エドワード・エルリックは、荒川弘の漫画『鋼の錬金術師』、及びそれを原作としたテレビアニメに登場する架空の人物。TVアニメ版(2003年版、2009年版共通)、劇場版(2005年版、2011年版共通)共に声優は朴璐美。ドラマCD第一弾の声優は皆川純子。実写映画のキャストは山田涼介。本作の主人公で、通称「エド」。史上最年少で国家錬金術師の資格を得た錬金術師で、「鋼」の二つ名を持つ(なお、本作の題名にもなっているこの二つ名「鋼の錬金術師」は、エドの右手と左足が機械鎧であることに由来する)。大陸暦1899年の冬生まれ。物語開始時は15歳で、単行本23巻時点では16歳。アメストリス国の東部の街・リゼンブール出身。本来右利きであるが、機械鎧にした関係で細かい動作は左手を使う。錬金術師である父の影響か、幼少時より弟アルフォンス・エルリック(アル)と共に錬金術の初歩を独学で修得、才能の片鱗を見せる。5歳の頃に母を亡くしたことから、弟と共に人体錬成によって母を生き返らせることを目標とし、9歳の頃2人の師、イズミ・カーティスの下で錬金術を学んだ後に帰郷し、11歳で人体錬成を行うが失敗。失敗の代償は大きく、エドは左足を、アルは肉体の全てを失った。更にエドはアルの魂を錬成したため、対価として右腕をも失ってしまう。深い絶望に陥ったエドであったが、マスタング中佐(当時)の勧めで国家錬金術師になる事を決意する。その後は、失った右腕と左足を機械鎧(オートメイル)と呼ばれる義手と義足で補い、12歳にして国家錬金術師の資格を取得。「覚悟を決めるため」として自らの家を焼き払い、失った手足と弟の身体を取り戻す方法(賢者の石)を探すため、アルと共に旅に出る。エドが家を焼き払ったのは、国家錬金術師資格取得後の1911年10月3日(ちなみにこの時には既に12歳になっていたため、誕生月は1月 - 3月と思われる)。なお、作品初期では失った手足について「イシュヴァール内乱で失った」とごまかしていた(人体錬成が禁忌とされている為)。主人公だけあって非常に高い人気を誇り、人気投票では毎回2位以下を大きく引き離し1位を獲得した。肉親はヴァン・ホーエンハイム(父)、トリシャ・エルリック(母)、アルフォンス・エルリック(弟)。ホーエンハイムとトリシャが事実婚である為、母方の姓を名乗っている。人体錬成によって弟の身体を失わせてしまったことに対して強い負い目を感じている。このためエド自身の最大の目的は「アルの体を取り戻す」ことであって自身が生身の体に戻ることは二の次。母トリシャへの愛情は深いが、父ホーエンハイムに対しては幼い頃に見捨てられたという思いが強いためか非常に反抗的で、父親として認めておらず、呼び捨てか“お前”呼ばわりすることが多かった。リゼンブールで再会したときにはホーエンハイムから自宅を焼いた理由を「過ちを犯した跡を見たくないからじゃないのか?」と指摘され、感情が爆発する。「約束の日」を前にカナマスラムで再会したときは会って早々に父を殴るが、父の生い立ちを聞いた後、母の遺言を伝えて半ば和解している。そして最終決戦直後、アルを取り戻すために自分の命を犠牲にしようとする彼を初めて「親父」と呼んだ。また、幼馴染としてウィンリィ・ロックベルがおり、幼少より恋心を寄せている。ウィンリィとは口喧嘩こそするが、ウィンリィにスパナで殴られても仕返しは絶対にしない。当初は自分の気持ちに対して素直になれずにいたが、物語が進むにつれて自分の気持ちに正直になり、終盤では相思相愛になっている。ウィンリィが他の男性に口説かれたりすると過剰に反応することからかなり嫉妬深いと思われる。一方でウィンリィ以外の女性にはあまり容赦せず、ロゼに対しては冷たく突き放し、メイに対しては「豆粒女」と呼び、果ては銀時計を盗んだとはいえパニーニャの頭をお仕置きと称して鋼の右手で殴った事がある(21巻のおまけ4コマではデリカシーのない発言を繰り返し、メイ・チャンに「エドワードさんって女の子にモテないでショ」ときつい言葉を言われた)。 長い金髪を三つ編みにし、金色の瞳をしている。これは父がクセルクセス人であり、クセルクセスの血が濃く出たためである。容姿は若かりし頃のホーエンハイムにそっくりで、彼をコピーした最初のホムンクルス(お父様)の「神」を手に入れた際の姿にも酷似している。