サガシリーズ () はスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたコンピュータRPGのシリーズの総称。同社から発売されたファイナルファンタジーシリーズに対して「短くシンプルな名前」のタイトルを模索した上で、「サ・ガ (')」がシリーズ名となった。PlayStation以降の作品(およびリメイク)は中黒を除いた「サガ (')」と表記する。「サ・ガ」のタイトルについて、シリーズ25周年記念時の河津秋敏のインタビューによると、ファイナルファンタジーに対し短いタイトルで、"ズガガガ"や"ドバババ"という音のような勢いのあるもの、という意図があるが、「なんで『サ・ガ』になったのかは、よくわからないです」としており、明確な意味が存在するかは不明。タイトルに中黒を入れていたのは叙事詩のサガではないためで、「性(サガ)」というゲーム中のセリフについても後付けであると明言している。一方、魔界塔士Sa・Ga開発チームは、「サ・ガ」のネーミングの由来は「語感とかロゴにしたときの見た目とか」と語っている。本シリーズは、1989年12月13日にゲームボーイ初のRPGとして発売された『魔界塔士Sa・Ga』に端を発する。ゲームボーイ版『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』を除き、河津秋敏のチームによる制作(GB版『Sa・Ga3』のみスクウェア大阪支部・藤岡千尋のチーム)。2012年現在、シリーズは10作(リメイクである『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』を含めると13作)を数える。機種が変わるごとにタイトルを変更し、その都度タイトルでは連番を数え直す特徴がある。全世界累計出荷本数は990万本。ただし、「ゲームボーイ版(以下GB版)『Sa・Ga』シリーズ」と「スーパーファミコン版(以下SFC版)『ロマンシング サ・ガ』シリーズ以降」とでは全くの別シリーズという見方は多い。これは、同じサガシリーズの名前を冠しながらも、両者に世界観やゲームシステムの共通性があまり見られなかったことと、発売当初の広報にて、全くの別作品と謳っていたためである。『魔界塔士 Sa・Ga』はスクウェア初のミリオンヒットを記録し、同ハード初期のキラーソフトの一つとなった。ゲームボーイ初のRPGとして携帯ゲーム用RPGの新境地を開いた。スーパーファミコン時代には、同社の看板ゲームであるファイナルファンタジーシリーズ(以下、FFシリーズ)と肩を並べる人気シリーズとなった。同じスクウェア作品ではあるがスタッフが異なるため、FFシリーズとはゲームシステムはかなり異なる。もっとも特徴的なことは、FFシリーズを始めとする多くのRPGで採用されている「レベル+経験値による成長」が存在しないことであり、ゲームボーイ版『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』を除いたすべての作品でこのシステムを踏襲している(FFシリーズでも河津秋敏が深く関わったFF2はレベル制を採用しておらず、熟練度を採用している)。近年のFFシリーズおよびドラゴンクエストシリーズとは比較にならないくらい高い難易度になっている作品もある。FFシリーズやDQシリーズが一本のストーリーを主軸にゲームが展開されるのに対し、サガシリーズはバラエティに富む多数の世界を行き来することが多く、ストーリー性よりも全体的な世界観やゲームシステムを重視した作りになっている(ゲームの大部分でプレーヤーがストーリーを眺める内容である『サガ フロンティア2』など例外もある)。GB版3作品では、塔・秘宝・時空といった主題で複数の世界が結びついている。またロマンシングサガシリーズは自由度が向上し、世界各地に散らばるストーリーを自分の好きな順番でを進めることができ、その進度に応じてさまざまなシナリオ分岐が生じる。シリーズ間のストーリーの繋がりはなく、GB版の作品同士で世界観のつながりを匂わせる描写がごく少数見られる程度である。GB時代のイメージイラストは藤岡勝利が担当していた。ハードをSFCへと移した『ロマンシング サ・ガ』からはイラストレーターの小林智美が起用され、キャラクターデザインなどを担当した。アニメ調に近い藤岡から、繊細な小林への交代は、ユーザーの持つサガシリーズへのイメージを大きく変えることとなった。