『宇宙空母ブルーノア(うちゅうくうぼブルーノア)』は、1979年10月13日から1980年3月29日まで讀賣テレビ放送系列で全24話が放送された、SFアニメである。アカデミー制作が制作し、その社長であった西崎義展が企画・原案を担当した。第1話が2時間SPだったため、地域によっては全27話。また、再放送でも全27話である。大ヒットした『宇宙戦艦ヤマト』を製作したことで知られる、西崎義展が率いた「アカデミー制作」の企画・原案・製作による海洋冒険・戦争SFアニメ。日本のほか、イギリス・イタリア・ギリシャ・スウェーデン・スペイン・中東・フィンランド・北米・ロシア等でも放送された。英語圏でのタイトルは“THUNDERSUB”。『宇宙戦艦ヤマト』がシリーズとしてまだ展開中だった時期の作品で、ヤマトの成功を追ったポスト・『宇宙戦艦ヤマト』の1作とみなされている。東映の飯島敬以下、東映動画のスタッフが大挙参加している。『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の絵コンテ・原画を担当した安彦良和もほぼ初期に参加していたが、同じ年に放送された『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインとアニメーションディレクター(総作画監督)に専念すべく降板した。タイトルの空母ブルーノアよりも、主人公が乗艦する潜水艦シイラがクローズアップされる事が必然的に多く、ブルーノアはむしろシイラの移動基地といったポジションである。また、空母ブルーノアが宇宙空母となるのは物語終了間際であり、物語のほとんどは地球上の海を舞台にしている。これはそもそも「今度は海洋ものをやりたい」との西崎義展の希望により、『宇宙戦艦ヤマト』のような宇宙ものではなく、田中光二のSF海洋冒険小説『わが赴くは蒼き大地』を企画の出発点にしたからである。海洋冒険SFとしては、科学ライターの金子隆一によるSF考証もありそれなりに良い出来であるとして、いわゆるポスト・ヤマト作品の中では比較的高い評価を受けている。キャラクターデザイナーと脚本は同じく西崎が製作した海洋もの『海のトリトン』で担当した羽根章悦と松岡清治。因みに宇宙空母とあるのは「海洋ものだけでは上層部が企画を通さないだろう」と関係者が諌めたことによるものと言われている。アニメソング歌手の水木一郎が、ブルーノア第二航空隊長・飛鷹翔役で声優に初挑戦している。逆に主題歌にはアニメソング歌手でなく、アイドルだった川崎麻世を起用した。第1回の放送は、2時間枠の『土曜スペシャル』の形で放送するという、テレビアニメとしては力の入ったスタートを切ったが、全39話の予定が全24話に短縮され、無理矢理まとめるかのような形で放送を終えた。近年、CSのアニメ専門チャンネル“AT-X”でも放送された。本作の時代設定は、初期設定では1999年7月だった。これは「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」(百詩篇)第10巻72番の詩にある「1999年第7の月、天空より恐怖の大王舞い降りる。その間、マルスは人類の幸福の名において支配を続けるだろう」から来ていると推測されるが、公式設定及び劇中では2052年となっている。ゴドム人工惑星が地球衛星軌道上に静止した事により、ポールシフトなどの天変地異が発生した結果、アジアとオーストラリアが地続きになったり、中央アメリカが水没して海峡(18話タイトルの「アメリカ海峡」)になってしまったりしている。なお、最終回でポールシフトは元に戻っている。地球連邦の首都は東京にあり、主人公たちはそこから脱出してイオノクラフトで小笠原諸島へ向かった。初期設定でブルーノアは「マルス」という組織に所属していた。