スーパーボウル () は、アメリカ合衆国のプロアメリカンフットボールリーグであるNFLの優勝決定戦である。アメリカンフットボールの最高の大会であり、アメリカ最大のスポーツイベントである。NFLの2つのカンファレンスであるアメリカン・フットボール・カンファレンス (AFC) とナショナル・フットボール・カンファレンス (NFC) の各優勝チームで争われる。毎年2月上旬の日曜日に開催されており、スーパーボウル当日はスーパーボウルサンデー(Super Bowl Sunday)、もしくはスーパーサンデーとも呼ばれ、事実上アメリカの祝日となっており、年間で感謝祭に次いで2番目に食糧が多く消費されることでも知られる。200以上の国と地域でテレビ中継されており、特にアメリカでは毎年テレビ番組で年間最高視聴率を記録するなど、極めて注目度の高いコンテンツになっている。1960年に誕生したアメリカン・フットボール・リーグ(AFL)が数年でNFLを脅かすライバルリーグに成長したことを受けて、1966年6月にNFLコミッショナーのとAFL創設者でカンザスシティ・チーフスオーナーのとの間で会談がおこなわれ、両リーグの合併が合意に達した。それに伴い、リーグが統合されるまでの間、MLBのワールドシリーズに範をとり、AFLとNFLの優勝チームがシーズン終了後に対戦することも決定。同シーズン末(1967年)に第1回が行われた。第1回当時の正式名称は「AFL-NFLワールドチャンピオンシップゲーム」であった。ハントは彼の子供たちが当時流行していた玩具のスーパーボールで遊んでいるのを見て、これとカレッジフットボールでポストシーズンに行われている「ボウル・ゲーム」を組み合わせた「スーパーボウル」を大会名称を決定する会議で提案していたが、ロゼールは「スーパー」という単語がくだけすぎていると難色を示したという話がある。しかし、「スーパーボウル」の方が世間に定着したことから、第3回からは正式名称となり、遡って過去2回もスーパーボウルと呼ばれることになった。1970年に両リーグが統合。第5回(1971年)からは旧NFLチームが主に所属するNFCの代表と、旧AFLチームが主に所属するAFCの代表が対戦する形となって今に至っている。スーパーボウルに優勝したチームには、ティファニー社製のヴィンス・ロンバルディ・トロフィーと呼ばれるトロフィーが与えられる。名を冠されているヴィンス・ロンバルディはグリーンベイ・パッカーズの名コーチとして知られ、第1回と第2回のスーパーボウルを連覇している。また、優勝チームのメンバーにはスーパーボウル・リングと呼ばれる指輪が与えられる。この指輪をもつことはNFL選手にとって最高の名誉である。スーパーボウルの出場回数が最も多いのはピッツバーグ・スティーラーズ、ダラス・カウボーイズ、ニューイングランド・ペイトリオッツおよびデンバー・ブロンコスの8回であり、優勝回数が最も多いのはピッツバーグ・スティーラーズの6回である。スーパーボウル優勝チームはホワイトハウスに招待されることが慣例となっている。ただし第20回スーパーボウルに優勝したシカゴ・ベアーズはその2日後にチャレンジャー号爆発事故が起きたため、ホワイトハウス訪問が実現しなかった。また第45回スーパーボウルに優勝したグリーンベイ・パッカーズのはIDを忘れたため中に入ることができなかった。世界一の経済大国であるアメリカ最大の祭典であることから、経済規模が非常に大きい。例えば、第47回スーパーボウルの再販の観戦チケット代は平均3278ドルであり、特別室での観戦では31万5000ドルとマンションの購入金額に匹敵する価格水準である。CM枠が世界一高額なことで知られており、テレビ局の広告収入は2億2000万ドルを超えたと試算されている。経済誌『フォーブス』の2015年の発表によると、スーパーボウルのブランド価値は5億8000万ドルであり、夏季オリンピックやFIFAワールドカップなどを凌ぎ、世界一のスポーツイベントであると推定されている。その名にふさわしく、収容人員6万人以上のスタジアムしか使用しないという規定が存在する。しかし、レギュラーシーズンでもチームによってはチケットの入手が難しいNFLだけに、スーパーボウルのチケットは、さらに入手困難である。