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PC-9821シリーズ

PC-9821シリーズは、日本電気(以下NECと表記)が1992年から2003年まで販売していたパーソナルコンピュータの製品群の名称である。1993年頃から1997年秋までの約4年間におけるNECのPC製品の主力機種だった。PC-9800シリーズの上位互換製品である。製品名の「9821」のうち「21」部分だけが白抜き文字となっており、「21世紀に向けたPC-9800シリーズ」という意味が込められていた。しかし、21世紀を待たずに新アーキテクチャのPC98-NXシリーズが発売され、21世紀に入って数年で受注終了となった。PC-9821シリーズは先行するPC-9801シリーズに対して上位互換性を有する、事実上の後継機となる機種群である。大半の機種では独自の256色表示回路(拡張グラフアーキテクチャ)が搭載されており、これはPC-9801型番のほとんどの機種では搭載されていなかったことからPC-9821の象徴的な特徴と見なされることがある。しかし若干の例外もあるため両者の型番以外の差異はそれほど厳密ではなく、おおむねMicrosoft Windowsの利用が想定された機種であり、標準で640×480ドット256色の画面モードを持つとされる。またPC-9801シリーズではノート機のカラーLCDモデルには"C"という型番・枝番が付けられていたが、PC-9821シリーズにはそれが無く、PC-9821Nmを除き全てカラーモデルだという特徴もある。PC-9801シリーズと同様に、関連機種としてファクトリーコンピュータ(産業用コンピュータ)であるFC-9821シリーズも存在する。PC-9821型番のシリーズは1993年1月のMATE Aシリーズ登場によりNECの主力PCとして本格的にラインナップされるようになった。この時点では先行する初代PC-9821およびその直系の98MULTiシリーズとの共通点として、PEGCと呼ばれる拡張グラフアーキテクチャおよびPC-9801-86相当音源(86音源)の標準搭載がPC-9821型番の条件であると考えられていた。しかし86音源については早くも同年5月発表のノート機PC-9821Neには搭載されなくなっている。その後11月発表のMATE BシリーズやPC-9821TsではPEGCとは異なる仕様で互換性の無いグラフィックチップが採用されたことから、PEGCについてもPC-9821の必要条件とは言えなくなった。これについてNECは(PC-9821型番である)MATEシリーズの定義として、Windows上で標準で640×480ドット256色の画面モードを持つという見解を示している。翌1994年7月に主力ラインナップがMATE-Xシリーズに取って代わると、以降のPC-9821型番機では(一部のノート機を除き)PEGCに比べて一部機能を簡素化した下位互換性を有する拡張グラフアーキテクチャを標準搭載するようになり、後にWindowsでスタンダードディスプレイアダプタの役割を果たした。この画面モードは後にPC-9801型番最後の機種であるPC-9801BX4にも搭載された。そのため、最終的に拡張グラフアーキテクチャ(の搭載の有無)はPC-9821の十分条件とも言いがたくなった。1992年10月に発売された、Intel 80386SXCPU機である初代PC-9821「98MULTI」(後にIは小文字に改められた。ロゴでは「mULTi」)は、前年の1991年10月に発売された、Windows 3.0(+MME)環境のためハードウェアの拡張を施したマルチメディア志向の「PC-98GS」に似た機能を持つ機種だが、一部機能が省略され価格が抑えられている。グラフィック機能は従来のPC-9800シリーズのものに加え、EGC (Enhanced Graphic Charger)上位互換のPEGCによる640ドット×480ライン同時256色という拡張表示モードを持ち、音源はFM音源(YM2608/PC-98DO互換)とPCM音源を搭載した(後に音源部は単体でPC-9801-86ボードとして発売された)。さらにPC-98GSと同様にCD-ROM(SCSI接続)を搭載し、PC-9801-55相当のSCSIも搭載していた。当時同じCPUを搭載した「PC-9801FS」より安価で多機能という意欲的な機種だったものの、Windows用途には非力だったことから当時はあまり注目されず、評価も芳しくなかった。一方、従来のPC-9800シリーズで利用されていたMS-DOSアプリケーションも活用できたことは、PC/AT互換機にはない利点だった。Windows 3.xの時代(Windows 3.0の発売は英語版1990年5月/日本語版1991年2月、Windows 3.1は英語版1992年4月/日本語版1993年5月)には、主要なビジネスアプリケーションが相次いでWindowsへと対応したほか、DOS/Vの登場により、コンパックの製品など日本語に対応しつつも廉価なPC/AT互換機による攻勢が相次ぐようになり、日本の国産機メーカー各社はこれらへの対応を迫られていった。これを受けて、PC-9800シリーズは1993年1月のモデルからほぼ全ての製品ラインナップがPC-9821化された。主力デスクトップ製品にはそれまでの型名だけでなく「98MATE」(ロゴでは「m」。通称で「Mate」と表記されることもある)という愛称が採用された。それまでのシリーズは「98FELLOW」という愛称になって併売された。これにより、それまでの「40万円くらいがあたり前」だった商品構成を二つに分け、従来の価格帯はハイエンドのPC-9821シリーズ(MATE)が担い、PC-9801シリーズ(FELLOW)は大幅な価格改定で20万円前後の廉価モデルという位置づけとなった。