『』は社内の直良有祐がデザイン、小林はイメージイラストとしての参加となった(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』は直良をアートディレクター、鈴木康士をキャラクターデザイナーとしているが、チームによるデザインと説明されている)。ワンダースワンカラーの『魔界塔士 Sa・Ga』リメイク版は藤岡勝利でなく社内の板鼻利幸が、ニンテンドーDSの『サガ2秘宝伝説』は同じく社内の小林元がデザインを担当している。一方で、『エンペラーズ サガ』では小林智美を始め、複数のイラストレーターが起用されている。カードゲームである性質上、同一人物でも複数のイラストレーターによって描かれ、別のカードとして扱われているものがある。ここでは、タイトルが変更されシステムなどに大幅なアレンジが加えられたものを挙げる。主人公および味方キャラクターについては、キャラクターの総合的な強さを示す「レベル」という概念がない(ただし『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』は例外)。このため、レベルアップに伴い各種パラメータが一斉に上がることはない。キャラクターの成長方法は作品によって異なるが、多くは「戦闘終了時にときどき個々のパラメータが上がる」作品が多い。これは使った力が上がるので結局は部分レベルアップという見方も可能だが、『ロマンシング サ・ガ2』以外は「一定の経験値を積めば必ずレベルが上がるわけではない」ため、成長はある程度偶然に左右される。また、敵については、味方の成長・能力取得などの確率を判定するためにレベルが設定されており、レベルの高い敵と戦えば成長しやすい。ただし敵は全体的に強めに設定されており、一撃死もよくある。戦うごとにセーブ・死んだらリセットというリセット主義に拍車をかけたところは問題である。また、特定作品では、戦闘自体では成長しないキャラクターもいる。コマンド体系上単に「たたかう」という概念はなく(あるとすれば直接攻撃の意味ではなく戦闘の意志を示すコマンドであり)、武器・魔法・技・術がほぼ同列に扱われており、それらを直接選択する形になる。作品によってはいわゆるMPの概念もない。攻撃名の中には「やきつくす」「押しつぶし」のような、もはや特定の技名とは呼べないような攻撃方法が混ざっている作品もある。多くの敵には弱点となる攻撃が設定されており、ボスは明確な弱点こそほとんど無いが、他の作品では効かないように設定されている即死攻撃が効いたり、能力低下や状態異常の魔法や能力が効くように設定されることが多い。そのため、力押しでクリアするのはかなりの時間が掛かるが、敵の弱点を把握すると難易度が大きく下がる。『ロマンシング サ・ガ』以降(GB版のリメイク含む)では、モンスターがフィールド上を移動する姿が見えていて、それに主人公が接触すると戦闘に突入する所謂シンボルエンカウント方式を取っている(『アンリミテッド:サガ』のみ接触時以外の視認が原則不可能)。前作までも一部のダンジョンなどでシンボルエンカウントは一部に存在したが、通常はFFシリーズやドラゴンクエストシリーズなどと同様、フィールドを移動中にいつ敵に遭遇するか分からないランダムエンカウント方式を取っていた。より大きな特徴が、戦闘回数と連動する敵の強さのシステムの導入である(『サガ フロンティア2』を除く)。地域に関係なく、敵の強さの基準を戦闘回数で決定する(次項フリーシナリオ参照)ため、序盤で行動範囲を広げても強敵に遭遇し続けることはない。ただしその反面、格下の相手と戦い安全に鍛える手法がほとんど通用しない。特に『ロマンシング サ・ガ1』『同2』では、逃げても戦闘回数に数えられるため、逃走を繰り返した挙句に初期状態のまま強力な敵が出現し、戦闘に勝利すること自体が困難あるいは不可能となり、ストーリーをある程度進めた段階でクリアが非常に困難になる「詰み」の状態になる可能性もある。それ以外の作品でも、逃げること自体にリスクが存在する。すなわち、戦闘を避ける手段は主に敵シンボルを避けることになる。作品によっては敵の追跡が厳しいため注意を要する。また、武器ごとに使用できる「技」や、GB・DS版サガおよび多くのRPGでの魔法にあたる「術」も欠かせない要素である。GB版の頃から武器や能力を直接選択して攻撃するスタイルはそのままだが、武器の種別や術の属性ごとに、系統立てて強い攻撃手段が段階ごとに用意され、それらを選択することでさらに強力な攻撃などを行えるようになった。武器の中には「体術(本来は柔術の異称だが、本シリーズでは素手での格闘技全般を指す)」も含まれる。使い込むことで、技や術を使うためのポイントの上限が上がり、長期戦や強い攻撃をより多く使用できる。