ポンピドゥー・センター()は、フランス・パリ4区(セーヌ川右岸)にある総合文化施設。フランス語での正式名称は (日本語訳の例:ジョルジュ・ポンピドゥー国立美術文化センター)であるが、一般に "Centre Georges-Pompidou" や "Centre Pompidou"、あるいは "Centre Beaubourg"と言う。名前は、フランス第五共和政の第2代大統領で、現代芸術の擁護者でもありこの施設を発案したジョルジュ・ポンピドゥーにちなんでいる。様々な形態の同時代の芸術(現代美術や現代音楽、ダンス、映画など)のための拠点をパリ中心部に設けようとの意図から計画され、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計し、1977年開館。ポンピドゥー・センターには国立近代美術館、産業創造センター、音響音楽研究所IRCAM、公共図書館が入っている(IRCAMは組織としてはポンピドゥー・センターが管轄するが、建物はポンピドゥー・センターの中ではなく、その南隣にあるストラヴィンスキー池の地下に存在する)。2010年、フランス北東部の都市メス(Metz)に分館としてポンピドゥー・センター・メスが開館。コンペにより、日本人建築家坂茂とフランス人建築家ジャン・ドゥ・ガスティーヌ、イギリスの建築家フィリップ・グムチジャンの共同案が採用されたこの計画は、アンドレ・マルローが文化大臣の時に提唱した「空想の美術館」などに起源を持つ。1960年代前半、ル・コルビュジエの設計による20世紀美術のための美術館をパリ都心に建設するという計画があったが、この計画はコルビュジエの死で流れてしまった。しかしパレ・ド・トーキョーにあった当時のパリ近代美術館は年間の集客が20万人に届かないなど多くの問題を抱えており、1960年代後半に再び近現代美術館計画が浮上することになる。これと同時に、フランス国立図書館の機能を緩和するための新しい公共図書館をパリ都心に造るという計画もあった。ポンピドゥー・センターは、美術館計画と図書館計画の二つが合体したものである。シャルル・ド・ゴール政権で首相を務めたポンピドゥーはこれらの計画にかかわったが、1969年の大統領就任後、パリ都心に大型建築を建てる適地がボーブール(ボブール、)地区の大きな屋外駐車場(旧市場、第一次世界大戦の後に空き地となっていた)にしかないことから、1970年に同地区にひとつの大きな建物を建て、その中に近代美術館と公共図書館を同居させる事を決定した。これ以外にもセンターを巡っては多様な思惑があった。たとえば当時衰退傾向にあったパリの芸術界を刺激し、第二次世界大戦後にニューヨークに移ってしまった芸術の中心地の地位をパリに取り戻すこと、新しい芸術をフランス政府が支援していることを内外に知らしめること、同時代の難解と思われがちな芸術に大衆を向かわせる役割を政府が果たすこと、20世紀に入って以降、時代の最先端の建築があまり建てられなくなってしまったパリに、20世紀後半を代表する建築を追加したいという欲望、などである。しかし、当時の芸術を巡る諸問題、たとえばエリート芸術対大衆文化の対立、芸術の脱中心化に逆行するような中心施設建設、権力と芸術の関係などを巡り議論が多発した。1971年、国際設計競技の結果、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースの案が選出された。ジャンフランコ・フランキーニやピーター・ライスなども協力して設計された建物は、重さを支える柱などの構造や、建物の共用部分である電気・水道・空調などの配管、階段・エスカレーターも外部にむき出しにさせている。内部は柱やパイプスペースなどがなくなった分、広々とした空間が広がり、様々な展覧会に対応できるフレキシブルな可動壁を備えていた。彩色されたむき出しのパイプとガラス面で構成された外観は現代的を通り越して前衛的であり、建物自体がひとつの芸術作品であるといえる。だがパリは伝統的な建築物が多い都市なので、開館当時はパリ市民の間では賛否両論があり、一部の人からは「いつ完成するのですか?」との質問もあったという(むき出しの鉄骨を見て「建築中の建物」と勘違いした)。現在では多くの観客を集めているほか、最上階はパリ展望スポットとして人気がある。1986年、チック・コリア・エレクトリック・バンドの曲 "Elektric City" のビデオ・クリップの撮影がここで行なわれている。1997年9月20日~12月14日にかけて、日本でも東京都現代美術館でポンピドー・コレクション展が開催され、マティスやカンディンスキーなどの絵画や彫刻が紹介された。2004年、慶應大学環境情報学部教授の建築家・坂茂、同学部の学生らとフランスの建築系大学学生らによる紙の仮設スタジオ建設を目的としたワークショップも行われた。
出典:wikipedia
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