東山線(ひがしやません)は、愛知県名古屋市中川区の高畑駅から同市名東区の藤が丘駅までを結ぶ、名古屋市営地下鉄の路線。正式名称は名古屋市高速度鉄道第1号線。ラインカラーは黄色(菜種色、ウィンザーイエロー )で、杉本健吉の提案による旧車両の車体色に由来する。すべての駅でmanacaが使用できる。名古屋市で最初に開業した地下鉄路線である。同市内を東西に横断し、都心部の名駅地区(地下鉄のほか新幹線・JR在来線・名鉄・近鉄・名古屋臨海高速鉄道の名古屋駅周辺)と栄を通って市東部を結んでいる。一社駅 - 上社駅間から藤が丘駅までは地上区間で高架線となり、本郷駅 - 藤が丘駅間で東名高速道路を跨ぐ。東端の藤が丘駅では愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)に接続する。名古屋市営地下鉄の路線で唯一、名東区を通っている。名古屋市営地下鉄の中で最も利用者が多い。純利益額は、日本の公営地下鉄では大阪市営地下鉄御堂筋線に次ぐ第2位である(参照:日本の地下鉄)。建設費抑制のため、トンネル断面が小さく、小型車両が用いられている。そのため、高頻度で運転されてはいるが、名古屋駅 - 栄駅間を中心に車内は終日混雑している。また同市東部(星ヶ丘駅・藤が丘駅方面)も住宅密集地のため、終日にわたって比較的混雑している。一方、名古屋駅以西はJR関西本線や近鉄名古屋線も八田駅・近鉄八田駅に停車する関係で、比較的空いている。名古屋市営地下鉄で最初に開業した路線であるため、駅の雰囲気は全体的に古く、桜通線などの新規建設路線と比べると島式ホームが少ないが、名古屋市の主要部分に沿って走るため利用者はとても多く、朝ラッシュ時には約2分間隔、夕ラッシュ時は約3分間隔で列車が走り、日本国内でも有数の高頻度運行路線である。1980年代には、最混雑区間である名古屋駅→伏見駅間の混雑率が250%を超えていたが、1989年に今池駅までバイパス路線の役割を担っている桜通線が開業した後は180%程度まで落ち着いた。その後は輸送量の減少が続き、2010年度以降は混雑率が140%程度で推移している。車両基地は、両端の藤が丘駅と高畑駅に存在する。当初は栄駅の東側や池下駅の北側にあった。2005年に開催された愛知万博を契機に、日本語のほか、在住者の多い英語・標準中国語・ポルトガル語(ブラジルポルトガル語)・朝鮮語の計5か国語による車内放送が、名古屋駅発車時(藤が丘行)と到着時(高畑行)、藤が丘駅到着時、そして藤が丘駅停車中(高畑行)に流れるようになり、万博閉幕後の現在も継続されている。このことは、名古屋市内で地下鉄、名鉄などの主要駅や幹線道路沿いに5か国語表示の案内の設置を進める先駆けとなった。使用されている接近メロディは、藤が丘方面が「ドリーム」、高畑方面が「イエローライン」である。2015年9月から2016年2月にかけて、高畑駅から順次各駅に可動式ホーム柵(ホームドア)が設置され、藤が丘駅を最後に全駅に設置が完了した。これに伴い2015年9月1日のダイヤ変更から運転システムのATO化が行われたが、これとほぼ同時に高畑駅 - 藤が丘駅間の所要時間が37分から40分と少し延びている。そして2016年7月1日から高畑駅 - 亀島駅間と池下駅 - 藤が丘駅間の各区間でワンマン運転が開始された。亀島駅 - 池下駅間は従来通り車掌が乗務している。ホームドアは、女性専用車両が停車する位置のものは薄い黄色で、他は白色でそれぞれ塗られている。また、線路側に掲出されている駅名標には、各駅ごとに駅カラーを定めている。原則として全線通しの運転であるが、始終発は以下の通り区間運転となる(2016年現在)。ダイヤは、平日が朝ラッシュ時2分間隔、昼間時4 - 5分間隔、夕ラッシュ時3分間隔、早朝・夜間約8分間隔、土曜・休日が朝夕4分間隔、昼間時4 - 5分間隔である。ただし、休日の昼から夕方までは平日より早く4分間隔になる。2004年の名城線環状化と同時に東山線の列車も若干減便されたものの、昼間の運転間隔は最大でも4分間隔を維持している。また、平日でも学校の夏休みや冬休みなど長期休暇の場合は「休校日ダイヤ」として通学時間帯に若干減便される(お盆・年末年始期間中に実施される平日を含めた土・休日ダイヤとは異なる)。なお、終電(終電延長時に増発される2往復の列車を含む)に限り栄駅で停車時間を長くとる。深夜帯は、車内アナウンスの広告や乗換案内は省略され、代わりに出口の閉鎖案内が流れるようになる。また、終電は発車の際の自動放送も「○○行き、最終電車」と、終電であることを強調するものになる。