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近江弁

近江弁(おうみべん)は、滋賀県(旧近江国)で用いられる日本語の方言である。江州弁(ごうしゅうべん)、滋賀弁(しがべん)、近江ことば(おうみことば)などとも。方言学では滋賀県方言(しがけんほうげん)や滋賀方言(しがほうげん)というが、「滋賀方言」は「滋賀郡の方言」を指す場合もある。近畿方言の一種であり、とりわけ京言葉と共通する要素が多いが、地域ごとの違いもあり、特に湖北地方の方言(湖北弁)は特殊である。滋賀県は上方(京都・大阪)と東国・北国を結ぶ交通の要衝に位置し、街道の沿線を中心に、街道で結ばれる周辺地域の方言と共通するものが多い。とりわけ京阪(特に京都)との文化的・人的交流が古くから盛んで、近江弁と京阪方言(京言葉・大阪弁)の共通性は高い。例えば近世から戦前にかけて、多くの県内出身者が京阪で商業活動を行い(近江商人)、湖西地方では娘や息子を京都へ女中奉公・丁稚奉公に出す習慣があった。現在では京阪の通学通勤圏化に伴い、一層の京阪方言化(関西共通語化)が都市部を中心に進んでいる。また、学校教育やメディア、交通機関の発達などによって、県民の多くは方言と共通語の二重生活を営んでおり、特に語彙面での共通語化が著しい。京言葉に近いことなどから好ましい方言と評されることもあるが、京言葉そのものに比べると田舎風あるいは荒っぽい方言とされることが多く、県民にもそういった意識が強い。京言葉や大阪弁と大して変わらず、滋賀県特有の方言はないという意識もある。1996年にNHK放送文化研究所が行った県民意識調査では、滋賀県民には「自分達の方言にそれほど愛着はないが、恥ずかしいとも思わない」という傾向が見られ、千葉県・埼玉県・奈良県など大都市近郊の県民意識に近いものであった。滋賀県内は一般的に琵琶湖を挟んで以下の4地方に区分される。方言区画に関しても、研究者によって呼称や範囲に揺れはあるが、概ねこの地方区分に則したものが提唱されている。京都に隣接する湖南は必然的に京都方言色が濃く、湖西・湖東を北上するにつれてそれが薄れ、京都から最も離れた湖北は音声・語法ともに独特の方言圏を形成している。湖北方言圏の特色の一部は、湖西の高島市や湖東の彦根市・犬上郡にも及んでいる。湖東・湖北にかけて、近江最大の雄藩彦根藩の城下町であった彦根を中心とする方言圏も見られ、助詞「ほん」「なあし」「とさいが」などの使用がその典型とされる。湖南のうち、三重県と接する甲賀地方(甲賀市と湖南市。旧甲賀郡)は、伊賀弁との共通点が見られるなど、他の湖南とは一線を画している(特に旧甲南町・甲賀町)。また、湖東と湖北(特に彦根市・犬上郡から長浜市南部)では美濃弁、湖西(特に旧今津町)では若狭弁との共通点が見られる。以下、音声や表現・語彙などの大まかな使用地域の説明では湖東・湖西・湖南・湖北・甲賀の5区分で記述する(湖南市や旧湖北町など地方名と自治体名が同じものがあるが、自治体名に「市」「町」を明記することで区別する)。「旧○○郡」は昭和の大合併以前の各郡を指すこととする。なお、方言区画とは別に、交通事情が悪かった山村集落などでは古い表現や特殊な表現が残っている(言語島)。その例として筧は、旧伊吹町(特に甲津原)、梓河内(以上米原市)、武奈、男鬼(以上彦根市)、大君ヶ畑、保月(以上多賀町)、君ヶ畑、甲津畑(以上東近江市旧永源寺町)、葛川(大津市)、雲洞谷、針畑(以上高島市旧朽木村)、沖島(近江八幡市)を挙げている。近江弁の音声は他の近畿方言とほとんど変わらない。母音をはっきりと発音し、1拍語の長音化(例:蚊→かあ)、特定の表現での長音節の短音化(例:早う行こうか→はよいこか)が盛んである。「ぬくとい←→のくとい」「少ない←→すけない」「みみず←→めめず」など特定の語彙で母音交替が起こるが、規則的な音声現象ではない。子音は母音に比べて軽く発音し、様々な交替が起こりやすい。ガ行鼻濁音は湖西と甲賀を除く県内の広い地域で発音されるが、鼻濁音に対する規範意識はなく(むしろ嫌う向きすらある)、全県的に衰退しつつある。