macOS(マックオーエス)、OS X(オーエス テン)、Mac OS X(マック オーエス テン)は、アップルが開発・販売する、Macのオペレーティングシステムである。技術的に直系ではないが、Classic Mac OS (Mac OS、System)の後継として、新たにBSD系UNIXをベースに開発され、「Mac OS X」の名称で2001年に最初の製品版が発売された。2012年にリリースされたOS X Mountain Lionより正式名称から「Mac」が外され、「OS X」と称した。さらに、2016年にリリースされたmacOS Sierraより、iOSなどアップルの他のOSの名前との親和性を図るため、「OS X」から「macOS」へと改称された。NeXT の OPENSTEP の技術をベースに開発された Macintosh 専用オペレーティングシステムである。オープンソースのオペレーティングシステム「Darwin」をベースとし、POSIX に準拠した UNIX である。旧来の Mac OS に比べて非常に安定しており、オープンな標準規格の採用を基本としている。Aqua と呼ばれる独自のユーザインタフェースで構築されたウィンドウシステムを搭載し、Mac OS の特徴である直感的かつ柔軟な操作を実現している。開かれているオープンソースの強みと、 Macintosh が初めから持っていた「閉じていること」(ハードウェアとの密接な統合)の強みを併せ持ち、一貫したデザイン、操作方法が統一された「GUI」、UNIX の利便性、堅固さが共存している特徴がある。UNIX ベースとなり、比較的容易な移植で BSD や Linux など他の UNIX 系オペレーティングシステムで開発されたソフトウェア資産を、Aqua インタフェース上で使うことができるようになった。Aqua との統一感のある外観を持つ X.org ベースの X Window System「X11」(XQuartz) をインストール時に選択して導入できる(10.5からはX11が標準でインストールされる)。X11 が Aqua 上で動作することにより、X11上の操作が必ず Aqua を経由することとなり、互換性のないアプリケーション間のコピーアンドペーストのような、純粋なX11ではサポートされていない動作が可能である。付属アプリケーションが充実しており、日本語フォントとしてヒラギノフォントが3種6書体付属している。Mac OS X v10.5 には、小学館の国語および英和・和英辞典が標準で付属している。また OS X v10.8 では Oxford Dictionary of English やウィズダム英和・和英、スーパー大辞林など12種類の辞書が装備されている。OS X そのものの機能ではないが、標準でインストールされるオープンソースソフトウェア「Samba」の機能で、Windows ネットワーク環境でのファイル共有やドメイン参加など、Windows 機との共存が可能となっている(以前はサードパーティ製ソフトが必要であった)。Mac OS X v10.7 Lion では、Samba の代わりに FreeBSD 由来の smbfs を利用するようになった。Mac OS X v10.4 までは Classic 環境と呼ばれる Mac OS 互換機能を持っていた。Mac OS 9.2.2 を一種の仮想マシンとして動作させるもので、Mac OS アプリケーションは旧バージョンのプラチナアピアランスで動作した。68K・PowerPC の別を問わず、旧来のアプリケーションの多くを Mac OS X 上で動作させることができ互換性は高いが、完全な互換性があるわけではなく、オーディオ関係のアプリケーションなど特にリアルタイム性が求められるものについては、メーカーがサポートしていない場合がある。なお、Mac OS X v10.5 およびインテル版の Mac OS X v10.4 からこの機能はなくなった。2005年の Worldwide Developers Conference で PowerPC に代わりインテル製 CPU の採用が発表されたが、Mac OS X は開発当初より CPU に依存しない抽象化を示すために x86 版との並行開発をしており、すべてのバージョンの Mac OS X でインテル版が存在していたという。これは、Mac OS X の前身である Rhapsody が当初より PowerPC 版とインテル製 CPU 版が計画されており、BlueBox(Classic環境の前身)は、PowerPC 版でしか採用しないと発表しており、8年かけて計画を完遂させたと言えなくもない。次世代オペレーティングシステムとして計画されていた Coplandプロジェクトが挫折に終わり(1996年当時CTOのエレン・ハンコックが中止とした)、アップルは完全な自社開発をあきらめ、他社の技術を導入することに決定した。一時はBeOSやSolaris、Windows NTさえ検討対象にあがり交渉が行われた。外部では BeOSが最有力と見られたが、最終的にはスティーブ・ジョブズが創業しCEOを務めていたNeXT社を買収してそのオペレーティングシステムOPENSTEPをもとにMac OSの使い勝手を導入したオペレーティングシステム(コードネーム Rhapsody)を開発することとなった。開発を主導したのは元NeXTのアビー・テバニアンソフトウェア担当上級副社長。