アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト (アイデアたいけつ・ぜんこくこうとうせんもんがっこうロボットコンテスト。略して高専ロボコン)とは高等専門学校連合会(高専協)、NHK、NHKエンタープライズの主催するロボットコンテスト(ロボコン)のひとつである。1988年より始まった本大会は、かつてNHK、NHKエンタープライズが主催する「アイデア対決・ロボットコンテスト」の「高専部門」であったが、2000年に高等専門学校連合会が主催に加わり、「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」として独立した。「高等専門学校生の甲子園」といわれ、1991年からは全国コンクールの舞台が東京都の両国国技館を会場としていることから「目指せ国技館」ともいわれる。なお、NHKが主催するロボコン(NHKロボコン)には主にこの「高専ロボコン」と「NHK学生ロボコン(兼ABUロボコン日本代表選考会)」がある。多くのロボット競技では小型のロボットが競技を行うのに対し、高専ロボコンでは主に大型の手動ロボットが数メートルから10メートル四方程度の広さのフィールド上で競技を繰り広げる。大会はトーナメント形式で行われ、競技は2チームずつの対戦形式である。ロボットの大きさや手動操作が主である競技形式から、参加学生・関係者は「ロボット」ではなく「マシン」と言うことがある。本大会はルール、競技内容が毎年大きく変わるが、ボールをゴールに入れる、箱を積み上げる、歩くといった作業を行って得点を稼ぐというルールが多い。一回の試合時間は3分程度しかないため、迅速かつ精密な作業が要求される。競技は対戦形式で行われるため、それぞれのロボットには相手よりも速く、多く、確実に得点を稼ぐことが求められる。また、対戦形式であることから、相手に合わせた作戦や操縦者の技量や冷静さ、時には度胸も試される点も特徴的である。ただし、1日のうちに最大5試合行うことから、連戦による消耗から、試合中にロボットが動かなくなったり、自動制御装置などが壊れてしまうなどのトラブルが起き、それまで圧勝してきたチームが負けてしまう波乱もある。そのため、大会前日のテストランによる調整や、当日の空き時間や次の試合までのロボットのセッティングやメンテナンスも、勝敗を左右する。ルールは毎年変わるが、本大会に出場するロボットは変形が自由であることが多いため、大型機は10m近くのびたり、あるいは高さが5mを超えるといったことも珍しく無い。本大会は、年度にもよるが基本的には人間によって操作されるロボット同士の戦いになることが多い。このため、ロボットの性能のみならず、その思想、チームの柔軟な作戦、そして操縦者のとっさの機転も勝敗を分ける。大会への参加者は高専に在籍する学生と限られるため、出場者の規模は大きくない。一方で、全国8地区で開催される地区大会と両国国技館で開催される全国大会により、合計で15,000人を越える動員がある。本大会が開催されるきっかけとなったのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)にて行われていた、2.7単位取得できる授業である。この授業は学生が各自ロボットを作り、MIT内で行われる大会である。この大会の模様を取り上げた番組がアメリカの公共放送にて制作され、内容を見たNHKスタッフが日本でも同じことを行えないかと企画を立てたのが始まりである。企画にあたり、NHKスタッフは当時東京工業大学に在籍していた森政弘に相談をした。当時、森は乾電池1個で人間を走らせる競技をはじめ、頭を柔らかくしものを作ることをテーマとした授業を行っており、NHKスタッフは「うちでも同じ事をやっておるわい」と言われたという。参加チームの選定において工業高校、大学は多すぎと悩む中、森は(当時)62校ある高専を提案した。そして適度な数という現実的な理由より、全国の高専へ呼びかけた。結果、24校から応募があり、12校が出場した。翌年は53校の応募、20校の出場と規模が拡大し、1990年第3回大会より、全ての高専が出場する大会へとなった。1991年に、現在の優勝するか独創的なアイデアで全国大会の出場権を得る地区大会、そして両国国技館で全国大会を開催する形式となった。翌1992年には、競技課題の目的に合う、独創的なアイデアとそれを実現する技術力を持つロボットを表彰する「ロボコン大賞」を設け、現在に至る。