生分解性プラスチック(せいぶんかいせいプラスチック)は、プラスチックの一種である。1989年の生分解性プラスチック研究会により、「自然界において微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチックである」と定義されたが、この表現は曖昧であり、1993年のアナポリスサミットにおいて、「生分解性材料とは、微生物によって完全に消費され自然的副産物(炭酸ガス、メタン、水、バイオマスなど)のみを生じるもの」と定義された。生分解性プラスチックには、生物資源(バイオマス)由来のバイオプラスチックと、石油由来のものがある。生分解性であれば、原料が何であるかは問わない。主流はバイオプラスチックであり(ただしバイオプラスチックの全てが生分解性ではない)、でんぷんを原料とするものが多い。主な生分解性プラスチックの成分として、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉がある。石油由来ではPET共重合体がある。完全生分解性プラスチックは、微生物などによって分解し、最終的に水と二酸化炭素に完全に分解する性質を持っている。そのため、ゴミとして投棄された場合半永久的に分解されずに残る従来のプラスチックに比べ、自然環境への負担が少ない。部分生分解性プラスチックは、でんぷん、セルロース、PVAなどの生分解性材料と、通常のプラスチックとの混合物である。生分解性材料が分解された後は、目に見えないサイズの微細な通常プラスチックの粉末が残るが、これらは自然にはほとんど分解されない(プラスチックの安定性は化学的なものであり、微細な粉末であっても変わりはない)。これらが環境に与える影響は十分にテストされていない。生分解性材料には生体吸収性(自然分解性)のものと環境分解性(酵素分解性)のものがあり、前者は非酵素的に加水分解されるもの、後者は酵素的に分解されるものとされている。生分解性プラスチックは、「分解されにくい(分解に長期間かかる)」というプラスチックの特徴をあえて捨てた素材である。そのため、包装やBB弾といった、使い捨てにされることを前提としたものに適している。2010年代後半には、プラスチック製品の売り上げの約10%が生分解性プラスチックになると予想されている。部分生分解性プラスチックの残渣であるプラスチック粉末は、水系に流入した場合、海面や海中を半永久的に浮遊する。小型濾過摂食動物や動物性プランクトンがこれらを誤食し(海鳥などがプラスチック片を誤食するように)、フィルターや消化管を詰まらせるなどの被害を受ける可能性が指摘されている。ただし、通常のプラスチックも最終的には機械的破壊や紫外線により風化し同様の粉末となるため、非常に長い時間スケールで見れば通常のプラスチックにもこの問題はある(完全分解性プラスチックにはない)。
出典:wikipedia
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