他にも、味方の能力を上げたり敵の能力を下げるなどを行う「補助系」の効果が全般的に高く、状態異常の種類も増えている。例えば、無差別に攻撃する「混乱」に加えて意図的な同士討ちをする「魅了」が登場したり、戦闘中に行動できない「眠り」に加えて睡眠現象自体にデメリットがある「悪夢」が登場するなど、多彩な攻撃が可能となったため、戦術の幅が広がっており、同時に高い戦略性が求められる。戦闘に関連して、資金稼ぎが難しくなったことも特徴である。通常、敵を倒すと資金を入手できるが、(普通に魔物が金などを持っていては不自然であるとの考え方から)『ロマンシング サ・ガ』以降では入手額が少なくなり、全く金を持っていないモンスターも増えた。代わって、イベントクリアの報酬や、敵が時折落とすアイテムの換金、宝箱などの探索が大きな収入源となっている(あるいは宝箱などで入手できる武具が主力となる作品もある)。フリーシナリオの特性上、先の町に進めば強力なアイテムが売られているとは限らないため、計画的に使わないとあっという間に資金が尽きてしまう。大きな特徴は「連携」システムの導入である。これは、対戦型格闘ゲームの連続技をRPGで再現しようとしたもので、複数のメンバーが同じ敵に攻撃すると、それらの攻撃が一度に行われ、2人目以降の攻撃の威力が上がる(『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』では1人目の攻撃も強力になる)。もしも敵の攻撃が挟まると、そこで連携は打ち切られるため、敵味方の行動順序をうまく組み立てる必要がある。成功すれば大打撃を与えられる上、通常はその敵には通用しない技・術が効く場合もあるため、活用次第でかなりの強敵にも勝つことができる。作品によっては1人で連携の効果がある攻撃もある。ただし、敵も連携してくるため、逆に味方が多大なダメージを受けてしまうことも多い。多くの作品では、「同じ相手に攻撃」という条件がゆえ、人数が少ないと相手の連携のターゲットになりやすい。また連携を成功させるには、互いに連携できる攻撃の組み合わせを選択しなければならず、この時は攻撃名がそれぞれ省略されて繋げられるため、珍奇な名称になる組み合わせもある。また、技・術のシステムにも変更点が若干存在する。3作品(リメイク作品含む)以上に登場する、主なステータス異常は以下のとおり。2作品以下のものでも、主だったものに類似していれば補足として表記する。これらの特徴は『ラスト レムナント』に一部は形を変えて受け継がれている。通常のRPGでは、特定の状況を揃えることでイベントが発生する(「フラグが立つ」)。そのため、プレイヤーが条件を揃えない限り、いつまでも事態が進行しない場面がよく見られる。『ロマンシング サ・ガ(リメイク作含む)』『ロマンシング サ・ガ2』ではこれに加え、時間軸の概念を取り入れることで、主人公の行動に関係なく、勝手に事件が発生・進行する(特定のイベントをクリアすると発生する連鎖イベントもある)。HPや戦闘回数(後のシリーズでは主に勝利回数)に従ってイベントが発生・進行することで、擬似的に時間の経過を表現しているため、クリアしたいイベントは迅速に戦闘を少なくしながら遂行する必要がある。特定の主人公しか体験できなかったり同じ時期に複数進行するものも存在し、複数回のプレイを前提としたバランスと言える。ただし、多くはクリアしなくてもゲーム進行は可能で、イベントをわざと避けたり、悪行を働いたり、受けを狙った選択肢を選ぶこともできる。不利な結果になることもあるが、作品によっては悪事を働いた方が有利になることすらある。どのような途を採るかが、プレイヤーの手に委ねられている。このシステムが導入されている作品では、基本的に戦闘回数を増やせば敵が強化されるため、どの地域でも実力相応の敵と戦えるようになっており、初めて訪れる地域でも敵の強さを過剰に警戒する必要は少なく、これが自由に行動できるフリーシナリオシステムを支えている。GB版では、他のコンピュータRPGと大差ない。基本は徒歩だが、場所によってグライダー・バイク・船などの乗り物が登場する。海賊の多い地方では、船の代わりに浮島(海を移動できる島)を探して乗るなど、特殊な乗り物も存在する。また、『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』では、戦闘機「ステスロス」がストーリーに大きく関わっている。『ロマンシング サ・ガ』以降では、基本的には街やダンジョンの間を行き来するのにフィールドを歩かない(フィールドを通過しないと行けない場所もある)。