宇宙戦艦ヤマト登場の架空艦船とその戦術は第二次世界大戦以前のそれをモチーフにしていたが、本作では現用艦船のハイテク戦争の色彩が濃い。無人偵察機「短距離ドローン」「長距離ドローン」、対空用バルカン砲、涙滴型の潜水艦などは、その典型といえる。なお、放映中に刊行された資料の人物設定ではゴドム宇宙艦隊の司令官として能力面、性格面で特色のある人物が幾人か紹介されており、本来予定された39話分の終盤で、宇宙に出たブルーノアとゴドム艦隊との熾烈な戦いが予定されていた事が伺えるが、その粗筋さえ非公開のままとなった。1999年7月、外宇宙から飛来したゴドム人工惑星の突然の地球周回軌道上への停止による天変地異と、ゴドム人の侵攻によって、地球は占領され人類は総人口の9割を失った。生き残った者達は地球救出組織「マルス」を結成。世界の9箇所に抵抗拠点「ポイント」を置く。日本・小笠原の海洋開発研究センター(ポイントN1)で密かに建造されていた戦略空母「ブルーノア」は、人類の危機に当たり完成率9割の状態で進水。ゴドムが太平洋各地に建設した基地を破壊し、ゴドムから地球を解放するために出撃する。その途上、大西洋・バミューダ沖海底の原子物理学研究センター・ポイントN9が無事である事が判明。そこで建造中の反重力エンジンを装備して、宇宙空母となって軌道上の人工惑星ゴドムを撃退するべく、ブルーノアはポイントN9を目指す。主人公・日下真は、廃墟で知り合った少女・土門慶(ケイ)や、友人の和泉洋らとともに、ゴドムの攻撃で壊滅した首都を脱出し、ポイントN1に辿り着く。密かにブルーノア建造に参加していた真の父が死ぬ間際に「そこに地球の未来がある」と言い残した。進水のきっかけ(艦橋の音声入力装置から船の名を呼ぶ事が起動キーになっていた)となった彼らは、小型潜水艦シイラの乗員となり、シイラの清水艦長、ケイの父でもあるブルーノアの土門艦長らの厳しい指導を受け、ドメニコ、飛鷹、カピラらの仲間達と共にゴドムと戦う。本作の声優陣はほとんどが青二プロダクションから起用されている。基準排水量17万総t、全長360mの超大型可潜戦闘空母(劇中での呼び名は戦略空母)。艦名は『ノアの方舟』より。本来は、宇宙植民計画が進められていた小惑星帯ブロックが将来、強力な経済力で、地球圏に挑戦してきた場合のための機動戦力として建造された事が、小説版で説明されている。核融合エンジン駆動で最高速度は水上50ノット・水中60ノット。可潜深度は2500mに達する。艦長は土門鋭。左右対称のアングルドデッキとなっている両舷飛行甲板を閉じることで潜水航行が可能。小型潜水艦・シイラと大型戦闘ヘリコプター・バイソンを搭載。後にシイラとバイソンは反重力エンジン搭載に伴い外された。武装は各種ミサイルや魚雷、ガトリング砲及び対空レーザー砲、フォノンメーザー(超音波銃)、煙突型の中性子ビーム砲など多数。主な武装は主砲として甲板下から現れ、伸縮式の砲身が伸びる格納型の三連装レーザー砲塔が上甲板に3基(前部2基/後部1基。実質口径140mm)と、艦橋脇に一基ずつある四連装レーザー砲。及び飛行甲板先端に備えられた連装の電磁加速砲。加えてバイソン収納時にはバイソンの単装砲塔だが、潜水時は飛行甲板が閉じるために主砲は使用不可能になる。また、艦首に本艦の最終兵器である反陽子砲を装備。その威力は極めて大きく、一撃でゴドムの要塞や軌道エレベーターを破壊した。しかし発射までのタイムラグが大きく、また発射後約10分間は全艦の機能が停止する。第10話で、ウスリー艦隊の攻撃で大打撃を受け、続く第11話ではニュージーランド沖の氷山の中に避難、海中から氷山内をくりぬいて潜り込み、即席ドックとして、修理及び大改修が行われた。その際、艦の全面に対レーザー装甲が施され、対空レーザー砲塔を設置、艦橋の上のアンテナの形状変更等、外観が若干変わっている。