この節の出典: 大会の模様は毎年NHKにて放送されることから、日本のロボット競技の中でもメディア露出が高い大会である。地区大会の模様は全国大会前にローカル放送が行われる(原則、同日同時刻に各NHK放送局に対応する地区大会が放送される)。そして、全国大会終了後の11~12月にかけて、主にミッドナイトチャンネル枠で各地区大会の放送がおよそ1、2週間連続して行われる(編成日程にもよるが、毎日1-2地区)。全国大会の模様については、12月ごろに総合テレビで放送される。また、旧BS2やNHK BSプレミアム(旧 BShi)でも放送されることがある。こちらは総合テレビの放送内容に比べ放送時間が長く、会場中の映像が多い、全試合を取り上げた完全版・全試合版として製作されることがある。2000年には開局間もないBSハイビジョンにて、2003年、2004年には教育テレビにて全国大会の生中継が行われた。全国大会については、BSデジタル放送が開始される前の1999年からハイビジョンでの番組制作が行われ放送された(2001年を除く)、2002年からは取材、スタジオ内も含め全面的にハイビジョン製作となった。さらに地上デジタル放送の開始に伴い、順次ハイビジョン製作に移行した。1998年4月に1988年から1997年までの10年間の大会内容を綴った総集編「ロボコン風雲録」がBS2にて放送された。この番組の一部は韓国KBSのロボコンサイトにて視聴ができる。2007年12月末には20年間の総集編が教育テレビで3時間10分にわたって放送された。こちらは主に試合を中心に取り上げた内容である。2010年の関東甲信越地区大会では、インターネットを用いた地区大会の生中継が行われた。2011年には、すべての地区大会でインターネットによる地区大会の生放送が行われた。この中継には、NHK放送技術研究所の開発したP2P配信システムが用いられた。2012年以降も、8地区すべての地区大会がインターネット上で配信された。2012年から2014年の地区大会では、ライブストリーミング配信を見ている人による賞の投票も行われた。本大会には全国にある高等専門学校の学生が出場する。高等専門学校は2015年度現在、全国に57校あるが、不出場の高専や複数キャンパスから出場する高専が存在する(後述)。基本的には1校につきAチームとBチームの2チームが参加し、総参加チーム数は全部で124となる。1 チームは高等専門学校の学生3名からなる選手と指導教官で構成されているが、学生3名だけでロボットを制作を行うことは少ない。実際には、選手の他に数名から20名程度を加えた体制でロボット制作にあたる場合が多い。なお、大会会場では各チーム3名の選手以外にピット要員として5名程度がピット裏での作業やマシンの移動を行うことが出来る。全国の高専から参加があるため、大会では初めに地区大会が行われる。地区大会の区分けと参加校は次の通り。2006年4月に都立工業高専と都立航空高専が統合された都立産業技術高専は旧都立工業高専、都立航空高専の置かれていた品川、荒川キャンパスから2チーム出場することになった。また、2009年10月に統合された仙台高専、富山高専、香川高専、熊本高専も、それぞれ2つのキャンパスから2チームずつが出場する。同じ三重県にありながら、鈴鹿高専と鳥羽商船高専は東海北陸地区、近畿大学高専は近畿地区からの出場である(近畿大学高専は1995年に出場地区を東海北陸地区から近畿地区に変更した。恐らく運営元・近畿大学の本学が大阪府にあることを配慮したものと考えられよう)。ルールの発表は例年4月中旬~下旬に行われる(2015年の場合は4月17日発表)ため、各チームは春から秋までの約6カ月をロボットの設計、制作に明け暮れることとなる。かつては5~6月中に発表されていたが、ルールの複雑化に伴い、年を追うごとにルール発表の時期が早くなる傾向にある。近年は各高専の学生課へのFAXだけでなく、公式ウェブサイトでの発表も実施している。2002年の大会では、全国大会の表彰式で翌年のルールの概要が発表された。この企画はABUロボコンではよく行われている。各高専は例年6月末までにロボットのアイデア、基本構成、戦略を記した用紙をNHKへ提出する。2~4案をNHKに提出することができ、ルールへの違反や危険行為がないか確認がされる。2案応募した場合はそのまま2案がA、Bチームになるが、3案以上出した場合はNHK側の判断により2案に絞られる。