上下分離方式(じょうげぶんりほうしき)とは、鉄道・道路・空港などの経営において、下部(インフラ)の管理と上部(運行・運営)を行う組織を分離し、下部と上部の会計を独立させる方式である。一般には、中央政府・自治体や公営企業・第三セクター企業などが土地や施設などの資産(下)を保有し、それを民間会社や第三セクターが借り受けるなどして運行・運営(上)のみを行う営業形態をとられることが多い。次の一覧は、とさでん交通が2010年12月2日提出した資料より道路における上下分離方式の採用例日本の高速道路は日本高速道路保有・債務返済機構が道路とその付帯施設を保有し、東日本高速道路・首都高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路・阪神高速道路・本州四国連絡高速道路の各社がそれを借り受けて管理・運営している。欧州連合が国鉄の上下分離を指導したため、大部分のヨーロッパの国鉄(に相当する鉄道)は上下分離方式となっている。ヨーロッパでは、上下分離は大きく分けて二通りの仕組みが見られる。一つ目は、下部と上部の会計分離だけを目的としたものである。スウェーデン、スイス、フランスなどで採用されている。基本的に、上部の運営会社は一つである場合が多い。例えば、フランスでは、日本における公共企業体に近い「商工業的公施設法人」(EPIC)のフランス国鉄(SNCF)の機構改革の際には、フランス国鉄本体をEPICのまま、列車の運行・車両の保有などを行なう鉄道運営法人とし、線路や駅などの鉄道施設(インフラ)は、新たに設立されたEPICのフランス鉄道線路事業公社(RFF)が保有する形式に改革された。二つ目は、上下分離とともにオープンアクセスを導入して複数の上部組織が存在するケースである。代表的なのはドイツとイギリスである。ドイツ鉄道は、東西鉄道組織統合とともに民営化・上下分離を行い、上部の組織は長距離・近距離・夜行・貨物などの会社に分割した。その上でオープンアクセスを導入し、新規参入の会社にも線路使用を認めている。この仕組みを利用して、地方自治体が軽量ディーゼルカーを購入してローカル列車を運転するケースが増えている。イギリスでは、国鉄(British Rail)改革に際して、上下分離と大々的なオープンアクセスを導入したが、線路の保有・管理会社と運行会社とで管理をバラバラに行なったために整備が行き届かず、1999年10月5日、ロンドン近郊パディントンでの大事故をはじめ、数々のトラブルを招いた、という指摘もある。アメリカ合衆国の旅客鉄道も、上下分離方式である。旅客列車は公企業であるアムトラックが運行しているが、アセラ・エクスプレスが走る東海岸の幹線(北東回廊)など一部を除けば線路を所有しておらず、貨物鉄道会社の線路を借りて運行している。貨物鉄道会社は民営企業であるため、下部が民営、上部が公営というケースである。
出典:wikipedia
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