店、小諸支店には、経年したハイデッカータイプの高速車または貸切車を路線車に転用しているものがある。会社発足直後に高速バス路線の増強が行われたため、三菱製の比率が高くなり、特に夜行高速バスへの参入が多かった1988年から1990年までの期間には、三菱ふそう・エアロクィーンMだけで41台が導入されている。1999年には西日本車体工業製車体を架装した日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)製の夜行高速バス車両を導入し、2000年から2005年まで昼行高速バス車両でも同社製が導入された(夜行高速バス車両は2006年まで導入)。1997年から2004年まで車両価格の低廉化にも力を入れ、車内設備も簡略化されていた。他のJRバスとの同一仕様車両による共同発注も実施している。また、貸切バスの減車に伴い、便所を追設の上高速車に転用した車両も存在する。その一方で、定員が多く、乗客1人あたりのコスト低減を図ることができるダブルデッカーを導入している。1991年の「ドリームふくふく号」では初めて夜行高速バスにダブルデッカーの導入を開始、その後需要の多い「ドリーム神戸号」でワンマン運行する三菱ふそう・エアロキングを導入。その後、東北・東海・近畿・中国・四国方面の夜行便と一部の昼行便に投入され、夜行便の主力車種となっている。1993年にはヨンケーレ(ベルギー)製も2台導入している。また、JRバスの中では輸入車両の導入例と台数が最も多い。1990年に東京駅 - 東京ディズニーランド間「ファンタジア号」に、中古で購入したネオプラン・スカイライナーを導入。1996年以降は、ダブルデッカーほど車両価格は高くないが乗客定員が通常のスーパーハイデッカーよりも多く確保できるという理由で「ドリームふくふく号」へボルボ・アステローペを就役させ、同車の導入台数は26台に達した。1997年には夜行高速バス車両としても定員の多くとれるネオプラン・スカイライナーを導入、さらに2000年には全長15mの長大バスネオプラン・メガライナーもお目見えした。2004年度後期以降、快適性と安全性をさらに追求し、従来型に比べて格段に広い「楽座シート」やマイナスイオン発生装置付空気清浄機を装備、安全性を配慮した各種最新安全装置を搭載した車両の導入が進んでいる。ハイデッカー車両は、4メーカーの車種が存在する。2008年度からは各支店とも導入車種を三菱ふそう・エアロエースの楽座シート40席車両に統一していたが、2011年度より再び日野・セレガが導入されている。かつて「上州ゆめぐり号」(一部の便は除く)および「知多シーガル号」には、前部2列目までがGシート(3列)のプレミアムコーチを投入していた(現在は一般車両に改造)。「超得割青春号」には、貸切車を改造したトイレ無し車両を使用していた(運行終了)。2011年度より、鹿嶋営業所、八日市場支店、土浦支店にメーカー標準の補助席無しの44席仕様車両を多数導入。次年度以降もこのタイプが継続して投入されている。2012年度には、東京支店にトイレ無しの49席+補助11席仕様車両を3両導入し、スカイツリーシャトルや新宿湾岸線などに投入している。2013年度には、旧国鉄バスの塗装を施した、復刻デザインバス「青いつばめ」と「赤いつばめ」の運行を開始。前者は「東名ハイウェイバス」ほか、後者は「いわき号」ほかに投入された(2015年7月12日をもって運行終了)。2014年度には、東京・新宿 - 京阪神間に3列完全独立型シート28席仕様の「グランドリーム号」、「グラン昼特急号」用新型車両を4両を導入した。ダブルデッカー車両は、1階席のプレミアムシートに仕切りカーテンを装備した豪華仕様のプレミアム車両、3列シート車両、4列シート車両(青春タイプ)、4列シート車両(エコドリームタイプ)が存在する。導入車種は、三菱ふそう・エアロキングに統一し、2008年度に青春ドリーム・昼特急用で4両、2009年度に青春エコドリーム号用で4両、2010年度にプレミアムドリーム・昼特急用で2両を導入した。貸切バス部門は、国鉄バス時代は民間バス事業者の貸切バスが供給不足になる場合に限定的に認められただけに過ぎなかったが、民営化後には他のJRバス同様に拡大が行われた。民営化当初の認可台数は30台で、一般路線の沿線での営業しか認められていなかったものが、認可が都道府県単位になった上に増車が認められた結果、1998年には100台の認可を得ている。。その後貸切減車により、2002年4月1日現在では貸切車の在籍台数は84台となっている。特徴的な車両としては、ジェフユナイテッド市原(当時)のチームバス専用車として1992年に導入されたボルボ・アステローペが挙げられる。チーム遠征先の移動にも使用されたため、日本全国の試合会場でその姿を見る事ができた。その後一般貸切車として使用されたが、廃車までカラーリングはそのままであった。この車両の評価が、高速車でアステローペの導入を検討する際に役立ったという。現在、ジェフユナイテッド市原・千葉のチームバス専用車は、東関東支店所属の1997年式のいすゞガーラSHDとなっている。このほか、JR東日本の国内ツアー専用車「びゅうばす」の一部に日野・セレガHIMRを導入した(現在は廃車)。近年では、高速バスとの兼用を考慮し、便所つきのハイデッカーも多く存在する。近年は減車傾向にあり、各支店とも専属の貸切車両は少なくなっている。2011年秋に特定輸送車(JR東日本総合研修センターの社員送迎バス専用)として、元京成バスのボルボ製連接バス(B10M)が白河支店に配置された。発足後しばらくは国鉄バスの附番法則をそのまま使用していたが、1990年に附番法則について改定を行い、既存車もすべて改番された。上記の法則により、「S674-90401」は「3列リクライニングシート・トイレ装備のスーパーハイデッカー高速車で三菱ふそう製、製造年はxx90年で、空気ばね装備の前扉車両」における01号車ということになる。
出典:wikipedia
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