『宇宙戦艦ヤマトIII』(うちゅうせんかんヤマトスリー)は讀賣テレビ放送・日本テレビ系列で1980年10月11日 - 1981年4月4日、土曜日の午後7時 - 7時30分、全25話で放送されたテレビアニメーション。「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」のテレビアニメ版としては第3作にあたる。西崎義展が前作『宇宙空母ブルーノア』の次に製作した、西崎作品としての『宇宙戦艦ヤマト』シリーズとしては最後のテレビアニメ。全52話で放送予定されていたが、視聴率が15.4%程度と低迷したため、放送期間が半年2クールに短縮される。本編の放送開始前に制作・放映された2時間スペシャルの事前番組でも、出演した西崎が今作は1年(52話)に渡り展開する旨の内容を話していた太陽異常により太陽系破滅の危機が訪れ、移住可能惑星惑星の探査に旅立ったヤマトが、星間戦争に巻き込まれながらも任務を遂行していくというのが本作のストーリー基軸である。「太陽に核融合異常増進が起こり、このままだと1年以内に地球は灼熱地獄となって人類が滅亡」というあらすじは、高校生のファングループの投稿が元になっている。ただし、地球壊滅に際し第二の地球を探すというプロット自体は「さらば」の企画時点に既に存在している。また、この設定は第1作で用いられた、「イスカンダルへの1年というタイムリミットを切られてのカウントダウン」の緊迫感を再度活用したものであり、シリーズ内オマージュでもある。ボラー連邦とガルマン・ガミラス、そして地球の関係は当時の冷戦構造が基になっていると推測される。当初はガルマン・ガミラス、ボラーに次ぐ第三勢力として「ゼニー合衆国」(国家元首はゴーマン大統領)の登場が予定されたが、放送期間の短縮のため、結局見送られている。シリーズの設定における本作の年代は、劇中では「23世紀初頭」とナレーションで説明されるのみで、年数は明示されていない。放送当時には西暦2205年と設定されていたが、『完結編』は西暦2203年と設定される(詳細は宇宙戦艦ヤマト 完結編#時代設定を参照)。この変更により『宇宙戦艦ヤマトIII』は資料により西暦2202年や2205年など複数の記述が存在することになる。なお前作『ヤマトよ永遠に』は2202年である。タイトルは『宇宙戦艦ヤマト3』との表記も見られるが、ローマ数字での表記が正式である。なお、テレビシリーズ2作目は、『宇宙戦艦ヤマト2』が正式表記であり、元々のタイトルの表記方法が異なっている。ただし、パチンコ版の表記はアラビア数字での『宇宙戦艦ヤマト3』である。最終話のラストシーンでは西崎のメッセージが表示され、1982年夏に本作の続編でもある『宇宙戦艦ヤマト 完結編』を公開予定だったが、制作作業の遅れの影響で1983年3月に延期されることになった。なお、松本零士は、本作終了後のインタビューで「私は、ヤマトという作品に大変愛着を感じているので、この辺でそっと自分の胸の中にしまっておきたいというのが本心」「でも、もし次を作る事になるなら、私の自由にやらせてくれるということでなければ、参加したくない」「そうでなければヤマトは、私の作品ではなくなってしまうと思うから」と述べており、後年の、宇宙戦艦ヤマト裁判の火種はこの時点で既に覗える。23世紀初頭、星間国家ボラー連邦と新興帝国ガルマン帝国との間で、銀河の覇権を争う銀河系大戦が勃発。ボラー連邦の属領バース星をめぐる戦闘で、ガルマン帝国軍の使用した惑星破壊プロトンミサイルが流れ弾となり太陽に命中する。地球連邦大学のサイモン教授は、太陽で起きている核融合の異常増進に気づく。このまま進行すれば、1年以内に地球は灼熱地獄となり人類は滅亡し、3年後には、超新星爆発を起こして太陽系自体が消滅する。観測データと導きだされた結論を地球の危機として警告を発するが、地球連邦政府は事態の深刻さを理解するどころか、サイモン教授を大学から解雇する。ただ、地球防衛軍司令長官藤堂平九郎は、サイモン教授の警告を重く受け止めていた。最悪の事態に備え、ヤマトを第2の地球探しの特務艦として、銀河系中心方向に派遣することを決定。長く艦長代理を務めてきた古代進を正式に新艦長として任命し、さらに補佐役として島大介及び真田志郎を副長に任命。