名古屋市営バス(なごやしえいバス)は、名古屋市が運行する公営バスである。名古屋市交通局内にバスを担当する「自動車部」がある。単に市バスと略されている。名古屋市全域を運行する他、隣接する豊山町、大治町、清須市、尾張旭市、長久手市、日進市、豊明市、春日井市の一部地域を営業エリアとしている。総営業キロ数は763.1km、系統数は163系統、保有車両数は1012両(いずれも2016年4月現在)。2007年4月より大森営業所を名鉄バスに、2009年4月より浄心営業所を三重交通に、2012年4月より野並営業所を名鉄バスに管理委託するなど、コスト削減を進めている。日本初の中央車線をバスレーンとして走行する基幹バス(新出来町線)や、専用軌道と一般道を走行する名古屋ガイドウェイバスの運行受託、名古屋市内の人気観光スポットを周遊するなごや観光ルートバス(愛称「メーグル」)の運行受託など、多種多様な運行を行っている。バス車体の表記は「市営」。2009年現在、一般系統、基幹バス、都心循環バス、高速バス、深夜バス、名古屋ガイドウェイバス、地域巡回バス、なごや観光ルートバスが運行されている。系統の詳細については各営業所記事を参照。一般路線の系統番号は起点(一部途中停留所)の地名と数字の組み合わせからなっている。幹線路線は起点と1桁の数字1から、その他路線は起点と2桁の数字11から始まる。番号はおおむね起点から見て北から時計回りに設定されている。かつては起点に関係なく通しの1 - 3桁の系統番号が付けられていた。方向幕は起点、系統ごとに色が割り振られており、主要地域は名駅(緑)、栄(桃)、金山(黒)、それ以外の幹線路線は(青)、その他一般路線は(白)、深夜路線は(黄)、臨時急行路線は(橙)、同じ系統内で経由が異なる路線(茶)である。但し、2003年度以降に導入されている車両については表示器は幕式ではなくLED表示式(オレンジ)であり、現在全体の約9割のバスがLED表示式(オレンジ)である。車体はクリーム色に青帯を巻く塗装が基本であり、別の塗装になることもある。2010年からは、一部の車両において1960年代に見られた塗装を再現している(現在は廃車)。また、バスの一部に地元の子供たちが自由気ままに描いた『お絵かきバス』を数台走らせている。現在、1998年式・1999年式の小型バスは廃車され、中型ノンステップバスで運行されている。座席などはすべて一般バスのシートと変わらず、1999年式まで採用されていた灰色と赤色の座席はなくなっている。小型バスで運行されていた頃、ラッシュ時は満員だったが、現在は以前より混雑は緩和されている。市バスの全系統で最も運行距離が長い。名古屋高速3号大高線区間を利用する場合は通常料金に加えて10円が必要である。manacaでの支払いも可能である。運賃箱の設定は220円であり、地上区間のみの乗車の場合には運転士にその旨を告げると設定を変更する。一般系統の車両を兼用で用いていたが、1998年に専用車両8台 (F-517~F-524) が導入され、2005年には高速走行に対応したノンステップバスも投入(ETC車上装置も搭載)。2010年には、全便ノンステップ化のためABS搭載の専用車が8台 (NH-264~NH-271) が導入された。間合い運用などで基幹1号系統にも使用されるため、前方・前扉右横に基幹用プレートが装備されている(常時変更可能)。専用車両の座席にはシートベルトが装備されているが、通常の車両と同様につり革や握り棒があり、立席乗車も可能である(名古屋高速は名前に高速が付いているが、法定速度制限が60キロ以内なので、立席が可能。西鉄バスで運行される都市高速路線と同様)。以前は〔高速2〕栄~上前津~鶴舞公園前~東郊通三丁目~(高速区間)~名南工高~花井~緑高校も存在したが、1982年3月に開業した〔基幹1〕と同じような経路を結ぶため、同系統の運行開始とともに廃止となっている。1990年12月5日運行開始。、料金は普通料金の倍額の420円となっている。一日乗車券や全線定期券を提示すれば深夜料金分の差額の支払いで乗車可能となっているが、。原則として、お盆、年末年始、祝日を除く月曜日から金曜日までの深夜のみ運行される。2007年7月21日運行開始。名古屋市市民経済局観光推進室が企画・運営し、名古屋市交通局が運行受託している。愛称は「メーグル」で金の鯱をイメージさせるゴールドを主体とした専用車両(中型車)を導入し、その車内は天井に窓枠を設け、視界を向上し観光車両として工夫されている。また、当初の予想以上の利用客があったことを受け、浄心営業所に所属する一般大型ノンステップバスに「メーグル」のPRラッピングを施し、休日などの多客時間帯に中型専用車の代わりとして運用に入っている。多客時においては通常一般市バス車両により増便が運行される場合もある。(方向幕は「名古屋市交通局」を表示)2010年に、日野自動車製大型ハイブリッドバスが導入された(車番M-05で運行)。