東京ドーム(とうきょうドーム)は、東京都文京区に所在するドーム型野球場。1988年(昭和63年)3月18日に開場した日本初の屋根付き球場であり、株式会社東京ドームが運営する東京ドームシティの中核施設である。愛称は「BIG EGG(ビッグエッグ)」。プロ野球セ・リーグ・読売ジャイアンツ(巨人)が本拠地とし、同パ・リーグの北海道日本ハムファイターズが準本拠地としている。1988年(昭和63年)3月18日に後楽園球場の実質的な代替球場として後楽園競輪場の跡地に開場。日本初の全天候型球場となった。空気膜構造屋根を持つアメリカのメトロドームをモデルとして設計された。後楽園球場から引き続き、巨人とパシフィック・リーグの日本ハムファイターズ(当時)が専用球場とした。そのため開場から2003年まではプロ野球の2つの球団が本拠地としていた。これは東京ドームが唯一であったが日本ハムは2004年(平成16年)度に北海道の札幌ドームに移転し「北海道日本ハムファイターズ」となったため、1つの球場を2つの球団が本拠地とする球場は消滅したが、現在も8試合の主催試合を開催している(試合数は2007年(平成19年)から固定)。また、パ・リーグのオリックス・バファローズも親会社オリックスの本社が東京にある関係で、ブルーウェーブ時代の2004年(平成16年)から2009年(平成21年)まで年間2試合の主催試合を開催(このうち、2006年(平成18年)は、大阪ドームの経営破綻の影響の余波で開催されなかった)。2010年(平成22年)からは東北楽天ゴールデンイーグルス、2012年(平成24年)からは福岡ソフトバンクホークスもそれぞれ主催試合1試合を開催している。また2016年には、過去に東京都内を保護地域としていた千葉ロッテマリーンズが、37年ぶりの都内主管試合の会場として使用されることが決まった。その他、2006 ワールド・ベースボール・クラシックのアジアラウンド、2009 ワールド・ベースボール・クラシックの東京ラウンド、2013 ワールド・ベースボール・クラシックの東京ラウンド、アジアシリーズ(2005 - 2008年)、2015 WBSCプレミア12などの国際試合、日米野球などの国際親善試合も東京ドームで開催された。アマチュア野球では都市対抗野球大会、全日本大学野球選手権大会が毎年開催されている。他にもプロ野球マスターズリーグの東京ドリームズが本拠地として使用していた。野球のほかにも格闘技・プロレスの興行やコンサート、商品の展示会なども行われる。2002年(平成14年)からロングパイル人工芝を日本の野球場で初めて採用した。天然芝に近い感触の特殊な繊維とクッション材を採用し、選手の負担を軽減できる工夫を凝らしている。ドームの広さは約216メートル四方で建築面積は46,755m²、容積は約124万m³。東京では建物・場所などの面積や大量の物の体積・容積を表現する際に「東京ドーム何個分(何杯分)」という表現が使われることもある。夜間にはライトアップされている。2007年(平成19年)の改修で喫煙コーナーを廃止して完全に煙の漏れない喫煙室を新設し、ドーム球場での完全分煙を実現した。フィールドには人工芝を採用。、2002年(平成14年)から、天然芝に近い性質を持つといわれるロングパイル人工芝「フィールドターフ」を導入した。。このフィールドターフは2007年(平成19年)3月、2014年(平成26年)3月と2回の張り替えが行われている。グラウンド地下には一周400メートルのバンク(競走路)が収納されている(後楽園競輪場跡地に建てられており、将来の後楽園競輪復活も視野に入れているため)。かつては「サイクルスポーツフェスティバル」と題して、模擬競輪など競輪・自転車競技に関するイベントが行われていたが、2008年を最後に開催が途絶えている。なお世界選手権自転車競技大会およびオリンピックについては走路の周長と設備面から、現状では国際自転車競技連盟の特別承認が得られないと開催できない。外野フェンスは2010年(平成22年)から従来のラバーフェンス(高さ4.0m)にネットフェンス(高さ0.24m)を付け加えたものとなっている。ネットフェンスを付け加えた主目的はホームランを判定しやすくするためである。