これは、MS-DOSが依然として支配的でありながらもWindowsが普及しようとしていた当時、Windowsの使用も視野に入れたハイエンド・ユーザー層と、安価なMS-DOSマシンを求めるローエンド・ユーザー層の両方を獲得する狙いがあった。また、従来のPC-9800シリーズはいかにも事務機然とした筐体デザインであったが、この時期に発売されたものは初代Macintoshのマウスや後にPalm Vなどのデザインを手掛けているIDEOにデザインを依頼し、大幅なデザイン改訂を受けながらもPC-9800シリーズ伝統のアローラインは残されており、外観においても新世紀のオフィスPCというコンセプトを踏襲している。二世代目のPC-9821シリーズとなった、PC-9821 Ap/As/Ae 等の98MATE Aシリーズは全機種ともCPUがIntel486搭載となり、初代機同様のグラフィック・サウンド仕様を踏襲した上、従来のCバスに加え、CPUの高速化をふまえ独自の32bit98ローカルバススロットを装備した。更に上位機種ではWindows環境上でより高解像度・高速・多色表示を実現するグラフィックアクセラレータを搭載した。追って追加された、廉価版であるPC-9821 Bp/Bs/Be 等の98MATE BシリーズではWindows用のグラフィックアクセラレータを搭載しているものの、音源およびPEGC、98ローカルバススロットの搭載は省略されていた。つまり、「9821」と銘打たれていながら、PC-9801シリーズと同様のハードウェアにグラフィックアクセラレータチップを追加しただけのものであり、実際にもPC-9801シリーズに対応する機種が存在しないBf以外はPC-9801BX2/BS2/BA2と共通の基板を使用してコストダウンを計っていた。PEGCを拡張ボード形式で後付けすることはITF/BIOS ROMに対する修正も必要で機構的に実装が困難であったため、9821固有グラフィック機能を追加するアドオンカードは発売されず、その結果このMATE BではMATE A用の一部の256色対応ソフトが全く使用できないため、混乱が生じた。また、MATE AにはPC-9801FX/FS/FAシリーズから採用されたファイルスロットが搭載されているのに対し、MATE Bからはファイルベイに変更されている。どちらも外見は似ているが、前者はフロントパネルを外してデバイスを挿入するだけのイージーメンテナンス仕様であるのに対し、後者はケースを開けて結線作業を行う必要のある、一般的なフロントベイとなっている。内蔵HDDについても同様で、MATE Aはコネクタの奥行きでSCSIとIDEを兼用するスロットと専用の特殊なHDDケースを用いることでフロントカバーを開けて差し込むだけの構造になっているのに対し、MATE Bはケースを開けて一般的な形でIDE HDDを内蔵するようになっている。このように、MATE AからMATE Bになったことで従来のSCSI機器構成とメンテナンスの簡便さを意識した高コストなものから、IDE構成による互換性を意識した低コストなものへ移行している。これらは以降のMATE Xにも踏襲され、ひとつの転換点となっている。また、家庭向けマルチメディアパソコンと言う位置づけで、初代機の形状と名を継ぎCRTモニタをセットにした「C」型番を持つ98MULTiシリーズも登場し、ラインナップに厚みを加えた。こちらは音源とPEGCは初代機・MATE Aと同様な一方で、MATE Aで導入されたローカルバススロットは搭載しなかった。デスクトップに続いて1993年夏にはノート型にも256色/4096色中、640×480ドットの液晶を持ったPC-9821Neを登場させ、全シリーズの9821化が進んだ。これらは従来から「98NOTE」シリーズを名乗っていたが後に「Lavie」(標準ノート)、「Aile」(モバイルノート)のシリーズ名を与えられた。上位のMATE Aシリーズは1993年7月にメーカー製PCとして世界初のPentium搭載機であるPC-9821 Af(Pentium-60MHzを搭載)、同様に1994年5月に世界初のP54Cを搭載したPC-9821 Anを発売する等、PC-H98シリーズの後継となるPC-9800シリーズのフラグシップモデルとして展開された。しかし、その2カ月後の1994年7月からのPC-9821シリーズは、256色表示機能(拡張グラフアーキテクチャ)およびWindowsSoundSystem (WSS) に準拠した新仕様のPCM音源(CS4231)を搭載した、PC-9821 Xn(Pentium-90MHz)/Xp/Xs/Xe(i486機)の98MATE Xシリーズとして、MATE Bと同様にコストパフォーマンスを追求する方向でシリーズを展開していった。これはマイクロソフトのPC95規格に対応した変更で、これによりMATE Bシリーズと、1994年10月のAp3/As3を最後にMATE Aシリーズは打ち切りとなり、またPC-9821シリーズにPC-9801-86ボード互換音源や5.25インチFDDは標準搭載されなくなった。もっとも、このMATE Xシリーズ初代機以降及び同時期発表のPC-9821Ap3/As3の拡張グラフアーキテクチャのグラフィックコントローラからはVRAMプレーンアクセスモード(PEGC)等の使用頻度が低いと判断された機能が幾つか廃止されており、一部のPC-9821シリーズ対応MS-DOSゲーム等で問題が生じるケースもあった。