右腕と左足が機械鎧。右胸には装具を固定するためのビスが埋め込まれており、終盤アルフォンスがエドの右腕を錬成した際も残った。正確な数値は設定されていないが身長は低く、強いコンプレックスを抱いている。「チビ」「豆」「みじんこ」などの単語に過敏に反応して暴れ出したり、言われた回数を事細かに記憶するなど深く根に持ったりする。頭頂から一房飛び出したアホ毛(作者曰く「アンテナ」)は、少しでも身長を大きく見せようと、わざと自分でセットしている。この「アンテナ」は感情や生命力によって立ったり立たなかったりとデフォルメされ描かれる。身長が低い理由として牛乳を飲まないことが作中で挙げられているが、加えて「門の向こう」に奪われた弟の肉体と栄養・睡眠を共有しているためではないか、という仮説が作中に登場している。また成長期から装着している機械鎧の重さが原因という説もある。ただしブリッグズからの逃亡を経てリゼンブールでウィンリィと再会した際、彼女の背を完全に抜いており、ここ一年でかなり身長が伸びたことが窺える。作者は「ホーエンハイムが大柄なのでエドも同様に成長するだろう」という趣旨の発言をしており、最終回で描かれた写真にはそれを予感させるものもある。また小説「砂礫の大地」の後書きには19歳のエドが描かれているが、この時の身長は170cmを超えている。第五研究所でのナンバー48戦以後は右の額に傷がある。その為、戦いの際によく傷口が開いたが、現在は完治している。ちなみに14巻の初回特典のラフ画集では成長した姿が描かれ、40代で頭髪の危機を感じてWAKAMEとKONBUを求めて東の国へ旅に出て、80歳の時点ではピナコ並みに縮んで頭髪も磯野波平のようになっており、88歳で天寿を全うするという設定が披露されている(作者曰く一応は本気で考えているらしい)。一般常識は弁えているが性格は粗暴でがさつ。悪ガキそのもので悪知恵に長けており、他人には容赦ない。自己中心的な性格で直情的。回想にある幼少期から既に我が儘でひねくれた性格をしている。その一方、努力家かつ人情家で正義感が強く、思いやりもあり、アルやウィンリィなど、自分の大切な人に危害を加えようとする(加えた)者に対しては激しい怒りを示し、時に報復行為に出る。大人びた態度をとり、誰に対しても高飛車に発言するが精神的には未熟。このこともあってヒューズの死は伏せられた。何かを思い立つと即座に実行に移すなど行動力はあるが、周囲に相談することなくどんどん次のステップへ進む(または失敗して問題を引き起こす)傾向がある為、周囲からはトラブルメーカーとして認識されている節がある。また嘘をつくのが下手でポーカーフェイスが出来ない。マスタングがロス少尉を殺害(実際には憲兵から保護)した際にはエドとアームストロング少佐だけは「腹芸が下手」という理由でセントラルから遠ざけられた。錬金術師としては几帳面で研究熱心。思いついたことを普段から手帳に書き留めている。(その際には旅行記風に纏められ、暗号を使って書かれている)頭脳明晰で頭の回転は速く、洞察力が鋭い。また探究心が強く、一度調べ物を始めると時間が経つのも忘れて没頭するなど集中力も高い。資料を正確に理解・分析する力に長け、かつそこから導き出した答えを発展させる応用力もあるなど、思考力に優れ、またその思考は非常に柔軟であるが、非科学的なものは信じないリアリストでもある。「フラメルの十字架」を背負った赤いコートがトレードマーク。第85話では赤い布を買って自身で錬成するなど愛着を窺わせる。(赤は血がたぎると語ってもいる)ごつい角や牙といったゴテゴテして攻撃的なデザインを好む独特のセンスを持ち、錬成物のディテールにもそのセンスが反映されている。本人は気に入っているが総じて不評。また似顔絵のイメージも常人離れしているが、本人は「特徴を捉えればそれでいい」と思っている。弟同様に動物好きであるが、アレキサンダーやブラックハヤテ号に押し倒されたり、シャオメイに噛まれたりと何故か動物から酷い目に遭わされる事が多い。嫌いなものとしてはロイ・マスタングと牛乳を挙げている。だが牛乳を使う料理でシチューは好き(トリシャの得意料理だった)。