陸戦型ザクII(りくせんがたザク・ツー、"GROUND TYPE ZAKU II")は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」 (MS)の一つ。初出は、1979年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。作中の敵側勢力である「ジオン公国軍」の主力量産型MS「ザクII」の改修機で、宇宙用の装備を取り除いた陸戦仕様機。「地上用」とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06J」から「J型」とも呼ばれる。正確には、『機動戦士ガンダム』本放送当時は通常のザクIIとの区別はなく、「陸戦型」という設定は後年発表された資料やプラモデル(ガンプラ)などの商品で次第に確立していった。メカニックデザインは大河原邦男。当記事では、地上で運用されたMS-06系バリエーション機の解説も併記する。『機動戦士ガンダム』の放映当時、「ザク」はシャア専用機以外には区別がなかった。放映後に出版されたムック「ガンダムセンチュリー」で初めて「ザクII」の名称が設定され、地球で登場した機体を地上専用の「J型」として区別するようになった。この設定は、バンダイのプラモデル企画である『モビルスーツバリエーション (MSV)』にも引き継がれた。これを境に各資料でJ型の存在は述べられるものの、F型などとの具体的な違いは文章でのみ表現され、外観上の違いは後述の『1/100 マスターグレード MS-06F/J ザクII』まで表現されておらず、非公式な存在であった。その後、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の登場機体が「JC型」とされ、次いで『MS IGLOO』では「J型」とセリフで語られ、晴れて公式設定となった。また、最初の『機動戦士ガンダム』に登場したクラッカーおよび『MS IGLOO』でも登場した3連装ミサイルポッドは、劇中陸戦の場面でしか使用されず、MSVにおいて陸戦型ザクIIの武装であると設定されている。1995年発売のバンダイのプラモデル『1/100 マスターグレード MS-06F/J ザクII』が、組立の際にF型とJ型が選べるコンバーチブルモデルとなっており、初めて両タイプの外観上での違いを表現した。ランドセル(バックパック)の形状およびメインスラスターの外径、脛の姿勢制御サブスラスターや足裏ノズルの有無などで差別化されている。2007年には『1/100 マスターグレード 量産型ザク Ver.2.0』がリリースされたが、これはJ型が最初のバリエーション展開となった。またザクの広い拡張性を再現するために各部がユニット化され、J型に次いで発表されたS型はランドセルや各部ユニットを交換するだけで実現できた。本来、ザクIやザクIIは宇宙空間だけでなく、コロニー内部など大気のある疑似重力下での運用も想定されていたが、ジオン公国軍は地球侵攻作戦に向けてより地上に適応した陸戦用MSの開発に着手した。しかしながら、ジオン本国のコロニー内の閉鎖環境では、シミュレーションを用いても充分なデータ採取は困難だった。そこでザクII F型の高い汎用性(実際に第一次降下作戦に参加したザクIIのほとんどがF型であった)に着目し、最低限の改修で地上環境に適応させたJ型が開発された。開発は地球連邦軍から接収したキャリフォルニアベースで行われ、第一次降下作戦に試験的に参加している。生産はキャリフォルニアベース、グラナダで行われたが、現地部隊の手でJ型仕様に改修されたF型も存在する。F型はノンオプションで地上運用が可能とされていたが、実際には重力下での運用や地形、気候の変化に充分対応できたとは言い難かった。中期生産型であるF型をベースに推進剤搭載量の削減や宇宙用の装備の省略で軽量化が図られている。また、ジェネレーターの冷却機構の空冷化、防塵対策など手を加えられ、稼働時間や機動性が改善された。一方で本来の気密性は維持されており、短時間であれば水中や宇宙空間でも活動可能とされたが、実際にJ型を宇宙空間で運用したところ満足な機動ができなかった。本機は戦場が宇宙に移行した一年戦争末期にはコロニーや宇宙要塞の工場での量産の必要がなくなり、ズゴックがゼーゴックに改造されたのと同様、融合炉や武装、モノアイなどのコンポーネントがモビルポッドオッゴに流用されることとなった。基本的にF型と共通だが、火器類が新開発されている。F型との共通武装については、ザクII#武装を参照のこと。『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。