また同じ7月には、PCIバスアーキテクチャに基づいたPC-9821である PC-9821 Xa/Xtが発売され、以降は、MUITiシリーズを引き継いだ98MULTi CanBeシリーズ以外のPentium搭載機では、ローカルバスに代わってPCIバスが採用されるようになった。CanBeシリーズであるCb/Cb2/Cf/Cx/Cx2と一部の98NOTEには継続してFM音源(YM2608下位互換のYMF288)が搭載されていたものの、PCM音源はWSS相当になっていた。このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なデバイスドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーがMS-DOSの画面に気付かないうちに、Windows 3.1の起動ロゴが表示されていた。また、Windows 3.1を終了すると通常はDOSプロンプトに戻るが、DOSプロンプトに戻らずに電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。一部の1FDD機種は、増設用スペースがないため2FDD構成にできない機種もあった。なお1995年11月のCx3以降では各音源の仕様が変更された上でMIDIサブボードの追加が可能となり、単体ではPC-9801-118ボードとして発売された。Windows 95の発売を控えた1995年にはXaシリーズへの統一化がなされたが、廉価版のXa7e(Xa7の拡張スロットを削減し、グラフィックアクセラレータをCirrus Logicのものに変更した機種)とXe10にCRTセットモデルが登場する。これは同年11月の日本語版Windows 95の登場とともに、PC-9821 Xaシリーズをベースに低価格化してCRTモニタをセットにしたMATE VALUESTAR(バリュースター)シリーズの登場へと発展した。同時に、廉価版の位置づけで残っていたPC-9801シリーズ(FELLOW)は販売ラインから駆逐された。なお、PC-9801シリーズのデスクトップ型最終モデルとなったPC-9801BX4(DX2版は1995年7月/ODP版は9月)はPC-9821Xe10(1995年6月)と共通部品を使用しMS-DOS上で640×480ドット256色表示可能であるなど、実質はPC-9821シリーズであった。これに遅れること約半年、1996年6月に98MATE Rシリーズの1番機となるPC-9821Ra20/N12が発表された。従来ハイエンド機であるタワー型モデルの98PROことPC-9821St15・20にのみ搭載されていたPentium ProをCPUとして搭載し、PC/AT互換機市場で新機軸として打ち出された、ソフトウェアによる電源管理を可能とするATX規格を可能な限り取り込んだこのマシンは、MATE RだけではなくMATE Xを含め以後PC-9800シリーズそのものの終焉まで使用されることとなる新設計のデスクトップ筐体が採用された。この新筐体はといった特徴を備え、Windows 95以降のOS側での電源制御を睨みつつ、ハードウェア構成の柔軟な変更に配慮したデザインとなった。また、この機種ではマザーボード上のオンボードデバイスの構成も見直され、この時期のPCとしては珍しく、100Base-TX対応のi82557ネットワークインターフェイスコントローラが標準搭載とされている。このPC-9821Ra20/N12はPentium Pro搭載であったため、OSとしてWindows NT Workstation 3.51がプリインストールされ、主として法人向けのネットワーククライアントマシンとしての使途を想定されていたが、実際には価格が従来のPentium Pro搭載機の半分以下であったためにこの機種は高速かつ廉価なWindows NTマシンを求める一部の個人ユーザー層の強い支持を受け、一時は予想外のヒットを飛ばす結果となった。後に、ValueStarシリーズはCanBeシリーズのコンセプトを取り込み、広告に竹中直人を起用して家庭向けに、MATE Rシリーズは共通筐体にモデルチェンジした下位機種であるMATE Xシリーズ(/W型番以降)とともにビジネス向けを指向することとなる。Windows95の発売によりパーソナルコンピュータが爆発的に普及するにつれ、PC-9800シリーズのソフトウェア資産を背景としたPC-9821シリーズの優位性は薄れ、むしろ独自アーキテクチャであることが足かせとなりはじめた。既にハードディスクやCD-ROMドライブ、メモリなど、構成部品はほぼPC/AT互換機と同一になっていたが、Intelの新しいCPUとともに提供されるチップセットを採用しようにも、サウスブリッジは独自に専用LSIを開発する必要があった。しかも、そのままではディスクBIOSの仕様の問題などからソフトウェアの互換性を維持したままでの内蔵IDE HDDのバスマスタ転送(UDMAモード)への対応が困難であるなど、開発コストや性能面でPC/AT互換機と比較して著しく不利であった。また1995年にはMacintoshを除く他社の独自アーキテクチャのパソコンや、PC-9801シリーズ互換機であるEPSON PCシリーズの販売が次々と終了し、日本国内も完全にPC/AT互換機路線に移行した。PC-9821シリーズはMacintoshと共に「PC界の孤児」となったが、Pentium Proを搭載したPC-9821 St15(通称98Pro)はCPU発表と同月に、Pentium IIを搭載し、RCC社のChampion1.0 チップセットをPC-9821用にカスタマイズして搭載した PC-9821 RvII26はCPU発表の2カ月後に発売されていた。