近江弁で起こる子音交替には、マ行とバ行(例:寒い→さぶい、灯す→とぼす、冷たい→つべたい・ちべたい・ちびたい)、サ行とハ行(例:すみません→すんまへん、質→ひち、人→しと)、ダ行とザ行とラ行(例:行くぞ→行くど、イサザ→イサダ、来年→だいねん)、ワ行・撥音とガ行(例:苗代→なガしろ、棺桶→かゴけ)などがある。サ行とハ行の交替は指示語の語頭「そ」で顕著である(#指示語参照)。ダ行・ザ行・ラ行の交替頻度は地区ごとの違いが大きく、大津市下田上などで顕著である。近畿方言では一般に連母音変化は稀であり、近江弁でも多くの地域では「さかい/はかい→さけ/はけ」や「教える→おせる」など特定の語彙でしか起こらないが、湖北を中心とする地域では、アイ・オイのイが奥寄りのエ(中舌母音)に転ずることがある(例:赤い→あかェ、白い→しろェ、来い→こおェ)。特殊な連母音融合を持つ濃尾方言との中間的な現象といえる。東京ほどではないが、湖東から湖北にかけて、無声子音に続く文節末のウが無声化する傾向があり、これも近畿方言では珍しい音声現象である。東京方言や京阪方言で廃れた古い発音が、近江弁の一部に残っていることがある。県内各地でシェ・ジェが残り、特に湖南・湖西に多い(例:しぇんしぇえ=先生、じぇじぇ=膳所)。草津市常盤ではティ・トゥ・ディ・ドゥが確認されている(例:てぃから=力、みどぅ=水)。1905年の『音韻調査報告書』では高島郡に合拗音クヮがあると報告されているが、現在ではほとんど認められないとされる。湖東から湖北にかけて、格助詞「を」をウォで発音することがあり、ウ・イに続く「お」がウォに転ずることもある(例:塩→しうぉ、縫おう→ぬうぉ)。旧蒲生郡と旧坂田郡ではウに続くエがウェとなることがある(例:杖→つうぇ、植木→ううぇき)。ほとんどの地域では京阪と同じ京阪式アクセント(個々の単語では違いもある)を用いるが、湖北では京阪式の変種アクセントが複雑に分布し、概ね長浜市には垂井式アクセントが、米原市には曖昧アクセントが分布する(木之本や伊香具など、湖北にあって京阪式を用いる集落も点在する)。米原市の曖昧アクセントは「同じ個人に同じ單語を何回かくりかえして発音してもらっても型が一定しないし、その方言に属する個人間においても、同じ單語について型が一定しない」という特殊なアクセントである。下表は昭和20年代の滋賀県内におけるアクセントの地域差を簡潔にまとめたものであるが、厳密には集落単位でアクセントが異なる場合があり、また現在では一部のアクセントが変化しているため、必ずしも表の限りではない。以下、アクセントの表記に関しては、アクセントの高い部分にを付すこととする。表中の「○類」については類を参照。滋賀県内の地名には地元と共通語とでアクセントが異なるものがいくつか存在する。例えば「滋賀」のアクセントは共通語では頭高型の「が」であるが、近江弁では尾高型の「し」である。地元交通機関の自動放送などでは地元のアクセントに合わせていることがあり、例えば近江鉄道の車内放送では「ひね(彦根)」「かみや(高宮)」「よさと(豊郷)」などのアナウンスを聞くことができる。特定の助動詞や助詞以外は全県で共通するものが多い。用言の活用などは概ね京言葉と同じである。仮定形は「読んだら」「赤かったら」のような「連用+たら」で代用することが多い(形容詞に関しては、湖北では仮定形も一定の勢力を保つ)。形容詞の未然形も、推量は「赤いやろ」のような「終止+やろ」で代用することが多い。存在動詞としては、非生物には「ある」、生物には「いる」と「おる」を併用する。西日本にあって「いる」を常用するのは、福井県嶺北・京都府南部・大阪府などとともに珍しい例である。「いる」と「おる」には待遇表現的な使い分けがある。「いる」は中立的な表現であり、人物に対しては通常こちらを多用する。対して「おる」は見下げた表現であり、動物や目下の人物に対して多用する。同輩以上の人物に「おる」を用いる場合、心安い間柄でないかぎり、軽蔑的・批判的なニュアンスが伴う。