アクリルアミド (acrylamide) はアクリル酸を母体とするアミドの一種である。英語の発音からアクリルアマイドと呼ばれることもある。示性式は CH=CHCONH、分子量 71.08、CAS登録番号は [79-06-1]。融点は 84.5℃、常温では無臭白色結晶で、水、アルコール等に可溶である。熱や光に不安定であり、重合しやすいため、市販の試薬や工業薬品には安定剤(重合禁止剤)としてヒドロキノンやBHTなどが添加される。アクリルアミドは毒物及び劇物取締法上の劇物に指定されており、神経毒性・肝毒性を有し、皮膚からも吸収されるため、取扱いには注意を必要とする。変異原性(発癌性)が認められ、PRTR法の第一種指定物質となっている。また、労働安全衛生法によって、純品及び0.1%以上を含有する混合物には、含有量や危険性を表示し、MSDSなどに危険性や対応方法を告知することが義務づけられている。アクリルアミドは、アクリロニトリル (CH=CHCN) の加水分解により工業的に合成されている。銅触媒、酸触媒を利用した製造法が実用化されている。現在は、アクリロニトリルを微生物が出す酵素で水和する、バイオ法での製造が効率の点で優れるため、主流となっている。バイオ法による製造は、1973年にフランスのガルズィー(P. Galzy)らがブレビバクテリウム("Brevibacterium")が産生するニトリルヒドラーゼ()によって、アクリロニトリルを水和しアクリルアミドを生成することを発見したことに始まる。1985年には日本の日東化学工業株式会社(現三菱レイヨン株式会社)がロドコッカス属("Rhodococcus")の細菌を用いて世界初の実用化装置を稼働させた。現在、ロドコッカス属を使う方法が主流であるが、他にもシュードモナス・クロロラフィス(")を用いる方法なども使われたことがある。ポリアクリルアミドの製造原料、染料、合成樹脂、架橋剤の合成原料など。工業的には水分をほとんど含まない結晶粉末か、50%までの水溶液として流通している。同じ製品でも使用原料や加工条件の違いなどにより、アクリルアミドの含有量には大きな個体差があり、含有量を的確に表現できないとされる。また以下の食品に含まれる油分などの過剰摂取の方が高リスクかつ発がんとの関係がはっきりしているうえ、伝統的に摂取され続けてきた食品も多く、どの程度人体への悪影響があるのかも不明な点が多い。アクリルアミドは、熔融すると激しく重合反応を起こし、高分子化合物であるポリアクリルアミド (polyacrylamide) となる。ポリアクリルアミド自体には、アクリルアミドのような毒性は認められないとされるが、製造過程において微量の未重合のアクリルアミドモノマーがポリマー内に残留する可能性があるため、取り扱いには、手袋、保護眼鏡を着用することが望ましい。ポリアクリルアミドは水溶性合成樹脂の一種として、主に原油の三次回収助剤、廃水処理用の凝集剤、製紙用の乾燥紙力増強剤、濾水剤として用いられる他、繊維助剤、洗濯糊、接着剤(合成糊)、塗料などにも広く用いられる。かつてはゲル化させた素材が豊胸手術などの形成外科、美容外科の手術にも用いられた。また、水溶液中で重合させたポリアクリルアミドゲルは電気泳動 (PAGE) 等に用いられる。
出典:wikipedia
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