1997年10月、PC 97ハードウェアデザインガイドに完全準拠したPC98-NXシリーズが発表され、PC-9821シリーズは主役の座を降りることとなり、同時に1982年以来続いたPC-9800シリーズは第一線を退いた。ただし、この時点ではPC-9821の新機種が併せて発表されたほか、Windows 95/NT4.0についても次期バージョンまではサポートされる旨が宣言されている。この時の公約通り、後にPC-9821版のWindows 98/SEとWindows 2000が発売された。1998年夏には98MATE VALUESTARの生産終了により正式にコンシューマー市場からのPC-9821シリーズの撤退が発表され、PC-9800シリーズはビジネス機(MATE R、LaVie)やエンジニアリング用途(FC-9800)にラインナップが絞られていった。その後もしばらくはMATE Rを中心に現行製品クラスのスペックの機種の提供は続けられたものの、PC-9821Ra系の機種は1996年登場のPC-9821Ra20(Pentium Pro 200MHz搭載)のバリエーションであり、特に1997年のPC-9821RaII23(Pentium II 233MHz搭載)以降はほぼ同一のマザーボードでITF/BIOS-ROMのみが修正されるという状況であった(後述)。2000年5月、出荷時の標準構成としてはPC-9821シリーズの最高性能モデルとなるPC-9821Ra43(Celeron433MHz搭載)が発表された。しかしWindows 2000出荷開始後であったにもかかわらずMS-DOS 6.2プリインストールモデルが提供されたことや、あえて旧世代のCPUが搭載されていたことから、既にこの頃には従来資産の継承以外はほとんど考慮されなくなっていた。そして21世紀に入ってからもPC-9821Ra43には新モデルが追加されているが、付属CRTの変更のみで本体に変更は無く、ほどなくしてPC-9821は受注生産のみという扱いに変わった。2003年9月30日、NECはPC-9821シリーズの受注を終了し、これをもってNECにおける全PC-9800シリーズのプロジェクトがクローズされた。ただしサポートは継続するとアナウンスされていた。2010年、Microsoft社による最後の対応WindowsであるWindows 2000の延長サポートが7月13日に終了した。その後まもなく、最後の機種であるPC-9821Ra43およびNr300本体のサポート期限(生産終了後7年)も2010年10月末をもって終了し、その時代の幕を下ろした。しかしNECの主力機がPC98-NXに移行した後も、P2P専用機やファイルサーバなどとして、PC-9821シリーズを「現役」に留まらせる事が、ディープなファンの間で行われるようになる。信頼性が高く運用の容易なWindows 2000がギリギリで発売された事が、その支えとなった。また一部のサードパーティーからはこれを支援するように「SCSIなどの複合PCIボード」「PCIをAGPに変換するボード」「PC-98用BIOSを搭載したBigDrive対応ATAインターフェースボード」などのマニアックなアイテムが「使用は自己責任で」という断りつきで発売された。ただし本体サポートが満了した2010年秋頃にはHDD製品の容量が最大3TBに達しており、2TiBまでしか使えない旧来のシステムはファイルサーバとして充分とは言えなくなりはじめている。またWindows 2000はいくつかのセキュリティソフトが対応を継続してはいるものの、現実問題としてWindows XP以降で追加されたファンクションが使えない(一部を除く)。さらにPentium III以前のシステムではSSE2やx64以降の命令も使うことができない。これらはドライバやアプリケーションで実際に使われるようになってきており、実際にXPであれば使用できるUSB 3.0、IPv6、exFATといった、その後の基盤となる機能に2000は対応していない。たとえマシンパワーに目を瞑ったとしても、今後PC-98を「現役」として現実的に使うことは当時より難しくなってきている。一方、主にソフトウェア資産活用を目的としての新規ハード需要も僅かに残っていたことから、数社からPC-9800互換機が発売された。NECの規模とマーケティングからは既に「終了した」規格であるため、かつてのエプソン互換機との競合のような状態には至らなかったが、これらはいずれも16色時代のPC-9801シリーズの相当品であり、NECオリジナルのPC-9800シリーズを凌駕する性能の機種はいまだ発売されていない。小・中規模の製品業者の中には、PC-98シリーズ用に当時数千万円掛けて開発したソフトウェアの為にPC-98を使い続けるユーザーがいる。「PC-98から移行する為には新規にソフトウェア開発が必要だが、今やそこまでの投資しても回収できない」ユーザーが少なからず居り、中古の本体やパーツを保守用として買い集めている者もいる。製造機械の制御をPC-98と独自開発したソフトウェアを用いている現場では、「高額な投資をして導入した機械本体の減価償却が済んでいない」関係からPC-98を使い続けなければならないという事情もある。PC-9800シリーズには、Windows 1.0から移植が行われていた。WindowsはGUIを実現する環境というほかに、MS-DOSでは実現できなかった、異機種間でのグラフィック描画などの共通化を念頭に置いて設計されていた。本節では、PC/AT互換機との相違と一般にWindowsという存在が知られはじめたWindows3.x以降のバージョンについて記述する。PC/AT互換機とPC-98x1シリーズは一般に言われているほどハードウェアには差が無い。