この時、同時に乗組員の制服シャツも、水色と青のものから、上級士官は薄緑色で緑ネクタイ、真ら下級兵は緑色で黄色いネッカチーフと、全体に緑基調のものに一斉変更された。ただし土門艦長は従来のままで、ケイは白いシャツになった。第20~21話で、バミューダのポイントN9にて反重力エンジンを装備することで、宇宙空母として、大気圏内外の飛行が可能になる。また、反陽子砲の連続発射も可能となる。艦載機150機を積載。宇宙空母となってからは艦載機も大気圏外を飛行できる宇宙戦闘機に変更された。この他、小型のホバークラフトや潜水艇を搭載。艦内の工場設備で新たに製作する事も可能である。ゴドムとの最終決戦に際しては、ブルーノア用の反重力エンジンと並行して建造されていた宇宙戦闘艦3隻が参加、ブルーノアを旗艦として艦隊を編成する。各艦の艦長はじめ主要な乗組員はブルーノアのメインクルーの一部が転属している。これは、シイラ・バイソンを外したほか、ブルーノアの宇宙空母化改造に当たり、急場しのぎの工事で最低限の与圧区画しか作れなかったため、ブルーノアに以前より少ない人数のクルーしか乗り組めなかったためでもある。新たなブルーノア中枢部の要員として旧シイラ乗員の多くが配属された。ブルーノアに合体収容されている潜水艦。全長120m、最高速度は水上35ノット、水中70ノット。艦名はシイラから。小回りの利かないブルーノアの補助として様々な任務を遂行する。「涙滴型」艦体がブルーノア艦首下部に収容され、収納時はブルーノアの球状艦首となる。長期に渡る作戦行動も可能であり、単艦での戦闘能力も高い。武装は魚雷、ミサイル、フォノンメーザーなど。他に試作水中戦闘機3機を搭載する。艦長は第1話でブルーノア戦務長から転属した清水艦長。主な乗員は日下真、土門ケイ、和泉洋、田村道郎、三好勝彦、井上達也、河内山健太。長期行動の場合はコック長のヤコペッティが乗艦する事もある。反陽子砲使用の際に、戦闘不能状態に陥るブルーノア本体を、分離したシイラが援護する等、一時的な艦隊作戦行動を取ることも可能。第11話での大規模修理の際、一部改装が施され、潜舵と上甲板の形状が変わった。第17話で、ブルーノアと別行動を取り、北極の海底ゴドム基地を単独で攻撃した際、清水艦長は戦死。以後は真が指揮を取る。第20話で、バミューダのポイントN9にて、ブルーノアの宇宙空母化改造に伴いブルーノアから外される。最後はブルーノアを追跡してきてポイントN9に迫ったユルゲンスの潜水艦と交戦、体当たりでこれを撃破。その際の被害で健太は重傷を負い、健太を助けて浸水区画に残ったヤコペッティは戦死してしまう。その他の乗員は宇宙空母ブルーノアのブリッジ要員として転属した。ただしケイだけは土門艦長の命令で外された。大型戦闘ヘリコプター。全長81m、最高速度300km/h。ヘリコプターと呼称されてはいるがローター(回転翼)は無い。固定翼も無く、ブルーノアの艦載戦闘機と同じく核融合ラムジェットエンジンで飛行する。機体上部に大型のレーザー砲塔を装備している。ブルーノア艦尾に収容され、収納時は砲塔はブルーノアの副砲として、推進器は補助推力として使用される。また、ポイントN9到着後に改造され、水中潜航も可能になった。航空戦力として艦載機部隊と連動して行動したり、ポナペ島からの捕虜救出時等の人員輸送や、連絡任務に使用されることもあった。ブルーノアの宇宙空母化改造に伴い外され、ドメニコの指揮の下、航空隊と共にアフリカ・サハラ砂漠にあったゴドム地球総督府への攻撃に参加。総督府破壊後、地下から出現したゴドム要塞内部に突っ込み、要塞もろとも自爆し、搭乗していたドメニコは戦死した。なお、劇中では「戦闘ヘリ バイソン」と呼ばれていたが、野村トーイとバンダイから発売されていた玩具やプラモデルには「バイソン」の表記がなく、「戦闘ヘリ」とのみ表記されていた。