谷口 守泰(たにぐち もりやす、1943年(昭和18年)3月30日 - )は、兵庫県出身、京都府在住の日本のアニメーター、イラストレーター。アニメアール代表取締役社長。元大阪デザイナー専門学校アニメーション学科 講師。大阪総合デザイン専門学校ビジュアルクリエーター学科 特別講師。大阪芸術大学キャラクター造形学科 講師(高橋良輔講座のゲスト講師として)。日本アニメーター・演出協会(JAniCA)発起人、会員。西陣織の図案デザイナー、マネキン制作会社、コマーシャルフィルム制作会社を経てアニメーターとなる。長いキャリアと実績を誇るベテランアニメーターで、関西のみならず日本アニメーション界の重鎮である。活躍はTVアニメだけに留まらず、多くの(主に関西圏での)CMアニメも手掛けている。『北斗の拳』の熱狂的な大ファンで作風にその影響が表れることがある(『蒼き流星SPTレイズナー』など)。デビュー後の1960年代末から1970年代中盤に渡り参加作品を共にした岡迫亘弘を師匠とする。1970年代初頭、大阪にスタジオカムを設立。村中博美らが加入し『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年 - 1974年)に村中とともに参加。宮本貞雄作監のもとでリアルなキャラクターの下地が形造られる。以後、カムは解散するものの、1975年(昭和50年)以降は東映動画やサンライズスタジオ制作のメカ物、岡迫亘弘が所属していた土田プロダクション作品を中心に活躍。1970年代末、1980年代を一世風靡するアニメアールを大阪に設立する。当初は谷口の友人が講師を勤めていた大阪デザイナー学院の卒業生を現場参加させスタートした為、『伝説巨神イデオン』(1980年(昭和55年))では新人育成の感が否めず苦戦を強いられるが、続く『太陽の牙ダグラム』(1981年 - 1983年)では、アールの若手の成長に伴い、谷口のリアルかつスタイリッシュな人物描写と美しいメカ・エフェクト作画で突出。劇場版『ドキュメント 太陽の牙ダグラム』(1983年)の「ヘルムート・ラコック暗殺シーン」の新作カットを塩山紀生の指名で作画を担当した後、その流れの中で高橋良輔監督の日本サンライズ製作のリアルロボット物第2弾『装甲騎兵ボトムズ』(1983年 - 1984年) に参加。また、実際には担当することはなかったが、角川映画による「角川アニメーション映画」第1作『幻魔大戦』(1983年)のキャラクターデザイナーの候補者にも挙げられた。『ボトムズ』ではシナリオでの主人公「キリコ・キュービィー」の人物造型、主人公像(キリコの一人称で物語が進行する寡黙なハードボイルドヒーロー)に惚れ込んだ谷口は、塩山紀生デザインによるキャラクターに対し、クールさを前面に押し出す意図的なデザイン変更を行ったのである。それは当然、塩山ファンの反発を招き、現に谷口の元にカミソリを送り付けた者までいたという。テレビ局側からも当初は、サンライズ側のプロデューサー長谷川徹の元にクレームが入り、谷口にも伝えられていた。それでも「キリコは僕の思想なんだ」と語る谷口はそれに果敢に挑み続けた。当時発行された同人誌において、谷口は他のボトムズの作画陣に不安を感じていた旨を語っている。本人曰く「なんとかせなあかんな」と思ったとも。その谷口の思いを支えたのは、谷口の行為に共感した視聴者、そして当初から谷口の画風を作品世界の創造に不可欠なものと捉えていた監督の高橋良輔、プロデューサーの長谷川徹、さらに当のキャラクターデザイナー塩山紀生その人だった。塩山も谷口の意図に理解を示し、自らの絵柄に取り入れ、後のOVAシリーズで新たなハードテイストのキリコ像確立に成功する。結果、谷口はアールを率いて、最終話を始め多くの主要エピソードで作画監督を担当し、塩山のオリジナルデザインと人気を二分しカリスマ的な人気を博することとなった。そのアールのハイクオリティーな作画と個性的な画風は当時のアニメ雑誌にも取り上げられ(アニメアールへのスタジオ取材、谷口の画によるピンナップポスターやイラスト掲載等)、谷口の名を一躍スターダムに伸し上げることに繋がった。