ソフトウェアを書く側からは、MS-DOS上のプログラムを記述する限りにおいて、表示系とパラレルコントローラ、サウンドなどを除き、OSおよびドライバレベルでの隠蔽やポート番号や割り込みベクタの変更程度で対処可能であった。以下に主なハード的な差異を列挙する。これは全くと言って良いほど互換性が無い。PC-98x1の場合、基本グラフィックは各機種完全上位互換でそれにグラフィックアクセラレータを追加する形式となっている。コネクタ形状は、モノクロ、デジタルRGB、H98、アナログRGB、VGA互換と計5種存在するが、最後の3つについては映像信号線においては互換性がある。PC/AT、PS/2の場合、CGA/MDA/Hercules/EGA/VGA/XGA/XGA2全てにおいてハード的な互換性が低くディスプレイコネクタも統一されていなかった。Windows 3.x普及期において、PC/AT互換機で用いられたVESA仕様のBIOSを持つグラフィックアクセラレータが登場するに至って、ようやくコネクタ形状の統一や下位互換性が保証されたという有り様である。Windows 3.1の頃からWindowsアクセラレーターボードなるものが使われるようになった。内蔵の機種もあったが、一部の機種は、アクセラレーターボードを増設しないとWindowsが640×400×16色でしか使用できなかった。また、アクセラレータを増設した場合はMS-DOSでの描画にグラフィックビデオRAMと、テキストビデオRAMを使用した画面出力とし、Windows上ではアクセラレータからの画面出力を用いたため、アクセラレータボードから出た信号を一旦、RGB-IN端子でPC内部に引き込み、RGB-OUT端子から出力するか、またはRGB-IN端子のあるアクセラレータボードを増設して本体のRGB-OUTからアクセラレータのRGB-IN、アクセラレータのRGB-OUTから出力した。こうすることによって本体またはアクセラレータ上の自動切り替え機能によってWindowsが起動すると画面がアクセラレータ出力の画面に自動的に切り替わり、2種類のまったく互換性のない描画機能を両立していた。一部機種にはRGB-IN端子がない機種があり、その機種にはRGB-IN端子のないアクセラレーターボードを増設することは出来ないとされていた。(ただしこれはそれぞれのRGB-OUT端子を切り替え器につなぎ、Windowsの起動・終了をするたびに手動で切り替える事によって対応可能)また、一部機種では、アクセラレーターボードに98独自の基本グラフィックが統合されたものがあり、この場合アクセラレータボードの(増設)交換は不可能であった。(PCIボードは可能である。表示切替はソフトで行っている。)PC-98x1の方が分解能が低く、Windowsのタイマ関数呼び出しの際、APIに記述されている注意書き(注:ハードウェア依存のため、指定値通りに動作するとは限らない)を無視して実装されたアプリケーションには問題が発生した。後年、Win32とPentium機の組み合わせでは、CPUの超高分解能タイマを使用するようWindows側の実装が変更された。Intel 8259相当の割り込みコントローラをカスケード接続している所は全く同じであるが、割り込み番号と機器の対応には互換性がない。PC-98x1はD-Sub25ピンコネクタでRS-232C準拠であり同期転送モードもサポートするが、PC/ATはサブセットのEIA-574であり、主にD-Sub9ピンコネクタで非同期転送のみサポートする。ちなみに、PCIベース(一部PCIがないものも)の9821の2ポート目のD-Sub 9ピンコネクタ(通称2nd CCU)は非同期モードのみサポートする。PC-9801はプリンタの接続のみを考慮し、セントロニクス標準コネクタから不要な信号線を省いたフルピッチベローズ型コネクタを採用していた。PC-H98やPC-9821の中期モデル(As2やAp2など)からはハーフピッチ化したフル仕様のコネクタを採用し、特に後者はセントロニクス準拠の双方向通信が可能となっている。PC/ATは信号線や電気的な仕様こそセントロニクスに準拠しているものの、何故かRS-232Cのコネクタと全く同じD-Subタイプのコネクタを採用している。PC-98x1はマイクロソフト仕様のバスマウスを標準採用している。また、初期にはマイクロソフト仕様のシリアルマウスも使用されていた。PC/ATにおいては、標準仕様が存在せず、初期にはバスマウスも使われ、以後はマイクロソフト仕様のシリアルマウスが主に使用されていた。IBM PS/2以降ではPS/2マウスが主流となった。Windows 98か2000であればUSBボードを用いてスクロールマウスを実装することも可能である。PC-98x1のバスマウスでホイールに対応したものは無く、ハード的にもホイールの実装が困難である。ホイールマウスを使用するにはUSBマウスやシリアルマウスを使うか、PS/2マウスを市販の変換機を介してシリアルポート・バスマウスコネクタ併用で使用する。なお、起動時にのみ初期化が実行されるPS/2マウスと異なり、98用バスマウスは動作中に抜き差ししても問題なく動作する仕様である。Windows 3.x/95のPC-9800版にはシリアルマウスのドライバが含まれていなかったが、Windows 98/NT以降に限ってOS標準ドライバが使用できた。特に2nd CCU搭載機種においてはPC/AT用に販売されたシリアルマウスがそのまま接続できた。PC-98x1はキーボードも異なる。PC/AT互換機と異なるのは、STOP、COPY、XFER、NFER、HOME CLRで、それぞれPC/AT互換機のBreak、PrtScr、変換、無変換、Homeに相当する。漢字の入力はCTRLキーと、XFERキーを押すことで可能になる。