本放送当時の玩具のテレビCMでも子供の声で「戦闘ヘリ、発進!」と言っていた。戦略空母ブルーノアの艦載戦闘機。劇中・玩具・プラモデルとも愛称はなく、単に「艦載戦闘機」と呼ばれていた。翼型はクリップドデルタ、双垂直尾翼。双発の核融合ラムジェットエンジンで飛行する。普段はブルーノア両舷のフライトデッキ(飛行甲板)内に、翼を畳んで下部からの単一アームに載って収容されており、飛行時にアームが移動してカタパルト付近に運ばれてくる。カタパルトは左右各フライトデッキ前半分の部分に設けられ、射出時には下階の出口から、斜めに坂を上がって射出され、着艦時にはフライトデッキ後ろ半分の平面に降りていた(直線方向とアングルド・デッキの2方向の滑走路が設けられている)。ブルーノアには2つの航空隊が設けられており、第1航空隊長はバミューダから飛来したドメニコが、第2航空隊長はポナペ島で救出された飛鷹翔が務めることになる。なお、劇中第3話にて1度だけ、平賀一臣が航空隊長を務めていた。機首部分の両側に機銃の発射口らしきものが見られるが、劇中ではそこからミサイルを発射していた。宇宙空母ブルーノアの艦載戦闘機。これも愛称は特になし。上記の大気圏内用の艦載戦闘機に代わって、ブルーノアを宇宙空母に改造したバミューダポイントN9で搭載された。本来は大気圏外用の機体だが、第21話で、宇宙空母となったブルーノアがバミューダから発進した際には、飛鷹翔の指揮の下、バイソンと共に地上のサハラ砂漠にあるゴドム総督府への総攻撃に参加している。機首の左右にレーザー砲を装備している。第1話で、バミューダのポイントN9からドメニコが搭乗してきた単発エンジンの大気圏内戦闘機。ゴドムに撃墜されて海面に着水していたところをシイラに発見され、ドメニコは救助される。ポナペ島の捕虜収容所から救助されたパイロット、飛鷹翔が過去に隊長を務めていた、アクロバットチームの戦闘機。飛鷹の第二航空隊長起用に戸惑う清水らクルーに、土門艦長が見せる映像に登場。シイラに3機が搭載されていた試作水中戦闘機。第7話では真・ケイ・清水艦長が早い者勝ちで搭乗し、ゴドムのカジキ型ロボット群を撃破する。第17話では、ゴドムの防潜網に捕らわれたシイラを脱出させるため、清水艦長が搭乗して防潜網に突っ込み、自爆した。第17話ではなぜか「ビーバー」と呼ばれている。偵察用の小型メカ。深度200mの水圧に耐えられるが、フロントガラスは銃弾で簡単に割れていた。浮上するとホバークラフトの様に飛行する。第12話で、オーストラリアから打ち上げられたロケットの発射地点を探査する際に清水・道郎・達也・健太が搭乗、第19話で真と洋が搭乗、アマゾンの湖の水面偵察に使用した。なお、劇中のセリフにもあった「ビーグル」は“vehicle”(ビークル=乗り物)の誤りと推測される。ブルーノア用の反重力エンジンと共にバミューダのポイントN9で建造されていた、宇宙空母ブルーノア護衛のための戦闘艦。1号艦~3号艦の3隻が造られ、ブルーノアの艦橋クルーだった平賀・松倉・中平の3人が各々の艦長に就任した。第1話で真と洋ら理工科学院の学友たち及びケイが搭乗、ゴドムの爆撃を受けた首都・東京から脱出し、ポイントN1のある小笠原諸島へ飛行した。定員が乗用車規模の小型イオノクラフト。第1話で、後席に日下博士を乗せ、助手の岩瀬が運転していた。第8話で島貫機関長が開発した、ウミガメ型のバイオット(有機部品のみで作られたロボット)。ゴドムの軌道エレベーターを偵察するため、カメラアイ内蔵でブルーノアより発射された。レーダーに生物の反応しか出ないが、ゴドムの自動防衛システムはこのバイオットも破壊する。前面にカメラアイを搭載した無人偵察機。