高橋監督の『ボトムズ』の次作『機甲界ガリアン』(1984年 - 1985年)での各話作画監督を経て、1980年代高橋4部作のトリとなる『蒼き流星SPTレイズナー』(1985年 - 1986年)において、高橋の強い推薦により、満を持してキャラクターデザイナーに就任する。一応オーディションは行われたものの、企画概要の決定前に谷口のもとには、「谷口デザイン決定」の内知があったという。その後サンライズより総作画監督の打診もあったが、谷口はそれを固辞する。『ボトムズ』の作画監督経験において実践されてきた、「各話作画監督の個性を尊重したい」というフェアーな理由からであった。2009年には、フランスのパリで開催され16万人を動員した日本ポップカルチャーの欧州最大の祭典「Japan Expo」第10回記念大会において、スペシャルゲストとして招待される。『装甲騎兵ボトムズ』、『蒼き流星SPTレイズナー』という代表作がフランスに紹介されていないにも係わらず、谷口の招待が決定した理由は、『キャプテン翼』、『みゆき』、『シティーハンター』という80年代の作品が現在も尚、フランスにおいてクラシックな人気を誇り、この3作品ともに作画監督として群を抜く印象的な作画を披露したことによるもの。さらに『サムライチャンプルー』、『スピードグラファー』という近年の人気作においても腕を振るうという、TVアニメ創世記から活躍するベテランのなかにあって類稀な卓越した現役感と功績に敬意を表されてのことである。4日間に渡りサイン会、イラストレーションの実演、プレス取材が行われ、日本を代表するベテランアニメーターの来仏に多数の人がつめ掛け会場は沸いた。フランス語圏のみならず、サイン色紙を求めイタリアから駆けつけた女性ファンも見られた。多数用意された谷口の描く『キャプテン翼』、『シティーハンター』の直筆サイン入り色紙は、チケット制であったにもかかわらず瞬く間に品切れとなり、谷口のオリジナル・キャラクター色紙が急遽用意されたほどである。プロフィール資料に記載された膨大な参加作品の数に、取材記者達は一様に驚愕し感嘆した。そして、フランスでも名の知られるアニメーター沖浦啓之、逢坂浩司、木村貴宏らが谷口の指導を受けたことを知るや、若手アニメーターへの指導方法にも質問は及んだ。主宰するアニメアールにおいてなど、現在のアニメーション界を支える、人気・実力を兼ね備えるアニメーターを多数、指導育成したことでも知られる。ボトムズの作監担当時より、アニメ雑誌や作品ムックにおいて、多くの水彩画、セル原画が、表紙イラスト、折込ポスター、中イラストとして掲載されている。共に、アール・ヌーヴォー調の様式的な構図で描かれたキャラクターは、メカニカルで中世的な装飾を施し、繊細で巧みな描線が特徴的で、着色は水彩絵具を用いた、透明感のある淡い色使いが印象的である。『装甲騎兵ボトムズ』、『キャプテン翼』、『タッチ』、『機甲界ガリアン』、『蒼き流星SPTレイズナー』、『ドリームハンター麗夢』、『超時空ロマネスク沙美』、『シティーハンター』、『聖戦士ダンバイン』、『鎧伝サムライトルーパー』、『機甲猟兵メロウリンク』、『DRAGON QUEST』、『機動戦士Vガンダム』の雑誌掲載、付録冊子掲載、ピンナップ、付録ポスター、プレゼント用色紙の版権イラストがある。TV番宣ポスター、劇場ポスター、促販ポスター、特典ポスター、ビデオ・LD・DVD・レコード・CDのジャケット、グッズ用では『超電磁ロボ コン・バトラーV』、『装甲騎兵ボトムズ』、『機甲界ガリアン』、『蒼き流星SPTレイズナー』、『ドリームハンター麗夢』、『超時空ロマネスク沙美』、『機甲猟兵メロウリンク』、『装甲騎兵ボトムズ ブラック・ユニコーン』、『ギャラガ』、『シンデレラ・エクスプレス』、『のりぴーちゃん』、『サムライダー』、『パワードール オムニ戦記2540』、『ほんとにあった学校怪談』の版権イラストがある。
出典:wikipedia
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