また、FEPやIMEによらず、カナキーをロック状態にすることで半角カタカナが入力できた。PC-98x1固有のキーとしてHELP、カナ、GRPHがある。Windows 95発売以降の機種は、PC/AT互換機との操作性の共通化のため、HELPキーの側面にはEnd、GRPHキーの側面にはAltと刻印されていた。つまり、メニューバーのファイル(F)を開くには、GRPHキーとFキーを押すことになる。GRPHキーと文字キーを押すと、半角の年、月、日、時、分、秒などの記号を入力することができた。Roll-Up、Roll-Downは、それぞれPageDown、PageUpに相当し、upとdownの表現がPC/AT互換機とは逆である。ファンクションキーは、PC/AT互換機はF・1 - F・12であるのに対し、PC-9821ではF・1 - F・10で、これらとは別にVF・1 - VF・5がある。CAPSキーとカナキーは押すとLEDが点灯する方式になっている。これは、OS/2などの出現で、画面上の各ウィンドウごとにCAPSキーとカナキーのステータスが異なるケースが発生しうるようになり、機械的なロック機構による状態表示では正しく対応できなくなったことへの対策として実施されたものである。PC/AT互換機と同じ配列の106キーボード(PC-9801-116)や、特定のNEC製ソフトウェアに対応した専用キーボードも、NEC純正オプションとして発売されていた。PC-9801は長らく1.25MBフォーマットを採用していたが、PC-9821の頃から、PC/AT互換機と同じ1.44MBのフォーマットも扱えるようになった。ただし、MS-DOSがそれに対応しているバージョン(Ver.5.00A-H以降)である必要がある。現在のPC/AT互換機では、1.25MBを読み書き(一部はフォーマットが出来ないなどの制限あり)するには、3-MODEに対応したBIOSと3モードフロッピーディスクドライブを用意し、ドライバを組み込む必要がある。メーカー製PCでは大抵扱うことが出来る。98シリーズは、PC/AT互換機と違い、ドライブの質が一定だったため、フロッピーディスクの特定のトラックに特殊なフォーマットを施し、それをチェックすることで正規品か否かの判断をするコピープロテクトが主にゲームソフトで使われていた。これはMS-DOSによるコピーでは同一のフォーマットを再現することが出来ないため(特殊なフォーマットが施されたトラック)、コピーしたディスクでは正規品ではないとみなして動作しないようになっていた。なお、特殊フォーマットのチェックを外す「コピーツール」(ファイラー)と称するソフト本体とソフトごとに施された特殊フォーマットに対応するデータディスクが売られていた(詳細は割愛)。PC-9801シリーズが全盛だった時代には高額だったこともあり、なかなかHDDの普及が進まなかったが、Windowsの利用を前提としたPC-9821シリーズの登場は転機となり、MATE・FELLOW以降ではHDDモデルを中心にデスクトップでもFDDが1台しかないモデルが登場するようになった。これらの機種では当初はHDD上に構築した専用ファイルを98ノートのRAMドライブのように扱う仮想FDDツールが添付され、FDD2台を前提としたソフトを動作させる配慮が見られた。しかしPCIアーキテクチャ搭載機ではそのようなツールもサポートされなくなり、ノート機でも物理的なRAMドライブが省略されるようになるなど、PC-9821の時代にはFDD2台という構成は次第にオプション扱いとなっていった。PC-9801シリーズの内蔵ハードディスクはノート型を除きSASIもしくはSCSI接続だが、後のPC-9821ではIDEが標準となり、さらにその後は540MB以上を認識可能なE-IDE仕様となった。なお、初期のタワー型をはじめとするハイエンド機の大半はAdaptec製SCSIコントローラをオンボードで搭載しており、制限は「32Gの壁」くらいであった。PC-9821シリーズの内蔵IDEコントローラは例外なくPIOモードのみのサポートであり、Ultra DMAを使うには後に発売されたサードパーティー製の拡張IDEボードに頼る必要があった。また、Socket 5を搭載するMATE Xの一部機種に変換ソケットを使用してMMX Pentiumを搭載した場合、内蔵IDE-I/Fが有効であるとITFのコーディングの関係で起動に失敗するものがあり、この対策としてオンボードのIDEは使用せず全ドライブをSCSIで統一するユーザーも少なからずいた。これは、NECもIntelもCPU乗せ替えを保証しない機種に対して無理矢理搭載した場合に限って起こる不具合であり、IntelからPC-9821版として販売されたODPには専用のITF書き替えプログラムが添付されており、それを対象機種に使用する限りにおいては全く問題なく動作した。但し、対象機種はIntel製チップセット搭載機に限られたため、VLSI製チップセット搭載機の場合はその恩恵にあずかる事は出来ず、前述の全SCSI化以外の選択肢が無かった。PC-98x1とPC/AT互換機ではパーティション管理に全く互換性は無く、PC-98x1にはブートメニューが用意され、複数のOSを任意のドライブの任意のパーティションに導入し、同居させることができる。その他の違いとして、標準のMS-DOS/Windowsでのハードディスクの先頭ドライブレターが、PC/AT互換機では起動先にかかわらず固定でC:が割り当てられるが(フロッピーディスクはA:、B:固定)、PC-98x1では起動ドライブがA:となる。PC-9801ではサウンドカードとしてFM音源のYM2203(PC-9801-26)を事実上の標準音源とし、PC-9821では上位互換のYM2608 (PC-9801-86)を採用した。