古典落語(こてんらくご)とは、落語の演目のうち、一般に江戸時代から明治時代・大正時代にかけて作られたものを指すことが多い。それよりも新しい時代に作られた演目は、「新作落語」と呼んで区別される。なお、「創作落語」は関西の落語家たちによる造語である。古典落語は江戸時代以降、主として江戸や上方の都市に住む庶民に親しまれてきた笑いの伝統芸能であり、笑いのなかで独自の世界を作り上げる話芸には高度の芸術的表現力が必要である。落語は、江戸時代、軽めの講談、辻咄(辻芸)として京都の露の五郎兵衛らによってはじめられたといわれる。当初は短い小話中心であったが、寄席芸能として三都に定着するにつれ次第に長くなり、幕末から明治にかけてほぼ今のようなスタイルになったといわれている。土地柄を反映して、あっさりとした味わいの江戸落語、派手で賑やかな上方落語とそれぞれに際だった特徴を有する。このような古典落語は、明治になって三遊亭圓朝によって大成され、都市化、筆記化とともに大衆文化として花開いた。この時代の頃までに骨格の出来上がった演目が、通常は古典落語と呼ばれている。要するに「古典落語」とは、現代からみて「古典的なネタ(演目)」のことであり、落語演目のうち「新作落語(あるいは創作落語)」でないものを称する。これについて、第二次世界大戦後、新作落語を多く手がけた5代目古今亭今輔はしばしば「古典落語も、できたときは新作でした」と述べている。これに対し、古典落語の多くは落語が生まれる以前の中国や日本の説話や伝承などから生まれたものであることに着目し、「古典落語の多くは、生まれた時から古典だった」とする見解もある。上述のとおり、基本的には江戸時代から明治・大正期につくられた作品を通常は「古典」と称するが、昭和初期の作品でも漫画「のらくろ」の作者田河水泡の手による「猫と金魚」や今村信雄の「試し酒」などはすでに古典と呼びうるほどに多くの演者によって演じられてきた演目であり、古典と新作(創作)を厳密に分けることは難しい。古典落語は長い間、庶民にとって身近な娯楽であり、大戦後は、ラジオ寄席、TV放映などを通して人気を維持したが、大衆レベルでの古典文化の喪失、名人と呼ばれた師匠が相次いで物故したこと、後継者のレベル低下、娯楽の多様化などから、人気の衰えた一時期をむかえた。そうしたなかにあって、1995年(平成7年)、5代目柳家小さん(本名:小林盛夫)が落語家として初の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、翌年には、上方の3代目桂米朝(本名:中川清)が人間国宝に認定された。また、2005年の『タイガー&ドラゴン』や2007年の『ちりとてちん』という古典落語を題材とした連続ドラマ(NHK連続テレビ小説ちりとてちん)の放送が、若い世代が落語を知る機会となり、新しいファンも増えてきている。古典の演目の場合、噺そのものについて著作権が問題になることはほとんどない。しかしながら、プロの落語家にあっては、高座にかけるためには稽古をつけてくれた人からの許可が必要であり、ひとりで勝手に聞き覚えたものを高座にかけてはならないという不文律があり、そのようなかたちで古典落語が継承されてきたのである。古典落語の演目は、その内容から、落とし噺と人情噺とに大別される。さらに落ちによって分類する方法もある。また、上方と江戸で別々に発展したため、以下のように東西によって落語の題名が違ったり、片方にしかない演目がある。落ちの種類についての詳細は、「落ち」の項を参照のこと。
出典:wikipedia
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