ただし、「おります」の形で話し手・身内に対して用いると謙譲を表し、また共通語として「おられる」を尊敬語に用いる。西日本各地に「花が散りよる(=今、花が散っている)」と「花が散っとる(=花が散ってしまっている)」のように「-よる」と「-とる」によって進行・継続態と結果態を区別する方言がある。滋賀県内でも米原市醒井など一部の集落で区別することが報告されているが、その他の大半では共通語や京阪方言と同じく区別しない。近江弁の多くでは、存在動詞に「て」を添えた形で進行・継続・結果を表す。「-てある→-た(あ)る」「-ている→-てる」「-ておる→-と(お)る」とする。共通語では「-てある」は他動詞にしか用いないが、近江弁の「-た(あ)る」は自動詞にも用いる(例:あの場所には昔、蔵が建ったあった)。「-たる」は「-てやる」の縮約形と同形だが、アクセントによる区別があり、例えば「置いたる」の場合、「」と発音すると「置いてやる」、「たる」と発音すると「置いてある」を表す。「-てる」と「-と(お)る」の使い分けは「いる」と「おる」の使い分けに準ずる。近江弁では補助動詞・助動詞を中心とする待遇表現体系が発達しており、日常的に、話し手と話中の第三者(素材待遇、第三者待遇)または話し手と聞き手(対者待遇、聞き手待遇)の上下・親疎関係によって複数の表現を使い分ける。一般に近畿方言の待遇表現は第三者待遇に偏重しているが、近江弁は特に顕著であり、その特質は若年層にもよく保持されている。また待遇表現の使用には地域差や世代差があり、どの表現を多用するかが話者の大まかな出身地・年齢層の指標となる。以下、敬意を込めて用いる待遇表現を尊敬語、聞き手への敬意を込めて用いるものを丁寧語、親しみや可愛がる気持ちを込めて用いるものを親愛語、見下げる気持ちを込めて用いるものを軽侮語とする。親愛語は共通語にはない概念であり、適切な共通語訳が存在しない。断定は「や」を用いる。かつては湖北や山間部の高齢層を中心に「じゃ」(永源寺などでは「ざ」とも)を用いたが、現在は「何するんじゃい!」のような粗野な物言いや「そのー、なんじゃー」のような会話のつなぎなど、限られた場面でしか用いない。丁寧な断定には京都と同じく「どす」を用いる(「-でおす」の転)が、共通語「です」に押され、現在ではほぼ高齢層に限られる。大阪弁の「だす」は滋賀県では通常用いない。全県で「未然+ん」と「五段未然+へん/その他未然+やへん」を用いる。「-へん/やへん」は「読みはせぬ→読みゃせん・読みゃへん→読ません/読まへん」と転じたもの。近江弁では大阪的な「読めへん」の形は少ない。地域・世代・個人によって古形の「-せん/やせん」(湖北に多い)、変形の「-しん/やしん」(旧蒲生郡に多い)や「-ひん/やひん」(県南部一帯に多い)を併用する(いずれも接続や用法は「-へん/やへん」と同じ)。現在では「-やへん」が衰退し、下記の形が一般的となりつつある。「-ん」の過去形は「未然+なんだ」、「-へん/ひん」の過去形は「-へなんだ」「-へんだ/へんた」「-ひんだ/ひんた」とするが、現在は新方言の「-んかった」「-へんかった」「-ひんかった」が勢力を伸ばしている。丁寧形には「未然+まへん」と「(「-へん/やへん」の接続と同じ)+しまへん/やしまへん」がある。京都と同様、「せよ/せい」「読め」のような命令形とともに、「しい(な/や)」「読みい(な/や)」のような「連用+長音」の柔らかな命令表現を多用する(「連用+なさい」の転)。「見い」「起きい」など命令形と連用命令が同形になることがあるが、アクセントによって区別し、例えば「見い」の場合、「い」と発音した場合は命令形命令、「」と発音した場合は連用形命令となる。「読み(な/や)」のような短音形も用いる。中年層以上が用いる親しみを込めた命令表現として、湖南・湖東では「五段未然+い/その他未然+やい」、湖北では「命令形+いや」がある。前者は親愛語「-やる」の命令形から転じたものとされる(読みやれ→読みやい→読まい)。 (例)これ読まい。 ゆっくりしやいな。 これ読まさいね(=読ませなさいね)。 阿呆なことせんとかい(=しないでおきなさい)。 