放線菌(ほうせんきん、羅・英: Actinomycetes)は一般に、グラム陽性の真正細菌のうち、細胞が菌糸を形成して細長く増殖する形態的特徴を示すものを指していた。元来、菌糸が放射状に伸びるためこの名があるが、現在の放線菌の定義は16S rRNA遺伝子の塩基配列による分子系統学に基づいているため、桿菌や球菌も放線菌に含められるようになり、もはやこのグループを菌糸形成という形態で特徴づけることは困難である。学名のActinobacteria(放線菌門)は、ギリシア語で光線、放射を意味する(アクティース)とバクテリアを合成したもの。また、放線菌類を意味するActinomycetesは、に、菌類を意味する接尾語-mycetes(ミュケーテース、語源はギリシア語で菌を意味する(ミュケース))を合わせたものである。"Streptomyces"属など典型的な放線菌では空気中に気菌糸を伸ばし胞子を形成するので、肉眼的には糸状菌のように見える。多くは絶対好気性で土壌中に棲息するが、土壌以外にも様々な自然環境や動植物の病原菌としても棲息している。また病原放線菌として知られる"Actinomyces"属とその関連菌群などのように嫌気性を示す放線菌も一部存在する。放線菌のDNAはそのGC含量が高く(多くは70%前後)、それがこの菌群の大きな特徴である。 分類学的には下記に示す多くの属が放線菌綱に分類されるが、マイクロコッカス目(Order Micrococcales)の各属のように菌糸形態を示さないものは便宜的に放線菌として扱われないこともある。1875年 Ferdinand Cohn によってヒト涙管の結石から病原微生物として見つけられたのが最初とされている。放線菌は特に抗生物質を生産する菌が多いので重要である鈴木伸一、幻の放線菌を探せ 新薬天然物探索ソースとしての放線菌 化学と生物 Vol.44 (2006) No.3 P163-171, 。抗生物質生産菌の大部分が放線菌に属し、特にストレプトマイセス属("Streptomyces"、ストレプトマイシンの名の由来)に多い。放線菌はカニ殻やエビ殻等の甲殻類に含まれるキチン質と呼ばれる物質を好むものもある。このキチンはキチナーゼという酵素によって分解され、糸状菌等の病原菌の活性を抑制する効果があるとされる。特に冬など寒い季節や落葉の下の寒い場所を好む。竹林など多くの場所に生息している。このことから堆肥発酵にも関与していると考えられる。フランキア属("Frankia")はヤマモモやグミなどの根に共生し窒素固定を行う。そのほか、上記の典型的な形態を示さないグループには、結核菌 "Mycobacterium tuberculosis" 、らい菌 "Mycobacterium leprae" 、ジフテリア菌 "Corynebacterium diphtheriae" や、BCG菌を含む "Mycobacterium bovis" のほか、グルタミン酸生産菌 "Corynebacterium glutamicum" のような工業的に重要な菌もある。また、ヒトなどの腸内細菌であるビフィズス菌も放線菌類に分類され、食品や整腸剤に利用されている。2016年9月現在以前はアクチノバクテリア綱の下に5亜綱が置かれていたが、2012年発行のBergey's Manual of Systematic Bacteriology 第2版 Vol. 5において6綱に再分類され、さらに放線菌目が分割されるなどの大幅な変更が行われた。"Acidimicrobiia"綱"Coriobacteriia"綱"Nitriliruptoria"綱"Rubrobacteria"綱"Thermoleophilia"綱"Actinobacteria"綱口腔、咽頭、腸管の常在菌であることから、放線菌症と呼ばれる慢性の化膿性肉芽疾患を発症することがある。ヒトでの好発部位は頸部、顔面、副鼻腔で全体の半数を占めるとされるが、舌、肺、腹部(腸管)では急性虫垂炎、消化性潰瘍、腸憩室穿孔に併発することもある。しかし、抗生物質の乱用から発症頻度は減少し、典型的な臨床症状を呈さない症例が増加していると指摘されている。ヒトに対し病原性を及ぼす嫌気性放線菌は少なくとも "Actiomyces" (以下A.と略す)"israelii
出典:wikipedia
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