画像はブルーノア艦橋のフロントガラス兼映像スクリーンに投影される。劇中、ヘリコプター型と巡航ミサイル型の2種類が登場した。Q弾頭(ヘリウム4、ホウ素11+重水素等、中性子を出さない核融合燃料に高エネルギーレーザーを組み合わせた「レーザー核融合爆弾」)を弾頭に装備したミサイル。第7話でゴドムの艦隊を壊滅させた。コンピューターがOKを出した後に、担当者がキー部品を用意して発射スイッチをコンソール内から自動で出現させ、艦長含む上級士官3名が同時に発射ボタンを押すことで発射される。シイラにも小型のものが搭載されていた。第19話で、真の指示でケイが発射した、上空から散弾を振り撒くミサイル。ブルーノアの攻撃と共にウスリー艦隊を殲滅。シイラに装備された目標自動追尾魚雷。シイラに装備された、ホーミング魚雷回避のために散布するレーダー乱反射材。ブルーノアから発射される、爆雷を接近前に爆破する超音波銃(フォノンメーザー)を備えたミサイル。飛鷹・ドメニコが脱出に使用。第17話で飛鷹が操縦、シイラに救援物資コンテナを投下する。第1話と第15話で真が使用した水中スクーター。ブルーノア乗組員用の実弾拳銃。特殊軽合金製でポリゴンバレル採用。作動方式はローラーロッキング・システム。グリップが日本人向けに小さく造られているため、装弾数はやや少なめの7+1発。弾丸は.357口径マグナム(ケースレス・カートリッジ)で初速は2000発/秒。一撃でコンクリートブロックを粉砕し、多少距離があっても防弾チョッキを貫通する威力を持つ。第14話で、ゴドム軍の仕掛けた防潜網内に沈没していた地球のタンカー。この船体にブルーノアと同一のエンジンパルス音発生装置を仕掛け、シイラを使って、防潜網の出口付近で待ち構えていたゴドム艦隊の下に差し向ける。海水を電気分解して空気を発生させる装置。第14話でダミータンカー内に仕掛け、船体を海中に浮上させるのに使用。第15話で、海上を漂流していた豪華客船。既にゴドムの砲撃を受けており、清水や真が調査に乗り込んだ時には、船内は死体の山だった。船体ごと魚雷で沈めて乗員・乗客を水葬に付することになった。その際、発射ボタンを押すのを嫌がる魚雷担当のケイは、真に「このまま晒し者にして、ゴドムに利用されてもいいのかい?」と説得され、発射ボタンを押した。母星が危機に瀕したゴドム人の総人口を収容し、恒星間航行を続けることが可能な人工天体である。内部にゴドム母星の環境が再現され、半永久的に宇宙を航行できるという機能を誇り、開発者のザイテルは功績により、ゴドム人の最高指導者「総帥」としての地位を獲得した。その機能に問題がないならば、そもそも地球を侵略し、第二のゴドムとする必要はなかったはずだが、ザイテルの見落としたわずかな計算ミスにより、ゴドム人工惑星の環境調整システムは徐々にその生命維持機能を失い、物語終盤にヘーゲラー、ユルゲンスら地球侵攻軍が帰還した際には、総帥ザイテル以外のゴドム人は誰も生き残っていない死の世界と化していた。あまりの惨状に、ザイテルを詰問したヘーゲラーらは、地球侵攻のすべてが彼の愚行を糊塗するための愚挙だったことを突き止め、ザイテルに詰め寄るが、狂乱したザイテルに襲われて、やむなく殺害した。ヘーゲラーらは、もはや衛星軌道に占位し続けるすることも不可能となったゴドム人工惑星が地球に衝突するのを防ぐべく、緊急制動装置を作動させ、辛うじてゴドム人工惑星を地球の引力圏から離脱させたが、太陽の引力に捉えられ、ゴドム惑星ごと宇宙に散る。ヘーゲラーは最後の通信として、間違った指導者を選んでしまったゴドム人の悲劇をブルーノアに語り、同じ轍を地球人が踏まないことを、半ば祈り半ば自嘲するかのように忠告して散っていった。