毎年の大晦日から正月三が日(1月1日 - 3日)には昼間時5分間隔の「年末年始ダイヤ」で運行され、大晦日から元旦までは終夜運転が行われる(30分間隔の全線通し)1969年に藤ヶ丘駅(現・藤が丘駅)まで延伸開業してから、1982年に高畑駅まで開業するまでの間は、星ヶ丘駅折り返しの列車も多く運転されていた(1975年までは同駅折り返し列車の方が多かった)が、それ以降、星ヶ丘駅行は終電のみの運行となっている。なお、現在でも台風などによる地上区間の運転休止の場合、星ヶ丘駅で折り返しをしている。その際、同駅から藤が丘駅までは市バスによる代行運転が行われる。岩塚駅始発の電車は、線路工事等の都合上、2番ホーム(高畑駅方面乗り場)から発車する場合もある。現在のダイヤでは池下駅止まりの定期営業列車は存在しないが、夜間には同駅からの始発列車へ送り込むため、藤が丘駅から池下駅へ毎日1本定期回送列車が運行されており、同駅到着後、今池寄りの引上線にて夜間滞泊する。2014年7月4日から毎週金曜日および休前日(お盆・年末年始を除く)に限り0時台(始発駅基準)に2往復増便し、終電を45分繰り下げている。この列車の運転は、2013年12月20日と27日の両金曜日に試行し、その結果により本格実施に至った。なお、この増便が行われる時間帯は、名古屋市営バスの深夜1号系統のうち、0時45分発の栄発藤が丘行と23時55分発の藤が丘発栄行を運行しない。東山線は建築限界の関係で、使用されている車両の大きさが小さいのが特徴である。車体長は15.5m級、車体幅は2.5m級であり、東京メトロ銀座線の車両の大きさに近い寸法となっている。また、小断面化と軽量化のための工夫が随所に見られ、小径弾性車輪、直角カルダン駆動、モノコック構造の車体、床下機器のボディーマウントなど、市電時代からのアイディアも取り入れた新機軸が多数盛り込まれた。5000形登場前までの車両は、天井の低い室内での蛍光灯の隅配置(天井と幕板の接合部に配置)や、網棚の非設置など、日本では他にあまり見られない特徴を持っている。車両の長さは、15mとなっている。また、2015年8月30日限りで5000形が営業運転を終了したことにより、名古屋市営地下鉄の路線の中で、鶴舞線を除いてVVVFインバータ制御を搭載した車両に統一され、上飯田線に次いで2番目に車椅子スペース設置率100%を達成した。名古屋市営地下鉄で初めて、女性専用車両が設定された路線でもある。東山線での設定は、藤が丘方面行車両の先頭から4両目(高畑方面行では先頭から3両目)である。2002年9月30日から痴漢行為等迷惑行為防止を目的として平日始発から9時までの時間帯1両を女性専用とし、翌2003年から本格的に実施された。その後、2008年6月2日からは17時 - 21時の時間帯にも設定、2015年4月からは終日設定となった。なお、女性専用車両であることを示す黄色いステッカーを車体側面に貼付し、駅では2008年6月2日の時間帯拡大時より接近放送の最後に「只今の時間、女性専用ステッカーのある車両は、女性専用となっています。」の放送がなされる。女性専用車両は、ホームドアとホーム上にもステッカーが貼られており、女性専用車両のホームドアは薄い黄色に設定されている。2015年9月1日のダイヤ変更からATOによる自動運転が開始された。なお、ATO運転は1960年 - 1962年に名古屋駅 - 栄町駅(現・栄駅)間で本格テストを行ったことがある。 名古屋市営地下鉄東山線の輸送実績を下記に表す。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。名古屋駅 - 伏見駅間に「柳橋駅(仮称)」を設置する検討がされており、2027年のリニア中央新幹線開業に合わせて新駅を開業させたいとしている。なお、「柳橋駅」は東山線建設計画時から設置計画のあった未成駅であり、駅設置予定箇所の線路部分については実際に「柳橋構造物」として工事も行われた。名古屋駅を起点に東へ0K645M地点から0K795M地点までの区間が「柳橋構造物」とされ、前後の区間が砕石道床であるのに対し、この区間は駅と同様にコンクリート道床で建設されたほか、柱の太さや間隔が前後のトンネル部とは異なるなど、準備工事の跡が見られる。図面には駅のおおよその形状や出入口となる階段の位置、駅構造体の函体断面図等が記載されているが、柳橋構造物としてどこまでの工事が行われたのか、つまり駅として使用できる空間が地下にすでに確保されているのかなどについては、公表されていない。柳橋駅設置予定場所にあたる錦通西柳公園付近は、直上に名古屋高速都心環状線名駅入口が設置されたり、名古屋市交通局の柳橋変電所が西柳公園地下に建設されたり、鉄道建設用地として確保されていた錦通自体、交通の激しい幹線道路の一つに成長するなど、東山線建設時と比較すると周囲の状況は大きく様変わりしている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。