ヴィットリオ・ヴェネト()は、イタリア共和国ヴェネト州トレヴィーゾ県にある、人口約2万9000人の基礎自治体(コムーネ)。第一次世界大戦においてイタリア戦線の帰趨を決したヴィットリオ・ヴェネトの戦い(1918年10月)の舞台として知られる。この戦いでのイタリア王国の勝利を記念し、イタリア国内の多くの街路や広場に「ヴィットリオ・ヴェネト」の名がつけられている。トレヴィーゾ県の北部に所在する。ベッルーノから南南東へ約19km、ポルデノーネから西へ約27km、県都トレヴィーゾから北北東へ約35km、州都ヴェネツィアから北へ約60kmの距離にある。ヴェネツィア・プレアルプス山脈の南麓にあたり、ピアーヴェ川流域のベッルーノ県中心部とヴェネツィア平野とを結ぶファダルト峠越えの交通路の南側の出口にあたる。この交通路がアレマーニャ街道(アレマーニャはドイツの意)と呼ばれているとおり、古来よりイタリアと北方のドイツ語圏とを結ぶ交通の要衝であった。現在も、ヴェネツィアとベッルーノ(正確にはその東のポンテ・ネッレ・アルピ)とを結ぶ高速道路A27 や鉄道路線がこの峠を越えている。隣接するコムーネは以下の通り。BEはベッルーノ県所属。コムーネの北をヴェネツィア・プレアルプス山脈が走っており、最高地点はヴィセンティン峰(1,763m)である。山脈南麓に広がるラピシナ谷は、氷河が形成したU字谷である。モルト湖やレステッロ湖などが所在する。ヴィセンティン峰からラピシナ谷を挟んだコムーネ北東部にはミリフレット山(1.581m)がある。ラピシナ谷の奥、コムーネ北端にあるファダルト峠を北に越えれば、サンタ・クローチェ湖湖畔を経由してポンテ・ネッレ・アルピに至る。ヴィットリオ・ヴェネトの中心地区には、リヴェンツァ川の支流のメスキオ川が町を横切っている。ヴィットリオ・ヴェネトの中心市街は市域南部に位置する。チェネーダと、その北にあるセッラヴァッレという二つの町が合わさって形成されている。チェネーダは司教座聖堂を中心に発展した都市で、セッラヴァッレはラピシナ谷からの出口にあたる要衝である。古代、この地にはウェネティ人やケルト人が暮らしていた。紀元前1世紀、皇帝アウグストゥスはヴェネツィア平原を防衛するために、谷の出口に を建設した。今日のセッラヴァッレの中心部にあたる。ローマ時代、ポー川流域と南ドイツを結ぶクラウディア・アウグスタ街道がこの町の近くを通過していた。サンタンドレア・ディ・ビゴンツォ教会は、4世紀にこの地にキリスト教がもたらされたことを示している。667年にオデルツォがランゴバルド族によって破壊されると、チェネーダが重要な都市として浮上した。ランゴバルドはチェネーダをこの地域の拠点とし、その近くの戦略的な要衝に城塞を築いた。現在も町を見下ろすサンマルティノ城()である。685年、ランゴバルド王グリモアルドは、オデルツォ教区を分け、チェネーダ教区を編成した。領主の城と同じ高さの場所に聖堂が建設された。教区の守護聖人として、聖ティツィアーノが選ばれた。774年、ランゴバルド王国が滅亡すると、フランク王国の支配下に置かれた。のちにチヴィダーレやトレヴィーゾ、ヴィチェンツァでランゴバルド貴族の反乱が発生するが、チェネーダの領主はカール大帝に対する忠誠を保ったようである。994年、神聖ローマ皇帝オットー3世は、チェネーダ司教に対して特権とこの土地の領主としての権力を与えた。これによりチェネーダ司教は北イタリアの政治状況に巻き込まれることとなり、ロンバルディア同盟への参加する。12世紀後半にはトレヴィーゾによる攻撃・略奪を受け、ローマ教皇の調停によって聖ティツィアーノの聖遺物を取り戻した。1389年12月19日、チェネーダはヴェネツィア共和国に平和裏に組み込まれた。チェネーダ司教のこの地の領主としての権利は残ったが、1447年と1514年にその一部の共和国への譲渡が行われ、チェネーダといくつかの村の領主権を持つのみとなった。1768年、司教の領主権は完全になくなった。ヴェネト州がイタリア王国に編入されて間もない1866年11月22日、チェネーダとセッラヴァッレは合併し、ひとつの町となった。この際、自治体名は「ヴィットリオ」となった。1918年10月、ヴィットリオはイタリア軍とオーストリア・ハンガリー軍の最後の戦いの舞台となった。この地でのイタリアの勝利は、オーストリア・ハンガリー帝国との戦争の終結をもたらし、「ヴィットリオ・ヴェネト」の名を有名にした。1923年に正式に「ヴェネト」が加えられ、自治体名は「ヴィットリオ・ヴェネト」になった。なお、イタリア王国の戦勝を記念し、イタリア国内の多くの通りに「ヴィットリオ・ヴェネト」の名がつけられている。
出典:wikipedia
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