Rhapsodyの機能を生かすには、Cocoaの前身であるYellow Box(OPENSTEP のAPI)でプログラムを一から書き直さなければならなかったので、従来からの開発者の支持を得ることができなかった。そのため、従来の MacintoshのAPIであるToolboxをベースにCarbonを開発し、これをNeXT由来の技術と統合した「Mac OS X」への移行が宣言される。Rhapsodyを元にサーバ向けのMac OS X Server 1.0としてリリースされた後、Mac OS Xがリリースされた。2001年にリリースされたMac OS Xは、Mac OSともOPENSTEPとも異なる新たなインタフェース「Aqua」をまとって登場。従来のMac OSとは全く異なる、堅牢なマルチタスクのオペレーティングシステムで、Coplandプロジェクトが目指していたものを遥かに超えるものを実現した。初期の版では動作の遅さが指摘されたが、改版ごとにオペレーティングシステム内部の最適化が進み、Quartz Extremeなどの新技術により解決された。10.8までのコードネームはネコ科の動物に由来している。10.9以降はカリフォルニア州の地名からコードネームがとられている。2000年9月13日(日本では同年10月21日)、アップルは Mac OS X Public Beta をリリースした。Aqua インタフェースの美しい見た目が、Macintosh の利用者に衝撃を与えたが、 使い勝手が大きく変化したことについては、戸惑いの声があがった。2001年3月24日、アップル社は Mac OS X v10.0 を発売した。従来の Mac OS と比較すると劇的に安定性が向上しており、パブリック・ベータからさらに改良されていたが、当初はDVD再生機能などがなく、対応機器も限られており速度も非常に遅く、まだ完成度は低かった。Mac OS 9 と切り替えて使うなど、メインのオペレーティングシステムとして日常的に使う利用者は少なかった。2001年9月25日、Mac OS X v10.1 がリリースされ、10.0のユーザへの無償更新サービスが行われた。10.0 に欠けていた多くの機能が追加され、システムの性能が向上、実用的に使える初めての版といわれる。ユーザインタフェースにも手直しがなされ、変換精度が大幅に向上したことえり 3 を搭載。Microsoft、Adobe などから対応ソフトがリリースされた。2002年8月24日、Mac OS X v10.2 が発売された。日本では商標の問題で Jaguar は製品名には付けられなかった。スプリングローデッドフォルダ機能が復活するなど、Finder の使い勝手に改良が施される。動作速度が上がり対応機器が増えて、Mac OS X を業務用途で利用する利用者にも受け入れられるようになったほか、UNIX 利用者の間でも Mac OS X を愛用する人が増えた。ビデオチップの幾何演算ユニットを使って CPU の負荷を軽減する「Quartz Extreme」、ネットワーク機能「Rendezvous」(現・Bonjour)、手書き文字認識「Inkwell」などの新機能を実装。10.2.3 版よりジャーナリングファイルシステムが実装された。2003年からはウェブブラウザとして Safari が登場し、Mac OS 9 が起動しない Mac OS X のみをサポートする Macintosh が販売されるようになった。ファイアウォール機能が標準で付属し、IPsec・IPv6 にデフォルトで対応したのもこの版である。2003年10月24日に Mac OS X v10.3 Panther が発売された。標準で USB ポートを備えたマシン以外のサポートを打ち切り、初代 iMac 以降の機種への対応となった。日本での発売イベントはアップルストア銀座ができる前だった事もあり、アップルコンピュータ株式会社があった東京オペラシティ1階広場ガレリアで行われた。ゲストにミュージシャンの石井竜也氏が招かれ、原田泳幸社長(当時)に「次はライオンですか?」と質問し予言的名言を残している。開発者向けにはコントローラレイヤ「Cocoa Binding」が導入された。システムの安定性がさらに向上したほか、処理速度も向上し、低クロックのG3マシンでも比較的快適に動作する。Finder は iTunes のインタフェースを取り入れた2ペイン形式での表示も可能になり、フォルダに色を付けるラベル機能も復活した(アイコンではなく名前の色付けになった)。また、ウィンドウ一覧表示機能「Exposé」、ホームフォルダの暗号化機能「FileVault」が追加され、ことえりがバージョン4になり予測変換などの機能が追加された。Mac OS X でも大手印刷会社への入稿受け入れが整ったため、遅れていたデザイン、出版分野への導入が徐々に進み始める。またライセンス使用料の追加がないクライアント無制限の「Mac OS X Server」搭載の 1U サーバ「Xserve」と NetBoot が評価され、東京大学、東京女子大学に大量導入された。2005年4月29日、Mac OS X v10.4 Tiger が発売された。この版からメディアがDVD-ROMの1枚になった。動作環境を IEEE1394ポートを標準搭載した Macintosh とされ、初期の iMac(トレイローディングの機種)ならびに初期の iBook(クラムシェル〈帆立貝に似た形〉の一部)は対応外となった。新規にリアルタイムイメージングインタフェース「Core Image」および「Core Video」、64ビットオーディオインタフェース「Core Audio」、モデルレイヤ「Core Data」が導入された。