ゴドム人の科学力に関しては、ブルーノアの使用するニュートリノ技術応用の乱数暗号通信を解読し、急速浮上するブルーノアを数分以内に察知し衛星軌道からビーム兵器攻撃をかけてくることや軌道エレベーターの建設を可能にした技術力や、彼らの兵器のコンセプトから地球と類似の兵器思想が伺える事から、地球側と類似の思想のもとに組み立てられた学問体系であり、全般的に数世紀分は先行していたものと推測される。ゴドムの名称はソドムとゴモラから。地球の海上に投入されたゴドムの艦隊。大半が海面効果船であり、時速70ノット以上の高速航行が可能。戦艦。空母。巡洋艦。高速重砲艇。輸送艇等を擁する。他に地球の戦艦を自軍に編入した捕獲艦艇も存在。海水を汲み上げ、燃料となる重水に加工精製する自航式のフロートプラント。海上石油採掘リグの様な形をしている。単なる工場ではなく、軍事基地としても機能。内部に航空機部隊を擁し、自身も六連装の巨大要塞砲で武装している。同型の物が各地にあるが、内一基はブルーノアの反陽子砲で破壊された。第15話にてアメリカ海峡基地で完成。ブルーノア健在を信じるユルゲンスが造らせた潜水艦。武装は艦首に魚雷発射管のみ。シイラと相討ちの形となって失われる。なお、個艦名称は劇中に出て来ない。DVD-BOXの解説でも「ユルゲンスの潜水艦」とのみ表記。第1話で地球連邦大会議場を奇襲したほか、ユルゲンスも搭乗、シリーズ前半で主力戦闘機として活躍する機体。丸いキャノピーと、その下にクチバシの様に突き出た鋭い部分が特徴。武装は翼端パイロンにミサイル各一発。コクピット後部に四連レーザー砲を搭載。しかし、実際の作画ではレーザー砲は省略される事が多かった。高速の非武装偵察機。偵察の他、前線での指揮官機としても使用される。ユルゲンスやゾルゲルが愛用した。第13話より登場するシリーズ後半の新型主力戦闘機。ウスリー旗艦の空母艦載機である。扁平な形状のリフティングボディ機で、コクピットはキャノピーを有さない閉鎖型。武装は両翼端のレーザー砲及び、機体底部の爆弾倉。旧型に比較するとかなり大型。劇中では大量の爆雷を投下していた。大型爆撃機。大型レーザー砲四門と大量の爆弾で武装。単座雷撃機。リフティングボディと双尾翼を持つ。第1話で地球圏を奇襲した宇宙戦艦。全長330m。シリーズ終盤に艦隊を組んで再登場するが、宇宙空母となったブルーノアの反陽子砲攻撃で全滅する。その際、被弾した1隻がブルーノアに突っ込んで来るが、松倉艦長の宇宙戦闘艦が体当たりでこれを阻止、同艦とは結果的に相討ちとなってしまう。全長900mを越える漆黒の超大型宇宙空母。元々は軍艦ではなく、宇宙探査用の大型調査船を改装した物。その出自故に艦自体は軽武装だが、搭載した艦載機の数は膨大である。物語冒頭に登場。ゴドムの宇宙艦隊最後の1艦となった大型宇宙戦艦。艦隊の旗艦であり、本来はヘーゲラーの指揮する艦。ユルゲンスが18人の部下と共に搭乗、火星軌道付近にてブルーノアと対決する。地球の衛星軌道上から地上へ物資を輸送する巨大エレベーター。赤道直下のギルバート諸島に建設された。透明ピンク色の巨大な搭の中を、複数のゴンドラが各々に行き来しており、エレベーターの塔の根元は堅固な要塞基地になっている。また、搭の周囲には完全な気象制御が施され、破壊後は付近一帯に暴風雨が発生した。第8話にて、搭の表面はシイラのレーザービームを跳ね返すが、ブルーノアの反陽子砲で破壊され、全体が粉々に砕け散る。道郎の推測によれば、クリスタル状の物質を宇宙空間で搭状に成型し、完成後に釣り降ろしたらしい。なお、日本のアニメ作品で軌道エレベーターが登場したのは本作が初めてである。第9話冒頭で複数隻が登場。真空の宇宙空間で物体を吸い込む事が可能で、破壊された軌道エレベーターの破片を、掃除機の様に吸い込んでいた。軌道エレベーターが破壊された後、宇宙/地上間の物資輸送に用いられた大型の大気圏突入艇。