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李さん一家

李さん一家(りさんいっか)は『ガロ』1967年6月号に掲載されたつげ義春の短編漫画。『ねじ式』、『紅い花』、『ゲンセンカン主人』、『無能の人』等と共に短編の多いつげの代表作。最後の唐突な終り方と李さんの飄々とした台詞、主人公でありながら李さん一家とはどことなく距離を置いた語り口などユニークな作風は、他の作家をも刺激するらしく、数多くの漫画家が作品の中で模倣していることで知られる。ある日突然、郊外の一軒家の主人公の家の二階に在日朝鮮人と思われる李さん一家が住み着いてしまったことに派生する日常的な事件の描写である。『ねじ式』、『ゲンセンカン主人』のようなシュールなストーリー展開や、『無能の人』シリーズに見られる主観性や暗さもなく、どこか覚めた目で自分自身に起こる事件の描写が淡々と綴られてゆく。そのユーモラスな展開と、ラストシーンの唐突な終わり方によって、読者が受ける虚空に投げ出されたような空虚感が特に印象的である。『李さん一家』発表からわずか3ヶ月後、漫画家のつりたくにこは『ガロ』1967年9月号に『続・李さん一家 それから』と題したパロディ作品を「つぎ宛春」の名義で発表している。この作品では主人公の家の二階に住んでいた李さん一家が一階に越してくるなど続編を意識した内容となっている。一方、つげは1970年に双葉社の『現代コミック』創刊号に続編の『蟹』を掲載している。続編として新たに構想されたものではなく、雑誌の創刊が急に決まったために、『李さん一家』構想段階で使用しなかったアイディアを漫画化したものと作者は語っている。突然主人公の家の縁の下に蟹が住みついたことがもたらす小さな騒動を、前作以上に淡々とした日常の中に描いている。前作ではわけのわからない闖入者として描かれていた李さんが、こちらでは蟹の生態に関して独特の理論を展開して主人公を唸らせるという、すっかり主人公の生活の師と化しているところに、両作品の間に『紅い花』や『ねじ式』を通過した作者の境地が垣間見られるようにも思われる。実際、この直後に描かれた『やなぎ屋主人』以降、作者は夢と不安と自己否定の方向へと進むことになり、そういう意味でも『李さん一家』の続編として描かれた『蟹』は、井伏鱒二の文学や旅から影響を受けたユーモラスな作風に別れを告げる作品といえる。

出典:wikipedia

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