さらに launchd が従来の init などのUNIX デーモン群を置き換え、カーネル・プログラミング・インタフェース (KPI) や UTI が実装されるなどシステム内部が大きく刷新されたが、以前のバージョンとの互換性は概ね維持されている。システムに統合されたメタデータ検索機能「Spotlight」、WebKit ベースのアプリケーション実行環境「Dashboard」のほか、200 以上の新機能を搭載した。仮想メモリの暗号化まで含めたセキュリティ機能の充実により、あおぞら銀行が2006年にかけて2,500台という規模で Tiger 搭載 iMac G5 の導入を決めている。WWDC 2005 において OS は Tiger のまま2006年より Macintosh のCPUをインテル社製に移行することが発表され、2006年以降の新製品には、インテル対応版 Mac OS X が搭載された。なお、インテル対応版 Mac OS X Tiger は単体で販売されておらず、またインテル CPU を乗せた Macintosh では Classic 環境を利用することができない。Mac OS X v10.5 Leopard(レパード)は、発表当初は2007年春のリリースを目指して開発されていたが、2007年4月12日(現地時間)に、6月発売の iPhone プロジェクトへ一時的に開発リソースを集中させる目的でリリース延期が表明され、2007年10月26日に発売された。この版から Universal Binary となり、メディアが2層DVD-ROMの1枚になった。2006年8月7日 Worldwide Developers Conference にて機能の一部が発表されている。64bitに対応した Cocoa、容易なプログラミングでアニメーションを実現する「Core Animation」、Core Data 2.0、解像度非依存のユーザインタフェース、仮想デスクトップ環境「Spaces」、バックアップツール「Time Machine」、Windows XP または Windows Vista とのデュアルブート環境を実現する「Boot Camp」、改良強化された Spotlight、Dashboard ウィジェットを容易に作成できる Dashcode など多数の機能が搭載される。2007年6月11日 、WWDC の基調講演で、新しい Finder と Dock、Quick Look が披露された。JIS X 0213:2004 対応フォント搭載。Tiger までは搭載されていたレガシーな機能が排除されたのも特徴であり、Classic 環境が利用できなくなった。なお、UNIX の商標を管理する団体である「The Open Group」より「Single UNIX Specification」の認証を受けた、正式な UNIX となった。2009年8月28日に発売。この版からインテル社製プロセッサを搭載した Macintosh 専用となり、PowerPC プロセッサを搭載した Macintosh では使用できなくなった。2008年6月9日(現地時間午前)に開催された WWDC 2008 での基調講演にて開発が発表され、2009年6月8日に開催されたWWDC2009で詳細と発売予定時期があらためて発表された。主にパフォーマンスと安定性に注力し、オペレーティングシステム全体が大幅に小さくなった。Dock と Exposé の機能が拡張され、Microsoft Exchange 2007を標準でサポート。Finder と QuickTime (QuickTime X) が Cocoa ベースに作り直されたほか、ほとんどのシステム付属アプリケーションが64ビット化、Grand Central Dispatch (GCD) と OpenCL により並行演算機能が大幅に強化された。2010年10月21日に発表。正式名称は Mac OS X Lion であったものの、マーケティング上においては Mac の名称を外して OS X Lion と呼称された。Exposé・Dashboard・Spaces の各機能に統合されたアクセスを提供する Mission Control を搭載するほか、ソフトウェア販売サービス Mac App Store やフルスクリーンのウィンドウ表示、アプリケーションランチャ LaunchPad など iOSに由来する機能を搭載。Mac OS X v10.5 Leopard 以来の大幅な機能とインタフェースの刷新が施された。2011年2月24日には、公式サイトにさらなる新機能の説明が追加された。LaunchPad や Airdrop などを含む250を越える新機能を追加し、64ビット・マルチコア CPU(Intel Core 2 Duo 以降)のみをサポートする。7月20日に Mac App Store でダウンロード販売を開始した。8月17日には、USBメモリ版も発売された。この版は2012年2月16日に発表され、デベロッパプレビューも同時に公開。この版から正式名称も OS X となり、7月25日に Mac App Store でダウンロード販売を開始した。100以上の新機能が追加され、メッセージングサービス iMessage、リマインダー、通知センター、メモ、Game Center など、iOS 5で提供されたアプリケーションや新機能が Macintosh でも利用可能となった。