日曜・祝祭日等には午前中を中心に車内にボランティアガイドが同乗することがある。なお、正式な系統名は「観光1」号系統である。土・日・祝日は20 - 30分に1本(名古屋駅午前9時30分から11時30分までは20分毎発、それ以降は30分毎発・1日18本)、平日は30分 - 1時間に1本(名古屋駅午前9時30分から17時00分まで1日13本)それぞれ運行している。月曜日は運休となる(但し祝日は運行し直後の平日が運休となる)。運賃は、大人210円、小児100円であり、manaca・一日乗車券・市発行の敬老パス・福祉乗車券でも乗車可能であるが、定期券では利用できない。専用一日乗車券として、メーグル1DAYチケット(大人500円、小児250円)が発売されている。車両は、現在5両の専用車両と2両の予備車が存在する。専用車どちらも東京特殊車体での改造が施してある。PB-HR7JHAEは本来のレインボーではなくブルーリボンシティのフロントマスク。予備車は名古屋市交通局所有のもので、メーグルのラッピングが施されている。車内は専用車とは異なり一般バス同様の仕様になっている。また平日は幹名駅2号系統にて運用されている。開業の翌年に中心部へ拡大した時の路線を示す。系統番号を変更し、幹線路線を拡大した頃の系統を示す。下記は名古屋市交通局のバスターミナル上記の他に、タクシーなどの乗降も扱っている交通広場も存在する。下記の通り。日本メーカー4社とも導入されている。導入数は2012年現在いすゞ自動車が最多で日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、日産ディーゼル(現在のUDトラックス)の順となる。車体組立部門を持たない日産ディーゼル車の場合、富士重工業のボディが標準だったが、同社のバス車体組立撤退後は西日本車体工業のボディが架装されている。また、いすゞのシャーシに富士重工業のボディという組み合わせも少数存在していたが、2011年度末までに全車廃車となった。三菱ふそう・エアロスターの車体は三菱自動車バス製造(現在の三菱ふそうバス製造)に一本化される前は三菱自動車工業名古屋製作所大江工場が架装を担当していたが、同工場にて車体が架装された車両は2009年度末までに全車廃車となった。なお、かつては営業所ごとに納入するメーカーが決まっていたが、営業所の再編、ノンステップバスや小型バスはメーカーが限られる、などの理由により営業所ごとのメーカーは一定でない。当局では下記の方法によって車両に局番を付番している(40番台は欠番)。名鉄バスに管理委託されている大森営業所・野並営業所に所属するバスは、他の営業所の車両に装備されていない以下の装備がある。また、以下の装備は他営業所とは異なり、2007年4月1日の管理委託開始時から運用されている。野並営業所は2012年4月1日から管理委託開始。なお、基幹車両・都心ループは全車ノンステップバス化を完了している。短期規制以前のディーゼル車は全車引退済みなお、NE-UA4E0LANも1両存在したが、CNGタンク使用期限が来たため平成24年1月に廃車となった。また、平成24年度にはU-UA440LAN改が名古屋市営バス最後のU規制車として活躍し、同25年3月廃車となった。全車MT車である。2005年頃からは毎年約百数十両という大量増備を行い、車両の取り替えのペースを上げている。2010年度までにノンステップバス比率を92%、アイドリングストップ車(CNG圧縮天然ガス車を除く)の比率を100%にする目標を掲げていたため、現在はアイドリングストップ車(CNG圧縮天然ガス車を除く)の比率が100%になった。この大幅取り換えには、排ガス規制の強化の対象となる8大都市圏に名古屋市が含まれるため、規制に適合しない車両の使用年限が12年に限られることも影響していた。なお、同バスで役目を終えた車両は全国の地方事業者(北海道中央バス・宮城交通・備北バスなど)に譲渡されている他、一部はミャンマーなど海外にも輸出されている。なお、2011年度(2012年3月末までに廃車)までに排ガス規制に適合しないすべての車両(KC代までのディーゼル車)の入れ替えが終了しており、排ガス規制に適合している2001年度(2002年3月末までに導入)以降のノンステップバスは車両使用年数を現在の12年から18年に延長し、車両購入費を抑えることで経営再建につなげることになっている。このため、平成24年度以降の車両置き換えは、経年の大型低公害ツーステップ車の入れ替えに限り行われている。但し、一部事業者で実現している所有車の「ノンステップバス比率100%実現」については明言されていない。排ガス規制に適合する低公害大型ツーステップバスが1台、同じく排ガス規制に適合する2000年式のツーステップ・ワンステップ中型車が全部で14両、合計15両が在籍しているためと思われる。交通局によると、「平成28年度末に全車ノンステップ車化できる」としている。