『高速戦隊ターボレンジャー』(こうそくせんたいターボレンジャー)は、1989年(平成元年)2月25日から1990年(平成2年)2月23日までテレビ朝日系列で全51話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマシリーズ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。放送時間は1989年9月30日放送分(第31話)まで毎週土曜18:00 - 18:25であったが、同年10月6日放送分(第32話)より毎週金曜17:30 - 17:55(いずれもJST)へと変更された。スーパー戦隊シリーズで初めて高校生だけで構成された戦隊である本作品は青春をメインテーマとし、「若さ」や「さわやかさ」をより前面に押し出す作品作りが志向された。高校生を主人公に据えている都合上、学園ドラマ的な要素も内包されているものの、一方でメインターゲットである幼年層への配慮から、スタッフサイドとしては「学園シーンを極力減らす」という意向もあったという。モチーフには当時のミニ四駆ブームを反映して「自動車」が採用され、同時に「妖精」という神秘性のある要素も取り入れられている。この自動車というモチーフがメインの購買層に受け入れられたこともあり、1号ロボであるターボロボの玩具は、単品での販売数の歴代最多記録を打ち立てた。また1号もしくは2号ロボのいずれかのみを収納する従来の巨大母艦に代わり、本作品ではそのどちらとも組み合わせられる「超巨大ロボット基地」というコンセプトが新たに打ち出された。バンダイ・PLEXの野中剛はこの作品で初めてモチーフを絞ることができたとしている。当時、『○○マン』のタイトルが主流だったスーパー戦隊シリーズだが、原点回帰の意を込めて『秘密戦隊ゴレンジャー』以来久々に『○○レンジャー』が採用された。東映プロデューサーの鈴木武幸は本作品のサウンドトラックのライナーノーツへの寄稿の中で、前作『ライブマン』ではストーリーを難解にしすぎたという反省があった旨を述べており、本作品を企画する際は単純明快に正義と悪の図式を描きたかったという。しかしストーリー中盤からは、第三勢力として人間と暴魔の混血児である流れ暴魔ヤミマルが登場し、三つ巴の争いがストーリーの中心に持ち込まれるなど一筋縄ではいかないシリーズ構成となっている。暴魔百族の幹部がほぼ全滅した後は、ヤミマルと新たに登場した流れ暴魔キリカの二人との因縁がストーリーのメインとなる。また、敵の暴魔百族が人間の環境破壊によって現代に復活したという設定のため、ストーリーの序盤では環境問題をテーマにした作品もいくつかみられた。本作品の第1話では、当時スーパー戦隊シリーズの第1作として数えられていた『バトルフィーバーJ』から、前作『超獣戦隊ライブマン』までの過去10作品のヒーロー53人全員が勢揃いし、それと同時に本作品のお披露目と、歴代の10大戦隊から本作品へのバトンタッチが行われるという特別編となっている。内容は『バトルフィーバー』から『ライブマン』までの10大戦隊の活躍を本編の映像を交えてふり返る総集編となっており、オープニングも10大戦隊の戦闘シーンを中心に構成されるなど、通常のフォーマットとは異なるものとなっている。この回で使用された10大戦隊のスーツ・マスクは過去に使用されたものがそのまま用いられており、またアクションを担当したジャパン・アクション・クラブのメンバーは撮影に当たり、それぞれの役柄のビデオを視聴し名乗りのポーズなどを覚えたという。第1話での特別編は、シリーズ第10作の節目となる前作『ライブマン』第4話で予定されていた企画が、天候に恵まれず撮影が遅れたことで実現しなかったため、本作品へと流れたものである。そのため、本作品では第2話が実質のストーリーの始まりとなっており、第1話の放送直後には新番組予告が放送され、続けて第2話の通常予告が放送された。また前述のカウントを踏まえる形で、作中ではピンクターボが『バトルフィーバー』を「初代スーパー戦隊」として紹介している。この回は傑作選としてリリースされたビデオには収録されていないが、東映チャンネルでの放送時やDVDリリース時には本放送と同様に第1話として放送・収録されている。1989年秋の番組改編に伴い、前出の通りスーパー戦隊シリーズの放送時間帯が同年10月より従来の土曜夕方から金曜夕方に変更された。近畿広域圏の朝日放送では土曜夜の『部長刑事』シリーズ放送の関係でそれ以前から金曜17時台後半より遅れネットしていたため、テレビ朝日の放送枠変更に伴い同時ネットとなった。時間帯の変更を主な視聴層である幼年層が認識できなかったこともあり、視聴率は変更前に比べて一時的に低下。関係者の一部からはシリーズ存続の是非を問う声も上がったという。今からさかのぼること2万年前、世界は人と妖精と暴魔が存在していた。そして暴魔百族と人間との戦いがあった。人間は妖精と協力して暴魔に勝利、妖精たちの守護獣である聖獣ラキアによって暴魔は封じられる。しかし、二万年の間に人間は妖精の存在を忘れ、妖精も度重なる自然破壊によって滅んでいった。そして、守護獣ラキアの力が弱ったことで暴魔の封印が解かれてしまう。暴魔は人間に対する積年の恨みを晴らすため、侵略を開始した。妖精族最後の生き残りであるシーロンは、無公害エンジンを発明するなど卓越した頭脳を持つ太宰博士とともに暴魔との戦いの準備を進め、妖精を見ることができる、東京都立武蔵野学園高校の3年A組の5人の生徒に地球の未来を託すこととした。シーロンにターボブレスを与えられた5人は強化服を纏い、「ターボレンジャー」として「若さ」を武器に戦う。