また、土門竜介、揚羽武ら新人乗組員を乗船させ出航準備を進めさせる。暁の日本アルプスの雪原から、ヤマトは人類が移住可能な惑星探索に旅立つ。地球を発進したヤマトは、海王星付近において満身創痍で敗走してきたバース艦隊旗艦ラジェンドラ号と遭遇。援助を求めるラジェンドラ号に対し、地球側は中立の姿勢を保ちつつも、人道的支援として艦体の補修と武器弾薬以外の補給を行う。しかし、追撃してきたガルマン帝国のダゴン艦隊が現れ、地球の領空を侵犯してラジェンドラ号とヤマトへ攻撃を開始。ヤマトは応戦してこれを退けたが、星間戦争に巻き込まれることとなってしまう。惑星探査を続けるヤマトはダゴンによる執拗な攻撃を受けることになるが、3度目の戦闘でダゴンを葬り去ることに成功する。その後、ヤマトはとある惑星へと調査のため接近する。その星こそがラジェンドラ号が所属していたバース星だった。ラジェンドラ号の一件から歓迎されたヤマト乗組員は、そこでボラー連邦と、かつて銀河系を支配したシャルバートと呼ばれる国を崇め奉るシャルバート教の存在を知る。そして、収容所から脱走したシャルバート信者の囚人によるヤマト占拠事件が起きる。どうにかこれを制圧するが、囚人たちの処遇についてボラー連邦首相ベムラーゼと意見が対立し、敵と見做されてしまう。ボラーという新たな脅威を生みながらも惑星探査を続けるヤマトだったが、ガルマン帝国の次元潜航艇の部隊から奇襲を受ける。艦長である古代が負傷し、敵の巧みな戦術に翻弄されるヤマトは、敵要塞に拿捕されてしまう。進退窮まるヤマトだったが、しばらくして通信を受ける。スクリーンに映ったのはかつてのガミラスの総統デスラーだった。ガルマン帝国の正体はデスラーが再興したガルマン・ガミラス帝国だったのである。お詫びとしてガルマン・ガミラス本星に招かれたヤマトから、地球の状況を教えられたデスラーは、償いとして協力を申し出て、やがて地球に酷似した惑星ファンタムの存在を発見したことを知らせる。ファンタムに向かったヤマトは、そこが第二の地球になり得る星であることを確認し歓喜する。しかし、地上探査に降り立った乗組員は、死んだ家族や地球の都市などの幻を見る。この惑星は、それ自体が1つの生命体であり、人の記憶を元に幻を見せていた。ファンタムのコスモ生命体から、シャルバートの王女とされる女性ルダを託されたヤマトは、ファンタムに別れを告げ再び旅立とうとするが、ファンタムの正体を知りプライドを傷つけられたデスラーは、艦隊を派遣してファンタムを破壊。ヤマトとデスラーの間に少なからぬ軋轢が生まれる。そして、ルダのことを知ったデスラーとボラー連邦は、ルダを確保すべくヤマトへと艦隊を派遣する。ルダ王女を乗せ、惑星探査を継続したヤマトだったが、最後まで移住可能惑星を発見することはできず、移住への望みは絶たれた。その時、ルダ王女がヤマトをシャルバートへ招待すると言い出す。ルダ王女の導きで異次元空間にあるシャルバート星へと辿り着いたヤマトだったが、そこにあったはかつて銀河系を支配したとは信じられないほどの未発達の文明だった。そしてヤマトを追ってきたデスラー艦隊、そしてボラー艦隊が現れる。ボラーの勢力を撃退した後、古代達はルダに王家の墓所へ案内される。その地下にあったのは、現代文明をはるかに凌ぐテクノロジーの塊とも言える兵器群だった。かつてシャルバートは、武力のみでは真の平和は訪れないと悟り、全ての兵器を封印して、異次元へと姿を消したのだった。そしてヤマトは、シャルバートから太陽制御を可能とするハイドロコスモジェン砲を譲り受ける。その後、古代からシャルバートの真実を教えられたデスラーは、丸腰の相手を攻撃する気はないとして去っていった。ハイドロコスモジェン砲を手に入れたヤマトは、太陽系へと帰還し、太陽を制御しようとするが、直前にベムラーゼ率いるボラー艦隊に襲撃される。敵機動要塞の超兵器により窮地に陥るヤマトだったが、デスラー艦隊が現れボラー艦隊へと攻撃を開始する。デスラーはボラーの撃滅こそが自身の宿願と述べ、ヤマトに太陽制御に集中するよう指示する。激戦の末、デスラーはベムラーゼもろとも敵要塞を撃破。ヤマトはハイドロコスモジェン砲で太陽の核融合異常増進を停止させる。