システムエンジニア(SE)は情報システムの構築に携わるITエンジニアといったような意味の語である。システムとは「相互に影響を及ぼしあう要素から構成される系、体系、機構」といったような意味だが(参考までに、JIS Z 8115 では、「所定の任務を達成するために、選定され、配列され、互いに連係して動作する一連のアイテム(ハードウェア、ソフトウェア、人間要素)の組合せ。」と定義している)、システムエンジニアが対象とする「システム」はもっぱら情報システムであり、社会システムや金融システムではなく、本来、語として対応してしかるべき「システム工学」の内容とも(現実には)一致しないことからも類推できるが、「システムエンジニア」は和製英語で、諸処において不明瞭である。日本で言う「システムエンジニア」「SE」は和製英語と考えられ、国際的に通じる言葉ではない。英語圏にもSystems Engineerと呼ばれる職務があるものの、これは文字通りシステム工学(Systems engineering; システムズ・エンジニアリング)にかかわる技術者を指すものであり、日本で「SE」と呼ばれる人々とは一般的に重ならない。言い換え表現として、ソフトウェアエンジニア、ソフトウェア開発者、プログラマー、ハードウェア技術者などが挙げられる。また契約の形態を表す語として「システムエンジニアリングサービス契約」というものがある。システムエンジニアリングという用語が初めて規格として登場したのは、1969年7月17日米国防省が定めたMIL-STD-499(米空軍)である。これは、請負業者に向けた国防省の省令であった。当時、軍需部門では一人あるいは少数によるプログラミングやコンピューターシステム開発が不可能な分量になりつつあり、技術者を数十人~数百人、場合によっては数千人も動員するようなプロジェクトにおいては、プログラム設計等の書類化は意思伝達の上からも必須であった。この規格は、システムエンジニアリングマネジメント計画やスケジュール管理およびパフォーマンス測定方法やプログラムのリスク分析、作業許可およびその変更、テスト方法、不慮の事態への対応や、開発後の保守性、緊急修正時のコストや時間、プログラムの視認性(トレース)さらには責任区分や契約関連等も含めたシステム工学に基づく厳密なものだった。軍需産業を請け負う企業から徐々に広まり、民需においても一人あるいは少数開発が難しい大規模システムに、この考え方が広まっていく。1990年頃より、その米国企業から伝播する形で、日本の企業でもシステムエンジニアという肩書きが現れ始めた。元来の意味としては、MIL-STD-499(あるいは、その後継規格)あるいは、その元となったシステム工学に準じたシステム開発を指していたものの、日本に自然伝播する間に、規格や基準なく「システムエンジニア」という名称のみが伝播してしまった為に、日本企業におけるその使用意味は不明確となった。なお、コンピュータの学会Association for Computing Machinery(ACM)がまとめている「コンピュータに関する学位とキャリアについての報告」において「SE」と略されているのはSoftware Engineeringであり、文科省と国立情報学研究所によって進められている技術者教育プログラム「トップエスイー」の「SE」はSoftware Engineersの略とされている。日本では通常、コンピューターシステムやコンピューターソフトウェアの設計等に携わる技術者という意味で使用されており、プログラムの設計図とも言える「仕様書」の作成に携わる人を指す場合が多い。経済産業省の統計では「ソフトウェア業務従事者」の分類として、「システムエンジニア」や「プログラマ」等を使用している。日本においては、プログラムの設計図たる仕様書の作成者として使われる例が多いものの、プログラムの上位に居て、管理する「プロジェクトマネージャー」として存在する例もある。また、技術営業として存在する例もある。実際には、1,2,3いずれかを兼任、あるいはすべて兼任する場合があるが、システムエンジニアという言葉の意味を明確に定義するものは存在せず、その職務範囲は企業や団体によってまちまちである。そのため、上記以外にも使用例としては少ないものの様々な用法があると推察されるが、おおまかには、情報システムまたはソフトウェア開発の要求定義、設計、開発、運用などや、それらを統括管理するプロジェクトマネジメントなどに従事する者がシステムエンジニアと呼ばれる傾向がある。また企業によっては、比較的単純なプログラミングが中心の「プログラマ」よりも上位で、高度な設計を行う「アーキテクト」よりは下位の職位をあらわす名称として使っている。システムエンジニアが担当する主な作業は、ソフトウェア開発工程の中では、要求定義・見積もり・設計・ソフトウェアテスト・システム移行・保守・運用管理などがある。情報工学(計算機科学、ソフトウェア工学、システム工学、etc.)の知識・経験の他、コンサルタント、プロジェクト管理、ITサービスマネジメントなどの知識・経験が求められる場合もある。コンピュータやソフトウェアに関する知識だけでなく、他方では、ユーザーのニーズをつかむ能力、顧客の業務・業界に関する知識、プロジェクトマネジメントや品質管理の技術、業界標準やベストプラクティスの知識、各ステークホルダーとの交渉能力、なども求められる場合がある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。