当初、OVA発売当時の資料やプラモデルなどの関連商品では単に「MS-06J」とされていたが、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』のパンフレットにおいて「MS-06JCザク局地戦仕様」と記載され、現在では「JC型」として区別されている(『第08MS小隊』公式サイトでも、劇中の本機を「JC型」としている)。先に発売されていたバンダイの『1/100 マスターグレード ザクII』を元に再デザインされており、そのためテレビシリーズに登場した機体とは各部形状が異なる。さらにコクピット周りも変更(機体の中心線上にコックピットが位置。胸部パネルからウィンチ式のワイヤーを垂らすことが可能)され、シールドにもスパイクが付き、性能面でも違いが見られるなど、差異が大きい。JC型については「C型からの改修機であることを示す型式番号ではないか」とする説や「脚部の構造から宇宙用に改装することが可能である」とした資料が存在する。プラモデル『U・Cハードグラフ 1/35 ジオン公国軍 ランバ・ラル独立遊撃セット』で設定され、後期生産型と位置づけられている。モデルが頭部のみで、全身の仕様詳細については判明していないが、地上での天候に対応すべく、モノアイシールドにワイパーを装備している。1981年5月15日発行の書籍『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』が初出。全身に迷彩塗装が施されているのが特徴で、湿地帯での戦闘を目的として全身が防湿処理されており、水中戦も可能とされている。書籍によっては、本機の湿地戦対応については触れず、陸戦型の迷彩塗装の一例として掲載しているものもある。ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』で登場。J型に駆動部の防寒処理、足裏のスパイクや左側頭部にセンサーを追加した仕様。この機体は元々ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』に登場した、地球連邦軍に鹵獲されたJ型をモチーフにしたもので、こちらは白い雪原迷彩塗装を施しただけの通常のJ型であったが、現在は「防寒処理が施された」とする設定に変更されている。概要での記述のように、テレビシリーズおよび劇場版『機動戦士ガンダム』において、宇宙戦で登場する機体はF型、地上戦で登場する機体を陸戦型(すべてとは限らないが)としている記述が存在する。劇中ではランバ・ラル隊所属機がクラッカーを使用している。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』でのちにJC型と設定された機体が登場し、陸戦型ジム相手におおむね互角に戦う。陸戦型ガンダムに対しては分が悪く、一方的に撃破される。ノリス・パッカード大佐も第3話でJC型に搭乗するが、シロー・アマダが搭乗する陸戦型ガンダムと交戦して中破、撤退する。漫画『機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α』では、ノリスは青く塗装された専用機に搭乗する。またMSとの交戦以外で撃破されたケースもあり、第3話ではゲリラのトラップにひっかかって転倒し、頭部を爆破されて戦闘不能となる。第8話では腰部動力パイプが切れ、スパイクアーマーと左腰部装甲が破損・欠落したデル機、右肩アーマーとシールド、左ニーアーマーが欠落したアス機(ジム用のシールドを奪って替わりに使用)が登場する(両機ともデザートカラー)。OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』第2話では、J型6機が連邦軍特殊部隊セモベンテ隊によって捕獲使用されていた。連邦軍MSパイロット達は敵軍のMSであるJ型を完全に乗りこなし、統制のとれた戦闘を展開した。だがジオン軍の試作戦車ヒルドルブと遭遇し、支援の61式戦車5型2輌と共に全滅している。鹵獲ザクを装備した特殊部隊は他にも多数存在したことが示唆されているが、記録に残っているのはヒルドルブと交戦したセモベンテ隊のみである。第3話では、宇宙への撤退時に自衛のため宇宙空間に出てきて溺れてしまい、ボールに一方的に屠られるという描写もある。劇中に登場するJ型は皆デザートカラーである。OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』では敵役として登場。特に第2話ではエルマー・スネル大尉が搭乗する白いJ型が部下のJ型2機を率いて61式戦車5型2個小隊9輌と交戦し、激戦の末に相打ちとなって全滅する。第3話が舞台とするオデッサ作戦でも多数のJ型が登場するが、陸戦型ジムに苦戦し、陸戦強襲型ガンタンクには機動力でも火力でも圧倒され、多数撃破される。メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。J型の性能向上型。グフのポテンシャルを移入した結果、碗部形状や肩部装甲のスパイク形状がグフに酷似している。