ラバーフェンスのスタンド側上部に手すりがあり、それに打球が当たった場合はスタンド内の構造物としてホームランである(ラバーフェンスの一部としてインプレーとしていた年度もある)が、インプレーとなるラバー最上部で跳ねた場合と判別がしにくく判定を巡りトラブルとなることも多かった。またスタンド最前列から見てもフェンスが低く、落下の危険性や観客がホームランにならないような打球に触れることも容易であるという欠点もある。これについては2014年4月19日の対中日戦で坂本勇人が大野雄大から放った左中間への大飛球をインフィールド側まで手を出していたファンが直接捕球してしまい、ビデオ判定の結果本塁打から二塁打に変更されたという例がある。ホームランの出やすさの理由として、第一に、左中間・右中間の膨らみが小さく110mしかないことが挙げられる。これは、現在の12球団の本拠地球場の中でもっとも狭い。第二に、屋内球場で湿度が低いために、打球が伸びやすいことがあげられる。他方で、気圧で屋根を膨らませている球場であるために気圧によってホームランが出やすいことが指摘されることがあるが、物理的に高気圧で打球が伸びないことはあっても伸びることはないので、これは誤りである。このような見解を踏まえ、外野フライに打ち取ったかに思えた打球が外野席最前列に入ってホームランとなった場合に、これを「ドームラン」と揶揄的に称することがある。もっとも東京ドームは野球規則1.04に記載されている国際基準を満たすNPB初の本拠地球場であり、完成当時としては広い球場だったことは確かである。実際に後楽園球場でなされた1987年の公式戦では112試合で234本の本塁打(1試合平均2.09本)が出たのに対し、東京ドームでなされた1988年(昭和63年)の公式戦112試合では147本(1試合平均1.31本)が出たにとどまり、約4割も減少している。他球場と比較しても、東京ドームの1試合当たりの平均本塁打数は、各球団の本拠地11球場中、1988年(昭和63年)10位、1989年(昭和64・平成元年)10位、1990年(平成2年)11位、1991年(平成3年)7位となっており、開場後数年は本塁打の出にくい球場だったといえる。しかし、その後20余年が経過する中で、他球団は本拠地を1991年開業の千葉マリンスタジアム(ロッテ)、1993年開業の福岡ドーム(ダイエー(現・ソフトバンク))などのより広い球場へ移転したほか、既存の球場でも西武ドームや明治神宮野球場のように、改修でフェアグラウンドの形状が広げられたこともあり、開業からフェアグラウンド面積に変更のない球場は東京ドームと横浜スタジアム(1978年開業)のみとなった。その意味で、東京ドームは時代の経過とともに相対的に狭いとみなされるようになった球場であるといえる。また、東京ドームでの1試合あたりの平均本塁打数(公式戦)は1988年は1.31本(112試合で147本)だったのに対して2004年は3.43本(76試合で261本)と本塁打率が2.6倍以上に増加し、また、統一球導入前後では、2010年は2.88本(73試合で210本)・2011年は1.42本(69試合で98本)と半数以下に激減していることから、球場の広さ以外の要素(ボールの影響)も否定できない。屋根は空気膜構造と呼ばれるもので、内部の空気圧を外部よりも 0.3%(3ヘクトパスカル)高くして膨らませている。インフレートと呼ばれ、完成時には屋根を膨らます作業が行われた。この作業はメディア等でも取り上げられている。圧力差を維持するために送風ファンを合計36台設置しており、ドア開閉がある場合は10台から18台、ドア閉鎖時は2台を動作させて気圧を維持する。出入り口には手動式回転ドアやエアロックが設置されており、全面的なドア開放は与圧が抜けて屋根が潰れる原因になるので出来ない。多数の観客が退場する際には通常のドアも開放されているが、気圧のため外向きに強い風が起こり注意を要する。この風は回転ドアのわずかな空間でも発生している。隣接する小石川後楽園の日照に配慮するため、屋根の高さが外野方面に向かって低くなっていくように設計されている。屋根は28本のワイヤを8.5メートル間隔で縦横に並べ、その間に二重構造の膜を張ったものとなっている。