脚本(きゃくほん)とは、「何時。何処で。誰が」の天地人を示す柱書き、台詞、ト書きだけで構成された設計図的役割を担うテキスト。小説とは形式が異なる。演者に使われる台詞を中心としたものは台本といい、また脚本はシナリオともいわれる。「シナリオ」という言葉は、1920年に松竹が映画事業に乗り出すため、アメリカから招聘したヘンリー・小谷が使った片仮名のおびただしい映画用語の一つで、それまでは「台本」という言い方をしていたという。「シナリオ」という言葉は、もともとは即興劇用のおおまかな筋を書いたものを意味していたし、今日ではコンピュータゲームの原案などにも使われる言葉だが、辞書に載るような一般的な意味としては、映像劇の脚本を舞台のそれから区別する際に使われる。漫画では漫画原作、舞台演劇では戯曲といわれる。戯曲といった場合には劇の制作上の一手段という意味に文学性が加味される。脚本では文学的表現や美文は要求されず、小説などでは活用される主観描写(登場人物の心情など)は極力排除される。脚本によって実現されるべき映像やシーンを思い浮かべ、その見たままを書き写したような(客観的な)映像描写がよいとされる。ただしラジオやテレビ、映画などのメディアによって、そのメディアの特質や慣習に従った一定のフォーマットが推奨、または必須とされる場合がある。基本的に脚本に用いられる原稿用紙は、200字詰め(20字×10行)でペラとも呼ばれる。最近ではワープロを用いることも多い。書き方は、よく絵画や彫刻を作る方法に例えられる。画用紙やキャンバスに絵具を付けた筆で、いきなり人物の顔を描く人はいない。丸太に彫刻刀を突き立て、眼から丁寧に彫る人もいない。全体をデッサンし、完成を予測しながら下書きをし、バランスを見ながら徐々に仕上げていく。脚本も同じ事で、どこからストーリーを始めてどこに向かって進んでいくのか。そして広がったストーリーの最後はどう収束するのか。それらのバランスをみながらデッサン(プロット)し、作り進めていく。戯曲を除き、脚本は単独で発表されることは基本的にない。建物や船などの設計図と同じであり、映像化・漫画化することによって一つの作品とみなされることが多い。このため、どうしても脚本の存在感が弱くなり、監督やプロデューサーによる無断改変が行なわれてトラブルにつながる場合が時折見られる。戯曲の場合は時として脚本のみで発表されることも多数ある。小説などとの大きな違いとしては複数で書かれることが時としてあり、監督・プロデューサー・作画者・編集者などと打ち合わせをしつつ脚本を作り上げていくことが多い。時としては上記以外のスタッフや俳優、(特に映画では)スポンサーとの打ち合わせが行なわれることもある。映画の場合では、打ち合わせと執筆は平行して行なわれることが多く、この度に印刷・製本されることが多い。このため、準備稿、改定稿、決定稿と版を重ねることになる。改定はほぼ全て取り替える場合から些細な部分を修正するに留める場合もあり、準備稿と決定稿、さらに作られた映画とはストーリーが大幅に異なっていることもある。さらに日程・予算の都合で、実際の撮影に入っても改定が行なわれる場合があり、脚本家あるいは監督が現場で執筆する場合もある。これは号外とも呼ばれる。執筆に関わる脚本家の数、および(脚本家とともに)監督が脚本に関わる場合では単に作品的な価値ばかりでなく、印税や二次使用料、著作権などの配分にも影響が出ることが多く、昨今では監督が脚本を執筆することも多い。一方、戯曲に関しては単独で執筆することが多い。物語を簡単に紹介したもの。四百字から八百字程度にまとめ、エンディングまで書く。最初に必要なもの。スポンサーやプロデューサーによっては、あらすじがないと脚本を読まないことが多い。一般的にストーリーやプロットと呼ばれることがあるが、これらは別なものになる。企画書とは異なる。※「柱」「柱書」などとも呼ぶ。「ト書き」の言葉の由来は歌舞伎の台本の「〜と立ち上がりながら」等の「と」から来ている。文体は「〜であった」などの過去形ではなく「〜である」などの現在進行形で書くのが一般的。以下は、時間経過を表すための撮影技術。国語の教材として、教科書に脚本が載ることも少なくない。狂言『附子』の現代語訳や木下順二の『夕鶴』・ シェイクスピアの『リア王(の抜粋)』などがそうだが、これらは舞台脚本としてあつかわれるよりも、戯曲として文学扱いされているともいえる。映像劇のシナリオが国語教科書に採用されるのは、倉本聡の『北の国から』が光村図書の中学教科書に載った1990年代を待たなければならない。しかし、上記のような専門用語があり、戯曲のように単独発表されるケースもほとんど無いため、戯曲ほどに普及はしていない。また、小学校の学習発表会などで演劇を発表する際にも脚本が使用される。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。