第一次ネオ・ジオン抗争(だいいちじネオ・ジオンこうそう)は、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』の舞台となった架空の戦争の名称。エゥーゴおよびカラバと、ネオ・ジオンとの戦争である。「ハマーン戦争」とも呼ばれる。劇中ではグリプス戦役と一体の名称不明の戦いとして描かれ、放映後に「グリプス戦役」や「第一次ネオ・ジオン戦争」という名称が設定された。グリプス戦役を経たことで疲弊、あるいは人材不足を起こしていた各陣営は統制が緩く、構成員個人の私的感情による単独行動・脱走・寝返り・反乱が続発する。一騎当千の第4世代MSを有する個人が、組織の枠を超えた活動をして、時に戦局をも動かすという特異な戦争であった。グリプス戦役からわずかな時間しか経っておらず、当時においても末期にはエゥーゴとアクシズは敵対関係で戦闘も行っていたので、ティターンズ敗退後の事実上のグリプス戦役の延長戦とも言える戦争であり、グリプス戦役からの移行で明確な区分がなされていない。なお、途中でアクシズ軍がネオ・ジオン軍(ジオン残党が多数合流)に名称変更される。グリプス戦役に勝利したものの、エゥーゴの損害は大きく、戦後の主導権を確立するには至らなかった。同戦役で艦隊を温存し、漁夫の利を得る形で主導権を握ったアクシズは名を「ネオ・ジオン」と改め、ザビ家再興を企てサイド3ジオン共和国を制圧し、戦いは第一次ネオ・ジオン抗争へと移っていく。ただ、アクシズもグリプス戦役では熟練将兵を多数喪失したため、経験不足の若手将校を中心とした急編成部隊を中心に作戦を進めざるを得なくなっていた(指導者であるハマーン・カーン自身がまだ22歳の若手であった)。グリプス戦役末期にシャア(クワトロ)のダカール演説で連邦国民世論や連邦議会議員などは一気にエゥーゴに流れてティターンズ崩壊につながったが、それでもなお連邦高官はエゥーゴやカラバなどを疎ましく思っており、アクシズがネオ・ジオンになり勢力を伸ばしてきた際はハマーンが主催するパーティーに連邦高官が多数出席したり、ハマーンにサイド3を譲渡するなど連邦軍も腐敗していた。また、ブレックス准将が戦死してシャア(クワトロ)が行方不明になったエゥーゴもブライト艦長とルーなど若年層を中心とする末端はしっかりしていたが、上層部が腐敗していた。連邦政府および連邦軍の対応は遅れ、各都市・コロニーは事実上孤立したうえにネオ・ジオンのみならずアフリカ解放戦線らさまざまな武装勢力が跳梁跋扈し、地球圏は戦時統制下の戦争状態よりもさらに悪化し、秩序そのものが崩壊した無政府状態に陥った。連邦軍主力が直接介入したのは主だった戦闘が終結した後であった。この戦争を描いた『機動戦士ガンダムΖΖ』は戦争を大局から描写するというより、戦場を舞台にした主人公ジュドーと仲間たちの冒険譚的な性格が強い作品であった。そのため、戦局もジュドー個人主体で展開・描写される。グリプス戦役終了から7日後、宇宙世紀0088年2月29日、アクシズはミネバ・ラオ・ザビを戴き、新たなるジオン「ネオ・ジオン」を僭称。各コロニーへ進軍、制圧を開始する。雑誌企画『ガンダム・センチネル』では、このコロニー進軍前後(つまり宣戦布告前後)に地球連邦軍教導隊の一部将校が起こした「ペズンの反乱」において、月のエアーズ市から脱出したニューディサイズを回収、保護して廃棄予定だったモビルアーマー、ゾディ・アックを譲渡した上でニューディサイズを追撃してきたα任務部隊の足止めを行っている。3月1日、グリプス戦役で疲弊したエゥーゴの巡洋艦アーガマは、修理と補給のためサイド1のシャングリラへと寄港する。シャングリラのジャンク屋ジュドーと仲間のビーチャ・オーレグらは、アーガマ所属のモビルスーツ(MS)Ζガンダムを盗み出し大儲けしようと画策。彼らは、シャングリラに流れ着いたティターンズの敗残兵ヤザン・ゲーブルと共にアーガマに侵入し、ジュドーがΖガンダムに乗り込むが、ジュドーはヤザンのクルーに対する横暴に憤りを感じ、Ζガンダムで戦いを挑んでヤザンの乗り込むミドル・モビルスーツを撃退する。それと前後してシャングリラにもネオ・ジオンのコロニー先遣隊・巡洋艦エンドラが入港。同艦を率いるマシュマー・セロは自ら新型MSガルスJに搭乗し、アーガマを襲撃する。しかし、再びΖガンダムに乗り込んだジュドーがこれを退け、その後ブライトやファ・ユイリィの頼みもあり、ジュドーと仲間達はアーガマの乗員となった。