『キリン』は、東本昌平による日本のバイク漫画。1987年から2010年にかけて、掲載誌を移しながら発表された。おおまかに4部構成となっており、単行本は全39巻。2010年から『キリン The Happy Ridder Speedway』と改題して、第5部に相当するエピソードが発表されていたがこれも2016年に完結している。2012年3月に「POINT OF NO RETURN!」編を原作とする実写映画『キリン POINT OF NO-RETURN!』が公開された。1987年より1990年まで、オートバイ雑誌『ミスターバイクBG』(モーターマガジン社)にて「POINT OF NO RETURN!」編を連載。 『ヤングキング』(少年画報社)に連載を移し、「The Horizontal Grays」編をスタート。1998年より同社『ヤングキング別冊キングダム』に連載を移し「RUN THE HAZARD」編を連載。2004年11月、『キングダム』の休刊に伴い、2005年より再度『ヤングキング』に舞台を移して連載を継続。「WONDER NET WANDER」編の終了に伴い、単行本第39巻をもって『キリン』としての刊行は完結。続く「The Happy Ridder Speedway」編では、『キリン The Happy Ridder Speedway』として新たに第1巻から単行本が刊行されている。バイクに乗ること、スピードの彼方への焦がれに魂を燃やし続けるバイク乗りたちの群像劇は、バイクを愛する読者に強い影響を与え、「バイク乗りのバイブル」と呼ばれるに至った。東本昌平の代表作で、本作の特徴として、緻密なオートバイや車の作画、背景など。後の作品にも見られる詩的に描かれているコマ・セリフ回しなどが挙げられる。特に「POINT OF NO RETURN!」編が全体を通してその傾向が強い。ジャンルはいわゆる「メカ物」ではなく、「バイク乗りの本質」をメインとしたものであり、これは全編に共通して言える事である(その為、登場する車種で特にこれといった一貫性はない)。ちなみに、本作で出てくる「バトル」という言葉は、端的に言うとバイク同士またはバイク対クルマでの公道上での競争つまりは「追いかけっこ」を意味している。本作のタイトルでもあり、シリーズを通じて主人公の名前としても使われる「キリン」とは、バイクを草食動物、車を肉食動物であると喩え、「キリンは子供をライオンに奪われても、奪還しようともせずただ遠くから見守るだけ」という観点から、「肉食動物にも立ち向かっていける草食動物でありたい」と願う、バイク乗りとしての存在意義に対する考えである(「RUN THE HAZARD」編では速く走る存在という意味から霊獣麒麟とのダブルミーニングにもなっている)。つまり「キリン」とはバイク乗りを意味している。そういった意味がキリンという名に込められている為か、車との競争や車とバイクを比較するシーンが多い。本作品で「キリン」というあだ名をつけられているのは、「POINT OF NO RETURN!」編の主人公と「RUN THE HAZARD」編の主人公、および「WONDER NET WANDER」の主人公・琴吹凛。あだ名は同一であるが、それぞれまったくの別の人物。「The Horizontal Grays」編にはストーリーに直接関与する形では「キリン」は登場しない(ただし、前シリーズの主人公と思われる男性が何度か登場している。)。各シリーズを便宜上、第1部 - 第4部として記述する。 副題の「POINT 0F NO-RETURN!」とは、主人公キリンの38歳という年齢を自分の人生の折り返し地点と考え、自身のこだわりに決着をつける最後のタイミング「戻れない最後の決断の時」として命名されていると思う。 7年前には、関越道にて発売直後の逆輸入車GSX1100(通称:大べコ)を駆り、200Km/h以上で走行中に、追い越し車線に出て来たメルセデスベンツ500SELに追突(ベンツは180km/hで走っていてキリンのバイクに追突された)。