街などから出ると、その地域の街などの場所を示した地図(ワールドマップ)が表示され、行きたい街などを選択すると瞬時に移動できる。道に迷ったり雑魚との戦闘にわずらわされることがない。ただし、最初から全ての街やダンジョンへ行ける訳ではなく、話を聞いたり、イベントを進めると行き先が増える。街やダンジョンの中は、一般的なRPGと同様にキャラクターを操作して移動する。『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』では、街やダンジョン間の行き来で歩く地図は簡略化されているが、各地域間を決められたルートで移動するため、ルートが開拓されていないと行くことができない。そのために専用のフィールドが用意され、ここでは敵とのエンカウントがこれまでのシリーズ同様に存在する。フィールドで通過した出口に応じたルートが開拓されていく。初期のサガシリーズは純ファンタジー的な世界や都市の聳え立つSF的な世界から純和風の世界、世界の大部分が海や砂漠で満たされた世界といった様々な世界がパラレルワールドとして同時に存在している世界観が大きな特徴である。一つの世界での問題を解決し、次の世界へと移っていく形で物語が進んでいく。モンスターが人間と同じくして生活を営んでいるのも特徴の一つ。戦闘においては、剣・槍・斧などの白兵戦用武器と、魔法が基本の攻撃手段ではあるが、近未来的な機械・火器・兵器がしばしば登場する。GB版の全シリーズ(リメイク作含む)にかくばくだんが登場し、『魔界塔士 Sa・Ga』では後々まで語りぐさとなっている威力を持つチェーンソー、『Sa・Ga2 秘宝伝説』では戦車レオパルト2が登場するといった具合である。モンスターとして登場するモビルスーツ、武器として登場するはどうほう、防具として登場するアライのメットといったパロディなども目立つ。ゲームボーイ第1作目は、FFシリーズの外伝として企画されたため(ファミ通開発者インタビュー談)、アイテム名等に当時のFFシリーズの影響が見られ、ゲームボーイ版全般の傾向となった。『ロマンシング サ・ガ』シリーズ・『サガ フロンティア2』では架空の世界の中世的な時代を舞台とした典型的なファンタジーの世界観となっており、SF的な要素は存在しない。アイテムや魔法の名称もFFシリーズから脱却した独自のものとなっている(GB版のリメイク作品ではFFシリーズ系統と独自の系統を併せ持つ)。『ロマンシング サ・ガ』と題された一連の作品では吟遊詩人というキャラクターが登場する(物語での役割はそれぞれ異なる)。『サガ フロンティア』では「リージョン」という形で初期のサガシリーズに似た世界観を回帰させた。また、初期の作品では神々の存在が物語の鍵となっており、神と人間(主人公達)が対峙するシーンも多く見られる。GB版サガシリーズは、当初は植松伸夫作曲であった。『Sa・Ga2 秘宝伝説』から伊藤賢治も作曲に加わった。『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』のみ、笹井隆司が主な作曲を担当、藤岡千尋も作曲している。『ロマンシング サ・ガ』シリーズ・『サガ フロンティア』では、ほぼ全てが伊藤の作曲となった。ただし「涙を拭いて」(『ロマンシング サ・ガ1-2』に登場)と「伝説は始まる」(『ロマンシング サ・ガ2』に登場)の2曲は植松伸夫作曲で、『魔界塔士 Sa・Ga』『Sa・Ga2 秘宝伝説』からの再登場である。『サガ フロンティア2』と『アンリミテッド・サガ』では浜渦正志作曲。初代ロマサガをもとにした『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』では、再び伊藤が復帰。なお、ミンサガでは「メヌエット」の作曲は山崎将義(山崎まさよし)。この他、植松の「涙を拭いて」が再々登場し、さらに一部の曲で関戸剛が作・編曲に加わっている(関戸作曲・伊藤編曲、伊藤作曲・関戸編曲のいずれかで、関戸単独の曲はない)。ニンテンドーDSでのリメイク作品に関しては、『サガ2 秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』では伊藤が作曲・編曲を担当。『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』では伊藤および笹井が作曲・編曲を行なった。
出典:wikipedia
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