『快傑ズバット』(かいけつズバット)は、東京12チャンネルの水曜日19:30-20:00枠にて、1977年(昭和52年)2月2日から9月28日にかけて全32話(本放映では2話分の再放送を追加)が放送された東映製作の特撮テレビドラマシリーズ、および劇中に登場する変身ヒーローの名称である。「怪傑ズバット」は誤記。科学者の飛鳥五郎は、妹の勤める幼稚園へ地域掌握のため現れた暴力団・地獄組と対峙、命を狙われることとなる。しかしそこに妙な風来坊が現れた。その男は飛鳥の子供の頃からの親友であり、何をやっても日本一の私立探偵・早川健。地獄組の用心棒を追い払い、親友との再会に喜ぶ早川だったが、幼稚園バスに爆弾が仕掛けられているのを発見。園児たちを無事に避難させ、飛鳥は独りバスを安全な所まで運ぶが爆発で重傷を負ってしまう。さらに姿なき敵の魔手は飛鳥の入院先の病院にまで伸び、再び爆発が起きる。混乱の中、飛鳥は軽機関銃の銃撃で蜂の巣にされてしまい、早川の腕の中で息を引き取った。早川は飛鳥の残した設計図を頼りに、開発途中の宇宙探検用強化服「ズバットスーツ」、そして飛行能力を備えたスーパーカー「ズバッカー」を自力で完成させ、地獄組組長・地獄竜を倒す。しかし地獄竜は、飛鳥を殺したのは自分ではないと言う。では一体誰が? 友を殺した真犯人を突き止めるため、早川の復讐の旅が始まった。通常のヒーローものと違い、早川は旅の先々で出会うならず者の特徴は把握しているものの、彼らがダッカーの手先であることや、そのダッカーの存在を全くつかんでいないという、当時のヒーロー特撮作品のパターンとは異なる設定である。ダッカー配下の組織は、毎回同じコスチュームの戦闘員が登場するものの、早川がダッカーの存在を認識するのは最終話間近だった。日本中の暴力団やギャング団全てを陰で支配する悪の大組織。警察もその実体を掴んでおらず、早川も物語終盤になるまでその存在を知らずにいた。ダッカーの構成組織のボスはほぼ全員がDのマークを身につけており、銃刀類や車両などの備品はもちろん、戦闘員が着用する帽子やネクタイ、計器類や弾丸にまでDの文字が刻まれている。配下の戦闘員もほぼ同じ服装で統一されている。当初は首領Lが組織のリーダーと思われていたが、終盤に真の首領・総統Dが姿を現す。早川健がズバットスーツを着用した姿。登場時の決めゼリフは「ズバッと参上、ズバッと解決。人呼んでさすらいのヒーロー!快傑ズバット!!」。その口上の後、対峙した相手の罪状を並べたて、「許さん!」と一喝し、戦闘開始する。早川が脱出不能なピンチに陥り、死んだと思われた次の瞬間、飛来するズバッカーの爆音とともにズバットが登場する。ジャンプ力は400メートル、走力はマッハ7。武器は、ズバットのトレードマークを模したZ型の赤い柄を持った鞭で、厚さ20センチの鉄板を切り裂く威力に加え、振り回すだけで敵集団の放つマシンガンの弾丸を全て叩き落とせる。鞭の柄は敵に突き刺すことも可能。得意技はズバットアタックと、鞭で敵を投げ飛ばす天地返し。役名は『快傑ズバット大全』(双葉社・2002年)に準拠。役者の右の括弧内は登場話数。ダッカー関係のゲストは放送リストを参照。本作の楽曲は、主題歌・挿入歌も含めてすべて京建輔が作曲した。なお、実際の作品では山下毅雄による『プレイガール』の曲の流用も行われており、それらの曲は『石ノ森章太郎萬画音楽大全7 快傑ズバット オリジナル・サウンドトラック』にも収録されている(一部の曲は『プレイガール』のサントラにも収録されておらず、本作のサントラで初商品化となった)。参照本作の企画や世界観を語るうえで小林旭主演の日活映画「渡り鳥シリーズ」が参考とされ、大きく影響している事が知られている。本作の企画を立ち上げた鈴木武幸は松竹大谷図書館に通って「渡り鳥シリーズ」の台本を読むなどしたが、多忙の為、第1・2話のホン直しの時点で降板となった。メインライターを務めた長坂秀佳は日活の「渡り鳥シリーズ」をほとんど観たことがなく、「人に聞いた大体の雰囲気で書いた」と語っている。元々は『超神ビビューン』(NETテレビ)の後番組として企画されていたが、『忍者キャプター』が打ち切りとなったためその後番組へ変更された。『ビビューン』の後番組にはテレビアニメ『氷河戦士ガイスラッガー』が製作された。1977年9月28日を最後に終了した本作ではあるが、のちに1時間枠で本作の再開を図っていたとされる。当時東京12チャンネルが製作に関わったアニメ・特撮作品の中でも高視聴率をマークしたのがこの『ズバット』であり、3月9日に放送した第6話では15.5%に達した。企画当初は1年間の放送予定だったが、関連玩具の売れ行き不振などを理由にスポンサーだったタカトクトイスが降板したため、32話で打ち切りになった。実際、番組の人気は、製作側が設定していた年齢層より上の年代が中心で、それがキャラクター商品の不振の一因ともなった。当時の東京12チャンネルは系列局がなく(中京、近畿では独立UHF放送局がその代わりをしていた)、リアルタイムで観られなかった地域も存在した(北海道地区など)。第1話から最終回まで全国ネット放送されていない、東映特撮ヒーロー史上唯一の作品である。しかし脚本のほとんどを執筆した長坂秀佳の独特の世界観、そして主人公・早川健を演じる宮内洋の独特の台詞回しと軟硬自在の演技などで、数々の特撮ヒーロー番組の中でマイナーながらも稀有な存在となっている。また、宮内は番組終了直後、『ジャッカー電撃隊』のテコ入れ策として行動隊長・ビッグワン役でレギュラーに加わった際には、役作りの上で早川健のテンションが高く誇張した芝居が大きく影響し、主役の四人以上の存在感で、手下同然に見えてしまうような状態だったという。メインライターの長坂は全32話中30話を執筆しているが、2話分(第7話と第12話)を他の脚本家に任せたのは「1年続くと思っていたので、一人では全部書けないと思ったから」とのこと。しかし、作風の違いが目立ったため、残りは自分で書くことになった。結局32話で終了したため「そうなると最初から分かっていれば全部自分で書いた」とも語っている。放映前に『テレビマガジン』誌上で大鉄人17とともにタイトル公募されていた。俳優の及川光博は特に本作品への思い入れが強いとのこと。2015年3月7日に日本テレビで放送された『嵐にしやがれ』にゲストとして出演した際にはMCの嵐に本作の概要とその魅力を語っている。※すべて東映ビデオより発売。『テレビランド』では細井雄二がコミカライズを担当。初回はシリアスだったが、2回目より2頭身ギャグに路線変更された。『冒険王』ではすがやみつるが担当。聖悠紀の作画で『テレビマガジン』1977年4月増刊号に掲載。本編第2話を基にしているが、随所にギャグが挿入される、用心棒がズバットの正体に気付くなどのアレンジが施されている。1981年に徳間書店より刊行された『アニメージュコミックス』の『忍者キャプター』第2巻に収録された。ズバットとしての客演については、#客演情報や#他媒体展開を参照。
出典:wikipedia
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