基本的に誰とでも仲良く出来るアルフォンスと異なり人物の好悪が激しく、マスタングに加え、傷の男(スカー)、メイ、エンヴィー、キンブリー、ホーエンハイムのことは嫌っている。また、バッカニアとは反りが合わない。錬金術師として超一流の能力を有しており、真理の扉からの帰還や特定人物の魂の錬成、史上最年少での国家錬金術師資格取得などがそれを証明している。また真理の扉を見ているため、錬成陣を書かずに錬金術を発動でき、師のイズミと同様に「手合わせ錬成」が可能。加えて古の錬金術(クセルクセス遺跡にあった錬金術の暗号)も数十分で理解してしまう。師のイズミに全てを打ち明けた際に「天才ってやつかねぇ」と評されたが、エドにしては珍しく謙遜して否定している。作中の登場人物の中で真理の扉を利用した回数が最も多く、劇中二度「自分自身の肉体を錬成する」という離れ業で危機を脱している。最終的に真理の扉の本質さえも理解するに到った。子供の頃から絵本代わりに錬金術書を読んで育った為、錬金術に対する思索が非常に優れ、錬金術の原則とされる「等価交換の原則」に関しては人生の常識と化している面がある(どんなことも等価交換に置き換えてしまう傾向があり、オリヴィエから「クソくらえだ。そんな法則ぶち破ってしまえばいい」と酷評されたこともあるが、かつてダブリスでグリードに取引を持ちかけられた際はそれを拒否し、自分の総取りを主張したこともある)。特定分野に偏りがちな他の錬金術師と比べて広範囲に及ぶ知識・技術を持っており、中でも金属系の錬金術を得意とする。イズミから錬金術と同時に格闘術を習っており、戦闘では錬金術と格闘術を駆使し、臨機応変に戦う。戦闘に際しては地表で錬成した槍もしくは右手の機械鎧をパタのような刃物に錬成して武器とする(ただし、後者はウィンリィの前でやるとスパナでぶん殴られる)。戦いの最中に閃いたことを即実践する。スカーとの死闘の最中に人体破壊と無機物破壊の違いを咄嗟に見分けて窮地を乗り切ったり、グリード(初期)との戦いで「最強の盾」の正体が炭素硬化だと見破って形成を逆転させたりといった具合。またブリッグズ山を訪れて以降、炭素繊維を含む合成繊維を使用する事で軽量性・柔軟性・耐寒性に特化した、寒冷地用機械鎧へと換装したことにより、打撃力や強度と引き換えに傷の男を上回る程の敏捷性を得た事に加え、炭素繊維を表面に集中させた上でその結合度を上げる事により、グリードの「最強の盾」同様の炭素硬化による防御力上昇も可能となった。4年に渡る旅と、ホムンクルスとの戦いの末、賢者の石が生きた人間を材料としていることを知り、自分たちのおこがましさを自覚して賢者の石に頼ることを諦める(以降、賢者の石を見せられても欲しがったり自分から使おうとすることは二度となかった)。その後、アルの肉体の居場所を知り、賢者の石を使わずに元の身体に戻ることを模索する。同時に「お父様」の目的を知り、マスタングやオリヴィエなど軍の一部、そして傷の男らと協力関係を結ぶ。「約束の日」では仲間と共に「お父様」の計画阻止のために戦う。決戦の最中に機械鎧の右腕を完全に破壊されピンチに陥るが、アルが自身の魂を代価に生身の右腕を再錬成、そこから「お父様」を圧倒、勝利に至る。長い旅と戦いの果てに、最終的には「真理の扉」とその向こうの情報こそが、全ての錬金術の代価となり得るという真理に到達。戦いの直後に行った「最後の錬成」に於いて自分の真理の扉(=錬金術そのもの)を代価として支払った事で、真理に存在全てを持って行かれたアルフォンスを再び連れ戻す権利を得た。通常は自分の扉を失った時点で現実空間には戻れなくなるが、エドの場合はアルと精神が混線していた事により、アルの扉を通って現実空間に戻る事ができた。左足は自戒の意味と、ウィンリィへの配慮としてあえて取り戻していない。最後の戦いから2年後、ニーナのような悲劇を繰り返さない為、西の国々の様々な学問や知識を得る為に、再び旅に出ることを決意。旅立つ前に不器用ながらもウィンリィにプロポーズした。その後帰国してウィンリィと結婚。二児の父親となっている。ちなみに上の子供はエド似の男の子、下の子供はウィンリィ似の女の子である。エドワードが最終的に錬金術を喪失するという結末について作者は、朝日新聞のインタビューに対し「主人公が得たものは何かから考えていったとき、要らないものがあることに気付いた」「主人公のアイデンティティーと呼べるものでした。