チケットは一般販売されず、出場チームそれぞれに20%程度、開催するスタジアムのある州を本拠とするチームにあわせて10%程度、全チームに1%程度分配する。残りをリーグが取引先、代理店、スポンサーに販売する形を取っている。分配を受けたチームもまず一般販売をせず、スポンサーやシーズン・チケット購入者に優先して販売する。このような入手困難性もあり、クルーザーや別荘使用権と交換を依頼する人がいたり、抽選当選の通知が指名手配犯をおびき出す為の囮に使われた事などもある。また、スーパーボウルは中継する各国のテレビクルーや報道機関、観客にとどまらず、その雰囲気を味わおうとする観光客やアメリカンフットボール・ファンも訪れ、開催都市には莫大な経済効果をもたらすと言われ、多くの都市が開催を希望する。開催地はオーナー会議によって、数年前に決定する。スーパーボウル開催のスタジアムを本拠とするチームはそのシーズンのスーパーボウルに出場したことがなく、このことは、スーパーボウルの有名なジンクスとなっている。第48回(2014年)は、NFLで唯一、2つのチームが本拠地とするメットライフ・スタジアムで開催されることになったことでジンクスが破られる可能性が例年より高まったが、ニューヨーク・ジャイアンツ、ニューヨーク・ジェッツともにプレーオフにすら進出できなかった。また、マイアミ・ドルフィンズとニューオーリンズ・セインツは、2015年までに各10回ホームスタジアムが開催地となったものの、1度も本拠地開催のスーパーボウルに進出できていない。なお、カリフォルニア州パサデナにあるローズボウルで開催された1976-1977、1979-1980シーズンのスーパーボウルにオークランド・レイダーズ、ロサンゼルス・ラムズがそれぞれ出場したが、いずれもオークランド、ロサンゼルス(当時)をフランチャイズとするチームではあるが、ローズボウルは本拠地ではない。1984-1985シーズンにはサンフランシスコ・フォーティナイナーズが、隣接市にあるスタンフォード・スタジアムでのスーパーボウルに出場したが、これも同様である。開催立候補する都市には、前述のスタジアムの収容人数のほか、それだけの観光客を受け入れられる宿泊施設、交通網などの施設が整っていることが求められ、そのため観光地や大都市圏が選ばれることが多い(これまでの最小規模はジャクソンビル都市圏の人口約135万人)。そして、毎年2月の第1日曜日に開催するため、2月の平均気温が10度以上の温暖な気候地帯であるか、風雪に耐えられるドーム球場があるという条件も満たす必要がある。そのため、フロリダ州、カリフォルニア州、アリゾナ州といったある程度温暖な地域やニューオーリンズ、アトランタ、ミネアポリス、デトロイトといったドーム球場を持つ都市などに開催地が偏ってしまうという事が難点として挙げられる。特に寒冷地で開催される場合、ドーム球場がすでにあるか、開催までに建設されることが絶対条件とされてきた。実際、2010年の第44回大会はニューヨーク、第49回(2015年)はカンザスシティでそれぞれ開催予定だったが、前者はニューヨーク・ジェッツのドーム球場新設、後者はカンザスシティ・チーフスの本拠地アローヘッド・スタジアムの改修が白紙になったためにいずれも撤回され別の開催地に変更されている。しかし2014年の開催地はニューヨーク近郊のニュージャージー州イーストラザフォードに建設されたメットライフ・スタジアムに決定した。同スタジアム周辺の2月の平均気温は-4℃近くという寒冷地であり、過去の例から考えると極めて異例の決定となった。実際多くのNFL関係者が「寒冷地での開催は一度きりの例外」と語っている。前半と後半の間に行われるハーフタイムショーに代表されるエンターテインメントも有名であり、特に1993年のマイケル・ジャクソン以降は、毎回有名歌手等によるミニコンサートが開催されるほか、試合前の国歌独唱にも多くの有名歌手が起用されている。2005年のハーフタイムショーを任されたポール・マッカートニーが「スーパーボウルでライブを頼まれるほど名誉なことはない。」と声明を発表するなど、世界的アーティストにとっても非常に権威のある舞台となっている。