空中母艦的な性格を持ち、機体前面にある二つの発進口から各種航空機を発着させる事が可能。ゴドム兵が携帯する短機関銃。地球製の鹵獲兵器である。小口径ケースレス弾を使用し、50連マガジンは水平に差し込まれるMP28と同じ形式。材質は強化プラスチックやグラスファイバーのために見た目よりも軽量。反動も軽く、片手で連射可能。ユルゲンスがブルーノアに使用した試作兵器。特殊な触媒の力で水分子を変質させ、海面をすり鉢状にしてしまう。しかし、試作段階であるために持続時間は短い。ポナペ島の捕虜収容所周辺に仕掛けられていた生物兵器。ゴドム人には反応しないが、地球人やその他の物体が上に載ると、アメーバ状の生物が襲い掛かり、飲み込んでしまう。ゴドムの特殊爆雷。爆発するとリボン状のポリマーが潜水艦に絡み付いて身動きが取れなくなる。シイラに対して使用された。通常の爆雷等の爆発に耐え得る強靭な素材で作られた防潜網。水中に投下された機器から、一瞬にして、シャッターの様に展開させることが可能。シイラやブルーノアを捕らえ、窮地に陥れる。シイラが捕らえられた際、清水艦長は水中戦闘機に乗り込み、単身、この防潜網に突入、自爆した。ユルゲンスの潜水艦等に装備されていた、目標自動追尾魚雷。第13話でウスリーが使用した試作爆弾。海中に投下されると、地球上にいない種類のウイルスが拡散し、大規模な赤潮を発生させる。海水の成分を食料に加工して調理していたブルーノア艦内に食中毒が大発生し、ブルーノアは窮地に陥る。本来は地球征服後に、生き残った地球人の反乱分子を制圧するために開発された兵器。艦艇や戦闘機から投下、あるいは前もって海中に仕掛けられた通常の機雷・爆雷。※以下は計画段階でゴドム襲撃により建設が頓挫したという設定で、劇中には登場しない。括弧内は、東京(日本テレビ)基準の放送日。(※サブタイトル中の「、」は、実際の画面中では「.」で表記されていた。)※第1話は2時間枠のスペシャル番組だったが、放映時間の異なる地方局や再放送のために、第1話を30分枠×4回に分割したバージョンが作られた。DVD-BOXにはスペシャル版・分割版とも収録されており、各サブタイトルは以下の通り。※放送日時は1980年3月終了時点、放送系列は放送当時のものとする。放送時にメインスポンサーである野村トーイから、ブルーノアDX合体セットやダイキャスト製の戦闘ヘリ バイソン、プラモデルのブルーノアが発売された。バンダイ模型からはブルーノア、艦載戦闘機、戦闘ヘリ バイソンのプラモデルが発売されたがゴドムのメカ等は発売されなかった。未使用のボックスアートに、小松崎茂によるブルーノアのスケッチ画が存在する。ショウワノートからは、文具類が発売された。1980年に集英社のコバルト文庫より、小説版が上・下巻で出版されていた。著者は若桜木虔(わかさき けん)。ポイントN1~N9建設やブルーノア建造の理由など、テレビアニメでは詳しく説明されていない背景のいくつかが語られている。逆にゴドム側の視点がほぼ完全に割愛されており、ゴドム人も一般兵以外はウスリー、ユルゲンス、ヘーゲラーと、総帥ザイテルが名前で登場するのみである。挿し絵に、宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ちの図版が間違って使われていたページがあった。1980年に立風書房より、ムック「COSMO FANTASY 第1弾/宇宙空母ブルーノア テレフィーチャー版」が定価590円で出版されていた。編集・制作はメカデザイン担当の銀英社。キャラクターやメカのステッカー集が巻頭に付いており、「オール兵器メカニックカタログ」「全キャラクター人名辞典(名ゼリフつき)」「オールカラー ストーリー」等の内容(全80ページ)。ひかりのくにより、「ひかりのくにテレビ絵本 宇宙空母ブルーノア1」「ひかりのくにテレビ絵本 宇宙空母ブルーノア ブルーノアのひみつ」が出版されていた。