メンバー5人全員が高校生。いずれも都立武蔵野学園高校の3年A組に所属する。スーパー戦隊シリーズでは唯一、ヒーローの単独での名乗りのポーズが存在せず、名乗りは必ず5人一緒に行われている。このような背景から、後年の『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』において歴代レッドの名乗りシーンが挿入されるに当たり、レッドターボのみ新撮の映像と本作品の力がレッドターボに変身する際のバンク音声を使った単独ポーズが登場している。読みは「ぼうまひゃくぞく」。暴力と魔力を尊び、世界支配を目論む悪魔の種族。2万年前に人間と妖精に敗れ、本拠地の暴魔城ごと封印されていたが、環境の悪化によって妖精のパワーが衰えたため、現代に蘇った。戦車にも変形する戦闘機ガーゾックとガラバーと呼ばれるバギーを戦力とする。それまでの組織とは異なり、幹部全員が暴魔再生巨大化光線を使用可能。中盤において、失敗続きに怒るラゴーンによって幹部が次々死地に追いやられる。暴魔百族のデザインコンセプトは、企画書で謳われていた「和風の敵」という発想をキャラクターデザイナーの篠原保が「妖怪」っぽい解釈や「日本の土着的なもの」というアプローチで落とし込んでいったものとなっており、特に序盤の暴魔獣にはそういった和風のテイストを取り入れたものが散見されている。またごく初期の段階では和風だけでなく「古代」という要素にも注目したデザインが志向されており、実際にレーダやジンバなど一部のキャラクターのデザインにそれが反映されている。読みは「ながれぼうま」。人間と暴魔の間に生を受けた混血の者。人でも暴魔でもないことから両種族からも迫害の対象にある。故に少数であり、同族である流れ暴魔と出会う確率は限りなく低いらしい。5人それぞれの個人武器。折りたたんでターボレーザーに合体させることでレーザーの攻撃力を高めることが可能。大のカーマニアである太宰博士がシーロンと共同で開発した自動車型巨大マシン。DX玩具では「◯◯(色)ターボマシン」という名称が使用されている。レッドターボ・炎力を演じ、主題歌も担当した佐藤健太によれば、戦隊メンバーが全員高校3年生と設定されたために実際の役者陣も皆若く、そのせいか初めはまとまりがいまいちだった。それとは対照的に、ヒーローを演じるスーツアクターの5人は全員前作からの続投ということもあり、レッド役のベテラン新堀和男をリーダーとしてまとまりがよいという状況だった。そのため、戦隊のリーダー・レッド役である佐藤は、新堀から「皆をまとめるべくリーダーシップを取れ」と発破をかけられたという。悪役側もベテラン石橋雅史、ピンク映画の人気女優岸加奈子など厚みのある布陣となっている。スタッフの大半は前作と同じ顔ぶれであるが、同時期に放映されていた『仮面ライダーBLACK RX』の終了に伴い、同作品のメイン監督だった蓑輪雅夫が後半より参加。蓑輪は以降、『鳥人戦隊ジェットマン』までの3作品にわたって中心的監督として携わった。また現在は監督を務めている竹本昇は本作品の第6・7話より助監督として演出部に参加している。脚本面でも、サブライターとして当時アニメ作品を中心に手がけていた渡辺麻実が新たに加わっている。またスーパー戦隊シリーズの草創期より、長きに亘り特撮監督として関わってきた矢島信男が本作品限りで勇退、後継を佛田洋に託している。キャラクターデザインは当初雨宮慶太率いる有限会社クラウドにオファーが出されていたが、既に『BLACK RX』と『機動刑事ジバン』の二作品に並行して携わっていた雨宮の「俺も二番組までだろう」という意向や、企画者104側からの要望などもあり、当時クラウド所属で『超人機メタルダー』『世界忍者戦ジライヤ』などメタルヒーローシリーズにもサブデザイナーとして参加していた篠原保が単独でデザイナーに抜擢されている。ラフスケッチの段階で雨宮や、当時クラウドに出入りしていた吉田瑞穂のアイディアを取り入れたものも一部存在するものの、シリーズ初参加にして敵側の全てのデザインワークを篠原が担当することとなった。主題歌は、本作品のレッド役である佐藤健太が歌唱。佐藤はオーディションの際に自分で主題歌を歌いたいと希望したそうである。出演者がレギュラー使用されるオープニング主題歌を歌ったのは2013年現在、前作『ライブマン』と本作品のみである。佐藤は『ライブマン』での嶋大輔と違い本職の歌手ではないが、後に自らは出演しなかった『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の主題歌も歌っており、特撮関連のライブなどには歌手として出演している。ライブ『スーパー戦隊“魂”2004』(2004年)・『スーパー戦隊“魂”II』(2006年)の際は、実際に撮影で使用した衣装と本作品の変身アイテムだったターボブレスを着用し、炎力として登場するというファンサービスも行った。最終回のEDは、「最終回のエンディングに合っている気がした」という佐藤の意見を最終回を担当した蓑輪雅夫監督が取り入れて、本来の「ジグザグ青春ロード」ではなく挿入歌の「DANCEときめく心」が使用された。当初は2月18日放送開始予定だったが、昭和天皇崩御のニュースに伴い一週間繰り下げで2月25日放送開始となった。1989年9月16日と12月29日は放送休止。細井雄二作画でテレビランドに連載、単行本は大都社Stコミックスの超獣戦隊ライブマンに併録。
出典:wikipedia
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