2000年以降に導入されたアイドリングストップ車には、アイドリングストップ時に車内にクラシックなどの音楽が流れる機能がついていたが、2012年4月をもって中止された。流れる音楽の種類は、車両の所属営業所によって異なっていた。楽曲は以下の通り。アイドリングストップ時にそれぞれの曲が順番に頭から流れる。2006年頃まではアイドリングストップがスタートと曲の流れも連動していた。つまり、常に頭から再生されるのではなく、途中切れ・途中スタートとなっていた。大森・稲西営業所の車両で流れている曲は、かつては鳴尾営業所の車両でも流れていた時期があった。このような試みは遠州鉄道が考案し、徐々に他のバス事業者にも波及しつつある。詳細は、遠鉄バス#アイドリングストップ中の音楽を参照。名古屋市営バスにおける乗車料金は以下のとおりとなる。ゆとりーとライン高架区間、高速道路経由路線、深夜バスを除き一乗車あたり大人210円・小児100円の全線均一料金を採用している。基本的にほとんどの路線は乗車時に料金を支払う「前乗り後ろ降り」の料金前払いシステムを採用しているが、基幹2号系統やゆとりーとラインでは「後ろ乗り前降り」の料金後払いシステムを採用している。なお、小児料金は6歳以上12歳未満の小学生に適用する。1歳以上6歳未満の幼児は1人の大人、もしくは小児の付き添いにつき2人まで無料でそれを超える場合や幼児1人での乗車は小児料金が必要であるが、1歳未満の乳児は無料となっている。市バスの通勤定期券等を購入した者と一緒に市バスを乗車する家族で、土・日曜日・休日(土・日・休日ダイヤ特別運行日含む)の現金乗車に限り、大人100円・小児50円(身体障害者等の方は大人50円・小児30円)で市バスに乗車可能である。但し利用できる家族とは同居している配偶者、父母、祖父母、子、孫、兄弟姉妹までとなり、ゆとりーとライン全線と他社運行のバスは利用不可である。また、地下鉄定期券や通学定期券なども対象外となっている。ユリカは名古屋市交通局が発行していたプリペイドカードの名称。バス・地下鉄共通で利用できるタイプ、平日10時から16時までと土・日曜日・休日のみ使用できるバス専用、地下鉄専用のタイプがある。それぞれに大人用と小児用(障害者などの特割運賃にも利用可能)がある。そのうち、大人用のバス・地下鉄共通タイプのみが「トランパス」として利用可能である。トランパスは、名古屋市営バス・名古屋市営地下鉄・名古屋鉄道(対応路線のみ)・名鉄バス(長距離高速バス等を除く)・あおなみ線・愛知高速交通(リニモ)で共通利用できる。また、共通ユリカで市バスと市バス、市バスと地下鉄、市バスとあおなみ線、地下鉄とあおなみ線は、90分以内の乗り換えの場合、80円(小児は40円)引きである。なお、2011年2月11日にIC乗車カードmanacaが導入されたことで、ユリカを含めたトランパス対応カードは2月10日に販売を終了、2012年2月29日で利用が終了された。昼間割引は平日10時から16時まで利用可能(バスは乗車時(基幹2号は降車時)、地下鉄は改札入場時の時間を基準とする)。休日は終日利用可能。なお、営業所(分所)ごとのカード裏面の印字は、となっている(正確には半角文字で表される)。また、かつては基幹バスの初め2文字の表示は「ハス」ではなく「キカ」であった。2014年(平成26年)度の市バス事業は14億円の黒字となったが、依然として厳しい状況が続いている。市バス全163系統のうち、営業係数が100未満の黒字系統は34系統、100以上の赤字系統は129系統であり、全体の約78%が赤字系統で、営業係数の平均は112である。黒字系統は以下の34系統である(2014年度。最新の営業係数は名古屋市交通局のウェブサイトより閲覧可能)。一方、営業係数が200以上の系統は以下の系統である(2014年度)。地域巡回系統はすべて赤字であり、最も数値の低いものでも南巡回系統(神宮東門 - 神宮東門)の119である。その他の系統についても名古屋市交通局のウェブサイトに記載されている。1990年9月25日の夜、当時鳴尾営業所所属の男性運転士が乗務中、南区の北頭交差点にある歩道橋から飛び降り自殺を図り瀕死の状態で道路上に倒れている女性を見つけ、乗客を乗せて運行中であるにもかかわらず、この女性が他の車にひかれないよう、女性の前にバスを停車させた。近くには消防署(名古屋市南消防署。救急隊配置)があり、このとき周囲にいた人が救急車を要請していたものの、サイレンが聞こえず到着まで時間が掛かると運転士が判断し、乗客と協力しながら女性をバスに乗せ、本来の運行経路から外れて近くの病院に搬送した。転落した女性は頭の怪我で済み命に別条は無かった。この運転士は運行規程に違反することを顧みず、躊躇なく迅速な人命救助を行ったことが評価され、シチズン時計からシチズン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
出典:wikipedia
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