脚部にバーニアが増設され、機動性においてベース機を上回っているが、ホバー走行はできない。総生産数は50機前後といわれ、グフの生産が開始されると同時に生産中止となった。生産数の少なさから現存する交戦記録などは乏しく、詳細なスペックは不明だが、0079年11月に北米戦線とアフリカ戦線での戦闘参加が確認されている。北米戦線配備の機体はグリーン基調で基本色とされ、アフリカ戦線配備の機体はダークグレーとブラウンの2色迷彩を施されている。アフリカ戦線ではギュンター・バル中尉がブレードアンテナを装備した機体に搭乗している。MS-06G自体は小冊子『MSVハンドブック』から設定上存在し、『MSVザク編』にてJ型をベースに機動性を向上させた機体と定義されたが、画稿や詳細設定は起こされていなかった。後年SDガンダムにてSD体型だが画稿と詳細な設定が起され、MS-06G 陸戦用ザク改修型という名称でガチャポン戦士にて商品化されている。陸戦高機動型ザクは、陸戦用ザク改修型のデザインを踏襲したものだが、脚部デザインは大きく異なり、高機動型ザクIIに近いデザインであった。プラモデル企画『MSV』から設定上存在し、『SDガンダム』により設定されたMS。陸戦型MSの機動力向上のため、MS-07C-5と平行して開発された試作機。脚部に増設されたバーニアでホバー走行が可能となり、開発データはドムを始めとした以降の陸戦MS開発に反映された。漫画『機動戦士ガンダム 極東MS戦線記』『機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-』に登場するMS。G型をベースにした現地改造機。ヒート金剛棒や内蔵式のヒート・ナックルなど、ゲリラ戦や対MS戦を重視した武装を持ち、ザクタイプを凌駕する性能と戦果を示したことから、現地でMS-06GRと型式番号を分類された。本機は「モンゴルの銀狼」の異名を持つナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉専用機として知られ、全身は黒で左肩のスパイクアーマーは銀色という専用カラーで塗装された。一年戦争時は、主に旧・北京の長城戦線や北米戦線で活躍したが、北米ミサイル基地防衛戦にて大破。わずかに残った上半身部は、ボルドバヤル隊に所属する「MS BOYS」と呼称されたザクタンクのパーツとして再利用される。なお、ボルドバヤル機は幾度か改造されたらしく、運用時期によって形状や武装面で若干の差異が見られる。なお、覇王マガジンにて連載された漫画『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』にて脚部デザインが同一でホバー走行するザクIIが登場する。プラモデル企画『MSV』に登場するジオン公国軍の局地戦用MS。一年戦争時、地球に侵攻したジオン軍はザクIIをベースに改良を加えることで、いくつかの局地対応機種を開発していった。主に固定武装を強化したMSはグフとして開発が進められており、地球侵攻部隊から最も要請が強かったアフリカ戦線用として熱帯・砂漠戦仕様に特化する形で本機は開発された。開発はキャリフォルニアベースにおいて陸戦型ザクIIをベースにこの実戦データを反映させて進められた。機体の軽量化と出力の強化と一部装甲の強化と共に地上での冷却力の向上のためバックパックには大型の冷却装置が増設されている。また、広大なサバンナや砂漠地帯での移動力向上のため腰部と脚部に補助推進装置が設置されている。関節部には防塵用の処理が施されている。頭部にはグフに先行する形で通信用アンテナが設置された。これには砂塵やスコールなどの環境での使用を考慮した三角錐状のマルチブレードアンテナ(シングルアンテナ)と、長短2種類(等長のタイプも確認されている)のロッドアンテナを側頭部に設置したもの(ダブルアンテナ)がある。『MSV-R』での新設定では、後期生産型は設計変更によって、ランドセル・ユニットの改良(ラジエーターユニットの改良、推進器の追加)、軽量化を狙った装甲材の変更、関節部カバーの再設計が為されているとされる。固定武装は左前腕部の増加装甲に装着されるラッツリバー3連装ミサイルポッド。また、作戦に応じて腰部両側のマウントラッチにラッツリバーP-3 2連装ミサイルポッド及び2基のクラッカーを内蔵するSA-712クラッカーポッドを装着することができる。更に頭部にはバルカン砲と思われる開口部が2ヶ所確認できるがその詳細は明らかになっていない。携行武装として120mmマシンガン(型式番号:M-120AS)を用いる。これはザクII用に開発されたもの(型式番号:ZMC38III M-120A1)を改修したものでスコープを廃止し、バレルやストックが短いものとなっている。軽量化によって保持性が向上している。これらの武装はこれまでの実戦データが反映されており、陸戦型ザクIIのものより実戦向きなものとなっている。