膜はガラスクロス(織物)の表面をフッ素樹脂でコーティングしたもので、耐候性・耐熱性・非粘着性に優れた不燃材料である。内膜は音を吸収する特性もある。耐用年数は20年以上。総重量は400トン。太陽光の約5%を透過する。施工は太陽工業。ワイヤからテレビカメラ(中央部)、スピーカー(中央部1個、膜屋根周辺21個)、照明(14ヶ所)が吊るされている。デーゲームの際に、ボールと屋根の色が同化して見づらくなる現象が起こる。プロの選手でも打球を見失う事例が起こるほどである。中央部のテレビカメラ(通称『トップアイ』)からの映像は、野球中継だけでなくNHK・民放各局の夜のスポーツ速報番組などに使われていた。最近の巨人戦などの野球中継ではあまり頻繁には使用されないが、投手の投球練習を上から撮影する際などに使用されている。また、巨人の優勝決定時に行われる胴上げの際には『トップアイ』からの映像が必ず使用される。設計に当たっては、打球が屋根に当たらないように高さが設定された。完成直前の東京ドームをテレビの収録で訪れた長嶋茂雄は「この天井にボールをぶつける事は無理でしょう」と述べていたが、開場した1988年(昭和63年)の7月4日に阪急のダラス・ウィリアムズが当てたのを皮切りに、巨人在籍の原辰徳や松井秀喜、西武在籍時のアレックス・カブレラらが、天井や天井に吊り下げられている照明機器、スピーカーなどに当てている。松井の打球は内膜の穴に入り、ボールが落ちてこなかった。天井や懸垂物に当てた場合、以下の特別ルールが適用される。都市対抗、大学選手権、プロ野球のアジアシリーズが開催される期間中には、一・三塁側スタンド最前列に応援団の特設ステージが設けられる。2005年(平成17年)から内野一・三塁側のファウルゾーンにフィールドシート(エキサイトシート)を設置プロ野球の各球団は、2004年(平成16年)までその主催のシーズン公式戦の観客数を概数で数字で発表していた。東京ドームでは収容人員を1988年から1994年までは56,000人、1995年から2004年まで55,000人とし、さらに巨人戦の観客数を実際の入場者数に関わらず満員の55,000人(1994年までは56000人)と発表していた。朝日新聞によると、設計段階では50,009人であり行政指導の結果46,314人に減ったが(後述)、満員で5万人と発表していた後楽園球場よりビッグを強調したいとの商魂が先行したためとされている。ただし、日本シリーズやオールスターゲームは、各球団ではなく日本野球機構の主催となり、同機構が公益法人(一般社団法人)のため実際の有料入場者数が記録されることになっている。日本野球機構主催ゲームの最多有料入場者数は、1994年日本シリーズ第2戦の46,342人。2005年(平成17年)からプロ野球全体で観客数発表を実数に近くすることになり(通常は実際の入場者ではなくシーズンシートを含めたチケット購入者数)、プロ野球チームが本拠としている各球場でも収容人員の変更が行われているが、東京ドームでは観客数発表の方法は変更したものの収容人員の変更はしばらくされていなかった。2013年現在は野球開催時の収容人数を約46,000人と公称するようになっている。開場当初、小石川消防署に届けられていた定員は46,314人(そのうち立ち見2,976人)であった。2005年(平成17年)4月13日の産経新聞には、改修を経て現在の数字である45,600人に落ち着いたとある。さらに2009年(平成21年)現在はエキサイトシート420席が加わる。現在、東京ドームの収容人数をプロ野球関連の刊行物では45,600人と記載することが多い。また、注釈付で55,000人としている場合もある。2013年現在、小石川消防署に届けられている定員は明らかにされていない。なお野球以外でのイベントでは、2002年12月7日の「K-1 WORLD GP 2002 決勝戦」が主催者発表で74500人、1998年(平成10年)4月4日の新日本プロレス他主催の燃える闘魂アントニオ猪木引退試合が主催者発表で70000人、などの記録がある(コンサート、格闘技などではグラウンドにも座席を設けるため、野球開催時より多数の観客を収容できる)。2007年(平成19年)より、コンコースで設置されていた喫煙ブースを廃止し、新たにゲート外、及び1階内野コンコース1塁側、3塁側に喫煙ルームを設置し、分煙を行なっている。