存在意義を代価にしたということです」 とコメントしている。アニメ2003年版では母親を亡くした年齢が10歳であり、家を焼いたのは国家錬金術師資格取得前である1910年10月3日。原作では身長に明確な数値設定はないが、アニメ2003年版では身長は154 - 156cmほどである。最終的に長身へと成長した原作とは異なり、こちらでは多少は伸びたもののやはり低身長と言われる程度に収まった。また、原作以上にバリエーションに富んだ錬金術の使用が可能で、「FULLMETAL ALCHEMIST」に登場したアイザックのような氷系の錬金術を使用したり、機械鎧を別の種類の金属に錬成可能(本作ではその能力を用いて、スカーの分解錬金術を防いだり、機械鎧をサブマシンガンや傘に錬成したりした)。アニメ2003年版のエドは11歳から12歳にかけて、戦いの中で殺人を犯してしまう、ウィンリィと共にバリー・ザ・チョッパーに襲われる、ニーナとアレキサンダーで錬成されたキメラの惨殺死体を目の当たりにするなど、いくつものトラウマを抱え、情緒不安定な精神になっていた。それ故に原作のエドからはとても想像できない言動が多い。カッとなって八つ当たりでアルに食器や動物の飼料などを投げつけたり蹴りを入れたり、身長のことをからかった一般人を殴りつけたり、ウィンリィと同じく賛否両論が分かれる改変をされていた。原作のエドは幼少期以外では涙を見せたのは一度だけだが、アニメ2003年版のエドは辛い経験をするたびによく号泣している。また、原作ほどマスタングたち軍人らと交流はないものの、子供として守らなければならない存在と認識されている。そのため、軍部の人間たちが原作と比べるとエドたちを保護しようとしている側面が強く、しばしば反発はするものの、恩人である軍部の人間に対して敬礼をする、頭を下げるなど礼儀正しさを覗かせる。軍自体に不信感を抱かせる出来事に出くわすことが多かったため、連続殺人鬼であるスカーを捕まえる機会がありながらも敢えて逃がしたりと、軍自体へ反抗的な態度を取ったこともある。但し、終盤では自らを心配し、保護しに来たマスタングたちに大総統がホムンクルスであると告げ、信頼関係が芽生えていることが分かる。原作のエドに比べると精神的な弱さが目立つが、その分弟への愛情は深く、何を差し置いても弟を優先するように動く優しい兄という描写がされている。監督らが当初から掲げていた少年たちの心の成長という面で自分たち以外にも沢山の人間が居て、最終的には弟を元の体に戻すことを最優先にするものの、自分たち以外の人間を信用する、自分たちの都合で傷つけてはならないと考えるなど心の成長が見られる。物語終盤、苦心の末に賢者の石を手に入れるが、それはアルの鎧、つまりアルそのものであった。その後、賢者の石を狙うホムンクルスから逃げ延びたが、アルはエンヴィーによってダンテの地下都市にさらわれてしまう。エドはアルを救出するため地下都市に向かいエンヴィーと交戦。ホーエンハイムとそっくりな本来の姿を見せられたエドはエンヴィーを攻撃できず、隙をつかれて心臓を刺され死亡する。しかしアルが賢者の石である自身を代価にエドを生き返らせる。結果アルは消滅するが、エドは自身と自分達の旅してきた4年間の記憶を代価にアルを錬成し、アルは10歳の肉体で人体錬成を行った以後の記憶を全て失くした状態で蘇る。エドは代価としてパラレルワールドのドイツに飛んでいったが、元の世界に戻る方法としてロケット工学を学ぶ。 OVA「鋼の錬金術師 PREMIUM COLLECTION」内「SHORT COLLECTION 子供篇」では劇場版後の話が描かれており、2005年には100歳を迎えた。長髪に髭の生えた、原作に登場する「お父様」に似た姿で描かれている(「お父様」がホーエンハイムの血で誕生したホムンクルスであるため)。日本に移住し、曾孫達に誕生日を祝ってもらっている様子が描かれている。曾孫達の中にウィンリィ似の少女がおり、エドの事を「曾じいちゃん」と呼んでいる。
出典:wikipedia
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