G92組立式砲座は分解することで4機で搬送し、目的地において10分程度で組立が可能となっている。実戦テストを兼ねてダブルタイプが第5地上機動歩兵師団第1MS大隊A小隊(通称カラカル部隊)に配備された。この部隊はロイ・グリンウッド少佐を隊長とし、リビア砂漠からスエズ運河西岸を作戦地域とする特務部隊であり、ゲリラ戦法を得意とする。なお、このカラカル部隊にのちに配備されるドム・トロピカルテストタイプの性能チェックをアリゾナで行なっていたのが、ダブルタイプを主力機としていたスカラベ部隊であり、彼らも中東地域に転戦している。また、ピンクパンサー部隊にはシングルタイプが配備され、サハラ砂漠からジブラルタル海峡までを制圧、ジオン公国軍のヨーロッパ侵攻に寄与している。戦後はなんらかの経緯で連邦軍に編入されている。ジオン時代より乗り継いだザク・デザートタイプとRGC-80 ジム・キャノンとの混成部隊で、ジャブロー防衛の任に就いている姿が確認されている。防衛部隊の中でもティターンズ相当の部隊として扱われていたともいわれているが、すでに事実上放棄され空き家となった拠点に捨て駒として置き去りにされていたに過ぎず、グリプス戦役時に実行されたエゥーゴの侵攻作戦とそれに対する連邦自らの核兵器使用による焦土作戦の末、以降の彼らの存亡は不明となっている。その他、中東西部に侵攻したアラビアンのパーソナルマークを使用するカーミック・ロム大尉の乗機が知られている(後に遊撃隊スコルピオに編成)。前期にはシングルタイプ、ダブルタイプそれぞれ43機ずつ、後期にはシングルタイプのみが28機、計114機が生産された。一年戦争中期頃から実戦配備が行われ、全機がアフリカ戦線に投入された。配備数の少なかったドムに代わり、主力機として活躍した。アニメ『機動戦士ガンダムUC』では、不時着したガランシェールを持ち上げる機体の1つとして登場。アニメ版の外伝作品『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』では、カークス隊所属のクイント中尉の乗機とされ、第7話・第8話ではカークス隊基地を狙う海賊との攻防戦に参加している。テレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』および『機動戦士ガンダムUC』に登場。 ジオン公国時代にザクIIのバリエーションのひとつとして開発されたザク・デザートタイプをベースに、地球連邦軍基地から奪った資材で改修した機体である。砂上走行用のジェットスキーが装着されており、高速で滑走することができる。第一次ネオ・ジオン抗争時において旧ジオン軍残党・ロンメル部隊やアフリカ解放戦線・青の部隊の主力とされ、ラプラス戦争時にも旧ジオン軍残党に運用された。前面パネルラインなどの整理・ボリュームアップのほか、バックパックへの予備プロペラントタンク接続などが母体とは異なる。中にはゲルググのビーム・ライフルを装備した機体もみられた。なお、青の部隊が使用した機体は劇中でレプリカといわれている。当初の設定では、アクシズにおいてD型ではなくF型などから改造された機体が地球に降ろされた、とされていたが、プロットの変更に伴いD型の現地改造機に設定が訂正された。本機は既成のプラモデルの金型を一部流用して新たなバリエーションを作るという、商品化前提で作られた機体の1つでもあり、ロケットランチャーのラフデザインは中澤博之、ジェットスキーの案は鴇田光一、全体のラフはあさのまさひこ、クリーンUPは明貴美加による。『ZZ-MSV』として分類されるデザート・ロンメルの専用機。ザク・デザートタイプの改造機ともディザート・ザクの改造機とも言われているが、外見上D型との共通点は乏しく、むしろF型やJ型との共通点が多い。機体名はディザート・ザクではなく「デザートザク」で正しいが、これも資料によっては「ディザートザク(ロンメル・カスタム)」など表記揺れが見られる。本機は『機動戦士ガンダムΖΖ』における未使用デザインが、1989年発行の書籍『ENTERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダムMS大図鑑【PART.2グリプス戦争編】』において名称・型式番号と「ΖΖ-MSV」という区分が与えられたものである。プラモデル企画『MSV』、『機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』および『機動戦士ガンダムUC』に登場。ジオン公国が開発したザクIIを基に作られ、ザクIIの右肩に対空砲を装備したバリエーション機。当初は開発が凍結されていたが、連邦軍のガンキャノンの出現に対抗する形でドムの量産に平行して生産された。主な装備としてはランドセルに装着された右肩の180mmキャノン砲、ランドセル左部の2連装スモークディスチャージャー、腰部の2連ロケット弾ポッド(ビッグガン)があり、モノアイは全周囲型に改良されたほかサブカメラも装備している。