アニサキス(学名:"Anisakis")は回虫目アニサキス科アニサキス属に属する線虫の総称で、海産動物に寄生する寄生虫である。ヒトにアニサキス症を発症させる原因寄生虫だが、ヒトへ感染するときには主にサケ、サバ、アジ、イカ、タラなどの魚介類から感染する。アニサキスは、通常アニサキス属の種を指す。アニサキス属以外に近縁のシュードテラノバ属なども、アニサキス症と同様の症状(シュードテラノバ症)を起こすが、これもまとめてアニサキス症と呼ぶ場合もある。アニサキス症を引き起こす種は主に "Anisakis physeteris"、"Anisakis simplex" 及び "Pseudoterranova decipiens" の3種である。シュードテラノバ属は海洋性鰭脚類に寄生する "Pseudoterranova decipiens" の幼虫である。クジラ、イルカなどの海産哺乳類が最終宿主で、アニサキスの成体はこれらの動物の腸管に寄生している。産卵された卵は糞便とともに海中に放出され、オキアミなどの甲殻類に捕食されその体内で感染性を持つ第3期幼虫まで発育する。甲殻類が捕食され、更に食物連鎖上位の中間宿主である魚類やイカの体内(筋肉や体腔内など)で更に成長する。中間宿主は、アニサキスの種類ごとに異なっている。寄生された魚類やイカがクジラやイルカに食べられると成虫になる。アニサキスに寄生された魚類やイカをヒトが食べても、ヒトの体内では成体になることはできないので、産卵もされない。また、魚類などの中間宿主の体内では、アニサキスが内臓だけに寄生する訳ではないため、内臓を避けて食べても感染を完全には防げない。刺身による寄生虫被害の多くはこのアニサキスの第3期幼虫(体長は11-37mm位)の経口摂取が原因である。厚生労働省の資料によると、日本におけるアニサキス症の発生数は、1年間に少なくとも2,000 - 3,000名以上と推定する報告「日本におけるAnisakidosisの発生状況の解析(石倉肇、臨床と研究、72巻5号、1995年)」もある。寄生部位(穿孔部位)により、胃アニサキス症、腸アニサキス症、腸管外アニサキス症に分けられる。多くは消化管壁を貫通出来ないが、貫通した場合は穿孔性腹膜炎や寄生虫性肉芽腫を発症することもある。胃内寄生の場合、感染の初期段階での一般的な治療は、開腹手術あるいは上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)を用いて、消化管粘膜上の虫体を確認し、生検にもちいるのと同じ鉗子を用いて虫体を摘んで取り除く方法がある。虫体を取り除くとすみやかに症状が消失することが多い。特異的な治療薬(特効薬)は存在していないとされている。一方、ステロイド系抗炎症薬を投与すると軽快する症例があることが報告されている。アルサス型のアレルギー反応であり、初回感染時は無症状で再感染により発症する。イカ、サバ、ハマチ等を摂取した際、発疹及びじんま疹等のアレルギー症状を示すが、検査において魚介類では陽性反応を示さない場合、アニサキスによるアレルギーが原因の場合がある。本アレルギーの原因物質は、冷凍または加熱をしても残存するので、魚介類加工品を摂取した時も症状が現れる場合がある。ただし、鮮度の低下した魚介類の摂食によるヒスタミン型の食中毒を誤認している場合もある。アニサキスの宿主を生食しないことが、最も確実といえる。それ以外では、60℃1分以上の熱処理、または長時間の冷凍によって、感染リスクを減少できる。冷凍温度と保持時間に関する規定は次の通り。アニサキス症に罹った患者の胃に未発見の初期ガンがあり、そこにアニサキスが集まっていたことが伊万里有田共立病院から2014年に報告されこの報告に着目した九州大学らの研究グループは、カエノラブディティス・エレガンス("Caenorhabditis elegans")を使って、尿による癌検診の判別実験に成功した。
出典:wikipedia
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