アーガマはシャングリラを出港しラビアンローズと接触、エゥーゴの最新鋭機ΖΖガンダムを受領。メインパイロットとなったジュドーの活躍もあり、マシュマーとその増援に来たキャラ・スーンを撃退するが、戦闘中にジュドーの妹リィナを連れ去られてしまう。また、ΖΖガンダムを輸送してきたエゥーゴのパイロットルー・ルカが一行に加わった。アーガマは補給のため、サイド1開発時代に作られ既に忘れられたコロニー「ムーン・ムーン」に寄港する。ムーン・ムーン住民の内紛に巻き込まれ、また、先に入港していたエンドラ将兵と交戦状態となるが、エンドラを撃沈しキャラを捕虜にした。妹リィナを救出するためアクシズに潜入したジュドーは、グレミー・トト配下のニュータイプの少女エルピー・プルと出会う。彼女に気に入られたジュドーは、リィナが居るというハマーンの屋敷に向かう。そこで偶然ハマーンと出会い、仲間になることを強要されると、リィナとは会えないまま脱出する。脱出時にプルの駆るキュベレイMk-IIに追われるが、逃げ切る。ハマーンが艦隊を率いアクシズから地球圏へと出撃する。その際に放出した大量のダミーにまぎれ、ジュドーは再びアクシズに潜入。アクシズ内では、再びプルのキュベレイMk-IIに追われるが戦闘を避け脱出。アーガマはアクシズのエンジン部分に砲撃を加え、宙域を離脱。アーガマは月面都市グラナダで補給を受ける。その間、ゴットン率いるエンドラ隊と交戦するが、エンドラ隊は自滅する。この戦闘の間にキャラが脱走し、ネオ・ジオンに復帰する。ネオ・ジオンは、地球連邦本部のあるダカールに工作員を送り込み、事実上地球連邦議会は制圧されている状態だった。各コロニーの制圧をほぼ終えたネオ・ジオンは、ついに地球圏を完全に掌握するため地球への降下を画策する。これに対しエゥーゴはアーガマに追撃命令を下し、アーガマはバリュートを用いて地球へ降下する。。大気圏突入時にプルが来襲。ジュドーはZガンダムで迎撃するうちに大気圏に突入し、大気圏突入能力のないプルのキュベレイMk-IIを救助する。そしてプルはアーガマの捕虜、というよりジュドーたちの仲間になってしまった。降下したネオ・ジオンにより、地球連邦政府のあるダカールは占拠された。グリプス戦役によって戦力が疲弊しきっていたエゥーゴと地球連邦軍はこれを食い止めることが出来ず、ネオ・ジオンは旧ジオン軍やティターンズ残党をも配下に収める勢いを見せる。さらには、ミネバを担ぎ上げたパレードやパーティーを行い、力を見せ付けた。一方、地球に降下したアーガマは、ダカールを挟撃しようとしているカラバと合流するため待機。ガンダム・チームは一足先に別行動を取ることとなる。ガンダム・チームは迂回中に、砂漠で一年戦争終結時よりザビ家復興を待ちつづけていたロンメル隊と交戦、撃破してダカールに着く。ダカールでジュドーはリィナと再会するが、ネオ・ジオンとの戦闘中にリィナが生死不明となってしまう。ガンダム・チームはリィナの捜索も充分にできないまま、アーガマとともにダカールを離脱。リィナの件で責められアーガマを脱走したルーを追ったジュドーらは、フランク(白人)を排斥するアフリカ独立解放戦線、その分派「青の部隊」と交戦した後、ルーとともにアーガマに復帰。一方、乗艦ミンドラを撃沈されたグレミーは単身砂漠をさまよううちに「青の部隊」と合流、誇り高き彼らとの共闘のあいだに何かに目覚めた。アーガマは、ダカール制圧前に脱出していた地球連邦高官たちに会うためダブリンに向かう。「ネオ・ジオンにサイド3を与える事で和平交渉を結び、それに伴いアーガマも武装解除させる」と言う高官に反発したブライトとジュドーは警備兵に取り押さえられ地下牢に閉じ込められる。ネオ・ジオンは、アーガマをおびき出すためダブリンに攻撃をしかけ、その混乱の最中、ブライトとジュドーはファ・ユイリィに助けられる。ネオ・ジオンは、ダブリンへのコロニー落としを決行。。その成功を知った後、ハマーンは宇宙へ戻る。コロニー落着後、ネオ・ジオン所属のプルツー(サイコガンダムMk-IIに搭乗)がアーガマを襲撃、交戦中にプルが死亡する。アーガマをカラバに託し宇宙へ戻ったアーガマクルーたちに、新造戦艦ネェル・アーガマが与えられる。しかしエゥーゴの上層部は「子供」という理由のみで、主力パイロットであるジュドーたちの退艦を命令。一方的な命令に不満を抱いたクルーたちは、ジュドーたちの指揮の下ネェル・アーガマを強制出航させ、サイド3を目指す。ネェル・アーガマはサイド3宙域でネオ・ジオンに襲われる難民船を救助する。