白色矮星(はくしょくわいせい、white dwarf)は、恒星が進化の終末期にとりうる形態の一つ。質量は太陽と同程度から数分の1程度と大きいが、直径は地球と同程度かやや大きいくらいに縮小しており、非常に高密度の天体である。シリウスの伴星(シリウスB)やヴァン・マーネン星など、数百個が知られている。太陽近辺の褐色矮星より質量が大きい天体のうち、4分の1が白色矮星に占められていると考えられている。質量が太陽の3倍以内の恒星は、水素の核融合反応により中心核がヘリウム等になって温度が上がると赤色巨星となり、水素でできた外層部は惑星状星雲の形を取って宇宙空間に放出され、残った中心核が白色矮星となる。恒星の中心核であった時の余熱と重力による圧力のために光と熱を発しているのであり、こと座の環状星雲やみずがめ座のらせん星雲、こぎつね座の亜鈴状星雲など、惑星状星雲の中心部には、外層部を剥ぎ取られてできたばかりの、表面温度が5万度から10万度に及ぶ高温の白色矮星が見られる。これらの星は、もはや核融合反応を起こすエネルギー源が無いため、次第に表面温度が下がり、冷却の過程で色もO・B・A・F・G・K・Mとスペクトル型も変化し、最後は黒色矮星となって電磁波による観測ができなくなるとされている。あと約50億年もすれば太陽も白色矮星となると予測されている。「白色矮星」という語はウィレム・ヤコブ・ルイテンが考案したものである。1960年代までは、中性子星やブラックホールは理論こそ提唱されていたものの実在は証明されておらず、大質量の恒星が超新星となって爆発した後、その中心核が白色矮星になると考えられていた。白色矮星として最もよく知られるシリウス伴星(シリウスB)は、直径は太陽の0.016倍、質量は1.06倍、平均密度は水の40万倍とされる(『2000年版理科年表』より)。そこから、表面重力は太陽の約4100倍、地球と比較すると約11万6000倍と計算される。その高密度のために原子内の電子は、フェルミ縮退しておりパウリの排他律からそれ以上の縮退状態を形成できない、これによる縮退圧の圧力勾配と星自身の重力が釣り合って白色矮星はその形を保っていられるのである。太陽質量のおよそ 1.4 倍以上の白色矮星は存在しない(チャンドラセカール限界を参照)。1.4 倍以上の場合は、電子の縮退圧では重力による星の収縮を支えきれず、中性子星となるか、重力崩壊を引き起こして一気に重力エネルギーを解放させ爆発するかのいずれかとなる。後者はII型超新星爆発といわれる。白色矮星は、もはや進化せず冷えていくだけの天体であるが、通常の恒星と近接連星を構成している場合に限り、新星やIa型超新星として活動することがある。相手の星から白色矮星の重力により剥ぎ取られて降着した水素は表面に積もって、落下時の位置エネルギーや強い重力で加熱され、限界を超えると核融合を起こす。通常の恒星では中心部で核融合が活発化して温度と圧力が上がると膨張してその速度を下げるという機構が働き、安定してエネルギーを放出し続けるが、縮退気体にはそうした作用がなく、核融合は暴走し、表面に降り積もった水素を吹き飛ばす。これが新星である。水素の降下量が多い場合、熱が溜まり表面で核融合が行われる場合がある。その場合は白色矮星の質量が増えていき、チャンドラセカール限界を超えると中心部で核融合は暴走し、Ia型超新星爆発に至る。白色矮星を構成する物質は、核融合反応によって生じた、ヘリウム、炭素、酸素などである(他に、ネオンやマグネシウムなどがある)。2004年、米国の研究グループが、白色矮星に巨大なダイヤモンドが存在する可能性を指摘している。これは白色矮星の構成要素である炭素が高圧下で結晶化することによるが、非常に高圧ではダイヤモンド以外の相がより安定であるという指摘もあり、実際に白色矮星のような高圧下でどのような結晶構造が安定であるかは定かでない。白色矮星は通常の恒星と同様、気体とプラズマから成り立っていると考えられているためである。
出典:wikipedia
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