後者は前者の完全上位互換の上、PC-8800シリーズにおいて長年に渡って使用されてきた枯れた音源であったため、これらの間では互換性の面では問題はなかった。もっとも、後述の理由によりWindows 95時代になって登場したPC-9801-118およびこれに相当する内蔵音源(WindowsSoundSystem=WSS)では、YM2608の生産終了とWindows上での内蔵シンセサイザの高機能化要求から、YM2608の一部機能を省略したYMF288とSoundBLASTER 16で採用されていたYMF262-Mの機能を折衷・統合したYMF297が採用された。PC-DOS時代のPC/AT互換機の音源は、有名な所ではCreative社のSoundBlaster/16/AWE32やGravis社の UltraSound等が群雄割拠しており、各ソフトウェアの側で複数のサウンドカードに個別にサポートする、といった対応がとられていた。Windows 3.1にマルチメディア拡張が搭載され、マイクロソフトがMMCガイドラインにおいて標準PCM音源としてWindows Sound System(WSS)を規定したため、両機種ともその互換PCM音源を搭載することになったものの、既存のMS-DOS用のソフトではWSSに対応しておらず、混乱が生じた。PC-9800シリーズ用Windows 9xではPC-9801-73・PC-9801-86のPCMも引き続きサポートされたものの、同カードではPIO転送時の負荷が大きいため、場合によっては「音飛び」が発生する問題があった。なおWSS互換音源搭載WindowsマシンにPC-9801-86を挿して共存させようにも、音源種別を識別するための一部のI/Oポートが重複するなどリソースの競合が見られ、WSS互換音源のINTを変えるだけでは正常動作しなかったため、フリーソフトの切り替えツールを併用する必要があった。PC-9821ではチップセットにインテル430VXを使用した機種の一部にUSBポートが搭載されている(Xcシリーズ、V166、V200など)。標準のOHCI準拠規格であったが、「PC-9821シリーズでは使用できません」と明記してあるUSB対応機器も多かった。Windows 2000以降はドライバ等の熟成もあり問題なく使用できる機器が殆どだが、PC-9800シリーズへの対応を公式に謳うUSB対応機器は皆無に等しい。またPCIスロットにUSBインターフェースを増設することも可能だが、PC-9800版Windows 2000にはUSB2.0のEHCI (Enhanced Host Controller Interface)ドライバが含まれていないため、インストールには若干の知識と工夫を要する。初期のPC-9821ではPC-9801シリーズからの流れで、オンボードメモリの640KBから1024KBの間のアドレスはメモリ容量に含めない風習があった。例えばWindows 95(日本語版)のシステム要件で最低メモリ容量はPC/AT互換機で8MBに対し、PC-9800シリーズでは7.6MBとされていた。デスクトップ機の場合、当時すでにAT互換機ではJEDEC仕様のSIMMが普及していたが、PC-9821では1993年5月のPC-9821Ceまでは別売りの専用メモリボードを介して増設する、いわゆる61SIMMと呼ばれる独自のSIMMが使われていた。同年7月のPC-9821AfからはほぼJEDEC仕様に準ずるSIMMが採用されているが、別売りの専用メモリボードを介す形式はその後の2代目MATE Aシリーズでも引き継がれた。これに対しMATE BはオンボードでJEDEC仕様のSIMMスロットが備えられており、標準搭載のメモリもSIMMが使われている。特にMATE X以降はメモリ増設時に標準搭載のSIMMを別売りのSIMMに交換することがサポートされるようになっており、建前上640KBから1024KBの0.4MBもメモリ容量に数えて論じざるを得なくなっている。この場合でもその0.4MBはユーザーは利用できないことから、カタログの類では「32MB(ユーザーズメモリ31.6MB)」のような表現で併記されている。JEDEC仕様のSIMMが使えるようになってもしばらくはNEC独自のメモリコントローラが使われていたが、やがてMATE X以降でPCIチップセットを持つようになってからはPCIチップセットのメモリコントローラが使われている。デスクトップ機の場合、PCIチップセット開発以前の製品であるMATE Aや1枚単位でSIMMを増設できる機種を除き、Pentium以上のPC-9821では物理的なPCIスロットを持たない機種でもPCIチップセットでメモリが管理されている。基本的にPC-9801シリーズ用の物がそのまま利用可能。PC単体でN88-BASIC(86)を起動可能(ROM-BASIC)なのも同じ。またFDDモデルを除くほぼ全ての機種でWindows3.1もしくはWindows95が標準搭載されており、購入してすぐに使用可能な状態で出荷されていた。Windows95発売からしばらくは出荷時にWindows3.1とWindows95が両方搭載されていて、購入後直後の初回起動時に使用するOSを Windows 95 と Windows 3.1+MS-DOS 6.2 のいずれかを選択する。選ばれなかった方はこの時点で削除され、以後復元することが出来ない。再セットアップに必要なディスク類はWindows 95のもののみ同梱されているが(ただし、再セットアップに必要な起動用フロッピーには何も書き込まれていない)、Windows 3.1+MS-DOS 6.2 を選択した場合はWindows 95の一式をNECに返送することでWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップディスク類が送られるようになっていた。