だが、この船にはジュドーに興味を抱いていたハマーンが自ら潜入していた。ネェル・アーガマは手近な中立コロニー、タイガーバウムに入港するが、そこで好色な総監スタンパ・ハロイに女性メンバーとハマーンを含む女性難民を拉致される。ジュドーたちは、かつてのジュドーたちのような地元の不良少年ルナンたちと協力して彼女達を取り返すが、そこでハマーンと直接対峙、一戦を交える。ハマーンの拠点コア3に接続される予定の鉱山小惑星キケロに潜入したジュドーたちは、ネオ・ジオンによる鉱山支配への抵抗運動を行っている鉱山労働者に出会い、協力する。ほどなくしてキケロはコア3と接続されてしまうが、ネェル・アーガマの砲撃でドッキングベイを破壊し、キケロを離脱させる。一連の作戦で戦局は大きくネオ・ジオン側に傾いていたが、ネオ・ジオンもまたサイド3市民の支持を得られない、サイド3への帰還を果たしたことでもともと不明瞭だった組織全体の目的が完全に失われるなど内部は磐石ではなく、ついにハマーンの傀儡支配体制への潜在的な不満が暴発し、グレミー・トトを中心にした内乱が勃発した。グレミーは小惑星アクシズを占拠して決起するが、グレミー側にもサイド3市民の支持や明確な目標はなく、両者は漫然とした消耗戦に突入した。なお、グレミーはプルツーを使いハマーンを抹殺しようとしたが失敗している。グレミー軍で用いられたモビルスーツには、ハマーン軍との識別を目的として、いくつかの機体でグレーの塗装が施されている。ジュドーたちはコア3に潜入しミネバを拉致し航空機で脱出しようとするが、ハマーンに見つかり、ミネバを連れ出すならミネバごと撃ち落すと脅迫を受け断念。その間に、ネェル・アーガマをグレミー軍の切り札であるMSクィン・マンサが襲撃。ラビアンローズがその盾となり沈む。なんとか撃退したネェル・アーガマはこの一件でグレミーをハマーン以上に敵視するようになり、サイド3に向けて行動を開始した地球連邦軍艦隊との合流を待たずに、まずグレミーを倒す計画を立てる。混乱極まる中、ハマーン軍の拠点コア3はグレミー軍の拠点アクシズ及びその居住ブロックモウサが衝突して共に壊滅。ハマーン軍のマシュマー・セロ、キャラ・スーン、グレミー軍の量産型キュベレイ部隊やラカン・ダカラン率いるドーベン・ウルフ隊など、主だった戦力は相打ちで壊滅。グレミーはガンダム・チームに倒され、ハマーンもジュドーとの最後の一騎討ちに敗れて散った。その後、主を失った旗艦サダラーンが連邦・エゥーゴ艦隊に投降した際、ミネバは影武者であることが判明する。宇宙世紀0089年1月17日、ネオ・ジオンの自滅的敗北によるエゥーゴの勝利という形で第一次ネオ・ジオン抗争は終結した。ネオ・ジオン軍の多くは連邦軍に投降したが、この時期に地球連邦の実権を掌握していたのがエゥーゴであったため、彼らが冷遇されることは無かった。これは、地球連邦政府がスペースノイドに関心を持っていなかったことも影響している。統率者を失ったネオ・ジオンに於いて、連邦軍に投降しなかった部隊は各地に潜伏。あるものは反連邦系セクトらと結託しゲリラ化した。生き残った正規軍のうち最大派閥であるダンジダン・ポジドン少将を中心とする一派は、のちの「シャアの反乱」(第二次ネオ・ジオン抗争)まで多数の戦力を温存することとなる。一方、地上に残された戦力は宇宙への脱出を試みるべく各個に撤退を開始した。それを阻む連邦軍との激戦が各地で勃発している。また、これとは別にハマーンの妹セラーナ・カーン外務次官を中心とする穏健派勢力は、連邦政府との和平交渉に臨んだとされている。しかし和平交渉は決裂、セラーナは追撃してきた強硬派との戦闘で行方不明になったという。エゥーゴ所属部隊は地球連邦軍の正規部隊として組み入れられる形で発展的に解散した(主にロンド・ベル隊に配属されたと言われている)。カラバは組織としては第一次ネオジオン抗争後も残っているが、ハヤトが第一次ネオジオン抗争で戦死し、アムロは第一次ネオジオン抗争に参戦せずロンド・ベル隊に属していることから、事実上の連邦軍と一体組織となっていて、第二次ネオジオン抗争以後は著名な人物が存在しない。なお、主人公ジュドーはこれらの政治的動きにかかわることなく、ルーとともにグリプス戦役後中断していた木星エネルギー輸送船団に参加。生きていたリィナや仲間に見送られつつ「巣立って」いった。
出典:wikipedia
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