全てが終わった後、ヤマト乗組員たちは戦いを起こさないための本当の戦いはこれからであることを改めて認識し、デスラーもそれに同意しつつ去って行った。地球人類滅亡まで約30日を残し、蘇った太陽を背に、ヤマトは地球へと帰還した。第二の地球探しという長期の航海であることから、艦内生活や人間模様を描くために、土門竜介、揚羽武、坂巻浪夫、仁科春夫、雷電五郎、板東平次、赤城大六、幕之内勉、平田一、京塚ミヤコ以下の看護士・看護婦や、多数のロボットやアンドロイドなど、各部門に新しいキャラクターが多数加えられた。しかし、土門、揚羽以外のほとんどの人物は、名前と台詞こそあったものの、早々に退場するか、その他大勢程度の活躍のままで終わる。テレビ版第1・2作と同じく、「宇宙戦艦ヤマト」がオープニングテーマだが、後期レコードバージョンの前半部分と、第一作TVシリーズで使用したオープニングの後半部分とを編集で繋げて1コーラスにしている。この2曲はテンポが微妙に異なるため、繋いだ部分("銀河を離れイスカンダルへ~")からテンポアップして聴こえる。後半部の音源が元々モノラルだったため、全体としてもモノラルでダビングされている。一方、エンディングテーマは3曲ある。「銀河伝説」は、もともと劇場版『ヤマトよ永遠に』のために作られた歌で、オリジナルの岩崎宏美歌唱版が本作でも使用された。初出音盤は「ヤマトよ永遠に」と題されたシングル・レコード(SV-7030、1980年8月にビクターより発売)。「別離」と「ヤマトよ永遠に」の詞は、『ヤマトよ永遠に』の劇場公開記念に一般公募されたものから選ばれた。この2曲の初出音盤は「宇宙戦艦ヤマトIII」と題されたシングル・レコード(CK-571、1980年12月に日本コロムビアより発売)。なお、1980年12月には『宇宙戦艦ヤマト 主題歌・ヒット曲集』というLPレコード(CQ-7058)も日本コロムビアから発売されているが、それには「銀河伝説」の堀江美都子カヴァー版は収録されたものの、「別離」と「ヤマトよ永遠に」は収録されなかった。※放送日時は1981年3月下旬 - 4月終了時点(石川テレビについては本放送終了後に放映された日時)、放送系列は放送当時のものとする。1983年12月28日には、読売テレビ系『水曜ロードショー』枠でTVスペシャルとしてオリジナル総集編『宇宙戦艦ヤマトIII 太陽系の破滅』が放送された。ダゴンとの戦闘やフラウスキーの太陽制御作戦、スカラゲック海峡星団の戦闘などのエピソードはカットされ、主に次元潜航艇との戦闘からのガルマン・ガミラス訪問や惑星ファンタム、シャルバートのエピソードが主流となっている。また、ヤマトがバース星に立ち寄るエピソードもカットされているため、ヤマトとボラー連邦の関わりは全くと言っていい程なくなっており、終盤でようやく直接戦闘することになっている。『宇宙戦艦ヤマトII ヤマトよ永遠なれ!』とは異なり、セリフやBGMなどの音声の差し替え等はなく、TV放送版の映像をそのまま継ぎ接ぎしたような内容になっている。本作から新しい技術として、アルゴンレーザーを用いた透過光が使われている。気体の特性から透過光マスクから回折、散光するので光の粗密部分が生じ、立体感のある光学合成となっている。これは通常の透過光よりさらに非常な手間と費用がかさむ演出で、次作『宇宙戦艦ヤマト 完結編』以降はヤマト以外のアニメ作品を含めてもほとんど使われていない手法である。デジタルアニメにおいては同様の効果を持つエフェクトも存在していないのが現状である。本作のヤマトは、前作劇場版『ヤマトよ永遠に』から引き続き、艦首と艦体後部に錨マーク、主砲に参戦章が付いたデザインとなる(次作『完結編』では錨マークが消える)。本作では宮川泰の実子である宮川彬良がBGMの一部を担当している。「第18機甲師団」と「バーナード星の戦闘 」がそれである。「第18機甲師団」はタイトルにあった18が自分のラッキーナンバーだったことで気分が高揚し、敵側の音楽とは気付かずに書いてしまい、ヒロイックな曲調になっている。
出典:wikipedia
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