高速の中央分離帯に投げ出され生死の境を彷徨う重大な事故を起こし、妻と離婚(事故は「デカ尻女」ことポルシェとのバトル中だったんじゃないかとチョースケが語る)。それから数年経ち、事故での長期入院による失業後、役員待遇で雇ってもらった広告代理店の仕事をこなし、平穏な毎日に何処か不満を感じながら暮らしていた(この頃カタナを逆輸入で購入?)。バイアスタイヤ指定の純正ホイールに、あえてチューブレス・タイヤを履くのがこだわり。 ある夜、東名高速上でポルシェとバトルになり最後には先行するが、実際はポルシェが料金所手前でスピードダウンしたからで、キリンは料金所を見落とし料金所の車列に追突する事態をフルブレーキングで回避するが、このバトルには負けたと感じる。 仕事上で知り合ったマルタケ不動産社員の橋本が乗って来た「デカ尻女」ことポルシェ911に出会い、自分の中に眠っていた闘争心とこだわりに気付く。そしてキリンはこだわりの清算をする為に、所有していたゴールドのR100RSを手放し、前に乗っていた「カタナ」を買い戻す。この時は、集合マフラー(ヨシムラ?製)、フロントウンカーをカウル埋め込み、フレーム補強といったライトチューンが施されていた。白もしくはシルバーの皮ツナギ(メーカー不明・KUSHITANI製?)ニースライダー無し。Araiの白のフルフェイスヘルメットがスタイル。 キリンは友人でもあるLASTLAP店長に「これで最後だ」と約束し、フルノーマルに戻したカタナで橋本のポルシェに挑む。東京 - 浜松間での非合法公道レース。その公道バトルに、モヒとチョウスケがそれぞれの思惑から乱入してくる。東名高速に入って早々にクラッチワイヤーが切れるアクシデントに見舞われ、目の前で殺人行為に近い出来事も起こるが走り続ける。由比に差し掛かったところで、突然ギヤ抜けを起こしトラクションの無くなったカタナが操作不能となり、側壁を飛び越えてバイクごと海に落ちるも足首の骨折のみで生還した。 1部では、早朝の都内でバトルするキリンのカタナと橋本のポルシェに気づき「おもしろそうじゃねえの」という気分でこの公道バトルに参加する。自慢の愛車で2台を追い、一時は先頭に立つが、最終的にマシンのエンジンブローで脱落、直後に先行するキリンのカタナが事故るのを目撃する。 後に、若いマサキに対して自らの体験を語る・キリンの思いを語り継ぐキャラクターとなる。「バーンストーム・トゥルップス」のメンバー。キリンに憧れながら、自身のバイク乗りとしてのポリシーを作り上げてゆく。サイコとユーノスロードスターでスキー旅行へ行く描写もあるが、作中では、仕事をしている描写が一切ないので、大学生か、無職でも家が金持ちのボンボンと推測。作中では、「こっち側」とは現在バイクに乗っている者、「向こう側」とはバイクに乗っていない者を指す。過去にバイクに乗っていたが、何らかの事情でバイクから降りた、「向こう側へ行ってしまった人」に対しては特に冷たい対応をするバイク乗りも少なからず存在する。 特に高速のSAなどやコンビニの駐車場でバイクについて話しかけられても無視か、好戦的な暴言を吐くなどといった具合に、一般人からすると想定外の対応をされることも。特に「昔は○○(車名)に乗っていた」「何キロ出るんだい」とかの話しを相手が始めるのはタブー。ただ、最終的には同じバイク好きの仲間として、大人の対応をするバイク乗りも居るので、結局はバイク乗り個々の人格やプライドによりけりかと。バイクを降りる理由としては、怪我や病気で乗れなくなった場合を除き、バイクへの興味が無くなったか、結婚などによる家庭の事情をあげる者が多い。しかし、バイクは自分の意思で乗ったり降りたりするものであり、そこに他者の意見に影響される事ではないという「こっち側」の最極端にいる人間からすれば、後者は特に受け入れがたいものであるようだ。ミスターバイクBG誌にてパロディ版が企画された。「POINT OF NO RETURN!」編(1 - 4巻)の実写映画2012年3月3日池袋シネマ・ロサを封切りに全国順次ロードショー
出典:wikipedia
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