これ読めいや。 ゆっくりせよいや。禁止形には、サ変に古形「すな」が残るほか、五段以外では「見な(いや)」「寝な(いや)」「こな(いや)」「せな(いや)」のような「未然+な(いや)」とすることがある。また京都と同様、「連用+なさるな」から転じた「しない(な)」「読みない(な)」「しゃべってな」のような柔らかな「連用+ない(な)」「-て+ない(な)」もある。自分から相手へは「やる」「あげる」を用い、補助動詞として用いる場合は「-たる」「-たげる」と縮める。「-たる」は湖東や甲賀の一部では「-ちゃる」とも。相手から自分へは共通語と同じく「もらう」「くれる」で、「くれる」の丁寧語は「くださる/くだはる」と「おくれる」を用いる(「おくれる」の方がやや一般的)が、現在は「くれはる」(「くれる」+「はる」)に押されている。「くだはる」の命令形は「くだはい」で、くだけた表現には「くだい」や「くらい」がある。命令形のみであるが、「下しおかれよ」の転「くだしかれ」や「賜われ」の転「たも(れ)」が各地の高齢層で聞かれる。また湖北・湖東・湖南にかけて、「一緒に……してほしい」という意の「-て+かし(て)」があり、「行ってかして」「来てかし」のように用いる。滋賀県内全般で広く用いる語彙はほとんどが近隣府県(とりわけ京都)と共通するが、それぞれの地域特有の語彙も存在する。他の京阪周縁部と同様、中世から近世の上方の語彙がよく保たれ、湖北を中心に中世以前の古語に由来するものも少なくない(方言周圏論)。浄土真宗が盛んな地域であることから、浄土思想や仏教用語に由来する語彙もよく見られる。以下、《》に漢字表記を、〔〕におおまかな使用地域名(全県に広く分布・点在するものは省略)を記す。近江弁で用いられてきた人称代名詞には次のようなものがある。複数形はいずれも接尾語「ら」を付けるが、必ずしも複数を意味せず、謙譲の意を含んで単数に用いることもある。珍しいものは少ないが、「そ」から始まる中称の指示語が「それ→ホれ」「そこ→ホこ」「そして→ホして」「そんな→ホんな」などと盛んに「ほ」に転訛し、特に湖東で顕著である。もっとも、「そ」が正しい音という意識はあり、聞き返されると「そ」と言い直す。「あそこ」を「あっこ/あこ」とも言うが、湖北ではあまり用いない。連体詞・形容動詞として、全県で「こない(な)」「そない(な)」「あない(な)」「どない(な)」を用いるほか、米原市甲津原に「こがな」「そがな」「あがな」「どがな」がある。文芸作品において、登場人物の台詞などにその作品と関わりのある地域の方言が用いられることがある。近江弁をよく描写した作品としては、小説では外村繁の『草筏』や『澪標』、姫野カオルコの『ツ、イ、ラ、ク』や『ハルカ・エイティ』、加藤吉治郎の『湖猫、波を奔る』、瀧上耕の『青春ぱんだパンド』、映画では『男はつらいよ 拝啓車寅次郎様』、漫画ではゴツボ×リュウジの『ササメケ』や『もののけもの』などがある。また、近江弁を織り交ぜた歌として、岡林信康(近江八幡市出身)の「チューリップのアップリケ」、MONKEY KEN(長浜市出身)の「長浜の歌」やFamily〜おかだ兄弟〜(米原市出身)の「ほやほん」などがある。方言は日本全国で観光PRや企画・公共施設の名称などに活用されている。滋賀県内ではこれまで「おいでやす○○」の看板が駅などに置かれる程度で、積極的な活用は行われてこなかったが、近年になって、先述の「やんす」の例のように少しずつ活用例が増えつつある。2000年代末から、滋賀県内では守山市のアニメ制作会社まちおこし(藤井組)の滋賀県ご当地ネタアニメが好評を博しているが、そのなかに近江弁をネタにするものもあり、滋賀県で初の方言ヒット作品群となっている。以下はその例。資料によって例文の表記がまちまちであるが、ここでは読みやすいように漢字ひらがな交じり表記とし、句読点を追加している。また相づちなどは一部省略している。

出典:wikipedia

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