朝日ソノラマより、ソノシート付の絵本が出版されていた模様。1980年に立風書房より、「宇宙空母ブルーノア超百科」が出版されていた。編者は銀英社。子供向けに、漢字にふりがなを多用した体裁だったが、SF考証を担当した金子隆一による、非常に細かい設定の数々と膨大な用語集が掲載されている。リイド社より、パーフェクト・メモワール⑥「宇宙空母ブルーノアTV手帳」が発売されていた。発行はS55年4月1日。価格は480円。ストーリー概要、カラー名場面集、設定資料集他が掲載。音楽プロデュースは西崎義展。主にブルーノア側の音楽及び主題歌は平尾昌晃が作曲、編曲は船山基紀で、一部は宮川泰が編曲を担当した。ゴドム側の音楽はほぼ宮川泰が作曲した。そのほか、上記の「宇宙空母ブルーノア超百科」には、鈴木宏家がクレジットされているが、これは海のトリトンと混同した物と思われる。演奏したオーケストラ名のクレジットはないが、ギター演奏でヤマトではお馴染みの木村好夫が参加している。1979年11月1日に、CBS・ソニーレコード(現・ソニー・ミュージックエンタテインメント)より、川崎麻世の歌う主題歌2曲を収録したシングル盤(品番:06SH 671)が定価600円で発売された。1979年12月21日に、CBS・ソニーレコードより、主題歌と劇中BGM計12曲を収録したオリジナル・サウンドトラックLP盤「TVサウンドトラック 宇宙空母・ブルーノア」(品番:CBS 25AH 918)が定価2,500円で発売された。収録曲名は以下の通り。シイラ出撃シーンによく掛かった曲や、シイラのハッチ上でクエゼリン島を見詰めるカピラのシーン等に掛かった曲、バイオットが潜入するシーンの曲等の馴染み深い音楽があまり収録されず、逆に使用頻度の小さい音楽が多く収録されている。1999年9月22日にソニーレコードから発売されたアルバム「GOLDEN J-POP/THE BEST 川崎麻世」(品番:SRCL-4626、税込2,039円)の10曲目にオープニング主題歌「宇宙空母・ブルーノア-大いなる海へ-」が収録されている。2008年1月23日にソニー・ミュージックエンタテインメント(GT musicレーベル)から発売のアルバム「ゴールデン☆ベスト 川崎麻世」(品番:MHCL-1276、税込1,980円)の10曲目にオープニング主題歌「宇宙空母・ブルーノア-大いなる海へ-」が、21曲目にエンディング主題歌「夜間航海(ナイト・クルーズ)」が収録されている。2008年3月11日にソニー・ミュージックダイレクトが運営するインターネット上の廃盤復刻コーナー「オーダーメイドファクトリー」にて、オリジナル・サウンドトラックがCD化(品番:DYCL-76、税込3,150円、2008年2月6日予約締切)され、予約者を対象に通信販売された。収録内容はLPレコードの時と同じ曲目で、未収録BGMの追加収録はなく、ジャケットデザインや解説文もLPとほぼ同一。1990年代、ボイジャーエンターテインメントより、設定資料集同梱の7枚組#LD-BOX「宇宙空母ブルーノア PERFECT COLLECTION」が発売された。2002年5月24日、第1話4分割バージョンや放映開始前の予告編も収録された5枚組DVD-BOXが税込標準価格31,500円で発売された。品番PIBA-9012、マグネットレーベル、発売元:クリエイティブアクザ、販売元:パイオニアLDC、提供:東北新社、販売専用品。グリコから、おまけの食玩が入った菓子が発売されていた。本放送当時、「ブルーノア学習机」が発売されていた。
出典:wikipedia
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