Mac OS X Lion に引き続き、iOSに由来する機能が搭載された。Mountain Lion とは Puma、Cougar の別名である。2013年6月10日に開催されたWWDC 2013で発表され、デベロッパプレビューも同時に公開された。200以上の新機能が追加され、一般向けには2013年10月22日にリリースされた。また、このバージョンから無償となった。Finderにタブ機能が追加され、iOSで提供されているマップやiBooksが搭載される。このバージョンからコードネームがカリフォルニア州の地名になった。Mavericksとはカリフォルニア州の海岸の名前である。2014年6月2日のWWDCで発表、同年10月17日にリリースされた。iOS 7で刷新されたデザインを採用しつつ、Finderやマルチタスクなど、デスクトップOSとしての機能がさらに洗練された。10.5以降に採用された3D Dockは廃止され、その結果としてGUIの雰囲気は10.4以前のGUIに似ている。2015年6月9日のWWDC 2015の基調講演で発表、同年9月30日にリリースされた。Macのエクスペリエンスの洗練とパフォーマンスの向上、セキュリティ対策強化、フルスクリーンでアプリを同時に2つ表示できるスクリーンスプリット機能、システムフォントの追加など。Spotlightがより口語的な検索に対しても結果を示すようになる。ライブ変換機能の追加でよりスムーズな入力が出来るようになる。2016年6月13日のWWDC 2016の基調講演で発表、同年9月20日にリリースされた。Siriの導入や、iOSやwatchOSとのより多くの連携機能の導入が進む。また、本バージョンよりiOSやwatchOS、tvOSなどのアップルのOSとの名前の親和性を図るために従来のOS XからmacOSへ名称が変更された。2010年10月21日の iLife'11 と Mac OS X Lion と新型 Mac Book Air を発表した催事「Back to the Mac」の際、同時に発表された。翌年、2011年1月6日に開店した。開店と同時に1000本ものアプリケーションが公開され、購入可能となった。iPhone や iPad と同じようにアプリケーションを購入することができる。購入したアプリケーションは Dock に収納される仕組みとなっている。インストール画面はなく、購入ボタンをクリックするとすぐにインストールが始まり、数秒で完了する。また、その中にはアップル社が提供している iPhoto や iMovie など iLife に収録されているアプリケーションや Pages など iWork に収録されているアプリケーションも単体で購入できるようになっている。その他にも Macintosh のデザインにあわせて開発されたTwitter 公式アプリケーションなども無料で購入可能。また、購入の際には Apple ID が必要となる。そのため、iTunesカードなどのプリペイドカードでも購入が可能。Mac App Store へアプリケーションを登録し販売するには、Mac Developer Program に加入している必要がある。Mac App Store を利用するには、Mac OS X v10.6.6 以降が必要である。以前の Mac OS においては、各言語を扱うために必要なフォント・入力メソッド・スクリプト書類などをセットにした「Language Kit」が用意された。System(漢字Talk)7.1から Mac OS 8.6 までの時期には個別にパッケージ販売され、Mac OS 9 ではすべての版で標準添付となり、必要な場合カスタムインストールする形をとった。これに対して Mac OS X では、サポートする言語の入力・表示に必要なコンポーネントをすべて標準でインストールした上で、優先順位を切り替えて任意の言語環境で使うことができる多言語インタフェースのOSになった。Mac OS X v10.5では 18 種の言語環境が内包されている。そのため販売されているメディア(DVD-ROMやダウンロード販売)の内容は全世界共通である。従って、日本国外で購入した OS X パッケージや Macintosh 本体でも、日本で発売されているものと全く同様の環境に仕立てることが可能である。字体としては20,000個ものグリフ以上を扱うことができ、日本語については、グリフセット Adobe-Japan 1-6 に対応した OpenType Pro N フォントを備えているため、などの正確な表記もそのまま表示・入力できるようになった。ただしすべてのグリフを扱うにはアプリケーション側の対応が必要である。入力メソッドはシステム言語の文字に加えてタイ文字、デーヴァナーガリー文字、アラビア文字、ヘブライ文字など多数用意されている。v10.3 からはことえりがアイヌ語を表記するための特殊な仮名文字に対応している。またファイルやフォルダ(ディレクトリ階層)にもシステムが対応している任意の言語で名前をつけることが可能で、複数言語の混在もできる。v10.7 からは、絵文字にも対応し、他の文字と同じように扱う事ができるようになった。Mac OS X / OS X に搭載されている Java 実行環境 のバージョン、及びオラクルから直接提供されるバージョンの対応状況を記す。
出典:wikipedia
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