『デ・ジ・キャラット ファンタジー』はブロッコリーから2001年2月22日にPC専用として2万本限定で発売されたアドベンチャーゲーム。後の2001年9月6日にドリームキャストで発売され、更に2003年11月20日にはプレイステーション2で"デ・ジ・キャラット ファンタジー エクセレント"が発売された。なお、プレイステーション2版のみブラックゲマゲマ団が登場するシナリオが追加されている。またDC版、PS2版には初回限定版も発売された。他のデ・ジ・キャラット関連作品と異なり、デ・ジ・キャラットの性格がおとなしい物となっているが、これはオープニングで彼女が記憶を失ってしまうためである。ただし、おまけの黒リボンルートでは、猫をかぶっただけのでじこ(他ルートに比べて表面上の口調はほぼ変わらないが、心の声も見られる)を連れることとなる。本来、デ・ジ・キャラットのマルチメディア展開における先鋒的な役割を担う予定だったが、諸事情により発売が遅れた。なお、2001年10月25日及び12月25日には、同名小説で菜の花こねこによる小説版が富士見ファンタジア文庫より上・下巻で発売された。ゲーム版との顕著な相違点は、主人公(少年)、雛菊の父、グレッグは登場せず、主人公の代わりは全てうさだが担っている。いつものようにゲーマーズでうさだとケンカをする毎日を送っていたでじこ。いつものように必殺技"目からビーム"を放ったところ、突然次元の扉が開き、周囲にいた者達は異世界に吸い込まれる。主人公が目を覚ますと近くにでじこが倒れていたが、周囲に散らばっていた彼女の持ち物にはネコ耳帽子だけがなく、しかも彼女は記憶を失っていた。本作は、「エターティア」と呼ばれる、地球とは異なる世界の星を舞台にしている。本作の他、以下の3作品でも物語の舞台となっており、シェアード・ワールドとして世界観を共有している。本作ではエターティアの中の、中世ヨーロッパ的な世界を舞台にしている。本作とクロスワールドは、地球人の主人公がクロスゲートと呼ばれる、地球とエターティアを結ぶ空間の歪みに落ちてエターティアに迷いこむ、という物語になっている。プリンセスコンチェルトやみにふぇあはエターティアだけが舞台の物語であり、登場人物もエターティア人だけである。なお、小説版は暗にではあるが、冒頭で他のブロッコリー作品(ギャラクシーエンジェル、アクエリアンエイジ)が平行世界として取り上げられている。この作品の最も優れている点は、でじこのアイデンティティーの消失(記憶喪失)及び従来のアイデンティティーの拒絶(ねこグッズを恥ずかしがる)からなる周囲(主人公、うさだ、ぷちこ、ゲマ)のアイデンティティーの揺らぎをプレイヤーまたは読者が共有し、自身のアイデンティティーを揺らがせる事である。アニメ:デ・ジ・キャラット(ワンダフル版)では、でじこが病気を患い、おしとやかで礼儀正しいといった性格に変貌する話があるが、デ・ジ・キャラット ファンタジーにおけるでじこのそれは著しいものである。でじこ(通常)は全く「~にょ」と言わず、純粋無垢で臆病かつ心配性な10歳の無力な少女に変貌する。もちろん「目からビーム」は一切使わない。従来のでじこを知る者は幼気な少女と化してしまったでじこを快く思う反面、これは「でじこ」ではないと寂しさを募らせていく。小説版では、我が身を省みずにでじこの記憶回復のため懸命に走りまわるうさだ、そのうさだを快く思い深く信頼するでじことのやりとりは素晴らしいものである。小説版では少年(プレイヤー)の代わりをうさだが担っているが、作中のうさだは読者の化身ではなく、読者は単にうさだ目線で物事を見ているに過ぎない。しかし、読者はうさだと疑似的にシンクロし、あたかも当事者としてその場に存在するように錯覚する。このとき、従来の「でじこ」に対するイメージのかい離が与える衝撃を、うさだ自身のアイデンティティーの揺らぎから伝播させ、読者自身のアイデンティティーを揺らがせる。しかしながら、上記で述べたようにうさだは読者の化身ではない。作中至る所でうさだ自身の内面が語られ、そのとき読者はうさだ目線から解放され、「読者」として第三者目線で物事を客観的に判断する。読者が「読者」として回帰するとき、読者自身のアイデンティティーは安定化するが再び疑似的にシンクロするとアイデンティティーが揺らぐ。読者はこのアイデンティティーの揺らぎと安定化のサイクルに陶酔してしまうが、そもそもデ・ジ・キャラットを深く知らなければ疑似的シンクロは起こり得ない現象である。なお、一部のキャラクターについては、ゲーマーズ・ガーディアン・フェアリーズにも設定を変えて登場している。PC版およびDC版における限定版には、サウンドトラックCDが特典としてつけられていたが、PC版がゲームに使用されたオリジナルの楽曲であるのに対し、DC版はアレンジが施されたものと、それぞれ相違がある。
出典:wikipedia
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