ハーフタイムショー自体はスーパーボウル創設当初から行われていたが、1980年代まではカントリーミュージシャン等の出演者が多く「ハーフタイムショーに入ると視聴率が10%近く落ちる」という問題を抱えていた。これを改善したいNFLサイドがマイケル・ジャクソンに出演を依頼、マイケル側も当初は難色を示したものの、スーパーボウルが世界中で中継される上に世界各地に駐留しているアメリカ軍関係者にライブで見てもらえることが決め手となり最終的に出演を承諾したという。ハーフタイムショーに関しては、「ハーフタイムに視聴者が一斉にトイレを使うことで上下水道に一気に負荷がかかり、水道管破裂等の問題が起きるのを防ぐために行われている」という都市伝説まで存在する。「1984年にソルトレイクシティで実際に水道管が破裂した」と具体的に都市名まで挙げられることもあるが、確かに水道管が破裂したのは事実なものの、スーパーボウルと水道管破裂の間に因果関係はないという。ただ2007年にはマイアミ市で、市当局が住民にハーフタイム中のトイレの使用を控えるよう呼びかけた事例も起きており、一部の都市では実際にリスクを抱えている模様。最近では何らかの放送事故が起きる例が多々あり、それにより賠償騒ぎが起こる場合がある(ジャネット・ジャクソンの胸露出(2004年)、M.I.A.の不適切なジェスチャー(2012年)など)。そのため、生放送での放送事故を防ぐため、遅延送出システムにより数秒間遅れで放送されることとなっている。なおハーフタイムショーに対する歌手側のギャランティーは原則として一切ない(交通費・宿泊費等の経費は支払われる)。ただ当該歌手がチャリティー活動等への支援を行っている場合、チャリティーを実施する財団・基金等へ寄付を行うことはある。スーパーボウルはアメリカで最も人気のあるプロスポーツリーグの優勝決定戦であり、同国のテレビ番組で年間視聴率No.1を記録し続けている。アメリカのテレビ史においても、歴代視聴者数トップ10の番組の中でスーパーボウルが9つを占めている。エーシーニールセン調べによるテレビ中継の視聴率は1991年以降25年連続で40%を超えている。第49回大会(2015年)ではアメリカのテレビ史上の最多視聴者数を更新した。第50回大会(2016年)では、視聴率が46.6%、視聴者数が1億1190万人であった。また、部分的に観戦した人を含めた視聴者数は約1億6700万人と推定されている。尚、いわゆる4大ネットワークのうちNFLの放映権を持つネットワークが持ち回りで放映権を獲得して生中継される。このため、テレビ中継に流されるコマーシャル枠の価格は世界で最も高価で、大手企業の大金を惜しみなくつぎ込んだコマーシャルが見られることでも知られている。アップルコンピュータが1984年のスーパーボウルでマッキントッシュの発売告知のコマーシャル「1984」を放映したことにより、一躍名を知られるようになったことが契機とされている。2013年現在、CM枠の価格は30秒枠で平均380万ドルといわれる。米国外では、世界200以上の国と地域で生中継される。テレビ視聴者数としては世界で多く視聴されている。なお、2位はUEFAチャンピオンズリーグ決勝。カナダ国内ではCTVがアメリカのテレビ局との同時放映。ただしCMは差し替えられる。日本では、当初はTBS系列で、さらに日本テレビ系列で独占生中継していた。衛星放送の普及や視聴率の低下から、現在は生中継をNHK BS1と日テレジータスが、録画中継をGAORAがおこなっている。地上波では日本テレビ系列で日本時間火曜未明・早朝帯(月曜深夜)に2時間に編集した録画中継という形で放送されているが、地上波の全国ネット放送は2012年を以って終了し、2013年の地上波放送は関東ローカルでの放送となった。2014年の地上波放送は番販ネットにより、関東以外でもごく一部の地域のみでネットされた。アメリカ国内外の主要ラジオ局で放送する。日本では、2015年にJ-WAVEにより初めてのラジオ中継が行われた。※側が優勝チーム
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