血圧計(けつあつけい)とは、血圧を測ることを目的とした機械(医療機器)である。血圧は被測定者の精神状態や健康状態などの影響を受け変動するので、頻繁に測定することが望ましい。心理的影響により医療機関で測定した値と家庭や職場で測定した値とが大きく異なる場合もある(いわゆる白衣高血圧や仮面高血圧)。血圧、特に動脈血圧の存在は古くから知られていた。歴史上最初の血圧が計測された時は、馬の頚動脈に管を差し込み、血液が上昇する高さを直接計測した。血液循環説が発表されてからほぼ百年後の1733年、イギリス人の牧師ステファン・ハーレスによる。人の血管に適用したのは1828年になってからであり、このときはカテーテルと呼ばれる細い管を介して水銀柱に圧力を導いた。1896年、イタリアのリヴァロッチが水銀血圧計を発明した。1905年、ロシアの軍医ニコライ・コロトコフがコロトコフ音を発見し、血圧の測定方式の基礎理論(コロトコフ音法)を提起した。血圧計は、血管内にセンサを挿入して動脈圧を直接測定する方式(直接法、侵襲式または観血式ともいう)のものと、間接的に測定する方式(間接法、非侵襲式または非観血式ともいう)のものに大別される。前者は、手術室やICUなどの重症患者に使われる。後者が一般的に普及しているものでタイプとしては、病院や診療所クリニックなどで診察や検査などの際に使われる手動式(送気球で加圧)のものと、家庭用や病院の待合室などに設置されている自動式(自動制御で加圧)のものがある。日本工業規格(JIS)では、直接法に関し「血圧計 JIS T 4203:1990」、間接法に関し「非観血式電子血圧計JIS T 1115:2005」が制定されている。本項では日常一般的に使用する間接法(非侵襲式)の血圧計の構造について記す。血圧を感知するカフ(腕に巻きつけるベルト。環状帯、マンシェットともいう)及び、表示部からなる。表示部は古くから水銀柱の高さが用いられ、その歴史的経緯及び国際単位系に移行した場合に数値が激変し混乱が大きいとみられることから、現在も血圧に関しては、国際単位系の例外としてmmHgで表される。現在、ヒトの血圧を測定する場合は、主に上腕にカフと呼ばれる袋状のベルトを巻き付けて上腕動脈の血圧を測定する。同様にして、前腕、大腿部の動脈圧を測定する場合もある。「カフ」とは、カフス(袖口)を語源とした略称で医療機関でも「カフ」と呼ばれている。電源を必要としない表示装置としては、水銀柱(細かい値まで測定可能)または(気圧計のように時計状の文字盤を使用するもので主に往診の際などの携行用に用いられる)の圧力計が用いられる。歴史的に最小目盛りは2mmHgである。ASO、バージャー病を診断する際の検査のために測定を行う。主に家庭用や病院の待合室などに設置されたもので、カフ内に、マイク等の音響センサを設置し、上記の測定を自動で行う。手動式同様に上腕部で計測するものが多いが、小型のものでは腕時計のように手首に巻いて計測するものもある。動作には電源が必要となる。最近では自動血圧計でもマイクを内蔵して血管の音の変化を読み取り測定するタイプも存在する。市販のものは指で測定するものもあるが、正しい値を計測したいならば心臓に近い部分で測定するに越したことはない。機械測定のため、コロトコフ音の聞き取りなどの個人差が出ない点があるが、公式には、自動血圧計による測定よりも人手による測定のほうが正確であるとされている。一般に自動血圧計はカフ圧をかなり高く上げてしまう傾向がある。医療現場では病棟などでコメディカルが用いる場合があるが、これまで医師にとってはあくまでも補助的な位置づけであり救急医療などを除いて普通、自動式にのみに診断を頼ることはなかったが、近年においては測定器の進歩により医療現場において医師によっても自動血圧計がメインに用いられることもある。携行式の場合バッテリーのパワーの殆どは、カフ圧を挙げるために消費されてしまう。したがって実際の医療現場でプロが使用することが想定された製品の場合、加圧は手動で送気球を操作し、バッテリーは圧力の測定のためだけに使われる形式が多い。特殊な血圧として、心血管系の厳重な管理が必要とされる場合、中心静脈の血圧を測定する場合がある。その場合は、先端に圧力感知器(圧トランスジューサ)を装着したカテーテルを右心房近位に挿入し、測定を行うか、カテーテルに血液他を満たし、患者の心臓の高さに設置した管内の液柱の高さを読み取り、直接測定を行う。この分野は日本製が高い世界シェアを占めている。自動式でも素人が家庭で使うことを想定した製品と、医療者が医療現場で用いるものとでは値段にかなりの差がある。下記にて日本企業名を示す(あいうえお順)。
出典:wikipedia
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