また、Windows 95の再セットアップに必要な起動用フロッピーは、Windows 95を選択して起動した際、1回だけ作成可能となっていた。ただし、付属のフロッピー以外には作成ができないようになっているが、作成したフロッピーのコピーや、コピーしたフロッピーからの起動は可能であった。さらにNEC以外のサードパーティが作成した独自のMS-DOS互換OSや、有志により作成されたLinuxなども存在し、PC-9801シリーズ同様様々なOSを利用可能。Windows 3.1は高速化の為に固定スワップファイルへのファイルシステムAPIを経由しない直アクセス等のPC/AT互換機にべったりと依存した実装を行っていたため、移植が困難であったと言われている。もっとも、FMRシリーズやJ3100シリーズ、それにMULTI 16シリーズ等にも各社が移植を行っていたため、困難であったか否かの判断は難しい。なお、Windows 3.1の日本語への移植はNECが担当していた。また、EPSONからも自社製98互換機向けにWindows 3.1が発売されていたが、こちらはPC-9821用PEGCドライバが同梱されていなかった。一般には、PC-9821がPCIアーキテクチャへ転換したため、Windows 9x系の移植に有利となったと言われているが、これは間違いである。本家PC/AT互換機版がISAやISA+VL世代の機器をも動作対象としていたことから類推できよう。Windows 3.1に比べ、OS本体の仮想化が進んでいたため、ドライバやVXDレベルに差異を押し込めることが可能になったのでOS本体の移植の難易度は下がり、ドライバの開発が困難になったのでは無いかと思われるが、他の国産機への移植がFM TOWNSとEPSON 98互換機のみであったため、判断は難しい。本来、複数のCPUアーキテクチャでの動作を前提としていたWindows NT系は移植が楽で、極論すればHALと98形式のHDDパーティション解析レイヤとドライバ類だけ開発すれば良い。NT系は抽象化が高度であり、Windows NT 3.1の時代からWindows 2000に至るまで、ネットワークカード等のROMを持たないカードは当然として、ROMを持つPCIカードでもそれを無効にすれば、PCIの機種依存実装の見本とも言えるビデオカードがPC/AT互換機のドライバで(内部のリレースイッチ切り替えを除き)動作する場合があり、SCSIカードやRAIDコントローラもBOOTを前提としなければドライバを含めてそのまま利用可能な場合がある。余談だが、このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーはMS-DOSの画面に気付かないうちに、ウィンドウズ3.1の起動ロゴが表示されていた。それと、ウィンドウズを終了すると、通常はMS-DOSのプロンプトに戻るが、電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか(この場合は一時的な切り替え)、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。下記の他、PC-9821Cr13(98MULTi CanBe Jam / 通称「ミシン型CanBe」。TFT液晶モニタ一体型、CバスやPCIバスがなくPCカードスロットがある)、PC-9821F200・F166(98FINE、液晶モニタ一体型)が存在する。下記の他、Xcシリーズ(98MATE X)およびVALUESTARの一部モデル(V200/M7など)がある。A4型のNシリーズ、それ以下のサイズでサブノート型のLシリーズがある。多くはWSS相当のPCM音源を搭載する他、Nシリーズの一部機種はFM音源も内蔵する。液晶ディスプレイについては廉価版はデュアルスキャンSTN、それ以外はTFTを採用していた。Windows 95登場以前の機種には、2FDD構成でなければ動作しない一部のMS-DOSソフトウェア(主にゲームソフト)に1FDD構成で対応するために、「RAMドライブ」と名付けられた機能が実装されていた。この機能は内蔵メモリから1.25MBを割り当てて、仮想的に1基のFDDとしてソフトウェアに認識させるもので、ドライバを必要としないよう、BIOSレベルでサポートされたものであった。ただし、あくまで仮想のFDDであり、記録された内容は電源が確保されている間だけ保護される。また、コピープロテクトを採用しているゲームソフトは起動用のディスクにプロテクトを掛けることが多く、起動ディスクをRAMドライブにコピーしてもプロテクトが機能して起動させることができない。したがって、プロテクトの掛けられていないデータディスクをRAMドライブにコピーし、FDDに起動ディスクをセットして起動させることになる。データディスクが複数枚あるソフトウェアで処理中にデータディスクの入れ替えを要求される場合は、RAMドライブは入れ替えることができないため、この機能をもってしても対応できなかった。そのため、一部のゲームソフトではノート専用版として、起動ディスクにはプロテクトを掛けず(RAMドライブにコピーして起動)、データディスクにプロテクトを掛けて(FDDにセットして置く)おき、プロテクトチェックの際は、データディスクをチェックすることで対応したものもあった。

出典:wikipedia

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