また、ランドセルを換装もしくは排除することでJ型と同様のスペックを発揮できるほか、180mmキャノン砲をガトリング砲(120mm機銃×6門)に換装したガトリング砲装備型もある。アンテナは通常1本だが2本の機体も存在し、ラビットタイプと呼ばれた。もとは、地球連邦軍の航空機に対するために作られた対空用MSであるが、開発中に対地支援にも有効なことが証明され、中/長距離支援用MSとしても運用されるようになった。運用は主に遮蔽物を利用した間接照準射撃だが、場合によっては直接照準射撃も行うことがあった。砲撃武装がランドセルに集約されていて、ランドセルが弾薬格納庫となっていたため、弾丸補充にはほかのMSの手を借りなければならず、運用に不便な点があった(だが、自動装填装置を有しているとの異説もある)。支援機故に携帯武器は通常携行しないが、ザクマシンガンほか、ザク用の各種携行火器は流用可能である。カラーリングとして当初は北米・西アジア戦を想定してデザート・イエローが生産されたが、のちにザクII同様のカラーリングであるダークグレー系の迷彩へと変更された。MS-06Jのバリエーションの1つでMS-06J-12の記述がある資料が存在する。主にキャリフォルニアベースに配置されたとの記述があるが、アジア戦でコジマ大隊所属の08小隊によりザクキャノンの発見が報告されている。一年戦争時に確認されている機体はわずかであった(MSVの設定では試作された9機全機が北米で実戦参加したとされている。ただし、バンダイ刊『戦略戦術大図鑑』では「アフリカではD型ザクと並びポピュラーな機体」と記述されており、現地改修などを含めて、本機の生産機数は意外と多かった可能性がある)。一年戦争終盤にキャリフォルニアベース防衛のために連邦軍を挟撃したものの連邦軍にキャリフォルニアベースを奪回され、フロリダ半島へ撤退した時点で終戦を迎えた。後に地球連邦軍が接収、ランドセルを改修し宇宙戦用に変更された機体がグリプス戦役で使用された。その時の機体のカラーリングは青と紫であった。支援用としては極めて優秀な機体であり、本機のコンセプトは後にMS-12 ギガンへ受け継がれている。メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。K型の180mmキャノン砲、ランドセル、右肩シールドをオプション化し、J型に換装した機体。K型の試作終了後にキャリフォルニアベースで開発されたもので、火器管制システムもK型のものから一部に変更が加えられた。一部機体はK型と同様の迷彩塗装が施されている。オプションの生産は24セットが決定され、セットの中には180mmキャノン砲のオプションとしてK型同様のガトリング砲も用意されている。なお、K型自体、開発開始時のマザープランである「対空砲装備型ザク」ではJ型にオプションの対空砲を装備するという本機に近い仕様になる予定だったが、重量バランスの悪さや不確定なニーズなどを原因として、一時開発が凍結された後に実機の形へと改められている。また、本機が設定される以前に発売されたアクションフィギュア「MOBILE SUIT IN ACTION!! ジオン軍地球侵攻作戦」では、K型のランドセルと同型の「キャノンパック」が設定されており、通常のJ型に装備することが可能となっている。漫画『機動戦士ガンダム バニシングマシン』に登場。名称は現地部隊によってつけられたもので、正式なものではない。歩行不能に陥ったザクキャノンの上半身を、ザクタンクと同じ要領でトレーラーの荷台に左向きに固定したもの。武装は180mmキャノン砲とザクマシンガンのほか、トレーラーヘッドの上部に機関銃1挺を備えている。義勇軍部隊「ヤーコブ隊」が、連邦軍のオデッサへの進撃を受け撤退する部隊の殿を務める際に現地で急造し、連邦軍部隊との戦闘に投入。最終的にはぬかるみの中で陸戦型ジムの攻撃を受け横転し、撃破された。ツクダホビーのウォーシミュレーションゲーム『トワイライト オブ ジオン』に登場。艦隊支援用の大弾幕戦を展開する為に改修された火力支援機。FまたはJ型の肩部シールドとスパイクアーマーを取り外した上で、両肩・両腕・腰の両脇・両脚の多目的ラッチに多連装のミサイルポッドを装備したもので、F型とJ型どちらの改造機もまとめてL型に分類されている。大型ミサイル4発。中型ミサイル12発。小型ミサイル10発の火力は強力であった。その任務から手持ち火器やヒートホークは通常携帯しないが、ザクキャノン同様、必要に応じてザク用の各種携帯兵装を流用可能である。元々の開発目的は宇宙艦隊戦での火力支援用であったが、J型からも簡単な改修で済むため地上戦にも投入され、一年戦争中に様々な現地部隊で使用されていた。
出典:wikipedia
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