立山黒部アルペンルート(たてやまくろべアルペンルート)は、富山県中新川郡立山町の立山駅(富山地方鉄道)と、長野県大町市の扇沢駅(関電トンネルトロリーバス)とを結ぶ交通路であり、国際的にも大規模な山岳観光ルートである。1971年(昭和46年)6月1日全通。なお、富山地方鉄道の電鉄富山駅からJR東日本大糸線信濃大町駅までとされる場合もある。立山駅から扇沢駅までは、ほぼ西から東に 25 km 足らずの直線距離だが、最大高低差は 1,975 m あり、ルート内の交通機関として、立山連峰の景観を望む立山ロープウェイ、全線地下式のケーブルカー、黒部ダム建設に用いられたトンネルを通るトロリーバス、日本国内一の堤高を持つ黒部ダムの堰堤上の徒歩での移動など、様々な乗り物を乗り継いで移動する。そのほぼ全区間が中部山岳国立公園内にあり、飛騨山脈・立山連峰を貫き、黒部ダムなどのいくつもの景勝地を通る。途中駅にはホテル立山などの宿泊施設もあり、それぞれが登山、散策、トレッキング、その他の観光コースの基点にもなっている。本ルートは4月半ばから開通し、11月半ばに閉鎖される(天候に左右される)。最高地点は、立山登山の基点ともなる室堂で標高 2,450 m 。富山県側の立山から黒部湖までの区間は山岳観光や立山登山客の便を図るために作られた。黒部ダムから扇沢の区間(途中に富山県、長野県の県境)は黒部ダム建設の資材運搬のために建設され、ダム完成後に一般の旅客に開放された。立山黒部アルペンルートは、登山道を除けば富山県と長野県とを直接結ぶ唯一の交通路である。しかし、自然保護の観点などから運賃が高目に設定されていることと、多くの乗り物を乗り継がなければならないことから、富山・長野間の移動を主目的として用いられることはほとんどない。乗客の大半は両県外からの観光客である。また富山空港に韓国や中国、台湾との国際線が乗り入れるようになってから、これらの国々からの観光客が目立つようになった。タイからのチャーター便も増えてきた。なお、桂台料金所 - 美女平間および追分 - 室堂間の立山有料道路(富山県道6号富山立山公園線の一部)は、マイカー規制として路線バス、観光バスや公安委員会の許可を受けた車両、緊急自動車しか通行できない。昭和40年代の開通当初には一般車両を通行させる計画もあり、小型乗用車12,800円・普通乗用車18,900円の料金設定がなされたが、交通渋滞や自然環境悪化といった問題も生じるため、実際に一般車両を通行させることなく現在に至っている。最近では乗用車やバスで立山黒部アルペンルートを訪問する観光客に対し、立山駅と扇沢駅の間で運送業者によるマイカー回送のサービスがある。なお、富山県側の道路の室堂までの延長の歴史は地獄谷温泉 (富山県)#歴史を参照。冬季でも設備維持のため扇沢から室堂ターミナルまでは点検・稼動している。観光の中心は室堂であるが、4月から5月にかけての観光の中心は「雪の大谷」の「雪の大谷ウォーク」(無料)である。1994年に期間3日で始まり、2004年に4月の全線開通から5月末まで、2008年に大型連休中も開放し、2009年に100万人、2014年に200万人を突破した。これは室堂から麓の方へ歩いたところにあり、15メートルから20メートルの雪の壁を目の当たりにすることができる。3月頃からGPSで位置を確認しながら、大量の重機で除雪してできたものである。高い壁が可能なのは富山が豪雪地帯の南限であり、湿気を含んだ雪の重さが2倍近くもあり、パウダースノーのようにパラパラとならないためである。降雪が少ない台湾や韓国、タイ、マレーシア、シンガポールなどの国からの観光客に大人気のスポットとなっている。立山少年自然の家の研修の中に「雪の大谷」見学を入れる学校も多い。立山駅から扇沢駅まで、乗り換え時間を含めない合計移動時間は2時間弱。ただし繁忙期は各々の交通機関の待ち時間が1から2時間に及び、出発時刻によっては同日中の通り抜けができなくなることもある。なお、運行ダイヤについては時刻表に記載の便の他に、待ち具合によっては臨時便の増発・増便があるため、繁忙期であっても比較的スムーズに乗り継げることがある。電鉄富山駅 - 信濃大町駅間の片道通し乗車券はおとな10,560円、こども5,290円。目的地までの乗車券を個別に購入することも可能。黒部ケーブルカーは全線がトンネル内である。また、立山ロープウェイは途中に支柱を1本も設けていないワンスパン方式で、これらは景観保護や、なだれによる被害を防ぐための方策である。さらに立山高原バスはディーゼルバスからハイブリッドバスへの移行を進めており、2006年には所有台数の半数に及んでいる。
出典:wikipedia
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