東京ドームでは、野球開催時に以下のような規制を行っている。なお、応援幕・メッセージボード等の内容は、チームや選手を応援するものに限り、公序良俗に反する内容や誹謗中傷(球団への批判等)を含む内容のものは、持込ができない。膜屋根に降った雨水は、地下の貯水槽に貯留され、下水道への雨水放流の緩和を図ると同時に、貯留した雨水は施設内のトイレの洗浄水(便器の洗浄水のみ・手洗いは別)として、また災害時の消防用水としての中水道システムとして活用されている。また衛生面や快適性を向上させるために施設内すべての大便器・小便器にサニタイザーが取付けられている。また、オールスターゲームおよび巨人が出場した際のクライマックスシリーズ、日本シリーズでは、ポストシーズン・ゲームのため、看板に当たるホームランが出ても、賞金、賞品は出ない。室内広告として、試合約40分前、3回裏、5回裏、7回裏のグランド整備の間、ゲームセットコールの直後と客出しの間の15 - 20分間に無人飛行船が飛ぶ。巨人勝利の際にはヒーローインタビューのTVのカメラフレームに入り込むように飛行する。 この飛行船にはカメラが備え付けられており、ビッグヴィジョンへの生中継が出来る。また、この飛行船にはサンプル商品などを投下できる小型気球を3つ取り付けられる。オーロラビジョンは1990年(平成2年)にハイビジョンサイズへ変更、(投手=P、捕手=C、一塁手=1B、左翼手=LF、代打=PH、代走=PRなど)。21番ゲート右側に野球殿堂博物館が併設されている。この施設も後楽園球場から「野球体育博物館」の名称で受け継がれてきたが、2013年4月1日に現在の名称に変更された。2016年12月が会社創立80周年に当たることから、同年1月から2019年1月の3年間にわたり、1988年の開業以来初となる大規模改修工事を行う。総事業費は約50億円で、一部休業期間を設けるが基本的に営業を継続しながら段階的に実施する。主なリニューアル内容は以下の通り。WBSCプレミア12東京ドームは、巨人の本拠地だけに読売新聞グループ本社の子会社であると捉えられる場合があるが、2015年現在グループ本社は大株主には含まれていない(資本的にはみずほ銀行・富国生命保険・竹中工務店らとの関係が強い)。ただし企業としての株式会社東京ドームは、株式会社よみうりランドの大株主の一社である。東京ドームの球場使用料は、2015年現在は1日(7時から24時まで)使用で、観客数に関係なく1,700万円(税別)(ちなみに阪神甲子園球場は親会社の所有のため基本的に無料)。ただし観客を入れない場合は準備日料金となり1日650万円である。高い使用料が日本ハムの札幌移転の理由の1つとなった(札幌ドームの球場使用料は1試合あたり「基本料金800万円+観客が2万人を超えるごとに1人当たり400円追加」で、最大1600万円強)。。オフシーズン、平日、昼間、草野球(2時間程度)、オプション無し、などの条件であれば数十万で貸し切ることができる。また使用に関しては22時以降0時20分までや23時30分から深夜5時までという深夜の使用も認められている。ただし、12月~2月までの間については草野球の貸出を行っていない。1980年から制定された球場独自の表彰。。これは東京ドーム(後楽園)を本拠とする球団に属する選手(創設当初は巨人・日本ハム、2004年以降は巨人のみ)で、同球場で最も活躍した選手1名に対して表彰し、賞金300万円が贈られ、またその選手の記念プレートが球場内コンコースに永久展示される。また年度によっては最も活躍した本拠球団の新人選手1名に対しても「新人特別賞(100万円)」が贈られる場合がある※1980年から1987年までは、「後楽園MVP賞」。1988年以降は、「東京ドームMVP賞」。東京ドームは野球以外にも、新商品展示会・新車発表展示会など多目的利用ホールとしても活用されている。野球がない日でも東京ドーム外に露店が出ていたり何らかのイベントが行われていたりすることもある。なお、東京メトロ南北線は東京ドームの真下を通っている。
出典:wikipedia
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