朝鮮民主主義人民共和国の国旗は、朝鮮民族の伝統色とされる青色と赤色を基調とし、白い円と2本の白線、および赤い星を配した旗である。建国に際して1948年9月8日に制定されたもので、同国では共和国旗（ / コンファグッキ）と呼ばれる。朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法第7章第170条に規定がある。朝鮮民主主義人民共和国での一般的な呼称は共和国旗（ / コンファグッキ）だが、色や意匠から藍紅色旗（ / ラモンセッキッパル、あるいは紅藍五角星旗（ / ホンラムオガッピョルギ）と呼ばれる。一方で南側では、「人民共和国旗」を略して 人共旗（ / インゴンギ）と侮蔑的に呼ぶことがある。かつての冷戦時代には、北傀旗（ /プッケギ）とも呼ばれていたが、冷戦終結後はあまり使われていない。現在の政府当局は「赤地の部分は党（朝鮮労働党）と領袖への朝鮮人民の忠誠心、社会主義的愛国主義、百折不撓の闘争精神、一心団結した不抜の力を象徴する。白い円と白地の部分は、朝鮮民族が単一民族であり英雄的人民であることを象徴する。二つの青地の部分は、反帝・自主の旗のもとに、世界の革命的人民と固く団結して、平和と民主主義、民族の独立と社会主義偉業の勝利のために断固戦おうとする朝鮮人民の熱烈な志向を象徴する」と意義付けを行っている。オリンピックや国際連合用には縦横比2:3の修正版が使われる。また、五芒星の頂点が真上と左右対称に来るように角度を18°調節した縦長掲揚用もあり、2012年のロンドン五輪でも縦長掲揚用が併用された。朝鮮では、1883年に李氏朝鮮が太極旗を国旗として公式に制定したため、日本の統治時代を通じて太極旗が朝鮮独立運動の象徴となっていた。そのため、1945年に朝鮮人民共和国が短期間樹立された際、太極旗が事実上の国旗として使われていた。第二次世界大戦終結後、日本の統治下から正式に離脱した朝鮮半島は、米国・ソ連による南北分割統治を受けた。その際、ソ連占領軍は朝鮮人民共和国の地方組織である各地の人民委員会と協力関係を築いたため、1946年に樹立された北朝鮮臨時人民委員会は朝鮮人民共和国からの流れで太極旗を組織の旗として使った。だが、米ソ対立（冷戦）の影響から1947年10月20日に米ソ共同委員会が無期限休会（事実上の決裂）となると、北朝鮮人民委員会は朝鮮北半部単独の政府樹立を目指すようになり、国旗についても南朝鮮の反共主義勢力が使う太極旗とは別個の旗を設けることになった。国旗の原案は1948年2月初旬に完成したが、金日成の指示で赤・白・青の横線の比率や白い丸の位置の修正、及び白丸内への赤い星の追加が行われ、現在の共和国旗が誕生した。そして、同年9月9日に北半部で朝鮮統一を目指す朝鮮民主主義人民共和国を建国するに際し、新しい朝鮮の国旗として共和国旗が9月8日に制定された。その後、人民共和国政府は1992年10月22日に国旗の製作と使用・掲揚・保管方法を定めた「国旗法」（）を制定しており、以後数次の改正を行っている。朝鮮民主主義人民共和国では、掲揚の他モニュメントなどでも国旗デザインが使用される。2012年7月25日のロンドン五輪女子サッカーの対コロンビア戦で、朝鮮民主主義人民共和国の選手発表時に国旗の部分が韓国国旗が表示された。これに対して朝鮮民主主義人民共和国側はオリンピック委員会に抗議し、一時は選手が試合開始を拒否しキックオフの時間になっても選手が現れず、最終的に委員会側が謝罪したことで約1時間遅れでキックオフとなった。

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