地区大会は例年10月上旬から11月上旬の日曜日に行われる。地区大会の順番や日程は毎年異なる。各週、1~2会場で大会が行われる。地区大会の対戦組み合わせは、各高専のA、Bチームが決勝まで対戦しないようにトーナメント表が組まれる。出場チーム数の規模にも依るが、地区大会優勝までには3~5連勝する必要がある。なお、地区大会はその地区に属する高専が持ち回りで運営をサポートすることになっており、大会の会場はその都市にある大きめの体育館などが利用される。大会運営においては担当高専の学生が補助員として動員され、教員が運営の補助を行う。全国大会は11月の下旬から12月の上旬に両国国技館で行われる。全国大会には25チーム(2013年度現在)しか参加できない。それぞれの地区大会には、参加校の数に比例した分の全国大会出場枠が存在している。このうち 1チームは、必ずその地区大会の優勝チームである。残りの枠は推薦枠で、審査員により推薦されたチームが全国出場の権利を得ることができる。同じ高専のA、B両チームが全国大会に出場する権利を得ることはできない(ルール上、明記されているわけではないが、なるべく多くの学校を全国大会に出場させるために、暗黙の了解としてそうなっている)。ただし、例外としてエキシビジョン参加(トーナメントには加わらず、デモンストレーション運転のみ行う)に選ばれた場合には、1校から2チームが全国大会に赴く場合もある。エキシビジョンには独創的なアイデアを持ち全国大会に出場できる実力があるにもかかわらず、同高専のもう一方のチームが地区優勝したために出場できなかったチームが選ばれることが多い。近年は全国大会に出場したチームの中で序盤戦で敗退したものの、独創的なアイデアを持つマシンが出場することがある。技術向上のために部内で大会を開いたり、大会日程が競合しない他のロボット競技に出場することもある。2000年代からインターネットによる情報交換が容易になったこともあり、学生による交流も兼ねた大会や交流会を行う例がある。オフシーズンの交流活動の例地区大会、全国大会ともに、トーナメントの勝ち上がりによって決定する優勝・準優勝以外にも賞が設けられている。地区大会における賞は次のとおり。なお、奨励賞・特別賞・審査員推薦以外の賞はそれぞれの地区大会および全国大会で1校にしか与えられない。また、重複して受賞することもない。また、全国大会では上記の賞(審査員推薦を除く)に加え、次の賞がある。地区大会の観戦は入場整理券が必要である。担当高専へ往復はがきやウェブサイトから観覧応募をする必要がある。これらの情報は毎年8月~9月ごろに公式ウェブサイトや担当高専のウェブサイトで公開される(地区の体育館や大型施設などの、会場が広く座席数の多い会場では観戦ハガキ無しで、当日受付などをしている地区大会もあったが、2008年以降、警備・防災の関係上などの理由ですべての地区大会で、事前の応募・抽選、もしくは主管都道府県各放送局を通して無料で先着順に配布する入場整理券が必須となっている。 2015年の観覧応募ページ)。全国大会についても、事前の申し込み・抽選制による入場整理券が必須である。こちらは10月ごろに公式ウェブサイトやNHKウェブサイト内のイベント情報、ニュース内や一部新聞広告でお知らせがあり、NHK放送センターへ往復はがきを送り応募する形式である。また、全国大会会場でのアンケートに答えると翌年に高専ロボコン全国大会やNHK大学ロボコンの観覧応募を知らせるハガキが送られていたが、2010年からはこの制度はなくなった。入場整理券で入場可能な人数は地区大会では1枚で2名以上の場合もあるが、全国大会は原則1枚1名である(かつては4名まで入場可能だった)。このため子どもを連れて行くなど、複数人で観覧する場合は注意が必要である。地区、全国大会問わず、大会会場の規模の関係から応募倍率が1倍を超える場合もある。初期には全国大会観覧の応募が少なく追加募集したこともあったが、それでも1990年代後半ごろには、なかなか当たらないといわれた。大会を開催する自治体もしくは地区大会の主幹高専が、地元の小中学生を招待する動きがある。(2015年現在。このほか、地区大会では各地区の担当高専が運営を行う)(地区大会では開催地の自治体もしくは教育委員会が加わることがある)
出典:wikipedia
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